ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 vol.48
(8860:東証1部) フジ住宅 |
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企業名 |
フジ住宅株式会社 |
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社長 |
宮脇 宣綱 |
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所在地 |
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年3月 | 99,359 | 5,969 | 5,721 | 3,945 |
2016年3月 | 90,726 | 5,441 | 5,298 | 3,430 |
2015年3月 | 79,594 | 4,361 | 4,322 | 2,756 |
2014年3月 | 86,363 | 5,806 | 5,660 | 3,261 |
2013年3月 | 66,047 | 3,809 | 3,761 | 2,268 |
2012年3月 | 71,594 | 4,928 | 4,903 | 2,767 |
2011年3月 | 59,796 | 3,648 | 3,680 | 2,027 |
2010年3月 | 48,614 | 2,137 | 2,118 | 1,237 |
2009年3月 | 45,300 | 2,584 | 2,388 | 1,361 |
2008年3月 | 48,793 | 2,723 | 2,413 | 2,097 |
2007年3月 | 52,221 | 4,233 | 4,090 | 911 |
2006年3月 | 41,333 | 3,229 | 3,196 | 1,312 |
2005年3月 | 43,954 | 3,208 | 2,799 | 1,661 |
2004年3月 | 34,387 | 2,034 | 1,891 | 684 |
2003年3月 | 32,905 | 1,198 | 1,028 | 545 |
株式情報(9/1現在データ) |
※ROE、BPSは29年3月期実績、EPSは30年3月期予想 |
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今回のポイント |
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会社概要 |
販売代理や戸建住宅から派生した各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完する(相乗効果)、単なる住宅の分譲会社ではなく地域や時代の住宅に関するあらゆるニーズに対応できる機能を備えていることが「住まいのトータルクリエイター」である同社の特長だ。地域密着型経営の特長を活かし、顧客に顔を向けた「売りっ放し」、「建てっ放し」のない顧客満足度の高い住宅づくりを目指している。 (1)事業内容
分譲住宅事業(17/3期売上構成比33.4%)
戸建とマンションの分譲を展開。特徴は50~200戸規模の新築戸建住宅の「街づくり」と、顧客自身が住まいづくりに参加する 「自由設計」。自由設計住宅では間取りや設備仕様に対する様々なニーズに対応。また、新築分譲マンション販売事業も分譲住宅セグメントに含まれている。マンション分譲は地価上昇とその後の供給過剰・需要低下に伴う事業リスクの高まりを予見し05年春に事業を停止したが、リーマン・ショック後の地価の下落と分譲マンション市場の需給改善を踏まえて12年2月に再開。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンション販売を特徴とする。
住宅流通事業(同 33.0%)
中古住宅再生事業『快造くん』と新築戸建住宅(建売住宅)の販売を展開。中古住宅再生事業『快造くん』は、中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業。地域密着型経営やリフォームのマニュアル化による独自のノウハウに強みを持つ。一方、小規模の新築戸建住宅(建売住宅)の販売は、自由設計住宅や大規模プロジェクトではカバーできない顧客ニーズに対応してきたが、今後供給を終了し、自由設計住宅へ切り替える予定。
土地有効活用事業(同 19.1%)
賃貸住宅等の建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸アパートを展開。建築請負では、賃貸管理のノウハウを生かした提案型の賃貸住宅の建築請負を実施。また、個人投資家向け一棟売賃貸アパートは、同社で土地を仕入れ、 賃貸アパート等を建築し販売する。コスト競争力のある木造アパート「フジパレス」シリーズに08年11月サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」が加わり、より独自性が強まった。個人投資家向け一棟売賃貸アパートでは、1棟当たり1億円前後の賃貸アパートが中心。資金運用手段として根強い需要がある。
賃貸及び管理事業(同 14.0%)
100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が、賃貸アパートの建物管理や入居者募集、賃料回収等の管理業務及び分譲マンションの管理組合からの運営受託を展開。安定収益源となるばかりでなく、良質の賃貸・管理サービスは、賃貸住宅の建築請負や個人投資家向け一棟売賃貸アパートの他、分譲マンションの販売等との相乗効果も高い事業。
注文住宅事業(同 0.5%)
戸建住宅の実績で培ったノウハウを生かし、土地を保有する顧客に対して戸建住宅の新築や、建替えを請負うといった事業を展開。会社の第5の柱として展開中。
(2)同社の強み
住まいのトータルクリエイターとして幅広い事業に強みを有していること
土地の仕入れ・許認可の取得・設計・建築・販売の一貫体勢を備えた戸建住宅事業で築き上げたノウハウを基盤に、中古住宅販売、土地有効活用、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、賃貸及び管理の幅広い事業を、相乗効果を図りながら展開。地域密着型経営の特長を活かしながら住まいに関する幅広い事業の相乗効果を発揮し、より高い顧客満足を実現する不動産・サービスの提供を実施。
ノウハウを活かした中古住宅再生事業が展開できること
創業当初の住宅の代理販売事業とリフォーム事業のノウハウの融合から生まれたのが、中古住宅再生事業『快造くん』。中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業となっている。 地域密着型経営による情報収集はもちろん、リフォームのマニュアル化による“売れる中古住宅づくり”が強み。また、中古住宅の仕入にあたっては、相続登記が未了の場合でも、司法書士と連携して買取りを行う『フジホームバンク』を開設。相続登記にかかる費用も、売却代金から支払いできるなど顧客の利便性も高い。
収益力を高める土地活用の提案力を有すること
同社は、単なる土地活用の事業提案だけではなく、市場調査・企画・設計・建築・賃貸管理はもちろんのこと、総合不動産業(ディベロッパー)として、その力を最大限に発揮している。土地の購入や売却、アパート・マンションの建替え、法務・税務に関することなど、顧客からの様々な相談に専門的な見地から的確に対応している。賃貸住宅経営については、多くの土地情報の中から適した土地を厳選し、専任のマーケティングスタッフによる綿密な市場調査をもとに、長期安定経営が可能なプランニングを実施。また、中古収益物件についても、好立地で優良な物件のみを仕入れて商品化。更に、オーナーの「安心・安全・安定」した賃貸経営を万全にサポートする一括借上システムも提案している。
ポートフォリオ効果
不動産業界は景気や金利の変動といった外部要因に大きな影響を受ける。そこで、フジ住宅では多様な商品・サービスを提供することにより、収益の安定化を図れる事業ポートフォリオを目指してきた。過去5年の売上構成比を比較してみると、以前は分譲住宅が4割超を占めていたが、現在では分譲住宅、住宅流通、土地有効活用及び賃貸管理と3つの事業がほぼ3割超となり、バランスのとれた事業ポートフォリオを実現している。 |
中期利益計画(16/3期~19/3期) |
中期利益計画の前提
16/3期の進捗
16/3期の実績は、売上、利益ともに中期業績目標を大幅に上回る好調なスタートを切った。当初、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの好調な受注により土地有効活用事業の売上高が大幅に増加することに加え、自由設計住宅や賃貸及び管理事業の売上が拡大することを計画していた。これらの事業が会社計画以上の成果をあげることができたことに加え、中古住宅の販売も会社計画を大幅に上回った。
17/3期の進捗
17/3期の実績は、売上、利益ともに中期業績目標を大幅に上回った。当初、16/3期に販売及び引渡しが本格化した良質でかつ大型の分譲住宅用地の増加や、エリア拡大による中古住宅の販売戸数の増加や、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しによるサブリースの戸数の増加による賃貸及び管理事業の増加を計画していた。これらの事業が会社計画以上の成果をあげることができたことに加え、中古住宅の販売価格上昇も寄与した。
18/3期 計画
当初、分譲住宅は、分譲戸建住宅において大阪府下、阪神間の大型プロジェクトが引渡し時期を迎えるほか、供給を抑制していた分譲マンションもJR和歌山駅前の一等地での再開を、また、賃貸及び管理事業も、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しを反映して、着実に売上・利益が増加すると計画していた。JR和歌山駅前の分譲マンションは、1年前倒しで16年7月より販売開始となった。なお、18/3期の会社計画は、売上高103,000百万円、経常利益6,000百万円、当期純利益、4,150百万円といずれも中期利益計画を上回り、1年前倒しで中期計画を達する前提。
19/3期 計画
分譲住宅は、18/3期に再開した一等地の分譲マンションの引渡しが開始され、売上高に計上。中古住宅も兵庫県及び奈良県など営業エリアの広域化が定着し、売上高が増加する見込み。また、賃貸及び管理事業も、中古住宅アセット事業の収益物件の拡大や個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しによる管理物件・サブリース物件の取扱増加により売上が拡大。分譲マンションの引渡しが1年前倒しとなり計画が今後変更となるものと予想される。
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2018年3月期第1四半期決算 |
前年同期比18.4%の増収、同21.9%の経常増益
売上高は前年同期比18.4%増の272億14百万円。売上面では、自由設計住宅の販売金額が増加した分譲住宅セグメントや中古住宅の販売金額が増加した住宅流通セグメントや個人投資家向け一棟売賃貸アパートなどの引渡が増加した土地有効活用セグメントなど、注文住宅セグメント以外の全てのセグメントで増加した。また、販売状況を示す受注契約高は分譲マンションや個人投資家向け一棟売賃貸アパートなどの受注の減少が影響し同9.0%減少。売上高の先行指標となる17年6月末の受注契約残高も前年同期末比0.2%減少した。経常利益は前年同期比21.9%増の17億26百万円。セグメント利益は、中古住宅の良質な物件への入替えを目的に一部の低採算物件を積極的に処分したことと利益率の高い新築建売住宅の減少により住宅流通セグメントで減少したものの、自由設計住宅の引渡戸数が増加した分譲住宅セグメントや、個人投資家向け一棟売り販売が増加した土地有効活用セグメントなどで増加した。収益性の高い新築建売住宅などの売上の減少が影響したものの、賃貸及び管理の増加などにより、売上総利益率は前年同期比0.1ポイント低下。一方、先行投資による広告宣伝費の増加などがあったものの売上高対販管費比率が0.6ポイントの低下したことから売上高対営業利益率は0.5ポイント上昇し6.7%となった。これにより、営業利益は18億20百万円と同28.4%増加した。また、営業外費用で改装付中古住宅販売事業における仕入れ資金を目的とするコミットメント型シンジケートローン契約に伴うコミットメントフィー18百万円(前年同期はゼロ)が発生したことから経常利益の増益率は営業利益の増益率を下回った。その他、特別損失で固定資産売却損9百万円(前年同期はゼロ)が発生した。 住宅流通セグメントの売上高は前年同期比11.4%増の83億円、セグメント利益は同39.2%減の1億95百万円。売上の増加は、中古住宅の販売額が増加したことが寄与した。一方、利益は、中古住宅の良質な物件への入替えを目的に一部の低採算物件を積極的に処分したことと利益率の高い新築建売住宅の減少が影響した。中古住宅の受注契約戸数は365戸(前年同期は342戸)と増加、住宅流通セグメントの受注契約高も81億66百万円と同11.3%増加した。受注契約残高は建売住宅の減少が影響し、35億76百万円と同16.4%減少した。 土地有効活用セグメントの売上高は前年同期比54.0%増の57億84百万円、セグメント利益は同129.9%増の8億95百万円。個人投資家向け一棟売賃貸アパートの豊富な受注残を反映して売上及び利益が増加した。賃貸住宅等建築請負の受注は増加したものの個人投資家向け一棟売賃貸アパート受注が減少し、受注契約高は50億49百万円と同14.9%減少した。受注契約残高も、賃貸住宅等建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸アパートともに減少し、152億76百万円と同14.1%減少した。 上記の他、賃貸及び管理事業セグメントの売上高は前年同期比14.6%増の37億64百万円、セグメント利益は同39.1%増の3億14百万円。土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び分譲マンション引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したことや中古住宅アセット事業による中古賃貸物件の増加が寄与した。また、注文住宅セグメントの売上高は前年同期比82.5%減の20百万円、セグメント損失8百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となった。 |
2018年3月期業績予想 |
前期比3.7%の増収、同4.9%の経常増益予想
18/3期の会社予想は、売上高が前期比3.7%増の1,030億円、経常利益が同4.9%増の60億円の期初予想から修正なし。売上面では、建売住宅の供給を終了する影響により住宅流通セグメントで減少するものの、分譲マンションが増加する分譲住宅セグメントと個人投資家向け一棟売賃貸アパートが増加する土地有効活用セグメントで増加する他、ストックビジネスの積み上がりにより賃貸及び管理セグメントも安定的に拡大する見込み。また、中古住宅は、仕入価格の上昇により買取りの苦戦を想定し微増の計画となっている。 利益面では、増収効果があるものの収益性の高い賃貸住宅等建築請負の減少や建売住宅の供給中止の影響やテレビCM投入及び採用コストの上昇等の先行投資負担の拡大を考慮している。売上高営業利益率は、6.1%と前期比0.1%上昇の前提。また、下期に大型分譲マンション等の引渡しが集中するため、上期の連結業績見通しは、前年同期を下回る計画となっている。 配当も前期から1円増配の1株当たり年27円の予想(上期末14円、期末13円)を据え置き。 住宅流通セグメントは、中古住宅の販売戸数1,562戸(前期は1,516戸)を予定。 土地有効活用セグメントは、一棟売り112棟(前期は104棟)、建築請負44棟(前期は51棟)を予定。 ※建売住宅は、今後供給を終了し、自由設計に切り替えていく方針。 (2)主なトピックス
同社グループでは、「サ高住」について、平成20年の土地活用方式による物件の供給開始以来、実績として100棟を超える棟数が稼働し、「サ高住」の全国供給棟数ランキングにおいて第2位となった。また平成27年9月8日付で同社グループとして、3年間で15棟の「サ高住」を展開することを公表し、自社所有形態で大阪市内から南大阪地域を中心に現在、13棟の物件用地取得が完了し、ほぼ計画の目処も立った模様。今後は、大阪府下北摂方面及び阪神間を中心として、来る5年間において、土地活用請負形態で50棟、自社所有形態で50棟、合計100棟のサ高住事業を拡大展開する計画。5年後「サ高住」事業の売上高は55億円、営業利益は20億円を目標に、より一層のストック型ビジネスによる収益基盤の強化及び長期的安定経営を目指す方針。
サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」という)の今後の業容拡大 大阪市内に屋外広告2所同時掲出
同社は、平成29年7月初旬より、大阪を代表するミナミ(道頓堀)とキタ(御堂筋)の2箇所への屋外広告の掲出を開始した。
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年6月29日。
<その他>
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方において、「株主の投資価値を高めるため、社長自らが、経営理念、事業目的、行動規範を明示し、「能力」と「熱意」と「考え方」の優れた企業貢献意欲の高い役職員が一致団結して同じ方向を向いて活動することが、業績向上のために必要不可欠な要素と考えております。」と述べている。
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