ブリッジレポート:(4319)TAC vol.26
(4319:東証1部) TAC |
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企業名 |
TAC株式会社 |
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社長 |
斎藤 博明 |
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所在地 |
東京都千代田区三崎町3-2-18 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年3月 | 20,440 | 713 | 692 | 490 |
2016年3月 | 20,007 | 605 | 635 | 213 |
2015年3月 | 19,537 | 140 | 404 | 208 |
2014年3月 | 20,526 | 1,034 | 1,299 | 816 |
2013年3月 | 20,999 | 136 | 377 | 977 |
2012年3月 | 22,578 | -606 | -530 | -799 |
2011年3月 | 24,575 | 465 | 283 | -244 |
2010年3月 | 23,991 | 623 | 442 | 40 |
2009年3月 | 21,092 | 1,330 | 1,352 | 669 |
2008年3月 | 20,741 | 1,069 | 1,230 | 443 |
2007年3月 | 20,553 | 1,173 | 1,333 | 742 |
2006年3月 | 19,828 | 421 | 631 | 249 |
2005年3月 | 19,669 | 459 | 558 | 81 |
2004年3月 | 19,542 | 988 | 943 | 470 |
株式情報(8/17現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【沿革】
1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士試験講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。2014年6月には医療事務分野への進出を狙いM&Aを実施。
【強み】
同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み高い生産性を実現していることも強みとなっている)。
(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応 (2)積極的な講座開発と充実したラインナップ
同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。
(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性
サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。
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2018年3月期第1四半期決算概要 |
売上高について
各講座の受講者は受講申込時に受講料全額を払い込む必要があり(同社では、前受金調整前売上高、あるいは現金ベース売上高と呼ぶ)、同社はこれをいったん「前受金」として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月毎に売上に振り替えられる(同社では、前受金調整後売上高、あるいは発生ベース売上高と呼ぶ)。損益計算書に計上される売上高は、「発生ベース売上高(前受金調整後売上高)」だが、その決算期間のサービスや商品の販売状況は現金ベース売上高(前受金調整前売上高)に反映され(現金収入を伴うためキャッシュ・フローの面では大きく異なるが、受注産業における受注高に似ている)、その後の売上高の先行指標となる。このため、同社では経営指標として現金ベース売上高(前受金調整前売上高)を重視している。
季節的特徴について
同社が扱う主な資格講座の本試験は、第2四半期(7月~9月)及び第3四半期(10月~12月)に集中しており、特に公認会計士・税理士講座等の主力講座においては、第2・第3四半期は試験が終了した直後で、翌年受験のための新規申し込みの時期となり、一方、第4四半期(1月~3月)及び第1四半期(4月~6月)は全コースが出揃う時期にあたる。第2・第3四半期は、現金売上及び売掛金売上は多いものの受講期間に応じて前受金に振り替えられる一方、経費は毎月一定額計上されるため売上総利益率は減少する傾向がある。これに対して第4・第1四半期はこれらの前受金が各月に売上高に振り替えられる期になるため売上総利益率は増加する傾向がある。 増収減益
現金ベース売上高は前年同期比4.8%増の51億63百万円。発生ベース売上高は同0.1%増の57億28百万円。セグメント別では個人教育事業、人材事業が、分野別では財務・会計分野、金融・不動産分野が好調だった。営業利益は同5.2%減の7億16百万円。売上総利益は棚卸資産の廃棄に備えた引当金の繰入額が減少し増加したが、営業・販促活動の拡充に向けた人件費、広告宣伝費等が増加し吸収できなかった。 四半期純利益は前年同期にあった受取和解金1億20百万円がなくなったため、同16.8%減の4億63百万円となった。 【出版事業】
減収・減益(TAC出版)
宅建士、マンション管理士、行政書士、が好調
簿記、公務員は減収
前年同期は旅行本「おとな旅プレミアム」の刊行により売上の底上げがあった(W出版)
前年同期並み
【人材事業】
増収・増益
監査法人をはじめとする会計業界の人材ニーズが旺盛で、人材紹介、人材派遣、広告全てが増収。
医療系人材サービスでは、求人は前年同期を上回るものの、求職者の新規登録者数は前年同期並みで推移しており、求職者数の更なる確保が必要となっている。
同社が取り扱う各種資格試験の2016年の本試験申込者は2,609千人と、前年の2,513千人を約9万6千人上回り、2年連続の増加となった。主な内訳は、簿記検定が2年連続増加で3.8万人増、FP3.3万人増、情報処理関連4.5万人増。 会計士は6年ぶりに受験者数が増加した一方、税理士は長期低落が続いている。 (財務・会計分野) 公認会計士の平成29年度短答式試験(第1回:昨年12月、第2回:今年5月)の出願者数がいずれの回も昨年度を上回っており。同社の公認会計士講座への申し込み状況も初学者を中心に好調に推移している。 日商簿記検定試験は平成28年6月の試験から順次行われている試験区分の改訂によりやや難化したことを受けて、簿記検定講座への需要が高まっている。特に、簿記のベースとなる3級をしっかり学んでからステップを踏んで着実に2級合格を目指す商品は好評。一方、TAC出版が刊行している「すっきりわかる日商簿記」「みんなが欲しかった簿記の教科書」などの受験対策書籍は前年同期と比べ減収となった。 (金融・不動産分野) 不動産鑑定士講座、宅建士講座、建築士講座、証券アナリスト講座等が引き続き好調。 (法律分野) 前受金調整の影響で発生ベースでの売上は前年同期比マイナスとなったが、行政書士講座や司法書士講座などが好調で現金ベースでの売上は増収だった。 (情報・国際分野) 情報処理講座において、本年度春季試験より新たな国家資格「情報処理安全確保支援士」として試験(旧情報セキュリティ スペシャリスト試験)が開始されることに伴い前年同期には駆け込み申込み需要があったため、前年同期比減収となった。 また今年4月より試験制度が変更された米国公認会計士講座等も低調。 (公務員・労務分野) 前受金調整の影響で発生ベースでの売上は前年同期比マイナスとなったが、足許の状況としては、サービスの一層の充実や販促等により公務員を志望する受講生を着実に集客することができており、現金ベースでの売上は増収となった。 (その他分野) 子会社のTACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材を中心とした人材事業が、会計業界の全体的な人材不足を背景に好調に推移しているほか、新たに刊行した翻訳本も貢献。 <増加> 簿記検定講座(同3.2%増)、公認会計士講座(同10.9%増)、宅地建物取引士(同2.7%増)、建築士(同70.9%増)、FP講座(同9.3%増) <減少> 司法書士講座(同12.0%減)、USCPA講座(同15.4%減) 法人受講者は、大学内セミナーが同5.6%増、通信型研修が同2.3%増、提携校が同8.7%減、委託訓練は前年並み。 長短借入金の減少等で、負債合計は同7億3百万円減少の164億7百万円となった。純資産は利益剰余金の増加等で同4億15百万円増加の53億74百万円。 この結果、自己資本比率は前期末より2.2%上昇し24.7%となった。 |
2018年3月期業績予想 |
業績予想に変更なし。増収増益を予想。
業績予想に変更は無い。現金ベース売上高は前期比3億62百万円増、1.8%増の209億90百万円を予想。粗利率は0.2ポイント上昇し、販管費率は0.2ポイント低下。営業利益は同13.6%増の8億10百万円を予想。 配当は前期より1円増配の5.00円/株を予定。予想配当性向は21.0%。 中長期の取り組みとしては、「新規事業の開発・コストコントロール」、「新規開講講座の収益化」、「M&A・業務提携の推進」、「コーポレートブランド価値の向上」の4点を掲げている。 新規開講講座に関しては、2012年秋に新規開講した建築士講座は順調に売り上げを伸ばしているほか、2013年秋に開講した教員採用試験対策講座も県別対策を順次拡大中であり、更なる受講生の獲得を狙っている。 |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年6月28日
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