ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

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ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.38

(2925:東証2部) ピックルスコーポレーション 企業HP
宮本 雅弘 社長
宮本 雅弘 社長

【ブリッジレポート vol.38】2018年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「1-3月は昨年の野菜価格高騰の影響があり、全般的に価格が高めで推移した。3月以降、野菜の生育は平年並みに回復し、価格も徐々に軟化したが・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年8月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
宮本 雅弘
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年2月 35,801 780 867 548
2016年2月 30,152 931 975 692
2015年2月 26,805 1,056 1,098 503
2014年2月 25,648 852 971 608
2013年2月 24,063 915 974 570
2012年2月 21,587 982 1,066 591
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
株式情報(7/19現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,680円 5,841,415株 9,814百万円 6.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
22.00円 1.3% 164.95円 10.2倍 1,614.07円 1.0倍
※株価は07/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE前期末実績、BPSは1Q末実績。
 
ピックルスコーポレーションの2018年2月期第1四半期決算と通期の業績見通しについてブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行っており、グループは連結子会社14社、持分法適用関連会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で、保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCPの導入やISO9001の認証取得、更には5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

尚、東海漬物(株)は、発行済株式総数の19.95%を保有する筆頭株主であり、その他の関係会社との位置づけであるが、役員の兼務や出向者の受入れ等の人的関係はなく、事業活動における制約もない。同社は独自の経営判断を行っており、東海漬物(株)とは年間2億円程度の漬物の仕入れを行っているが、取引価格は一般取引先と同様に個別の協議により決定している。

17/2期の品目別売上構成は、製品売上が60.6%(浅漬・キムチ41.9%、惣菜16.1%、ふる漬2.6%)、商品(漬物)売上が39.4%。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、17/2期は同グループ向けの売上が全体の29.1%を占めた(取引自体は堅調だが、12/2期37.9%、13/2期35.6%、14/2期33.6%、15/2期31.3%、16/2期26.0%と依存度は低下傾向にある)。
 
【経営理念】
経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、品質管理の国際規格であるISO9001認証、HACCP認定や環境管理の国際規格であるISO14001認証を取得している他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れている。
今後も、この方針を基に企業活動を行う事で、「安全・安心」な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者の信頼獲得と社会への貢献を果たしていきたい」としている。
 
【強み】
大ヒットしている「ご飯がススム キムチ」シリーズや各種惣菜等、切れ目無く新製品を投入できる製品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。
 
製品開発力
キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチ製品のラインナップを強化する事で増収を続けており、16/2期にはキムチ製品の売上が50億円を超えた。この商品開発力が、浅漬、キムチに次ぐ柱として育ってきた惣菜事業にも活かされており、ラインナップ拡充と既存商品の継続的な改善と相まって、スーパーや生協等での売り場開拓が進んでいる。
 
 
同社グループは、漬物業界で唯一、全国ネットワークを構築している。このため全国展開している顧客の各店舗に同一の浅漬製品や惣菜製品の提供が可能であり、営業上の大きな訴求ポイントになっている。ただ、北海道、北陸、中・四国、九州地区での本格的な市場開拓はこれから(地域別売上構成:北海道 4%、東北 11%、関東 64%、中部 5%、関西 11%、中国・四国・九州 5%)。現在、九州地区において新工場建設を進めており、これを契機に地域密着型の営業を推進するため、(株)ピックルスコーポレーション関西の中・四国地区及び九州地区の事業を分割し、17年7月から(株)ピックルスコーポレーション西日本に、新工場と共に承継する。
 
 
 
2018年2月期第1四半期決算
 
 
浅漬・キムチ、惣菜製品の販売は堅調に推移したものの、天候不順による原価率の高止まりと先行投資が利益を圧迫
「ご飯がススム キムチ」等のキムチ製品や惣菜製品の販売が量販店等を中心に堅調に推移し、売上高は96億24百万円と前年同期比3.2%増加した。製品ラインナップの拡充とブラッシュアップにも取り組み、前期第4四半期から今期第2四半期初めにかけて、乳酸菌を20億個超配合した「大葉キャベツ」(2月1日)、チャーハンが作れる料理用キムチ「ご飯がススム 炒飯用キムチ」(3月1日)、夏の晩酌にも合う時短おつまみ浅漬「塩昆布で食べる大根胡瓜」(5月1日)、すっきりした甘みと魚介の旨味がたっぷりな「料理にも使える!オススメキムチ」(7月1日)を発売した他、「ご飯がススム うま辛胡瓜」を3月1日にリニューアルした。

一方、営業利益は3億62百万円と同24.6%減少。昨年秋以降の天候不順等による白菜の生育不良や出荷量減少等の影響で原料野菜価格の高止まりが続き原価率が76.9%と0.1ポイント上昇。人件費や物流費の増加により販管費が同10.2%増加し利益を圧迫した。

尚、2017年4月に連結子会社(株)ピックルスコーポレーション西日本を設立した。連結子会社(株)ピックルスコーポレーション関西の中国・四国地区及び九州地区の事業を承継し、事業拡大に向け地域密着型の営業を展開していく。
 
(2)サマー・シーズンに向けた新製品
夏の晩酌にも合う時短おつまみ浅漬「塩昆布で食べる大根胡瓜」(5月1日新発売)
大根、胡瓜、ごまの入った浅漬に、小袋のごま油と塩昆布を添えた、おつまみ浅漬。
食べる直前に、浅漬の液を切り、添付の塩昆布とごま油をかけ、和える。スティック状にカットした胡瓜と大根のぽりぽりと歯切れ良い食感と共に、昆布のうま味とごま油の香りを楽しむ事ができる。胡瓜、大根は国産を使用。

(同社資料より)
 
 
すっきりした甘みと魚介の旨味がたっぷりな「料理にも使える!オススメキムチ」(7月1日新発売)
りんご果汁・もも果汁を使用した、フルーティですっきりとした甘味が特長のキムチ。アミ塩辛、イカごろ(いかわたを原料とした調味料)、宗田節エキスを使用し、魚介の旨味がたっぷり含まれている。
マイルドな味わいで、そのままはもちろん、料理に使ってもおいしく頂けます。側面に掲載したアレンジレシピをご参考に!
同社独自の乳酸菌「P-ne12(ピーネ12)乳酸菌」を5億個超配合し、原料の白菜は国産を使用。

(同社資料より)
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて10億68百万円増の195億93百万円。売上債権、仕入債務、純資産が増加する一方、有利子負債が減少した。自己資本比率48.1%(前期末50.0%)。
 
 
2018年2月期業績予想
 
 
業績予想に変更はなく、通期で前期比4.0%の増収、同77.0%の営業増益予想
売上高は前期比4.0%増の372憶32百万円。不採算だった商品からの撤退等、(株)フードレーベルの品目集約で商品売上が同1.9%減少するものの、製品売上が同7.9%増と伸びる。

営業利益は同77.0%増の13億81百万円。原料価格の想定は、昨年ほどの高騰は見込んでいないものの、過去の平均と比較して高めに設定はしている。一方、販管費は(株)フードレーベルを子会社化した影響が一巡し、小幅な増加にとどまる見込み。

設備投資は、九州地区の新工場建設と既存工場の増築等で18億53百万円(前期は5億59百万円)を計画しており、減価償却費は5億07百万円(前期は5億23百万円)を織り込んだ。

配当は1株当たり期末22円を予定している(予想配当性向13.3%)。
 
 
 
(2)九州工場建設
九州地区での事業拡大を目的に九州に新工場を建設中である。場所は、佐賀県三養基郡みやき町で、九州自動車道、大分自動車道、長崎自動車道等に近く、交通の便が良い。浅漬、キムチ、惣菜の製造を予定している。
 
 
 
今後の注目点
1-3月は昨年の野菜価格高騰の影響があり、全般的に価格が高めで推移した。3月以降、野菜の生育は平年並みに回復し、価格も徐々に軟化したが、白菜価格は4月以降も品薄が続き高値が続いたようだ。契約農家から契約数量を仕入れる事ができれば市場価格高騰の影響を受けないが、必要量を確保できないと不足分を市場から調達する必要があるため影響を受けることになる。加えて、人件費や物流費の増加等のコストが利益を圧迫した面もあったが、利益の落ち込みが大きかったのは、前年同期(原料野菜価格が安定)の利益水準が高かった反動も多分にある。上期予想に対する進捗率は、売上高49.8%、営業利益44.7%、経常利益45.8%、純利益46.4%。通常、第2四半期の売上高・利益が第1四半期の売上高・利益を上回る事を考えると、それほど悪いスタートではない。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年05月31日
基本的な考え方
当社は、法律と社会倫理に基づいて行動し、経営方針を実現し、継続的な成長をするため、コーポレート・ガバナンスが経営の重要課題であると考えております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-7.独立社外取締役の役割・責務】
(1)当社の社外取締役2名は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有しており、それらの経験や見識を活かして、会社の経営戦略等について助言を行っております。
(2)現時点では、社外取締役の意見が経営陣幹部の選解任・報酬に反映される体制とはなっておりませんが、【補充原則 4-3-1】に記載の通り、今後は、社外取締役の意見を踏まえること等により、公正かつ透明性の高い手続きに従い、適切に経営陣幹部の選解任・報酬を決定する体制を構築してまいります。
(3)当社の独立社外取締役2名は、取締役会において、利益相反の監督を独立した立場で行っております。
(4)当社の独立社外取締役2名は、経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映しております。
 
<開示している主な原則>
【原則 1-4.いわゆる政策保有株式】
当社は、上場株式については保有しないことを原則としておりますが、取引関係の維持・強化等経営上の合理的な目的に基づき保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認しております。
政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断してまいります。

【原則 5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家の皆様が当社を正しく理解できるよう、透明性、公平性、継続性を基本とした迅速な情報開示に努めております。
金融商品取引法などの関係諸法令及び金融商品取引所の定める適時開示規則に基づく情報開示を行うとともに、当社の理解のために有効と思われる情報についても適切な方法により積極的な情報開示に努めております。
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