ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.37
(2925:東証2部) ピックルスコーポレーション |
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企業名 |
株式会社ピックルスコーポレーション |
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社長 |
宮本 雅弘 |
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所在地 |
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3 |
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決算期 |
2月末日 |
業種 |
食料品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2017年2月 | 35,801 | 780 | 867 | 548 |
2016年2月 | 30,152 | 931 | 975 | 692 |
2015年2月 | 26,805 | 1,056 | 1,098 | 503 |
2014年2月 | 25,648 | 852 | 971 | 608 |
2013年2月 | 24,063 | 915 | 974 | 570 |
2012年2月 | 21,587 | 982 | 1,066 | 591 |
2011年2月 | 20,824 | 577 | 624 | 365 |
2010年2月 | 18,234 | 536 | 583 | 322 |
2009年2月 | 18,502 | 399 | 413 | 202 |
2008年2月 | 17,870 | 286 | 373 | 205 |
2007年2月 | 16,775 | 293 | 355 | 218 |
2006年2月 | 16,563 | 158 | 205 | -37 |
2005年2月 | 18,186 | 74 | 146 | 144 |
2004年2月 | 18,038 | 268 | 285 | 99 |
2003年2月 | 18,047 | 101 | 98 | 36 |
株式情報(4/21現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
尚、東海漬物(株)は、発行済株式総数の19.95%を保有する筆頭株主だが、その他の関係会社との位置づけで、役員の兼務や出向者の受入れ等の人的関係はなく、事業活動における制約もない。同社は独自の経営判断を行っており、東海漬物(株)とは年間2億円程度の古漬の仕入れを行っているが、取引価格は一般取引先と同様に個別の協議により決定している。 17/2期の品目別売上構成は、製品売上が60.6%(浅漬・キムチ41.9%、惣菜16.1%、ふる漬2.6%)、商品(漬物)売上が39.4%。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、17/2期は同グループ向けの売上が全体の29.1%を占めた(取引自体は堅調だが、12/2期37.9%、13/2期35.6%、14/2期33.6%、15/2期31.3%、16/2期26.0%と依存度は低下傾向にある)。 【経営理念】
経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、品質管理の国際規格であるISO9001認証、HACCP認定や環境管理の国際規格であるISO14001認証を取得している他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れている。今後も、この方針を基に企業活動を行う事で、「安全・安心」な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者の信頼獲得と社会への貢献を果たしていきたい」としている。 【強み】
大ヒットしている「ご飯がススム キムチ」シリーズや各種惣菜等、切れ目無く新製品を投入できる製品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。
製品開発力
キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチ製品のラインナップを強化する事で増収を続けており、16/2期にはキムチ製品の売上が50億円を超えた。この商品開発力が、浅漬、キムチに次ぐ柱として育ってきた惣菜事業にも活かされており、ラインナップ拡充と既存商品の継続的な改善と相まって、スーパーや生協等での売り場開拓が進んでいる。
全国ネットワーク
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2017年2月期決算 |
前期比18.7%の増収、同16.2%の営業減益
売上高は前期比18.7%増の358億01百万円。期初に連結子会社化した(株)フードレーベルの寄与が44億円弱(商品売上が同41.2%増)の増収要因となる中、主力の浅漬・キムチが同9.2%増と伸びた他、惣菜も同4.1%増と堅調に推移した。営業利益は同16.2%減の7億80百万円。売上同様に(株)フードレーベルの寄与があったものの、主要原料野菜である白菜を中心に野菜価格が秋口から高騰し、期末にかけて高値が続いたため原価率が78.2%と0.7ポイント上昇。売上総利益が78億18百万円と同15.1%の増加にとどまり、物流費や人件費を中心にした販管費の増加を吸収できなかった。持分法投資損益の改善(△23百万円→4百万円)等で営業外損益が改善したものの、前期に負ののれん発生益1億17百万円を特別利益に計上した反動で当期純利益は同20.7%減少した。配当は1株当たり5円増配の期末22円を予定している(配当性向20.8%)。
自己株式の処分による資金調達
2016年12月20日に東証第二部へ市場変更した際に公募及び第三者割当により自己株式805千株(内、第三者割当105千株)を処分し、約10億50百万円を調達した。調達した資金は、九州における新工場の建設や既存工場の増産・生産性向上投資に充てていく。今回の自己株式の処分により自己株式は約550千株(発行済み株式数の8.7%)に減少した(処分前は約1,361千株、同21.28%)。
(株)フードレーベルの子会社化
2016年3月7日に、(株)フードレーベルホールディングスを連結子会社化し(取得額11億02百万円、出資比率100%)、同年12 月1日に、連結子会社(孫会社)である(株)フードレーベルが、連結子会社(株)フードレーベルホールディングスを吸収合併した。
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2018年2月期業績予想 |
前期比4.0%の増収、同77.0%の営業増益予想
売上高は前期比4.0%増の372憶32百万円。不採算だった商品からの撤退等、(株)フードレーベルの品目集約で商品売上が同1.9%減少するものの、製品売上は同7.9%増と伸びる。営業利益は同77.0%増の13億81百万円。原料野菜価格の安定を前提に原価率が過去の平均的な水準に低下するとみている。一方、販管費は(株)フードレーベルを子会社化した影響が一巡し、小幅な増加にとどまる見込み。白菜は3月も前年同月を上回る価格で推移し、4月も同様の傾向が続いているが、4月下旬頃から春白菜が本格的に出荷される予定であり、これを受けて平年並みの価格になると考えている(キュウリは安定)。 設備投資は、九州地区の新工場建設と既存工場の増築等で18億53百万円(前期は5億59百万円)を計画しており、減価償却費は5億07百万円(前期は5億23百万円)を織り込んだ。 配当は1株当たり期末22円を予定している(予想配当性向13.3%)。 (2)九州工場建設
(株)ピックルスコーポレーション関西が生産能力の拡大と九州地区での事業拡大を目的に九州に新工場を建設する。場所は、佐賀県三養基郡みやき町で、九州自動車道、大分自動車道、長崎自動車道等に近く、交通の便が良い。浅漬、キムチ、惣菜の製造を行う予定で、2018年3月頃の竣工・引き渡しが予定されている。尚、2017年7月に(株)ピックルスコーポレーション関西の会社分割により新設されている(株)ピックルスコーポレーション西日本が九州工場と共に中・四国及び九州地区の事業を承継する。 |
市場動向と18/2期の施策 |
製品開発
キムチ製品
キムチ製品は、主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズが順調に売上を伸ばしており、18/2期は積極的に広告宣伝活動を展開し60億円超(17/2期は約59億円)の売上を目指している。また、ラインナップの拡充にも取り組む考えで、この一環として、3月に「ご飯がススム炒飯用キムチ」を発売した。ご飯とキムチをフライパンで炒めるだけで、甘っ!辛っ!うまっ!な味わいのキムチ炒飯が簡単にできる。細かく刻んだ白菜を使用し、濃厚な味付けのキムチに仕上げる事で、キムチ炒飯を作る際の「キムチを包丁で刻む手間」と「調味料を加える手間」を解消した。また、炒飯以外にも手軽に様々なキムチのアレンジ料理を楽しむ事ができる(商品の側面に作り方が記載されている)。この他、本格的なキムチ製品である「大人のキムチ」の拡販にも力を入れる。「ご飯がススム キムチ」シリーズは後引くコクを付与する調味料によるコクとうま味を特徴とし、食べやすいがキムチとしては甘め。一方、「大人のキムチ」は、ブレンドした2種類の唐辛子と特製のヤンニョムを使用し、コクと本格的な辛さが特徴。もちろんただ辛いだけでなく、オキアミ塩辛、いかごろ、魚醤を効かせたうま味とリンゴや野菜等による自然な甘みも感じる事ができる(熟成発酵させる事で、より本格的で発酵感のある仕上がりになっている)。 浅漬製品
浅漬製品は、シリーズ毎の統一感はあったが、浅漬商品の包材にグループ全体で統一したイメージがなかったため、”ピックルス”という全社的なイメージを伝える力が弱かった。この反省を踏まえ、2016年10月からブランドマーク・デザインの統一を図っている。
また、これまで協力工場に製造委託していた(株)フードレーベルの「牛角やみつきになるキャベツ」の製造を、グループシナジー追及の一環としてグループの工場で開始する。「牛角やみつきになるキャベツ」は、付属のたれを和えて食べる浅漬けキャベツで、単なる浅漬けキャベツではない、ひと手間加えたおつまみ・おかずの1品として提案している。付属のたれは、にんにくをしっかり効かせてパンチを出しながら、ごま油を加える事で風味豊かな味に仕上げた。 この分野では、フジッコ、ケンコーマヨネーズ、エバラ食品といった上場企業や、デリア食品(キユーピー系)、イニシオフーズ(日清食品系)といった上場企業の子会社等が大手で、いずれも400~600億円規模の年商を誇る。同社は後発ではあるが、直販ならではのきめ細かい営業と、健康志向にマッチした野菜を使った惣菜にフォーカスする事で着実に売上を伸ばしており、惣菜が、浅漬、キムチに続く事業の柱に育ってきた。 製品開発
既存製品の継続的な改善とラインナップの拡充、更には季節にあわせた製品の投入と提案に取り組んでいる。既存製品ではサラダやナムルの好調が続いており、18/2期は「エビとブロッコリーのアヒージョ」や「キムチ鍋」等の新製品効果が期待できる。
新製品の一つである「エビとブロッコリーのアヒージョ」は、「惣菜・べんとうグランプリ2017」(日本食糧新聞社主催)の冷凍・チルド部門で優秀賞を受賞した。
【広告宣伝活動と営業戦略】
広告宣伝活動は、費用対効果を重視しつつ、テレビCM、ラジオCM(TBSラジオ等)、屋外看板(メットライフドーム)、ラッピングバス(西武バス、都営バス)等で積極的に展開していく。テレビCMは費用対効果の観点から地方での放映に重点を置いているが、都心では「渋谷109フォーマルビジョン」(東京都渋谷区)でのCM放映を実施する等の工夫をしている。18/2期の広告宣伝費は前期に比べ54百万円増の3億26百万円を予定している。
尚、同社は、漬物業界・惣菜業界では唯一、全国を網羅した生産・物流体制を構築しており、全国の量販店に同一の浅漬、キムチ、惣菜等の製品を提供する事が可能だ。 18/2期は、不採算の商品からの撤退で品目の集約を進めるため、売上・利益の減少が見込まれる。また、事務所もグループ施設に移転する(グループ施設の共有)他、既に説明した通り、これまで協力工場を活用していた「牛角やみつきになるキャベツ」の生産をグループ工場で開始する(これまで物理的な制約から販売地域が限定されていたが、全国販売も可能になる)。 |
中期経営目標 |
【設備投資計画】
18/2期は九州地区の新工場建設と既存工場(宮城ファクトリー、千葉工場、中京工場)の増築等で18億53百万円を予定しており、19/2期は関西地区の新工場(京都第2工場)の建設と既存工場の設備更新等で16億95百万円を計画している。20/2期は大型投資の一巡で5億円に減少する見込み。
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
◎コーポレート・ガバナンス報告書 更新日:2016年12月20日
当社は、法律と社会倫理に基づいて行動し、経営方針を実現し、継続的な成長をするため、コーポレート・ガバナンスが経営の重要課題であると考えております。
基本的な考え方 <実施している主な原則>
【原則 1-4.いわゆる政策保有株式】当社は、上場株式については保有しないことを原則としておりますが、取引関係の維持・強化等経営上の合理的な目的に基づき保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認しております。 政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断してまいります。 【原則 1-7.関連当事者間の取引】 当社は、関連当事者間の取引については、該当する役員を特別利害関係人として当該決議の定足数から除外した上で、取締役会において決議しております。また、関連当事者間の取引の有無を確認するアンケートを毎期実施しております。 【原則 5-1.株主との建設的な対話に関する方針】 当社は、株主・投資家の皆様が当社を正しく理解できるよう、透明性、公平性、継続性を基本とした迅速な情報開示に努めております。 金融商品取引法などの関係諸法令および金融商品取引所の定める適時開示規則に基づく情報開示を行うとともに、当社の理解のために有効と思われる情報についても適切な方法により積極的な情報開示に努めております。 具体的には、決算説明会を年2回、個人投資家向け説明会を年1回以上実施しており、個別取材にも可能な限り代表取締役社長及び広報・IR室が対応しております。 また、IRの担当部署として、広報・IR室を設置するとともに、ディスクロージャーポリシーを当社ホームページに掲載しております。 参考:CSRについて
同社は経営方針として、「食の安全、働きやすい職場作り、環境への配慮」を掲げている。この経営方針の実現こそがピックルスの社会的責任であると考え、①お客様に対する責任、②株主・投資家に対する責任、③環境保全活動、④地域社会活動、⑤コンプライアンス、⑥従業員に対する責任、の6項目について取り組みを行っている。
①お客様に対する責任
安全・安心を担保するべく、契約栽培を推進してトレーサビリティを高めると共に、パートタイマーも含めた全従業員への教育を徹底している。また、品質・衛生管理については、HACCP、ISO9001の考え方に基づいたシステムを導入し、原料調達から生産・物流体制において万全の体制を構築している。この他、商品に対するお客様からの意見・要望等を関連部門で共有すると共に、経営者に届くシステムを構築している。
②株主・投資家に対する責任
株主や投資家へのIR活動を積極的に推進するために専門部署として広報・IR室を設置し、経営方針・戦略や事業内容等の理解を深めてもらうべく、決算説明会の開催、ホームページ上でのIR情報の開示等を行っている。利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していく事を基本方針としている。内部留保資金は、製品開発・研究体制の強化及び設備投資等に充当していく。
③環境保全活動
経営者によって策定された環境方針の下、省資源・省エネルギーの取り組みや廃棄物の削減等の取り組み等を通じて、より環境に優しい企業グループとなれるよう努めている。
尚、1998年にISO14001環境管理システム委員会を設置し、認証取得に向けた取り組みを開始し、1999年8月に食品業界で初めて全事業所一括でISO14001を認証取得した。現在は、子会社・関連会社も含めたISO14001取得を推進している。
④地域社会活動
地域の清掃活動、工場近隣の清掃活動を積極的に実施している他、採用選考時の工場見学はもちろん、地域の小中高等学校等からご要望があれば、職場見学・食育活動の一環として積極的に受入れを実施している。また、様々な非営利活動等の支援を行っている(主な協賛先:埼玉県特定非営利活動促進基金、さいたまみどりのトラスト協会、OWS、埼玉犯罪被害者援助センター、ところざわ障害者事業後援会、障害者スポーツフェスティバル、あしなが育英会)。
⑤コンプライアンス
従業員一人ひとりが、企業は社会の一員である事を自覚し、日々誠実かつ適切な行動をするために遵守する事をまとめた「ピックルスコーポレーショングループ行動規範」を制定している。 「コンプライアンス規定」や「内部通報制度」と合わせて、グループ全体でコンプライアンスに取り組んでいる。
ピックルスコーポレーショングループ行動規範 改定 2016年2月23日
⑥従業員に対する責任
社員の誰もが、eメールや書面によって社長に直接意見を伝える事ができる体制を敷いている他、毎年1度、全社員を対象とした方針説明会を開催し、社長自ら経営方針や年度方針を伝える等コミュニケーションを図ると共に、社員のモチベーションの向上や働きがいのある会社を目指して社内表彰を行っている。人事制度では、各部門の方針を受け、各人が自ら設定した目標に対して自ら評価を行なう、「自己評価制度」を導入している。また、社員一人ひとりの仕事と家庭のよりよいバランスを応援するため、06年埼玉県子育て応援宣言企業に登録する等の取り組みを進めている他、定年後も継続雇用を望む社員については65歳まで再雇用する高齢者再雇用制度を定め、社員が安心して働ける環境作りに努めている。 キャリアアップでは、社員一人ひとりの能力向上を目指し、自ら学ぶ姿勢を応援する自己啓発支援制度、会社にとって有益な資格を取得した場合に報奨金を出す資格取得報奨金制度を導入している。また、社員教育を充実させるための、内定者研修、新入社員研修、フォローアップ研修、及び社外の研修にも参加させている。今後、更に社内研修を充実させていく予定。 |
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