ブリッジレポート
(4829) 日本エンタープライズ株式会社

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ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.40

(4829:東証1部) 日本エンタープライズ 企業HP
植田 勝典社長
植田 勝典社長

【ブリッジレポート vol.40】2017年5月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高69.1%(前年同期72.7%)、営業利益68.2%(同69.5%)、経常利益69.8%(同66.4%)、親会社株主・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年5月16日掲載
企業基本情報
企業名
日本エンタープライズ株式会社
社長
植田 勝典
所在地
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8
決算期
5月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年5月 5,530 219 252 327
2015年5月 5,116 189 204 177
2014年5月 4,508 335 340 437
2013年5月 4,134 372 391 354
2012年5月 2,790 304 318 170
2011年5月 2,370 266 283 168
2010年5月 2,147 150 173 77
2009年5月 2,475 292 317 175
2008年5月 3,123 572 578 272
2007年5月 3,677 774 783 447
2006年5月 3,416 694 688 418
2005年5月 3,018 587 570 348
2004年5月 1,958 205 168 226
2003年5月 1,752 134 131 58
2002年5月 1,704 51 53 23
株式情報(4/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
262円 40,567,200株 10,629百万円 6.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
3.00円 1.1% 3.33円 78.7倍 122.67円 2.1倍
※株価は04/04終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
日本エンタープライズの2017年5月期第3四半期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
モバイルソリューションカンパニーを標榜。交通情報、エンターテインメント、ライフスタイル等のコンテンツを制作しスマートフォン等に配信するコンテンツサービス事業と、企業のコンテンツ制作・運営、システム構築、広告(店頭アフィリエイト)、リバースオークションやIP電話といった業務支援サービス(コスト削減ソリューション)等のソリューション事業が2本柱。また、海外展開にも力を入れており、中国とインドに事業基盤を有する。
2001年2月16日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)へ株式上場。2007年7月10日の東京証券取引所市場第二部への市場変更を経て、2014年2月28日に同市場第一部の指定を受けた。
 
【経営理念】
同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」及び「日エン経営原則」に刻まれており、「これを繰り返し学ぶ事で基本理念を永遠に堅持していく」事が同社社員の責務。こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社を率いる植田社長の考えである。
そもそも同社は、「社業を通じて社会のお役に立ちたい」という強い一念から植田社長が興した会社であり、様々なIT機器を通して便利で面白い多種多様なコンテンツを制作し提供する事でユーザーの満足度を高めると共に社会貢献していく事を目指している。
こうした植田社長の経営哲学の下、創業初年度の経常利益は、ほぼ全額が日本赤十字社・各地社会福祉協議会・児童養護施設等に寄付され、東日本大震災の折には、被災した方々の支援と東北地方の復興に寄与するべく日本赤十字社に寄付が行われた。
 
綱領
我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします。
 
信条
我々は以下に掲げる五精神をもって一致団結し力強く職に奉じることを誓います。
 
日本エンタープライズ株式会社の遵奉する精神
一、商業報国の精神
一、忘私奉職の精神
一、収益浄財の精神
一、力闘挑戦の精神
一、感謝報恩の精神
日エン経営原則

1. 心を高める経営を行う
2. 衆知を集めた全員経営を行う
3. 公明正大に利益を追求する
4. 原理原則にしたがう
5. お客様第一主義を貫く
6. 経営家族主義で経営する
7. 実力主義に徹する
8.「協力し、信頼する仲間」をベースに
仕事を進める
 
【事業セグメントの概要】
16/5期の売上構成比は、コンテンツサービス事業39.7%、ソリューション事業60.3%。
 
 
 
 
【企業グループ 連結子会社11社、非連結子会社2社】
連結子会社は、広告事業等の(株)ダイブ、交通情報を中心にした情報提供の交通情報サービス(株)、Web・Mobileサイト開発・保守及びコンテンツ開発等の(株)フォー・クオリア、ネイティブアプリを主としたモバイルコンテンツ事業の(株)HighLab、音声通信関連ソリューションの(株)and One、スマートコミュニティ事業の山口再エネ・ファクトリー(株)、スマートフォン向けアプリケーション企画・開発等の(株)会津ラボ、スマートフォン向けキッティング支援ツール等の(株)プロモート、電子商取引サービス「いなせり」の企画・開発・運営を手掛ける いなせり(株)の国内9社、中国事業の統括に加え、携帯電話販売店を運営する因特瑞思(北京)信息科技有限公司、及びIT系教育事業の瑞思創智(北京)信息科技有限公司、の中国子会社2社(2017年5月2日付けで日本エンタープライズ(株)が(株)HighLabを吸収合併)。
非連結子会社は、中国における卸売事業等を行うNE銀潤(株)とモバイル向けコンテンツ配信やキャラクターライセンス事業の瑞思放送(北京)数字信息科技有限公司の2社。
 
 
 
2017年5月期第3四半期決算
 
 
前年同期比8.9%の減収ながら、同47.6%の営業増益
売上高は前年同期比8.9%減の36億63百万円。キャリア月額制及び定額制向けコンテンツの減収傾向が続いているコンテンツサービス事業の売上が同18.0%減少する中、ソリューション(受託開発ほか)が好調なソリューション事業も、特需剥落による広告(広告代理サービス)の落ち込みや中国スマホ市場の成長減速による海外の減少が響き、同2.3%の減収となった。

営業利益は同47.6%増の2億25百万円。売上構成比の変化で原価率が3.0ポイント上昇し売上総利益が減少したものの、広告宣伝費を中心にした販管費の大幅な減少で営業利益率が6.1%と2.3ポイント改善した。最終利益の減少(同53.7%減)は、固定資産除却損の増加や関係会社株式評価損・売却損の計上によるもの。
尚、広告宣伝費は前年同期の4億71百万円から1億91百万円に同59.3%減少した。
 
 
コンテンツサービス事業の売上高は前年同期比18.0%減の13億88百万円。キャリア月額制での戦略転換(広告投資効果の希薄化による投資抑制)とキャリア定額制でのキャリアの施策変更等の影響で、交通情報が同11.3%、エンターテインメントが同23.8%、それぞれ減少した。新たな収益モデルの構築に向け、全ジャンルでアライアンスによる事業拡大に力を入れている。

ソリューション事業の売上高は前年同期比2.3%減の22億74百万円。ソリューション(受託開発ほか)が同11.0%増と伸びたものの、特需剥落で広告(広告代理サービス)が同14.9%、販売価格の下落で海外が同14.3%、それぞれ減少した。
 
 
子会社の増加による販管費が利益を圧迫
第3四半期(12-2月)の売上高は前年同期比20.7%減、第2期四半期比6.4%減の11億68百万円。コンテンツサービス事業(前年同期比18.7%減、第2四半期比3.7%減)は、電子書籍「BOOKSMART」やツール系コンテンツの寄与でエンターテインメントやライフスタイルの売上が第2四半期と同水準の売上を維持したものの、キャリア月額制・定額制の両面で交通情報の減収傾向が続いている。ソリューション事業(前年同期比21.9%減、第2四半期比8.0%減)は、ソリューション(受託開発ほか)が前年同期比12.0%増と第3四半期としては過去最高の売上を計上したものの、市場が縮小傾向にある広告(広告代理サービス)と中国スマホ市場成長減速の影響を受けた海外の売上が共に減少した。

営業利益(58百万円)も前年同期及び第2四半期の実績を下回った。前年同期との比較では売上の減少が減益の要因であり、第2四半期との比較では原価率(58.9%)が改善したものの、非連結子会社だった電子商取引サービス「いなせり」(株)の連結子会社化による販管費の増加が利益を圧迫した。
 
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて1億44百万円増の61億61百万円。借方では、太陽光発電等のスマートコミュニティ事業を手掛ける連結子会社山口再エネ・ファクトリー(株)の設備投資等で有形固定資産が増加(79百万円→4億35百万円)する一方、長期預金の払戻し(3億円)で投資その他が減少。貸方では、山口再エネ・ファクトリー(株)の設備投資等に対応して長期の借り入れを行った。自己資本比率は80.8%(前期末83.5%)。
 
 
2017年5月期の取り組みと進捗状況
 
同社は、「デバイスの進化と共にコンテンツサービス事業を拡大させ、コンテンツ運営のノウハウを強みにソリューション事業を展開する」という成長戦略を進めている。

上記成長戦略の下、17/5期は、コンテンツサービス事業において、主力コンテンツである「女性のリズム手帳」と「BOOKSMART」を軸にコンテンツプラットフォーム化を進めた。一方、ソリューション事業においては、トータルソリューションやパッケージソリューションの好調が続く中、SNSサービス「Fivetalk」を使った「SNS連携システム」の開発や交通情報サービスの企業向け(B-B-C)の商品開発といったコンテンツサービス事業のアプリを活用したシステム開発を進めた他、IPテレフォニーの展開、更には広告(広告代理サービス)の強化に取り組んでいる。また、東京魚市場卸協同組合初のECサービス「いなせり」の運営も開始した。

この他、有線ドローン、エネルギー、IoT等、の新技術分野での先行投資も続けており、具体的には、有線ドローンによる風力発電設備点検システムの実証実験や「地中熱ヒートポンプの見える化」システム構築に加え、モノの感情を可視化する「mononome®(もののめ)」や(株)タカショーとの協業によるガーデンエクステリアIoT「GEMS」の開発を進めた。
 
 
【コンテンツサービス事業】
「女性のリズム手帳」、「BOOKSMART」を軸にしたコンテンツプラットフォーム化の推進
「女性のリズム手帳」では、2016年10月に月額課金を開始し、同年12月には120万会員を擁するNTTレゾナントの「教えて!goo」との連携の下、健康・恋愛・出産・子育ての疑問や悩みを会員間で相談しあえるコミュニティーサービスを開始した。また、総合電子書籍サービス「BOOKSMART」では、集英社や白泉社との直接契約の下、レンタルや読み放題サービスを開始した他、企業向け読み放題サービス(B-B-Cモデル)の構築も進行中である。

この他、フリマアプリ「Dealing」では、中古商品取扱い事業者との協業や決済手段の追加で使い勝手の向上と収益性の改善を図り、メッセンジャー「Fivetalk」では、「Android」、「iOS」、「車載」アプリに加え、「auスマートパス」(2016年8月)での配信や「SNAP DECO」(2017年3月)への提供を開始した。また、2016年11月にGoogle Play及びApp Storeにて、VRホラーゲーム「改・恐怖!廃病院からの脱出:無影灯」の配信を開始し、渋滞情報「交通情報サービス」では、キャリアプラットフォームに加え、「iOS版」(2016年8月)や「Pepperロボ」アプリ(同年9月)の配信を開始した他、地域観光促進を念頭に(株)フリーペーパー道の駅とタイアップした。
 
【ソリューション事業】
トータルソリューション及びパッケージソリューション
トータルソリューションでは、新規顧客や新規案件の開拓が進み、KDDI向け品質管理システムやデンソー向けスマホアプリ等の企業向けに加え、自治体向けの地方創生関連のアプリ・システム等、受託開発が順調だった。また、パッケージソリューションでは、教育サポート「e マナビー」を2016年7月にリリースした。
 
 
コンテンツサービス事業のアプリを活用したシステムの開発
メッセンジャー「Fivetalk」を活用した、人~車~モノを繋ぐ「SNS連携システム」の開発を進めている。IoT・Connected Car関連の取り組みであり、「Fivetalk」を、「車」と「人」、「物」と「人」の会話インターフェースとして活用する。
交通情報サービスでは、京浜急行バス(株)向けに交通情報を活用したバスロケーションシステムを開発し運用を開始した他、運輸物流事業者向け車両動態管理クラウド「iGPS on NET」の開発も完了した(2017年2月)。CATV、放送局、公社、新聞社、ショッピングモール等で、新規の顧客開拓にも取り組んでいる。
 
東京魚市場卸協同組合初のECサービス「いなせり」の運営開始
2016年12月5日に、東卸組合初のECサービス「いなせり」が運営を開始した。「いなせり」は築地市場内から飲食事業者の各店舗へ、仲卸の目利きによる鮮魚・水産物を即日配送する電子商取引サービス。約600社の仲卸業者が加盟する東卸組合にとって、初めての鮮魚・水産物流通へのIT導入であり、同社の100%子会社いなせり(株)が企画・開発・運営を独占的に行う。
12月のプレオープン時は市場が繁忙期だった事もあり、サービス品質の確保を念頭に関東の一部(東京都23区、多摩エリア及び宇都宮市)の飲食事業者に限定してサービスを開始したが、2017年2月には1都7県へサービスエリアが広がっている。
 
 
IPテレフォニーの展開
2016年10月、子会社(株)and oneが(株)ソラコムの運営するIoTプラットフォーム「SORACOM」の「SPS認定済ソリューションパートナー」に認定された。これにより(株)and oneの「Primus」シリーズ(IP-PBX Primus/Primus SDK)が、(株)ソラコムのIoT向けデータ通信SIM「SORACOM Air」に対応するため、音声システムとの統合による新たなIoTソリューションの展開が可能になった。

尚、IoT プラットフォーム「SORACOM」は、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)としてデータ通信SIMを提供している。また、モバイル通信とクラウドを一貫して提供しており、以下の特徴を有する。

① 少ない初期コストでIoT/M2Mの「つながる」を実現
② IoT/M2Mデバイスを監視・管理でき、デバイスや通信の運用が容易
③ セキュアなIoT/M2M システムの構築が可能
 
広告(広告代理サービス)の強化
2017年1月に首都圏・関西圏で取扱いを開始した業界NO.1セキュリティーソフトウェアが順調に立ち上がった。同社は、ショップでのライセンス発行・決済代行の役割を担うと共に、一次代理店として販売網の拡大に取り組んでいく。
尚、広告(広告代理サービス)の取扱いコンテンツはツール系やエンタメ・情報系に力を入れており、販売網については携帯ショップを主力としつつ、新たな販路の開拓に取り組んでいる。
 
【新技術への取組み】
有線ドローンによる風力発電設備点検システムの実証実験
「有線ドローン」の長時間飛行のメリットを活かし、主要な点検対象箇所、目視確認が難しい箇所、及びナットやパーツの状態の高精度な映像撮影に成功。人的な点検作業の安全性・効率性を高める、点検システムの構築につなげていく。
 
「地中熱ヒートポンプの見える化」システム構築
地中を熱源とする暖房システム、排熱源とする冷房システムを「見える化」し、再生可能エネルギーやエコ活動を子どもでも学習できる環境を構築した。地中熱ヒートポンプシステムとは、地下200mより浅い地盤に賦存する、温度が10℃~17℃程度の低温の熱エネルギーを利用して、年間を通じて安定的な電力需給を行うシステムである。
 
モノの感情を可視化する「mononome(もののめ)」の発表
モノの感情を可視化する「mononome」(株式会社電通の登録商標)の冷蔵庫版(HEMS連動版)と薬箱(服用サポート版)を連結子会社(株)会津ラボが開発・発表した。冷蔵庫版(HEMS連動版)「mononome」は冷蔵庫に取り付け、電気使用量や扉の開閉に応じて喜怒哀楽の表情を示す。また、薬箱(服用サポート版)「mononome」は薬箱に取り付け、予め登録した服用時間に薬が取りだされると笑顔になり、忘れていると泣きだし、やがて怒りだす。
 
「mononome」は目の形をしたデバイスで、家具や家電等に貼りつけると、モノが使用された際の振動をセンサーが感知し、デバイスの目が表情を変える。また、スマホ専用アプリに、モノが使用された時間や頻度等の情報が送信され蓄積される。
 
尚、「mononome」はIoTに エンターテインメント性(Entertainment)や感情(Emotion)の要素を加えた世界初の 「EYEoT (Eye of things)」システム。プロジェクトユニット「neurowear(ニューロウェア)」が2014年に発表した。
 
ガーデンエクステリアIoT「GEMS」の共同開発
(株)タカショーとガーデンエクステリアIoT「GEMS」の共同開発を進めている。「GEMS」は「ガーデン・ライフスタイルとIoTテクノロジーの融合による、より快適な癒しを得られる空間の演出」をコンセプトとするガーデニング・エクステリア商品。インターネットに接続して快適な癒し空間を作り出す。「GEMS」は(株)タカショーの登録商標である。
 
 
2017年5月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比4.2%の減収ながら、同50.2%の営業増益予想
売上高は前期比4.2%減の53億円。コンテンツサービス事業の苦戦に加え、ソリューション事業も、前期の特需の反動による広告(広告代理サービス)の減少を織り込んだ。一方、利益面では、ソリューション(受託開発ほか)の好調によるソリューション事業の収益性改善と広告宣伝費の最適化による販管費の減少で営業利益が3億30百万円と同50.2%増加する見込み。親会社株主に帰属する当期純利益が減少するのは、前期計上された特別利益(投資有価証券売却益)の剥落等による。

配当は前期と同額の1株当たり期末配当3円を予定している。
 
(2)連結子会社(株)HighLabを吸収合併
2017年5月2日付けで、連結子会社(株)HighLabを吸収合併。スマートフォンの普及に対応するべく、2014年4月に(株)HighLabを設立して、無料アプリの利用者拡大や、プラットフォーム化の推進及び同プラットフォームと連携する新規ゲーム開発・運営を進めてきたが、スマートフォン向けコンテンツ市場の変化やユーザーニーズとの乖離等が大きく、利用者数拡大による収益獲得には至っておらず、抜本的な経営改革のように迫られていた。

今後は、チャットアプリ「Fivetalk」を軸に事業を進め、品質向上や機能強化はもちろん、IoT のインターフェースとしての利用促進に取り組む他、コネクテッドカー市場への参入や他社とのアライアンス推進等、同社の企画力・技術力を活かした事業展開の加速させていく。また、併せて、経営効率の向上にも取り組んで行く考え。

尚、(株)HighLabは、同社が100%出資している連結子会社のため、今回の吸収合併が連結業績に与える影響は軽微である。
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高69.1%(前年同期72.7%)、営業利益68.2%(同69.5%)、経常利益69.8%(同66.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益44.5%(同39.6%)。ほぼ前年同期と同水準の進捗率だが、予想を達成するためには、第4四半期(3-5月)に売上高16億円強、営業利益1億円強を計上する必要がある。足元、収益面で端境期を迎える中、先行投資が続いている状況を考えるとハードルは低くない。
コスト削減による収益力の強化が進んでいるため、課題はトップラインの引き上げであり、その意味で第4四半期の売上高に注目したい。仮に今期の業績が下振れしたとしても、取り組みの成果が表れて増収基調に転じたのであれば、来期以降の展望が開けてくる。取り組みの成果の早期顕在化に期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2016年8月30日
基本的な考え方
当社グループは、経営目標の達成の為に取締役会が行う意思決定について、事業リスク回避または軽減を補完しつつ、監査役会による適法性の監視・取締役の不正な業務執行の抑止、また、会社の意思決定の迅速化と経営責任の明確化を実現する企業組織体制の確立により、株主利益の最大化を図ることがコーポレート・ガバナンスと考えております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則 4-11-3】 取締役会の実効性に関する分析・評価の概要
取締役会全体の実効性の評価については、まだ実施しておりませんが、今後、取締役会全体の実効性を評価するための適切な取り組みについて検討してまいります。
 
<開示している主な原則>
【原則 1-4】 いわゆる政策保有株式
当社は保有先企業の動向、取引の状況、当該保有株式の市場価額等の状況を踏まえて、当該企業との業務提携、取引の維持・発展等の保有目的の合理性を勘案し、当社の成長への必要性、資金活用の有効性の観点から適切と考えられる場合にのみ、投資目的以外の目的で上場株式を保有することとしております。また、同株式に係る議決権行使は、その議案が当社の保有方針に適合するかどうかに加え、発行会社の企業価値の向上を期待できるかどうかなど、複合的に勘案して行うこととしております。
 
【原則 5-1】 株主との建設的な対話に関する方針
当社では、「IR活動の基本姿勢と開示基準」、「情報開示の方法と情報の公平性」、「将来の見通しについて」、「IR自粛期間について」からなるIR基本方針を策定しており、当社ウェブサイトにて公表しております。
 
 ●IR基本方針 URL:http://www.nihon-e.co.jp/ir/management/line.html
 
現在、当社ではこのIR基本方針に基づき、株主との建設的な対話という観点から、以下の取り組みを積極的に実施しております。

(1) 当社では常務取締役管理本部長を内部情報管理責任者に指定し、経理部、総務部、人事・広報部等のIR活動に関連する部署を管掌し、日常的な部署間の連携を図っております。
(2) 社内各部門の会社情報については、内部情報管理責任者が一元的に把握・管理し、的確な経営判断のもと、有機的な連携に努め、IRに関連する他部署との情報共有を密にすることで、連携強化を図るよう努めております。
(3) 広報・IRグループにおいて、株主・投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けると共に、アナリスト向けに決算説明会を開催し、社長又は常務取締役が説明を行っております。
(4) IR活動及びそのフィードバック並びに株主異動等の状況については、適宜取締役会へ報告を行い、取締役や監査役との情報共有を図っております。
(5) 投資家と対話をする際は、当社の公表済みの情報を用いた企業価値向上に関する議論を対話のテーマとすることにより、インサイダー情報管理に留意しております。