ブリッジレポート
(2462) ライク株式会社

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ブリッジレポート:(2462)ライク vol.40

(2462:東証1部) ライク 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.40】2017年5月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高76.0%、営業利益94.4%、経常利益75.7%、当期純利益60.1%。4Qは子育て支援サービス事業における営業外・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年5月9日掲載
企業基本情報
企業名
ライク株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年5月 31,844 1,147 1,672 1,871
2015年5月 18,067 470 502 331
2014年5月 14,951 303 374 259
2013年5月 15,196 798 906 599
2012年5月 17,518 914 1,044 603
2011年5月 15,905 901 955 489
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
株式情報(4/11現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,667円 9,380,197株 25,017百万円 32.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
36.00円 1.3% 96.32円 27.7倍 718.70円 3.7倍
※株価は04/11終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ライクの2017年5月期第3四半期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指して、保育・人材・介護サービスを営んでいる。
 
【事業セグメントとライクグループ】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定派遣・職業紹介、及び採用・教育支援等の総合人材サービス事業、公的保育施設運営と受託保育の子育て支援サービス事業(保育関連サービス事業から名称変更)、介護施設運営の介護関連サービス事業、及び携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれる。
 
 
グループは、純粋持株会社である同社の他、連結子会社5社及び持分法非適用関連会社1社。連結子会社は、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップの運営を手掛けるライクスタッフィング(株)、事務職を中心とした人材派遣・人材紹介やビジネススクール事業を手掛ける(株)エースタッフ、2015年7月から連結したサクセスホールディングス(株)とその傘下で受託保育事業と公的保育事業(認可保育園の運営)を手掛ける(株)サクセスアカデミー、及び介護施設運営の(株)サンライズ・ヴィラ。
この他、ライクスタッフィング(株)が20%、携帯電話販売代理店最大手の(株)ティーガイア(東証1部:3738)が80%、それぞれ出資する合弁会社(株)キャリアデザイン・アカデミーが、法人顧客向け研修サービスを提供している。
 
 
中期経営計画(17/5期~19/5期)
 
【中期経営計画(17/5期~19/5期)】
 
19/5期に売上高552億円、経常利益35億円の達成を目指す中期経営計画が進行中である。「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指して、保育・人材・介護の3事業を軸に事業展開を進めていく考え。
 
(2)事業別戦略
総合人材サービス事業
総合人材サービス事業では、人材派遣サービス、アウトソーシングサービス、人材紹介サービス、及び採用・教育支援サービスを提供している。
人材派遣サービスでは、モバイル業界やアパレル業界向け販売関連業務、保育・介護業界、及びコールセンター・物流等に人材を派遣しており、アウトソーシングサービスでは、販売店舗や販促キャンペーン、物流センター等の受託運営を、人材紹介サービスでは、保育・介護業界等へ有料職業紹介、紹介予定派遣を、それぞれ行っている。また、採用・教育支援サービスでは、新卒紹介や、キャリアアップフォローとして、面接から内定、入社までをフォローしている他、スキル・マナー研修、職業訓練校の運営による就労サポート、更には法人顧客向けの研修を実施している。
 
全ての業界で人材の確保が経営課題に
全ての業界で人材確保が経営の課題になっている。こうした中、同社は、求職者に対する適性が高く、かつ、希望に適う仕事の提案と、週3日や時短等の求職者の希望を反映したクライアントへの多様な提案によるマッチング、現場経験豊富な研修担当による座学と店舗でのOJTによる研修、そして、就業後の現場視点でのフォローによる定着率の向上、といった未経験者を戦力化するグループ独自のノウハウにより就業人口を増やしていく。スキルチェックや研修による戦力化は、今後の増加が期待される海外人材にも対応できる。
 
 
ライフスタイル・スキルを問わず活躍できる研修
求職者様が自分のペースで受講することができる研修を実施しており、職種毎に現場に精通した講師が「週2・3日」や「時短」等の働き方でも顧客企業から必要とされるスキル等を伝授している。
 
働くきっかけづくり
業界・職務内容の説明だけでなく、実際に求職者が現場見学をできる機会を設ける事で、魅力ややりがいを伝え、就業人口の増加と定着率の向上につなげている。
 
子育て支援サービス事業(受託保育事業183施設、公的保育事業125施設。2017年1月末現在)
待機児童問題(保育施設の不足と保育人材の不足)が深刻化しており、安倍政権にとって喫緊の課題となっている。保育施設の増設と保育人材の確保に取り組むと共に、質の高い保育サービスの提供に努める事で、売上・利益共に成長し続ける日本一の保育事業者を目指している。
 
保育施設の増設
受託保育事業においては、グループの豊富な取引先を活かし、企業主導型施設の適正利益での受託数の増加に注力する。一方、公的保育事業においては、待機児童問題解消後も利用者に選ばれ続ける保育施設を目指して、優れた施設の増設(ハードの拡充・充実)と保育サービスのコンテンツ(ソフト)の拡充・充実に力を入れていく。
 
保育人材の確保
ポイントとして、ライクスタッフィング(株)の採用・就業後フォローのノウハウを活かした採用力の強化と定着率の向上、グループ内人事交流によるノウハウの共有とマッチング力の強化、更には研修コンテンツのグループ共有による人材の創出、の3点を挙げている。
 
保育士が働きやすい環境の整備
保育士が働きやすい環境整備の一環として、同社は2016年2月に「イクボス企業同盟」に加盟した。「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)の事(NPO法人ファザーリング・ジャパン)。
 
17/5期の開園と不採算事業所の解消に向けた取り組み
17/5期は受託保育事業で7施設、公的保育事業で30施設の開園を予定しており、開園の大半は第4四半期に集中する。また、受託保育事業では病院内保育を中心に既存施設の価格改定も喫緊の課題である。このため、昨夏から、2017年3月以降の契約更新時の価格改定交渉を進めており、全体の70%程度で価格改定が受け入れられたと言う。引き続き価格改定交渉を続けていく考えだが、施設が閉鎖になるケースもあり、17/5期は病院内保育で21施設、事業所内保育で3施設の閉鎖が計画されている。
 
 
 
介護関連サービス事業(21施設・1,123室。2017年2月末現在)
(株)サンライズ・ヴィラは、人事交流や採用代行等、ライクスタッフィング(株)との連携が成果をあげ、15/10期に介護士が充足した。介護士の充足でサービス品質が向上し、サービス品質の向上が入居率の向上につながり(2013年10月に68.0%だった入居率が2017年1月に93.9%に改善)、16/10期は通期で黒字転換した。定着率の向上によるコスト削減等により更なる収益体質の強化に取り組んでいく考え。
 
(株)サンライズ・ヴィラの100%子会社化
尚、持株会社であるライク(株)は、「今後、更に介護人材の採用・教育ノウハウの向上により、グループ価値を最大化できる」との判断の下、2017年4月28日付けで(株)サンライズ・ヴィラ株式の32.8%を追加取得し、(株)サンライズ・ヴィラを100%子会社化する。具体的には、東京建物・ACA 投資事業有限責任組合から1,740 株を6億52百万円で買い取る。
 
 
 
 
2017年5月期第3四半期決算
 
【ライク(株)の決算期と子会社の決算期】
16/5期はサクセスホールディングス(株)を子会社化し、第2四半期から損益を連結し、サクセスホールディングス(株)の15/12期第3四半期(7-9月)、第4四半期(10-12月)、及び16/4期(決算期変更に伴い4カ月決算)の10カ月間を取り込んだ。
17/5期はサクセスホールディングス(株)の17/4期(12カ月)を連結する。
 
 
 
前年同期比33.9%の増収、同77.9%の経常増益
売上高は前年同期比33.9%増の291億17百万円。サクセスホールディングス株式会社(以下、サクセスHD)の期初からの寄与で子育て支援サービス事業の売上が同1.8倍に拡大する中(前期は第2四半期から連結)、人材需要が旺盛な総合人材サービス事業(同22.1%増)や入居率が実質満床となった介護関連サービス事業(同6.8%増)の売上が順調に増加した。

利益面では、子育て支援サービス事業における期中の認可保育園開設と保育士の昇給(処遇改善の一環として受託契約の価格更新前に実施)等の影響を、介護関連サービスの入居率改善効果(原価率が4.6ポイント改善)で吸収して売上総利益率が16.9%と0.7ポイント改善。業容拡大に伴う人件費を中心にした販管費の増加を吸収して営業利益が15億11百万円と前年同期比ほぼ倍増した。
最終利益が減少したのは、2017年1月のACAヘルスケア・再編1号投資事業有限責任組合の清算に伴い、特別損失(関係会社整理損)3億81百万円を計上した事と、前年同期にサクセスHDの公開買付に伴う特別利益(段階取得に係る差益)12億30百万円を計上した反動による。
 
 
 
 
 
 
総合人材サービス事業
売上高139億77百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益14億60百万円(同24.8%増)。全ての業界業種で人材不足が深刻化する中、業務経験や社会経験の浅いスタッフでも早期の就業が可能なマッチング・就業フォロー・研修体制と顧客企業に対する多様な働き方の提案が成果をあげ、派遣契約が同13.6%増加。現場ニーズを反映した独自の運営オペレーションに対する需要が拡大し、業務委託契約も同41.8%増と伸びた。一方、紹介予定派遣・職業紹介は同22.5%の減収。派遣法改正による派遣期間制限の見直しによりモバイル業界向けが減少した。

業界別では、経験の有無を問わず活躍できるスキームと独自の受託運営オペレーションが評価されモバイル業界向けが同23.2%増加した他、長期契約の案件獲得に力を入れたアパレル業界向けも同39.1%増と伸長。インターネット販売の拡大を追い風にコールセンター業界(同35.2%増)や物流業界(同27.2%増)向けも大きく伸びた。保育業界及び介護業界向けについては、グループ内取引が控除されているため(サクセスHD向け95百万円、サンライズ・ヴィラ向け89百万円)、表面的な売上の伸びが実態よりも低くなっている。17/5期第3四半期末の保育・介護稼働状況は、保育が職業紹介32名(上期末15名)、派遣101名(同64名)、介護が職業紹介102名(上期末67名)、派遣51名(同30名)。また、アパレルに含めていたアパレル業界向け倉庫業務を当期より物流に含めている。
 
 
 
 
子育て支援サービス事業
売上高106億94百万円、セグメント利益3億30百万円(前年同期は6カ月間の累計)。総合人材サービスを手掛けるライクスタッフィング(株)との連携及び保育士の処遇改善で保育士の採用数が増加し定着率も向上したが、保育士の昇給で利益が下振れした。
 
 
 
介護関連サービス事業
売上高39億61百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益1億22百万円(前年同期は営業損失58百万円)。実質満床となり、売上高が損益分岐点を超えた(実質満床とは、スタッフの休憩室として使用する必要がある一部の居室を除いたベース)。また、ライクスタッフィング(株)への採用業務の委託が効果をあげ介護士の充足が進んだ事でサービス品質も向上した。
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて5億26百万円増の225億60百万円。借方では、業容拡大で売上債権が増加した他、施設の新規開設に向け有形固定資産(建設仮勘定)が増加。一方、償却により無形固定資産(のれん)が減少した。貸方では、業容拡大でスタッフの給与である未払金が、長短の借り入れで有利子負債が、それぞれ増加した他、利益剰余金を中心に純資産も増加した。第3四半期末の自己資本比率は30.5%(前期末30.5%)。
 
 
2017年5月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、通期で前期比20.3%増収の383億円、同31.6%の経常増益予想
「総合人材サービス、介護関連サービスにおいては、売上・利益共に計画を上回るペースで進捗。子育て支援サービスにおいて、売上は計画を上回るペースで進捗したものの、受託保育における契約更新前の昇給や期中の新規開設によりコストが発生したため、営業利益が計画を下回る」としている。

売上高の内訳は、総合人材サービスが前期比21.0%増の189億円、子育て支援サービスが同30.9%増の138億円(前期は10カ月間の寄与)、介護関連サービスが同0.9%増の50億円、マルチメディアサービスが同17.1%減の6億円。
 
(2)配当及び株主優待
同社は連結配当性向35%以上を目標とし、中間配当及び期末配当の年2回配当を実施している。17/5期については、1株当たり記念配5円を落とす一方、普通配当を1円増配する考えで、年36円を予定している(上期末18円、期末18円、配当性向37.4%)。
また株主優待として、クオカードを、期末(5月末)時点で100株以上500株未満の株主に1,000円分、同500株以上の株主に2,000円分、それぞれ進呈している他、(株)サンライズ・ヴィラが運営する介護施設の入居金割引券300,000円分(有効期限:2018年8月末日/1枚につき1室分の利用)を同100株以上保有の株主に進呈している。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高76.0%、営業利益94.4%、経常利益75.7%、当期純利益60.1%。4Qは子育て支援サービス事業における営業外収益に、認可保育園の新規開設に伴う設備補助金収入(営業外収益)の計上が見込まれる。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2016年12月01日
<開示している主な原則>
【原則1-4】
政策保有株式につきましては、企業価値向上におけるシナジーが認められると判断した場合に限り、当該株式の政策保有について検討いたしま す。また、政策保有している株式の議決権の行使については、当該会社の企業価値向上及び当社への影響を勘案し、議案に対する賛否の意思 表示を行うものといたします。

【原則1-7】
関連当事者間の取引につきましては、「関連当事者の開示に関する会計基準」及び「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」に基づき、当該関連当事者との取引の有無や当該取引の重要性を確認し、開示対象となる取引がある場合は開示するとともに、第三者との取引条件と 乖離がないよう十分留意しております。また、取締役に対し、年度ごとに本人もしくは二親等以内の親族と当社間の一定金額以上の取引 について確認を行っております。

【原則5-1】
・当社は、当社グループのIR活動全般を行うIR担当役員とIR担当部署を設置し、株主との建設的な対話の促進を図っております。
・情報開示については、基本的な考え方をまとめた「ディスクロージャー・ポリシー」を定め、これに則り、公正かつ適時・適切な開示に取り組んでおります。
・ディスクロージャー・ポリシーについては、当社HP(https://www.like-gr.
co.jp/ir/policy.html
)において開示しております。
・IR活動の詳細につきましては、本報告書の「株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の2.に記載のとおりであります。