ブリッジレポート
(3747) 株式会社インタートレード

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ブリッジレポート:(3747)インタートレード vol.6

(3747:東証2部) インタートレード 企業HP
尾﨑 孝博 社長
尾﨑 孝博 社長

【ブリッジレポート vol.6】2016年9月期業績レポート
取材概要「16/9期は月額10百万円のコスト削減目標を達成し、計画通り営業損益の黒字転換を果たした。17/9期はハナビラタケ関連製品の国内外での販売が本格・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年1月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インタートレード
社長
尾﨑 孝博
所在地
東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル
決算期
9月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年9月 2,358 11 14 7
2015年9月 2,459 -165 -164 -331
2014年9月 2,463 -107 -103 -119
2013年9月 2,725 -98 -95 -128
2012年9月 2,811 -129 -104 7
2011年9月 3,335 47 66 172
2010年9月 3,856 -258 -277 -920
2009年9月 5,386 68 -26 -222
2008年9月 4,970 145 51 -326
2007年9月 3,417 -776 -756 -653
2006年9月 3,853 899 801 408
2005年9月 2,872 655 661 388
2004年9月 1,715 623 607 348
株式情報(12/12現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
236円 7,185,600株 1,695百万円 0.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 5.85円 40.3倍 244.33円 1.0倍
※株価は12/12終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インタートレードの2016年9月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
証券ディーリングシステム等の開発・保守を中心とする金融ソリューション事業を主力とし、グループ経営管理パッケージソフト等を手掛けるビジネスソリューション事業、ハナビラタケ関連のサプリメントや化粧品等の生産・販売を手掛けるヘルスケア事業、及び金融ソリューション事業の補完的な位置づけの自己資金運用事業を展開している。

グループは、同社の他、経営管理パッケージソフト「GroupMAN@IT e2」の開発・保守等を手掛ける(株)ビーエス・ジェイ(出資比率66.7%)、ハナビラタケの生産・加工を手掛ける(株)らぼぉぐ(同100%)、ハナビラタケ関連製品のカタログ通販やWeb通販を手掛ける(株)健康プラザパル(同100%)、及び自己資金運用事業の(株)トレーデクス(出資費率100%)、の連結子会社4社。
 
【沿革】
橋本政権下で金融システム改革法が成立し、米国では、E☆TRADEやチャールズシュワブ等のネット証券が台頭した1998年は、「金融ビッグバン」や「ネットベンチャー」という言葉が定着しはじめた時期でもある。こうした中、インターネットの普及と金融の自由化で株式等の取引手法が劇的に変化する(電子トレードへの移行)との考えから、現在、代表取締役社長を務める尾﨑孝博氏と副社長の西本一也氏が1999年1月に日本勧業角丸証券(株)〔現:みずほ証券(株)〕出身の仲間と共に同社を設立した。

フロントシステムのコンサルティングからスタートし、ディーリング・トレーディング向けパッケージソフトの開発に展開し、2000年9月にパッケージ型証券業務向けディーリングシステム「Trade Office-SX」の販売を開始。電子トレーディングの技術が発展途上で、金融機関の株式フロント業務に特化したベンダーも限られる中、操作性・機能性に優れたフロントシステムを安価に構築できたため、「Trade Office-SX」は多くの証券会社エクイティ部門で導入が進んだ。2003年3月に開始した「情報配信サービス」(東証など主要取引所の相場情報を配信)も順調に伸び、2004年9月に東証マザーズに株式を上場。2007年8月に販売を開始した「Trade Office-SX」の後継システム「TIGER Trading System」でシェアを拡大させた。また、証券のトータルソリューションを志向し、ミドルシステム(約定ポジションに対するリスク計測等のリスク管理システム等)や証券バックオフィスシステム(顧客情報や口座残高等の管理システム)でも実績を残した他、2005年1月には世界で唯一のオークション型PTS(私設取引システム)「ITMonster」の販売を開始した。

2012年以降は事業の多角化を推進。2012年10月に経営管理ソリューションを開発する(株)ビーエス・ジェイを子会社化した他、ヘルスケア事業(当時はフードサービス事業)の育成を目的に、子会社インタートレード投資顧問(株)を(株)らぼぉぐに商号変更すると共に組織変更。2013年にはヘルスケア事業の販路確保を目的に、2月に通信販売業の(株)パル(現(株)健康プラザパル)を子会社化した。
 
【事業概要】
事業は、証券ディーリングシステム、外国為替証拠金取引システム、取引所外取引システム等のサービスを提供する金融ソリューション事業、グループ経営管理パッケージソフト、経営支援・IT管理業務支援サービス、エンジニア派遣を手掛けるビジネスソリューション事業、及びハナビラタケ関連のサプリメントや化粧品等の生産・販売を手掛けるヘルスケア事業、及び自己資金運用事業に分かれる。各事業の実績は下表の通り。
 
 
金融ソリューション事業
当事業では、2010年に発表したMIOP構想を推進している。MIOP構想では、統合プラットフォーム「Prospect」上で、「株式」、「金利」、「為替」、「商品」等、多彩な金融商品のワンストップ取引の実現を目指している。
同社がすでに持つプロダクトを「Prospect」上へ統合させることで、同社の高速処理サーバーと大容量回線を介しての国内取引所やPTS(私設証券取引所)等での売買に加え、国内大手証券や外資系証券、或いはFX事業者等のビジネスパートナーを介して、海外の証券取引所や商品先物取引所等での売買も可能だ。また、完成度の高いアルゴリズムによって、瞬時に最も有利な価格を選んで売買注文を発注するため取引コストの極小化にも寄与する。
さらにビックデータの整備やAIの解析データ等の機能(付加価値)も追加し、大手証券やヘッジファンド等への展開も視野に入れ、ターゲット層の拡大を図る。
 
ビジネスソリューション事業
当事業では、一般企業向けのサービスを提供しており、自社パッケージである「GroupMAN@IT e2」(以下、「e2」)及び「Gadics MAN@IT」(以下、「Gadics」)を中心としたパッケージサービス、保守・運用中心のエンジニア派遣(SES)サービス、及びマルチベンダー・マルチプロダクト・マルチビジネスを特徴とするサポート、システム総合支援サービス、SuperStreamスーパーストリーム(株)の会計システム移行等を行うサポートセンターサービスを3本柱とし安定収益の確保を目指している。連結子会社(株)ビーエス・ジェイが「 e2」の開発・保守等を手掛けている。
 
経営統合管理プラットフォーム「GroupMAN@IT e2」(以下、「e2」)
経営統合管理プラットフォーム「e2」はあらゆる稼働済システムを統合管理可能なマルチベンダー対応に加え、業況把握から業績予想まで一気通貫で行う「バーチャル経営企画」による機能的な差別化もあり、現在、直接の競合製品は存在しない。一方、潜在顧客は、全国に存在する年商5億円以上の企業約20万社全て(このうち、友好パートナーの取引先が約4万社を数える)。

企業は、会計、人事/給与、設備、資材等の複数の業務システムを導入しているが、業務毎にベンダーが異なるケースや同じ業務でも、親会社と子会社でベンダーが異なるケースが多い。この場合、企業内やグループ内で経営情報の統合管理(各システムのデータ連携によるグループ全体の経営分析)ができず、多くの企業が高価な投資が必要な連携用のシステムを別途構築している(大手システム会社は自社製でないシステムと自社システムの接続に対して非常に消極的)。これに対して、「e2」は柔軟性の高いインターフェイス「FLEX I/O」を備えているため、ベンダーやシステムが異なる場合でも、データ連携が可能だ(同社の「FLEX I/O」技術には、証券取引の情報を交換するためのプロトコル「FIX」の技術が活かされている)。
 
IT資産管理ツール「Gadics MAN@IT」(以下、「Gadics 」)
“Gadics”は中規模から小規模の企業が対象となるため潜在顧客のすそ野は広く、国内だけで4500社超を見込んでいる。一方、国内では同社がパイオニアであり、現在、競合が存在しない。「Gadics 」は機能ではなく、「バーチャルエンジニア」として低価格でパソコン等の運用管理を、「収集」、「判断」、「実施」、「確認」の4つの視点からクラウドベースでサポートする。2016年からマイナンバー(社会保障・税番号制度)が導入されたが、「Gadics 」はマイナンバーの技術的安全管理措置対策としても利用できる。
 
ヘルスケア事業
ハナビラタケの栽培から手掛け、自社ブランドのハナビラタケ関連製品(サプリメント、健康食品、化粧品)の販売、OEM供給、ハナビラタケ由来成分を使った化粧品原料販売等を国内外で展開している。(株)インタートレードがマーケティングを含めて事業全般を統括し、(株)らぼぉぐがハナビラタケの生産・加工を、(株)健康プラザパルがハナビラタケ関連製品のカタログ通販やWeb通販を、それぞれ手掛けている。また、産官学の共同研究(後述)により、ハナビラタケ由来成分の免疫賦活機能について科学的根拠に基づくエビデンス取得にも取り組んでいる。
 
ハナビラタケは、日本各地に加え、欧米等でも自生するが、天然下では本来食用キノコが育たない1,000m級の針葉樹林に生息し、天然ハナビラタケを目にする機会がめったにないため、「希少キノコ」と言われている。加えて、健康維持に重要な役割を果たすβ-グルカンの含有量が35%を超えるうえ、アミノ酸やトレハロースなど様々な有用成分にも富んでいる。キノコは茶色が主流だが、ハナビラタケは白い花がふんわり咲いているように美しい白色~淡黄色。食用キノコの側面も有する。
 
IT-はなびらたけプロジェクト   産総研、東京女子医大との共同研究
ハナビラタケについて、その有効成分を細胞・分子レベルで探索し、有効性のメカニズムを解明するべく、「IT-はなびらたけプロジェクト」として、産総研及び東京女子医大と共に産学官連携共同研究を進めている。共同研究では、研究素材を利用した安全性・機能性の臨床試験を東京女子医大が、遺伝子チップを利用した細胞・遺伝子レベルの探索と成分分析を産総研が、それぞれ担当し、同社グループはハナビラタケ抽出物の製品化と情報の収集及び分析を行っている。3者が考えている仮説を証明し、三者共同での国際特許取得を目指している。
研究内容は、①ハナビラタケ抽出物の安全性試験、②ハナビラタケ抽出物の活性試験、③ハナビラタケの分子レベル各種分析、④ハナビラタケの有効成分の探索、及び⑤ハナビラタケのゲノム解析、の5項目。ヒト臨床試験において、ハナビラタケ由来成分「LB-Scr」の、Ⅱ型糖尿病、アレルギー性疾患、更には肝機能指標(γ-GTP、GOT、GPT)への有効性や新たな有効性が確認されている事に加え、有害事象等の検証により、安全で副作用がない事も確認されている。
 
 
 
2016年9月期決算
 
 
前期比4.1%の減収ながら、営業損益が黒字転換(△1億65百万円→11百万円)
売上高は前期比4.1%減の23億58百万円。ハナビラタケ関連製品のOEMや商品販売の好調でヘルスケア事業の売上が同30.0%増加したものの、新製品の開発遅延の影響で金融ソリューション事業の売上が同4.4%減少した他、前期の売上が大型案件に押し上げられた反動でビジネスソリューション事業の売上も同24.9%減と落ち込んだ。

営業損益は前期の1億65百万円の損失から11百万円の利益に改善。システム開発の内製化及び業務効率化等による協力会社費用や人件費の減少等で売上原価が同8.2%減少する中、販管費も、研究開発費(3億24百万円→1億89百万円)や広告宣伝費(59百万円→30百万円)を中心に同14.3%減少。月額10百万円のコスト削減目標を達成し、営業損益の黒字転換に成功した。
セグメント別では、収益性の改善で金融ソリューション事業の利益が同11.8%増加した他、広告宣伝費の削減や研究開発費のピークアウトでヘルスケアの損失がほぼ半減。一方、ビジネスソリューション事業は売上の減少で損失を計上した。
 
配当は見送り
再成長に向けての投資を優先して無配を継続する考えで、「業績向上をもって株主の期待に応えていく」としている。
同社は株主への利益還元を経営上の重要な政策の一つとして位置付けており、「財務基盤の健全性、今後の事業展開のための内部留保等を勘案しながら、業績に応じた安定的な配当の継続を行う事」を基本方針としている。また、株主優待として、2015年3月よりヘルスケア事業商品を割引価格で提供している。
 
 
 
 
金融ソリューション事業
売上高19億11百万円(前期比4.4%減)、セグメント利益5億68百万円(同11.8%増)。売上面では、「Prospect」等のライセンスビジネス売上が前期比4.6%増加したものの、大証の新システム対応を優先した事による新製品の開発遅延もあり、パッケージ売上やシステムインテグレーション売上の減少をカバーできなかった。一方、損益面では、継続して取り組んでいるシステム開発の内製化及び業務効率化で外注費等の削減が進んだ。研究開発では、「Prospect」を基盤に金融ソリューション事業で提供している各プロダクトの統合と更なる革新的な機能の拡張に取り組んだ。
 
 
ビジネスソリューション事業
売上高2億06百万円(前期比24.9%減)、セグメント損失44百万円(前期は10百万円の利益)。収支の安定化を目指し、自社開発の「e2」を中心としたパッケージシステムの拡販に取り組んだ結果、大手外食チェーンや大手製造業からの受注に成功する等、一定の成果をあげた。ただ、前期の売上・利益がサポートセンターで受注した大型のスポット案件に押し上げられた反動に加え、一部案件の検収時期の遅延もあり、売上が大幅に減少し、セグメント損失となった。
 
ヘルスケア事業
売上高2億40百万円(前期比30.0%増)、セグメント損失1億85百万円(前期は3億54百万円の損失)。通販で商品販売が増加した他、ハナビラタケの効果効能が一定の評価を得た事で、第4四半期からハナビラタケ関連製品のOEMやハナビラタケ由来成分を使った化粧品原料の販売が始まった。損益面では、効果的な広告宣伝への絞り込みにより広告宣伝費を削減した他、学校法人東京女子医科大学及び国立研究開発法人産業技術総合研究所との産学官共同研究に伴う研究開発費が当初の計画通り減少。棚卸資産の評価減の計上が前期で一巡した事も損益改善の一因となった。

この他、自己資金運用事業において、セグメント損失15百万円(前年度は1百万円の損失)を計上した。第4四半期より新たに投資教育事業を開始し、個人投資家向け投資セミナーの開催やTokyoMXでの番組放送を行っている。
 
 
 
期末総資産は前期末に比べて1億27百万円減の21億99百万円。営業CFと投資CFがほぼ均衡したが、MMFの現金化等で長期借入金を中心に有利子負債の削減を進めた。総資産の過半を現預金が占める等、キャッシュ・リッチで自己資本比率も79.8%(前期末75.5%)と高水準を維持している。
 
 
ヘルスケア事業の拡大や税金費用の増加等で運転資金が増加したものの、税引前損益が大幅に改善したため、営業CFは黒字を維持。設備投資の減少で投資CFのマイナス幅も縮小した。財務CFのマイナスは有利子負債の削減による。
 
 
2017年9月期業績予想
 
 
ヘルスケア事業の売上倍増等で前期比10.3%の増収、営業利益50百万円を見込む
売上高は前期比10.3%増の26億円。海外での化粧品販売や国内でのOEM及び原料販売の本格化でヘルスケア事業の売上がほぼ倍増する他、ビジネスソリューション事業の売上も自社開発の経営統合管理プラットフォーム「GroupMAN@IT e2」やサポートセンターサービスを中心に増収に転じる見込み。金融ソリューション事業は減収傾向を脱却するべく「Prospect」を中心とした営業活動を強化する。

営業利益は前期の11百万円から50百万円への拡大を見込む。金融ソリューション事業で各プロダクトを「Prospect」に統合するための開発投資が負担になる上、ヘルスケア事業での研究開発投資も続くが、売上増によるヘルスケア事業やビジネスソリューション事業の損益改善が期待できる上、金融ソリューション事業も、ライセンスビジネス売上の増加と開発の内製化で収益性の改善が進む見込み。
 
(2)今後の取り組み
同社は、創業以来、株式や為替のプロ向けシステムを提供してきたが、4年ほど前に新たな取り組みとして、ビジネスソリューション事業とヘルスケア事業をスタートさせた。以来、金融ソリューション事業の収益を原資に新規事業の育成に取り組んできたが、16/9期末時点では新規事業が利益貢献するに至っていない。18/9期の黒字化を目指して、17/9期は両事業の収益化に向けた取り組みを加速させる。
 
金融ソリューション事業
当事業では、2010年に発表したMIOP構想の下、様々な市場の接続(ワンストップ取引の実現)に取り組んできた。この結果、東証、大証の株式や指数、代替市場のPTSやダークプール、更にはコモディティ市場への接続が完了し、同社システムのユーザーは様々な市場にワンストップでアクセスできるようなった。しかし、株であれば、取引所端末「J1」、ディーリングであれば「TIGER」、売買シミュレーションであれば「MEXⅢ/MSRⅢ」等、通貨・FXであれば「fortissimo」といったように、業務毎にアプリケーション(プロダクト)を導入する必要があったため、ユーザーの利便性や保守メンテナンスの効率化といった面で課題を残していた。

このため、「Prospect」上で各種アプリケーションが利用できるようにシステムを統合していく考えで、17/9期は、先ず「J1」や「TIGER」等の株式関連プロダクトの「Prospect」への一本化に取り組む。
 
 
また、情報提供サービス(取引所端末「J1」等のシステムの開発・提供)は、これまで証券会社を中心にしたセルサイドを対象としてきたが、バイサイドへの情報提供を意識したサービスの開発(システムの開発)にも取り組んでいく。例えば、昨今、PTSやダークプールの流動性が向上し、取引所の流動性だけでマーケットの状況を把握する事が難くなってきた。このため、「Prospect」にAIやビッグデータ解析の機能を付加して、情報を統合し、整理分析して提供するといったサービス等である。
 
ビジネスソリューション事業
当事業では、一般企業向けのサービスを提供しており、自社パッケージである「 e2」及び「Gadics」を中心にしたパッケージサービス、保守・運用中心のエンジニア派遣(SES)サービス、及びマルチベンダー・マルチプロダクト・マルチビジネスを特徴とするサポート、システム総合支援サービス、SuperStreamスーパーストリーム(株)の会計システム)移行等を行うサポートセンターサービスを3本柱とし安定収益の確保を目指している。

16/9期はサポートセンターサービスが計画を大きく下回り、セグメント損失計上の主因となったが、17/9期はサービスラインナップの拡充効果でサポートセンターサービスが増収に転じる見込み。また、パッケージサービスでは、16/9期に「e2」の導入で大手外食チェーンと大手製造業の2社の開拓に成功した。17/9期は6社の上積みを図る考え。一方、エンジニア派遣の収益は安定しており、将来的には3事業で均等に収益を支える体制を構築していきたい考え。
 
ヘルスケア事業
ハナビラタケ関連製品は、カタログ通販やWeb通販に加え、ユニー(株)、大手百貨店、美容エステサロン、小売業者、薬局、動物病院等への国内外での直販を行っているが、未だ仕入れ商品の売上比率が高く、自社ブランドのハナビラタケ関連製品の売上比率の引き上げが課題となっている。

もっとも、国内では今夏にサプリメント・美容ゼリーのOEM供給(供給先:3社)が始まり、大手化粧品メーカーへのハナビラタケ由来成分を使った化粧品原料の販売見込みがあることから、17/9期は各取引が本格化する。また、海外では、ロシアのRegMed prof社(ディストリビューター)を介して、医療・美容製品の小売最大手「36.6」、医療・美容製品の小売「SUPRAMED」、インターネット販売大手「Beauty Health」、東欧を中心とする大手テレビ通販「Studio Moderna」、の4社との化粧品の取引が年内に始まる他、ドバイでも必要書類の提出が完了し、年内にサプリメントの販売が始まる(この他にも商談が進行中の海外案件があるようだ)。これらにより、17/9期はヘルスケア事業の売上が倍増する見込みである。
 
 
産学官共同研究(プロジェクト名:IT-はなびらたけプロジェクト)
2014年10月1日に開始した産学官共同研究(プロジェクト名:IT-はなびらたけプロジェクト)も着実に成果を上げており、2016年8月12日に中間報告を実施した。「IT-はなびらたけプロジェクト」では、循環器系疾患で有効と思われる(これまでに報告されていない)新しい生理活性物質を発見し、ハナビラタケからの単離にも成功した。中間報告によると、これまでもハナビラタケについて多くの研究成果が報告されているが、今回単離に成功した生理活性物質は、今まで報告されていないものであり、かつヒトにおける優れた機能性を有していると言う。来年3月を目処に学会・論文発表において本研究の成果を公表し、ハナビラタケの新たな成分の構造・用途に関して3者共有の特許申請を行う予定だ。
 
 
今後の注目点
16/9期は月額10百万円のコスト削減目標を達成し、計画通り営業損益の黒字転換を果たした。17/9期はハナビラタケ関連製品の国内外での販売が本格化するが、「IT-はなびらたけプロジェクト」の成果が公表され、ハナビラタケの新たな成分の構造・用途に関して特許申請が行われれば、ハナビラタケ関連製品の販売が加速するものと思われ、18/9期のセグメント損益の黒字化が視野に入ってくる。金融ソリューション事業において「Prospect」と各種プロダクトとのシステム統合が順調に進み、ビジネスソリューション事業において「e2」の顧客獲得が計画通り(6社)に進めば、18/9期の業容は一変しているのではないだろうか。CFが改善すれば、研究開発投資と並行しての復配の余地も出てくる。来春の共同研究の成果発表と特許申請をにらみ、今後に注目していきたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2016年12月26日
基本的な考え方
当社グループは企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本目標とし、「経営の透明性」「法令遵守」「効率的な経営」の観点から当該基本目標の実現を図ります。
代表取締役をはじめとする経営陣は、当社グループを取り巻くステークホルダー(株主、顧客、取引先、従業員等)との良好な関係を維持する役割を負います。そのため、経営状況を把握できる体制を構築及び運用し、法令及び定款を踏まえた適時適切な情報開示を行うことが重要と考えています。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-3】最高経営責任者等の後継者の計画
当社の最高経営責任者は代表取締役社長であり、取締役及び業務執行役員がその後継者候補となります。後継者は業績及び組織マネジメント能力を考慮して判定しますが、経営環境の変動等により後継者に求められる資質は随時変化するため、事前に確定した基準は設けていません。実際の代表取締役の選定に際しては、経営環境と候補者の資質を論点として、取締役会において十分に議論を行います。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】政策保有株式
政策保有株式を取得する際は、発行会社との業務上の提携等を通して当社の事業の成長に寄与することを条件としています。取締役会においては発行会社の業況及び当社との協業の状況を定期的にモニタリングしています。政策保有株式の議決権行使については、経営陣の経歴や業況、外部環境等考慮すべき基準が多岐に渡るため、都度判断しています。また、原則として株式の持ち合いはしない方針です。
 
【原則1-7】関連当事者間の取引
取締役が関連当事者間取引を行おうとする際は、取締役会での承認決議を要し、会社と主要株主との取引状況については、取締役会への報告事項としています。なお、定期的に、当社グループと取締役及び監査役又はその近親者との取引の有無、取締役及び監査役又はその近親者が議決権の過半数を所有する会社又はその子会社との間での取引の有無を確認しています。
 
【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
当社は、代表取締役社長を中心に、管理部門にてIR業務を行っております。 年に1回決算説明会を開催し、同時にその模様を当社ウェブサイトにて公開しています。また、個人投資家向け説明会の開催や随時個別ミーティングを実施しています。