ブリッジレポート:(2462)ジェイコムホールディングス vol.37
(2462:東証1部) ジェイコムホールディングス |
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企業名 |
ジェイコムホールディングス株式会社 |
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社長 |
岡本 泰彦 |
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所在地 |
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階 |
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決算期 |
5月 末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2015年5月 | 18,067 | 470 | 502 | 331 |
2014年5月 | 14,951 | 303 | 374 | 259 |
2013年5月 | 15,196 | 798 | 906 | 599 |
2012年5月 | 17,518 | 914 | 1,044 | 603 |
2011年5月 | 15,905 | 901 | 955 | 489 |
2010年5月 | 13,522 | 789 | 834 | 475 |
2009年5月 | 14,162 | 913 | 953 | 340 |
2008年5月 | 12,404 | 885 | 907 | 489 |
2007年5月 | 9,605 | 812 | 786 | 444 |
2006年5月 | 6,657 | 594 | 552 | 274 |
2005年5月 | 4,684 | 284 | 281 | 152 |
2004年5月 | 3,271 | 142 | 141 | 56 |
2003年5月 | 2,222 | 90 | 88 | 45 |
2002年5月 | 1,616 | 77 | 76 | 40 |
2001年5月 | 1,369 | 73 | 70 | 34 |
株式情報(7/22現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【事業セグメントとジェイコムグループ】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定・職業紹介等の総合人材サービス事業、介護施設運営の介護関連サービス事業、携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業、及び16/5期より新たにセグメントされた公的保育施設運営と受託保育の保育関連サービス事業に分かれる(2015年7月に保育事業を手掛けるサクセスホールディングス(株)等を連結子会社化)。
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。 |
2016年5月期決算 |
【ジェイコムホールディングス(株)の決算期と子会社の決算期】
持分法適用関連会社だったサクセスホールディングス(株)を16/5期第1四半期(2015年7月)に連結子会社化し、第2四半期より損益の連結を開始した(サクセスホールディングス(株)は連結子会社化を受け、決算期を12月末から4月末に変更した)。ジェイコムホールディングス(株)の16/5期連結決算には、サクセスホールディングス(株)の15/12期第3四半期(7-9月)、同第4四半期(10-12月)、及び16/4期(1月から4月までの4ヶ月決算)の10ヶ月間の業績が反映されている。
前期比76.3%の増収、同232.6%の経常増益
売上高は前期比76.3%増の318億44百万円。モバイルと光回線やタブレット等の副商材のセット販売業務の受託で総合人材サービス事業の売上が同24.6%増と伸びる中、持分法適用関連会社だったサクセスホールディングス(株)の連結子会社化で105億42百万円(約58%の増収要因)が上乗せされた。介護関連サービス事業の売上も、給食会社売却の影響を介護施設入居率の向上で吸収して同9.1%増加した(前期第1四半期の給食会社の売上を除くと同18.6%の増収)。利益面では、高収益案件の寄与による総合人材サービス事業の収益性改善と入居率の向上等による介護関連サービス事業の原価率低下(94.8%→91.0%)で、売上総利益率が0.8ポイント改善。サクセスホールディングス(株)の子会社化に伴う販管費の増加を吸収して営業利益が11億47百万円と同144.1%増加した。保育関連サービス事業に係る設備補助金収入4億74百万円を営業外収益に計上した事で経常利益は16億72百万円と同232.6%増加。段階取得に係る差益12億30百万円など特別利益12億63百万円を計上したため(その一方で、役員退職慰労金2億09百万円など特別損失2億64百万円を計上している)、最終利益は18億71百万円と同464.9%増加した。 期末配当は、1株当たり5円の増配と上場10周年記念配当5円と合わせた25円を予定。上期末配当と合わせて年40円となる見込み。 総合人材サービス事業
売上高156億21百万円(前期比24.6%増)、営業利益16億30百万円(同74.5%増)。モバイルと光回線やタブレット等の副商材のセット販売業務の受託で業務委託契約が同108.4%増と伸長。紹介予定・職業紹介契約は、旧派遣法下の前15/5期に抵触日を迎えた派遣社員の直雇用化に伴う手数料収入を計上した反動で売上が減少したものの、通常の人材紹介に係る売上は増加した。業界別では、モバイル業界向け(光回線等とのセット販売が主流になったため、「情報通信」と統合)やアパレル業界向けが伸びた他、サクセスホールディングス(株)及び(株)サンライズ・ヴィラとの連携効果で保育・介護業界向けも増加した(連結相殺;保育業界向け74百万円、介護業界向け1億08百万円)。その他では、ネット通販の活況を追い風に、物流やコールセンター向けが増加した。 利益面では、利益重視の選別受注を徹底した事に加え、収益性の高い業務委託契約の寄与もあり、営業利益率が改善した。 保育関連サービス事業
売上高105億42百万円、営業利益1億53百万円。総合人材サービス事業との連携及び処遇改善効果による保育士の採用増と定着率向上で保育施設の新規開設が順調に進み売上が上振れした。利益面では、のれん償却費の負担が重かったが、営業利益も想定を上回った。16年4月末現在の施設数は、受託運営施設182ヶ所、公的保育施設120ヶ所。
介護関連サービス事業
売上高49億56百万円(前期比9.1%増)、営業損失64百万円(前期は3億13百万円の損失)。介護士の充足による非稼働スペースの稼働等により入居率が90%を超え損益が大幅に改善(これまで介護士不足から施設の一部閉鎖もあった)。第3四半期に単月黒字化を実現した。16年5月末現在、21施設(デイサービス2施設含む)、1,123室を運営している。
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新中期経営計画(17/5期~19/5期) |
【商号変更 2016年12月1日より、ジェイコムホールディングス株式会社からライク株式会社へ】
16/5期は、持分法適用関連会社だったサクセスホールディングス(株)を連結子会社化して子育て支援サービス事業(役割の拡大を踏まえ、保育関連サービス事業から改称を予定)に本格参入した他、24時間看護の看取り体制を含む介護施設を運営する(株)サンライズ・ヴィラが黒字化に目処を付けた。同社は、マッチングと研修による未経験者の戦力化を強みとする総合人材サービス事業に、子育て支援サービス事業及び介護関連サービス事業を加えた三本柱体制が確立され、第二の創業期が完結したと考えている。
人生のどの段階においても「なくてはならない」企業グループへ
第二の創業期が完結した事を受けて17/5期は次の成長ステージに向かう事になるが、新たなスタートに際して商号を変更する。新商号は、「求職者、スタッフ、保育・介護施設の利用者、そして株主等全てのステークホルダーに愛される企業グループでありたい」という思いを込めた “LIKE(ライク)”。2016年12月1日付けで商号を変更する予定だ。総合人材サービス事業を手掛ける連結子会社ジェイコム(株)も、同日付けでライクスタッフィング(株)に商号を変更する予定で、サクセスホールディングス(株)、(株)サンライズ・ヴィラ等と共に、更なるグループシナジーを追求していく。ライク(株)は、総合人材サービス事業、子育て支援サービス事業、及び介護関連サービス事業を三本柱に、人生のどの段階においても「なくてはならない」企業グループを目指していく。
(2)事業別の戦略
総合人材サービス事業
全ての業界で人材確保が経営課題になっている。同社は未経験者を戦力化するグループ独自のノウハウを活かし、就業人口を増やしていく。また、2015年9月に施行された改正労働者派遣法も追い風になる(労働者派遣事業の許可制への一本化(規模と質が求められる)が優れた財務体質と充実したキャリア支援制度を有する同社を含めた大手にとって優位に働く上、安定した人材の提供と派遣労働者のキャリア形成につながる労働者派遣の期間制限の見直しが市場の活性化に寄与するとみられている)。
保育関連サービス事業 保育関連サービスから子育て支援サービスへ
深刻化する待機児童問題(保育施設の不足と保育人材の不足)に対応するべく、保育施設の増設と保育人材の確保に取り組むと共に、質の高い保育サービスの提供に努める事で、売上・利益共に成長し続ける日本一の保育事業者を目指す。
保育施設の増設
受託保育事業においては、グループの豊富な取引先を活かして案件を選別し、適正利益での受託数の増加に注力する。一方、公的保育事業においては、待機児童問題解消後も利用者に選ばれ続ける保育施設を目指して、ハード面でも優れた施設の増設に取り組む。また、保育サービスのコンテンツの拡充にも力を入れる。サクセスホールディングス(株)の17/4期は、認可保育園20ヶ所の新規開設を予定している他、学童保育施設の新規開設や受託案件の開拓にも取り組んでいく。また、建築コストの見直しが進んでいるため、投資効率の改善も見込まれる。 保育人材の確保
総合人材サービス事業で培った採用・就業後フォローのノウハウを活かす事で、採用力の強化と定着率の向上を図る考え。また、グループ内人事交流によるノウハウ共有やマッチング力強化、更には研修コンテンツのグループ共有にも取り組む。
介護関連サービス事業
(株)サンライズ・ヴィラの15/10期は、人事交流や採用代行等、総合人材サービス事業との連携が成果をあげ、介護士が充足したため、非稼働スペースが稼働した他、サービス品質の向上にも力を入れる事ができた。この結果、2013年10月に68.0%だった入居率が2016年4月には91.6%に改善し、月次損益が黒字に転じた。16/10期は、定着率の向上で採用費等の更なる削減等が見込まれ、一段の収益力強化が進む見込み。引き続きサービスの差別化と介護人材の確保に取り組んでいく考えで、サービスの差別化では、24時間看護の看取り体制の他、他社との差別化を明確にした高品質の介護サービスの提供に取り組む。一方、介護人材の確保では、未経験者を戦力化する総合人材サービスとの連携で介護人材を創出していく他、海外人材の受入れに備え、研修コンテンツの拡充にも力を入れる。 |
2017年5月期業績予想 |
前期比20.3%増の383億円、同31.6%の経常増益予想
売上高は前期比20.3%増の383億円。前期末と同数の施設数を前提に介護関連サービス事業の売上が同0.9%増にとどまるものの、サクセスホールディングス(株)が通期で寄与する保育関連サービス事業の売上が同30.9%増加する他、幅広い人材ニーズの取り込みで総合人材サービスの売上が同21.0%増加する見込み。利益面では、のれん償却費が増加するものの、増収効果に加え、介護関連サービス事業の損益改善(黒字転換)もあり、営業利益が16億円と同39.4%増加する見込み。 (2)配当及び株主優待
同社は連結配当性向35%以上を目標とし、中間配当及び期末配当の年2回配当を実施している。17/5期については、1株当たり記念配5円を落とす一方、普通配当を1円増配する考えで、年36円を予定している(上期末18円、期末18円、配当性向37.4%)。また株主優待として、クオカード及び(株)サンライズ・ヴィラが運営する介護施設の入居金割引券を下記の通り進呈する。 クオカード ・100株以上500株未満 1,000円分 ・500株以上 2,000円分 介護施設入居金割引券 100株以上 300,000円分 (有効期限:2018年8月末日/1枚につき1室分の利用) |
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
◎コーポレート・ガバナンス報告書 2016年2月15日更新
基本的な考え方
当社は、「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」をグループ理念とし、人生のどの段階においても社会に必要とされる企業集団であり続けるべく、コーポレート・ガバナンスへの取組みを重要な経営課題として認識しております。これを実現するために、当社グループの役員、従業員及びサービス利用者が、常に公正で機能的な行動をとることができるよう、持株会社体制であることを活かし、コンプライアンス体制を持株会社に集約し、持株会社の機能をグループ全体の経営管理に集中させることにより、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化を図っております。
1.株主の権利・平等の確保
株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行っております。 2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社のグループ理念に基づき、行動規範や行動原則を遵守し、サービス利用者、クライアント、株主、従業員等全てのステークホルダーの皆様に対し誠実に行動することにより、継続的に企業価値を拡大してまいります。 3.適切な情報開示と透明性の確保
法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報や非財務情報の提供にも積極的に取り組んでまいります。 4.取締役会等の責務
取締役会は、グループの経営の基本方針や戦略の策定、事業会社の管理・監督を行っており、グループ全体における業務の意思決定及び取締役会による業務執行を監督する機関として位置付け、運営しております。なお、社外取締役は、経営規律の強化を図るとともに、透明性をより一層高める役割を担っております。 5.株主との対話
グループの企業価値の極大化のため株主との対話を重視しており、株主からの対話の申し込みに対しては随時対応しております。 株主との対話は、IR担当部署、IR担当役員、経営陣幹部が必要に応じて行っております。 <開示している主な原則>
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