ブリッジレポート
(6890) 株式会社フェローテックホールディングス

スタンダード

ブリッジレポート:(6890)フェローテック vol.49

(6890:JASDAQ) フェローテック 企業HP
山村 章 社長
山村 章 社長

【ブリッジレポート vol.49】2016年3月期業績レポート
取材概要「19/3期に売上高1,000億円、営業利益80億円の達成を目指している。製品別では、7月に太陽電池用多結晶シリコン(ウェーハ)の米国大手向けOEM・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年6月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フェローテック
社長
山村 章
所在地
東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル
決算期
3月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 69,463 4,024 3,822 2,162
2015年3月 59,078 1,671 2,030 -2,132
2014年3月 44,745 798 1,262 1,391
2013年3月 38,424 -3,608 -3,465 -6,532
2012年3月 60,088 4,124 3,287 1,715
2011年3月 57,880 6,931 6,290 4,483
2010年3月 31,541 703 524 156
2009年3月 36,653 2,790 2,097 743
2008年3月 36,625 3,057 2,414 1,903
2007年3月 32,517 2,288 2,081 1,703
2006年3月 23,946 1,210 1,040 708
2005年3月 21,105 1,762 1,456 633
2004年3月 15,000 615 -177 -645
2003年3月 12,845 111 -626 -899
2002年3月 14,775 916 984 -357
株式情報(6/10現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,500円 30,810,278株 46,215百万円 5.58% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 0.8% 97.37円 15.4倍 1,255.55円 1.2倍
※株価は6/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フェローテックの2016年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
消耗品を含めた半導体・FPD製造装置部品、冷熱素子「サーモモジュール」を核とする電子デバイス、太陽電池関連製品等の製造・販売、及び関連する各種技術サービスを手掛けている。グループは、連結子会社27社、非連結子会社1社、持分法適用会社5社。
1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生。創業から30年余りにわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営も同社の特徴だ。
 
【経営理念と行動規範】
 経営理念
  顧客に満足を
  地球にやさしさを
  社会に夢と活力を
 
行動規範
私たちは、グローバルな視点のもと、常に国際社会と調和を図り、地域社会その他私たちに関係する世界の人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として、各国の法令を遵守することはもちろん、確固とした企業倫理と社会的良識を持って、誠実に行動します。

フェローテックグループは、新エネルギー産業およびエレクトロニクス産業を中心に高品質な製品やサービスを提案し、コスト競争力のある製品やサービスを提供することにより、お客様から信頼されて、満足を頂くことを掲げます。

フェローテックグループは、地球環境に配慮した活動を積極的に推進することを経営上の重要課題の一つとしており、最新の環境規制要求への適応を順次進めます。また、新エネルギー産業で活用できる素材・製品などを開発し、地球環境問題の解決に貢献することを掲げます。

フェローテックグループは、コア技術を活用したものづくりを通して社会に貢献し、顧客、株主、社員、取引先、地球社会などステークホルダーの方々が成長する楽しみを持てる企業であり続けます。また、企業活動に当たり法令遵守、社会秩序、国際ルールなど社会的良識をもって行動することを掲げます。
 
【事業セグメント】
事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の装置関連事業、サーモモジュールが中心の電子デバイス事業、及びシリコン結晶やPVウェーハ、結晶製造装置に使われる坩堝等の太陽電池関連事業に分かれ、16/3期の売上構成比は、それぞれ45.2%、19.2%、26.6%、及びソーブレード、装置部品洗浄、工作機械等の報告セグメントに含まれないその他9.0%。
 
 
装置関連事業
半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置部品である真空シール、製造の際に使われる消耗品である、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、この他、シリコンウエーハ加工や製造装置洗浄(中国でシェア50%)等も手掛け、エンジニアリング・サービスをトータルに提供している。
主力製品で世界シェアNo.1の真空シールは、製造装置内部へのガスやチリ等の侵入を防ぎつつ回転運動を装置内部に伝える機能部品で、上記の製造装置に不可欠。真空シールの内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただ、いずれの分野も設備投資の波が大きいため、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野での営業を強化しており、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。

一方、石英製品、セラミックス製品、及びCVD-SiC製品は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品。石英製品は半導体製造の際の高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品。太陽電池の製造プロセスで使われる石英製品である石英坩堝(太陽電池関連事業に区分)でも高いシェアを有し、この技術を活かして半導体向け高純度坩堝を育成中である。材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを主な顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラッミックスと半導体製造装置等の部品として使われるファインセラミックスが二本柱。
CVD-SiC(※)製品は「CVD法(Chemical Vapor Deposition法:化学気相蒸着法)」(シリコンと炭素を含むガスから作る)で製造されたSiC製品の事。現在、半導体製造装置の構造部品として供給しているが、航空・宇宙(タービン、ミラー)、自動車(パワー半導体)、エネルギー(原子力関連)、IT(半導体製造装置用部品)等への展開に向け研究開発を進めている。

この他、6インチのディスクリート半導体向けが中心の小口径ウェーハ加工(インゴットのスライス)も月産30万枚規模に達しており、小口径ウェーハの加工分野で一定の存在感を有する。
 
(※)CVD-SiC
SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)とは、シリコンと炭素が1体1で結合した化合物で、その存在は隕石の中にわずかに確認されているだけで、自然界では存在しないに等しい(天然のものはほとんど無い)。SiCはセラミックスに分類され、高硬度に加え、耐酸化性、化学的安定性、耐熱性等に優れる。耐酸化性、表面が二酸化ケイ素(SiO2)の被膜で覆われているため、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸、沸硝酸等の強い酸にもほとんど腐食されない。また、融点や軟化点等を持たず、約2000度を超える温度で昇華するまで安定している。そして、ダイヤモンド(新モース硬度15)、炭化ホウ素(同14)に次ぐ、地球上で3番目(同13)に硬い化合物である(このため難加工材ではあるが)。モース硬度は硬度を示す際の代表的な指標である。
SiCの製造方法は、セラミックスとして粉末材料を焼き固めた「焼結法」や、シリコン成分と炭素成分を含むガスから作る「CVD法」、またSiC結晶を高温で昇華させて再結晶化する「昇華法」等があり、「CVD法」は緻密で高純度なSiCの製造が可能だ。同社のCVD-SiC製品はCVD-SiCのみで作られているため、複雑な形状が可能、厚みを薄くかつ軽くできる、不純物汚染が少ない、パーティクルの発生が少ない、急速加熱に適している、クリーニング処理で繰り返し使う事ができる等の特徴を有する。
 
電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、遺伝子検査装置、光通信、家電製品等、利用範囲は広い。高性能材料を使用した新製品の開発や自動化ラインの導入によるコスト削減と品質向上により新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。
この他、釣り具のリール(リール内部の防水用途)や4Kテレビのスピーカー向け等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体の販売も当セグメントに含まれる。
 
太陽電池関連事業
2005年に太陽電池関連事業に参入し、シリコン結晶製造装置、石英坩堝等の消耗品、及び太陽電池用シリコン製品等の製造販売を手掛けてきた。現在は市場ニーズを踏まえて、太陽電池用シリコン製品(シリコンインゴットとウエーハ)の受託生産や、インゴットの製造時に使用される単結晶シリコン用坩堝や多結晶シリコン用角層坩堝(共に石英の加工技術がベースになっている)の製造・販売が中心。消耗品である坩堝については、多様なラインナップを揃えると共にカスタマイズにも対応し、高い市場シェアを有する。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
 
2016年3月期決算
 
 
前期比17.6%の増収、同140.8%の営業増益
売上高は前期比17.6%増の694億63百万円。自動車温調シート向けを中心にサーモモジュールの売上が伸びた電子デバイス事業の売上が同37.7%増加した他、半導体の製造過程で使われるマテリアル製品の好調で装置関連事業の売上も同18.2%増加。太陽電池関連事業は、太陽電池用シリコンやシリコン結晶製造装置が苦戦したものの、消耗品の石英坩堝や中国・インド向けを中心に売上を大きく伸ばした太陽電池用セルでカバーして売上が同3.1%増加した。

利益面では、装置関連事業及び電子デバイス事業の売上構成比の上昇で売上総利益が24.9%と2.1ポイント改善。円安に伴う海外子会社の円建て経費増等による販管費の増加を吸収して営業利益は40億24百万円と同2.4倍に拡大した。為替差益の減少(8億54百万円→2億36百万円)で営業外損益が悪化したものの、減損損失の減少(33億02百万円→4億15百万円)で特別損益が改善し、21億62百万円の最終利益を確保した。減損損失の内訳は、太陽電池関連事業2億95百万円、その他1億20百万円。

為替レート(期中平均レート)は、米ドル121.03円(前期106.46円)、人民元19.19円(同17.26円)。設備投資(CFベース)は上海子会社6億49百万円、杭州子会社14億24百万円、銀川子会社7億97百万円等を中心に34億40百万円(前期33億75百万円)、減価償却費43億03百万円(同39億64百万円)。

配当は1株当たり2円増配の期末10円を予定している。
 
予想との差異要因
年末にかけての半導体微細化・3D化投資や設備稼働率が予想したほどには落ち込まず、装置関連事業の売上が上振れした他、太陽電池関連事業の売上が石英坩堝を中心に、電子デバイス事業の売上がサーモモジュールを中心に、それぞれ上振れ。利益面では、円安基調の継続に加え、サーモモジュールの売上が上振れした影響が大きかった。
 
 
装置関連事業
売上高314億05百万円(前期比18.2%増)、営業利益31億48百万円(同106.6%増)。半導体の製造過程で使われる石英製品(同47.5%増の76億24百万円)やセラミックス製品(同18.6%増の61億47百万円)、及び新たに加わったCVD-SiC製品(M&Aにより下期より売上計上:16億85百万円)がスマートフォン用半導体及びフラッシュメモリー等向けに増加した。
一方、各種製造装置の機能部品である真空シールは、半導体微細化投資の一巡で71億63百万円と同4.7%減少。シリコンウエーハ加工は自社ブランド品に対する価格要請の強まりや車載用途での価格競争の激化で、売上が43億17百万円と同9.9%減少した。
 
太陽電池関連事業
売上高185億05百万円(前期比3.1%増)、営業損失16億92百万円(前期は営業損失12億72百万円)。太陽電池パネルの価格は需要増加に伴い底打ちしたものの、反発力は弱く低位のままで推移。国内での生産調整や事業撤退、海外での経営破たん等、厳しい事業環境が続いた。同社においては、中国・インド向けを中心にセル・その他が同129.7%増の61億41百万円と伸びた他、シリコンインゴットの製造過程で使われる消耗品の石英坩堝が35億24百万円と同4.7%増加したものの、太陽電池用シリコン(同26.0%減の84億83百万円)が大きく落ち込んだ他、シリコン結晶製造装置の売上も減少した(同20.6%減の3億59百万円)。利益面では、顧客の経営破たんに伴う貸倒引当金や材料在庫の評価損等の計上で損失が増加した。
 
電子デバイス事業
売上高133億28百万円(前期比37.7%増)、営業利益24億67百万円(同69.0%増)。米国市場で温調シートが搭載される高級車の販売が好調に推移し、主力の自動車温調シート向けサーモモジュールの売上が伸びた他、医療検査装置やバイオ関連機器用途の高機能製品の売上も増加。民生分野や中国における通信機器分野での販売も堅調に推移した結果、サーモモジュール全体の売上は125億59百万円と同40.6%増加し、過去最高を更新した。この他、新たな顧客から認定を受ける等でパワー半導体用基板の売上が増加した他、磁性流体も、車載用スピーカー、4Kテレビのスピーカー、釣具のリール等で幅広い需要で7億69百万円と同2.8%増加した。
 
 
期末総資産は前期末に比べて6億41百万円減の787億69百万円。借方では、(株)アドマップを連結した影響で売上債権やのれんが増加する一方、減価償却が進み有形固定資産が減少した。のれんについては、(株)アドマップにかかる2億95百万円を計上する一方、全体で1億55百万円の償却費を計上した。貸方では、太陽電池用ウェーハのOEM契約先の生産調整による有償支給材料の仕入の減少で(18億円減)、仕入債務が減少した。自己資本比率は49.1%(前期末は48.9%)。
 
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
前期比8.0%の増収、同24.2%の営業増益予想
売上高は前期比8.0%増の750億円。円高や北米自動車販売のピークアウトによる自動車温調シート向けサーモモジュールの減少を見込む電子デバイスの売上が同8.5%減少するものの、OEM中心の太陽電池用シリコンや中国・インドがけん引するセルを中心に太陽電池関連事業の売上が同27.3%増と伸びる他、CVD-SiC製品をけん引役に装置関連事業の売上も0.8%増加する見込み。

営業利益は同24.2%増の50億円。売上構成の変化で売上総利益率が低下するものの、円高で海外子会社の円建て経費が減少するため販管費が同4.5%減少する。セグメント別では、太陽電池関連事業の黒字転換が見込まれる。為替差損を3億円程度見込んでいる模様で経常利益が同9.9%の増加にとどまるものの、減損損失がなくなり最終利益は30億円と同38.8%増加する見込み。

為替レート(期中平均レート)の前提は、米ドル105円(前期121.03円)、人民元16.50円(同19.19円)。設備投資は、中国での8インチウェーハ製造のための設備投資に更新設備投資を加え、前期比32.6%増の80億円(前期34億40百万円)、減価償却費は45億円を織り込んだ(同43億03百万円)。

配当は1株当たり年2円増配の12円を予定している(上期末6円、期末6円)。
 
 
 
真空シールは、前下期以降、半導体微細化投資が活発化してきた事に加え、韓国メーカーの有機ELパネル投資も始まり、総じて回復傾向にある。石英製品は半導体3D化の製造工程での消耗品需要の増加が見込まれる中、日・米大手OEMの堅調な推移や中国・台湾メーカーの稼働率維持で高水準だった前期実績を上回る見込み。業績予想に織り込んではいないものの、中国で半導体投資が本格化する兆しがあると言う。CVD-SiC製品は北米大手や日本・アジア向けの堅調な推移が見込まれる中、大手装置メーカー向けOEM部材供給の寄与や非半導体分野の売上増で売上が大きく伸びる。一方、6インチウェーハ加工は価格競争で減収を見込む。
 
 
石英坩堝は半導体向けが拡大傾向にあり、多結晶用角槽も大型G6の定着で需要増が見込まれる。このため、現地通貨ベースでは売上が増加するものの、円高の影響で前期比0.7%の減収。ただ、銀川工場への生産移管で収益の改善が進む。太陽電池用シリコンは世界的な需要増でOEMが増加する。米国ではFIT(固定価格買い取り制度)の延長が追い風になり、中国も不透明感はあるものの、成長が続く見込み。新興国では、インド、南アフリカ、チリ、メキシコ、トルコ、ホンジュラス、アルジェリア等での市場成長が見込まれる。また、評価が最終段階にある新規のOEM供給が年後半から始まる見込み。太陽電池用セルは、中国・インドを中心に新興国向けが増加する見込み
 
 
サーモモジュールは前期並みを見込む一般産業向けで、新規案件による上振れ期待があるものの、主力の自動車温調シート向けが円高や北米自動車販売のピークアウトで減少する見込み。民生向けはサブアッシー品の品ぞろえを拡充して営業を強化する。
 
 
今後の注目点
19/3期に売上高1,000億円、営業利益80億円の達成を目指している。製品別では、7月に太陽電池用多結晶シリコン(ウェーハ)の米国大手向けOEM生産が始まり、銀川工場のウェーハ生産能力(1.2ギガワット)の50%を充てる考え。シリコン引上げ装置は中国ローカルの需要が旺盛だが、過剰投資の懸念があり回収リスクが高い。このため、量を追わず、現金ビジネスに徹し、同社技術に対する評価いかんで顧客を選別して事業を進める。また、シリコン引上げ装置は坩堝と共に半導体向けに軸足を移していく。坩堝は大口径28インチ坩堝用炉を導入し製品化を急いでおり、シリコン引上げ装置は既に8インチに成功している事から、12インチに挑戦する。太陽電池関連事業は今期の黒字化を目指しているが、1-3月期(子会社の17/3期第1四半期)は黒字を達成した模様。
装置関連事業では、半導体用ウェーハの製造・販売を開始する。日本メーカーや台湾メーカーの技術支援を受けており、8インチウェーハ・月産10万枚の生産からスタートし、2017年1月を目処に評価を開始する。この他、CVD-SiC製品を半導体から、原子力発電、航空・宇宙関連等の非半導体分野を拡大させる。電子デバイス事業では、自動車関連(発電、冷却)、ユニット、ハイパワーデバイス基板などに力を入れていく。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
同社はコーポレートガバナンス・コード適用以降のコーポレートガバナンス報告書を2015年9月1日に提出しており、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。
 
基本的な考え方
当社は、企業価値を高め、株主、顧客、取引先、地域社会などステークホルダーに信頼され支持される企業となるべく、経営の健全性を重視し、併せて、経営環境の急激な変化にも迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立することが重要であると考えております。
平成27年6月25日現在の取締役9名の内、社外取締役2名を選任しており、また、経営環境の変化に迅速に対応できるよう取締役の任期は1年としております。月一回の定例取締役会開催に加え、重要案件が生じたときは、機動的にその都度、臨時取締役会を開催しております。

業務執行につきましては、平成27年6月25日現在、執行役員11名[内、男性10名、女性1名/内、取締役6名(内、男性6名)]をそれぞれ担当職務・部門責任者として配置し、業務執行上の役割分担を明確にしております。
当社は、監査役会設置会社であります。監査役会は、平成27年6月25日現在、監査役4名(内、常勤監査役1名)全員が社外監査役で構成され、企業統治の強化を図っております。

当社は、後藤法律事務所とは法務顧問契約に基づき、業務上必要に応じて法務に関わる助言を受けております。
また、会計監査人である新日本有限責任監査法人とは、監査契約に基づき会計監査を受けており、東京証券取引所JASDAQスタンダードに上場する企業として、開示規定に定める事象がおきた場合は、遅滞なく情報の開示に努めております。当社の適時開示に係る社内体制の概要については、「会社情報の適時開示に係る社内体制の状況について」を東京証券取引所に提出しております。