ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

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ブリッジレポート:(2317)システナ vol.31

(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.31】2016年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「全ての事業で売上が増加し、しかも、主要事業は収益性の改善を伴って売上が増加しており、ソリューション営業事業とコンシューマサービス・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年2月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
社長
逸見 愛親
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 36,951 2,226 2,322 940
2014年3月 33,969 1,656 1,746 1,797
2013年3月 31,662 2,244 2,292 1,203
2012年3月 30,630 1,822 1,918 904
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(2/9現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,589円 24,506,700株 38,941百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
32.00円 2.0% 93.85円 16.9倍 527.39円 3.0倍
※株価は2/9終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
システナの2016年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社7社及び持分法適用会社1社と共にグループを形成している。
 
 
【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】
経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。
 
【目標とする経営指標】
・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、安定と成長のバランスを重視した経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
 
【事業内容】
事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、コンシューマサービス事業、及び海外事業に分かれる。15/3期の売上構成比(外部売上ベース)は、ソリューションデザイン事業31.8%、フレームワークデザイン事業11.5%、ITサービス事業13.9%、ソリューション営業41.1%、クラウド事業1.3%、コンシューマサービス事業0.7%、及び海外事業0.3%。
 
ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)
車載関連やスマートデバイス等の組み込みソフトの開発、アスマホアプリやWebアプリの開発等を行うサービスソリューション事業と、スマホアプリやWebアプリの性能・評価・品質検証、サービスプロバイダー向けのサーバ監視・運用サービス等を行うクオリティデザイン事業に分かれる。スマートデバイスの開発企業やネットビジネス関連企業に加え、情報家電、社会インフラ、ホームセキュリティ、自動車業界等の非携帯端末分野、更には、エンドユーザーの業務システム開発等、幅広くユーザーニーズを取り込んでいく考え。
 
フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業事業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。
 
ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)
システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。
 
ソリューション営業事業   (株)システナ
ITプロダクト(サーバ、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。
 
クラウド事業   (株)システナ
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「Google Apps」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。
 
コンシューマサービス事業   (株)GaYa
連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。自社タイトルやエンジンの複数プラットフォームへの展開、PC/スマホの垣根を越えたマルチ対応ゲーム制作等を手掛けている。
 
海外事業   Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、Systena America Inc.、Systena Vietnam Co.,Ltd、iSYS Information Technology Co.,Ltd.
タイの現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、米国の現地法人Systena America Inc.、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.、及び中国の合弁会社iSYS Information Technology Co.,Ltd.(北京)の4社が事業を進めている。2013年4月設立のタイ現法(バンコク)は、14年6月にサービスを開始したバンコク版レストラン検索アプリ「バングル」の収益化に取り組んでおり、16/3期上期にサービス課金を開始した。一方、米国現法(カリフォルニア州)は、大手通信キャリアやスマホメーカーの北米製品のローカライズ開発・検証支援を目的に、2014年1月に営業を開始した。現在、カンザス州にも拠点を有し、日系・米系通信キャリアやメーカーからの受注が軌道化してきた。日本発祥のアニメ文化、SNSゲーム、コンテンツの米国展開や米国の最新技術・サービスの動向調査や事業化(インキュベーション事業)にも取り組んでいる。この他、2014年9月設立のベトナムの現地法人(ハノイ)は、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点。「バングル」関連のアプリ開発受託で、タイの現地法人との連携を強化している。2011年7月に設立した持分法適用会社iSYS Information Technology Co.,Ltd.(北京)もオフショアとしての位置付けで、モバイル向け・金融機関向けシステムが中心である。
 
 
中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
 
【ストラテジー  -自動運転、スマートシティ、ロボット-】
今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボットの3分野を挙げている。自動車メーカー各社が開発に力を入れている自動運転技術は無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。スマートシティもやはり、無線通信技術が不可欠であり、当面は電力自由化や消費エネルギー管理等、国内が中心だが、長期的には途上国へのインフラ輸出でグローバルマーケットが視野に入る。また、ロボットも、現在はソフトバンク向けだが、AIの分野は、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。
 
【中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)  -成長工ンジンの再構築により、4年後の営業利益を2.5倍に-】
(1)重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
売上高 56,000百万円(15/3期 36,951百万円) 配当 52円(15/3期 30円)
営業利益 5,500百万円(同 2,226百万円) 配当性向 40%以上(同 81.0%)
EPS 130円(同 37円) ROE 20%(同 7.3%)
 
 
(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業
19/3期の目標は売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117億60百万円、営業利益10億34百万円)。セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、特に車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる(売上高19億円、営業利益1.8億円→売上高71億円、営業利益8.7億円)。
 
フレームワークデザイン事業
19/3期の目標は売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42億43百万円、営業利益3億85百万円)。売上を1.5倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、特に本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を見込んでいる(売上高0.4億円、営業利益0.03億円→売上高8億円、営業利益1.2億円)。
 
ITサービス事業
19/3期の目標は売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)。ヘルブデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業により、従来と異なる側面からのアプローチで、上流工程やサービス構築等のより付加価値の高いサービスへ転換するスキームを確立し、継続的な売上・利益の向上につなげていく。
 
ソリューション営業
19/3期の目標は売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。
 
 
2016年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比16.3%の増収、同33.1%の営業増益
売上高は前年同期比16.3%増の306億90百万円。高度化が進む車載機開発及び電力自由化に伴う運用システム開発等をけん引役にソリューションデザイン事業の売上が同20.6%増、金融・保険分野でメインフレームを利用している企業のシステム再構築案件を中心にフレームワークデザイン事業の売上が同31.4%増、社内システムの再構築案件やITトレーニング・動画サービス等の取り込みでITサービス事業の売上が同13.0%増等、主要事業の売上が収益性の改善を伴って増加した。

営業利益は同33.1%増の21億32百万円。「システナ」ブランドの浸透を目的としたテレビCMや人員増強に加え、海外での先行投資を積極的に行った事で販管費が同12.0%増加したものの、利益率の高いソリューションデザイン事業の売上構成比の上昇や主要事業での収益性改善で吸収した。
為替差損益の悪化等で経常利益は同30.1%の増加にとどまったものの、税効果会計の影響で最終利益は17億89百万円と同47.7%増加した。
 
 
(2)セグメント別動向
ソリューションデザイン事業
売上高101億67百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益10億56百万円(同48.3%増)。内訳は、各種ソフトウェアやサービスの開発を行うサービスソリューション事業が売上高61億92百万円(同13.7%増)、営業利益は6億76百万円(同37.0%増)。各種製品やソフトウェア開発のプロジェクト管理・企画・仕様定義・品質管理に携わるクオリティデザイン事業が売上高39億74百万円(同33.1%増)、営業利益は3億80百万円(同73.8%増)。

サービスソリューション事業では、高度化が進む車載機開発及び電力自由化に伴う運用システム開発がけん引。モバイル端末開発の豊富な経験と実績が評価され、特に車載関連の伸びが大きかった。また、自社開発製品も、スマートフォン向け不正送金・フィッシング詐欺対策アプリ「Web Shelter」の採用が複数の金融機関で進んだ他、モバイルファーストな金融機関向けスマートフォン支店開設サービス「口座開設アプリ」や「スマホ通帳アプリ」も引き合いが活発だったようだ。

一方、クオリティデザイン事業では、車載関連やソフトバンク(9984)のPepper(ペッパー)向けなどロボット関連の売上が増加した他、前期に立ち上げた検証ラボも、品質検証分野がスマートデバイスから電子決済関連や車載関連へ広がり、売上が拡大。リスクファインダー(株)が提供するAndroidのセキュリティ脆弱性診断Webサービス「RiskFinder」を活用した新たな検証サービスの立ち上がりも順調で、引き合いが着実に増えているようだ。
 
フレームワークデザイン事業
売上高39億71百万円(前年同期比31.4%増)、営業利益5億09百万円(同77.3%増)。金融・保険分野でメインフレームを利用している企業のシステム再構築案件が引き続き好調を維持した。また、同案件の収束に備え、金融のノウハウを活かした流通小売分野の電子決済やポイントシステム等の成長分野への展開や、ソリューション営業本部との連携強化による新規顧客に対するアセスメントサービスやプロダクト展開も進めた。後者では、12月に統合管理ソフトウェアのZabbix社(ラトビアZabbix社の日本法人)と認定パートナー契約を締結し、システム監視の自動化サービスを開始した。
 
ITサービス事業
売上高42億48百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益2億75百万円(同25.2%増)。ソリューション営業本部の顧客に対するITサービス全般の提案営業が成果を上げ、社内システムの再構築案件やITトレーニング・動画サービス等のスポット案件等の取り込みが進んだ。事業拡大に伴う人材の拡充も進み、計画を上回る大幅増員を実現したため採用費・人件費等も増加したが、増収効果で吸収。収益性も改善した。
 
ソリューション営業事業
売上高117億24百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益3億16百万円(同15.5%減)。Windows XPサポート終了に伴う買い換え需要の反動でPC国内出荷の前年割れが続く中、サーバー・ストレージソリューションのサービスやクラウドビジネスとの連携によるハイブリット対応等、回復基調にある製造系企業をターゲットとして取り組んだ部門間連携による営業が成果を上げた。ただ、XP特需を追い風にした前年同期の利益率が高かった事と人員増強等の先行投資負担で利益が減少した。
 
クラウド事業
売上高3億75百万円(前年同期比22.1%増)、営業利益32 百万円(同152.2%増)。クラウドのグループウェア市場の競争激化と円安による仕入れ単価の高騰で収益性が悪化した「Google Apps」から、自社商品 「Cloudstep(*)」を中心とした戦略へのシフトが成果をあげつつある。この第3四半期累計期間では、既存サービスを強化した成果はもちろんだが、セキュリティ系の新サービス投入が競合他社との差別化につながったようだ。

尚、「Cloudstep」とは、「Google Apps」や「Microsoft Office 365」などのクラウドサービスをより使いやすく、より安全に利用するための業務アプリケーションや運用者向けの管理ツールを同社独自のソリューションとして展開するサービス群。
 
コンシューマサービス事業
売上高2億82百万円(前年同期比30.3%増)、営業利益は1百万円(同96.2%減)。エンジン供給を行った国内タイトルを海外向けにローカライズし10月にアメリカ市場向けにリリースした他、12月には国内向け新規タイトルをリリース(エンジン供給)した事で売上が増加したものの、来期リリースする新規タイトルへの先行投資が利益を圧迫した。
 
海外事業
売上高1億68百万円(前年同期比185.3%増)、営業損失75百万円(前年同期は損失45百万円)。Systena(THAILAND)Co.,Ltd.は、バンコク版レストラン検索サービス「バングル」のモバイルアプリの刷新が奏功し、有料会員の1年以上の長期契約数が増加すると共に、バナー広告収入も増加した。今後、「予約機能」、「ポイント機能」等、より顧客の集客に直接繋がる新機能のリリースに加え、ユーザー獲得に向けたプロモーションを強化していく考え。

一方、携帯電話やスマートフォン開発メーカーの北米での開発販売に伴うローカライズ開発・検証支援を展開するSystena America Inc.は、カンザスオフィスの設立と現地での採用を拡大し体制を強化しており、の第3四半期累計期間では、前年同期比で大きく売上を伸ばした。一方、損益面では、拠点開設や各種展示会への出展等の先行投資が負担となり営業損失が増加した(同社は二年後の黒字化を目指している)。

尚、展示会への出展では、2016年1月にラスベガスで開催されたCES(世界最大のデジタル家電製品ショー)に出展し、金融機関向けセキュリティ・ソリューションである「Web Shelter」やIoTルーター等の独自商材で多数の引き合いを受けた。また、シリコンバレーを中心としたベンチャー企業との情報交換も積極的に行っており、彼らの持つサービスやソリューションの日本への展開や、同社製品とのコラボレーションが具体化しつつあるようだ。将来を見据え、引き続き現地企業への営業を強化していく考え。
 
 
 
 
 
売上債権・仕入債務等の減少で、第3四半期末の総資産は205億86百万円と前期末に比べて8億39百万円減少した。また、株主への一層の利益還元と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的に、2015年9月8日から12月31日にかけて375,900株(取得価額の総額:約425百万円)の自己株式を取得した。
流動比率232.0%(前期末213.4%)、固定比率28.2%(同30.2%)、自己資本比率62.8%(同60.0%)。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比11.0%の増収、39.3%の営業増益予想
第3四半期決算が当初の計画を上回った事を踏まえて、通期予想を上方修正した。第4四半期(1-3月)は第3四半期(10-12月)並みの売上・利益を予想している。期末配当は1株当たり16円を予定しており、年間で2円増配の32円となる見込み。
尚、「法人税率の引き下げが見込まれる中で、繰延税金資産の取崩し額が(親会社株主に帰属する)当期純利益に与える影響を、現時点で見積もることは困難」として、当期純利益の予想値は公表していない。通期連結業績に示した当期純利益の23億円は、法令の改正による繰延税金資産の取崩しを考慮しない場合の予想値である。
 
 
 
 
今後の注目点
全ての事業で売上が増加し、しかも、主要事業は収益性の改善を伴って売上が増加しており、ソリューション営業事業とコンシューマサービス事業は利益が減少したが、減益要因は明確(人員増強や来期リリースタイトルへの投資)。現在進行中の中期4カ年計画(16/3期~19/3期)は「4年後の営業利益を2.5倍にする(22億円→55億円)」という強気の計画ではあるが、その原動力となる「成長工ンジンの再構築」が着実に進んでいるようだ。この結果、公表されていた通期の予想営業利益26億50百万円に対して、社内的には30億円までの上積みを目指していたが、実際には、これを上回る31億円で着地する見込みである(4半期ベースの業績トレンドは良好で、修正予想が保守的な印象を受けてしまうほどだが)。
中期4カ年計画における来17/3期の営業利益計画は35億円だが、金融とITを融合した「フィンテック」、全てのモノをネットにつなぐ「IoT」、「人工知能(AI)」、更には「ロボット」といった成長分野で着実に需要を取り込めている事を考えると、17/3期は18/3期の計画である45億円を念頭に置いた展開になると考える。