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(4847) 株式会社インテリジェント ウェイブ

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ブリッジレポート:(4847)インテリジェント ウェイブ vol.26

(4847:JASDAQ) インテリジェント ウェイブ 企業HP
井関 司 社長
井関 司 社長

【ブリッジレポート vol.26】2016年6月期上期業績レポート
取材概要「金融ソリューション事業では、プロジェクト管理の成果が現れており、ソフトウェア開発の収益性が改善している。また、当初は先行投資が負担に・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年2月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インテリジェント ウェイブ
代表取締役社長
井関 司
所在地
東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
決算期
6月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年6月 6,160 484 490 471
2014年6月 6,558 145 183 86
2013年6月 5,870 -677 -587 -349
2012年6月 5,241 131 154 270
2011年6月 4,762 321 341 129
2010年6月 4,956 358 387 211
2009年6月 5,527 228 235 187
2008年6月 6,695 417 403 -5
2007年6月 6,367 389 407 -295
2006年6月 7,137 1,482 1,452 947
2005年6月 5,174 678 688 264
2004年6月 5,257 371 365 156
2003年6月 5,891 1,177 1,161 539
2002年6月 5,505 1,854 1,846 1,003
株式情報(2/5現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
418円 26,340,000株 11,010百万円 10.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
5.00円 1.2% 13.29円 31.5倍 183.55円 2.3倍
※株価は2/5終値。
 
インテリジェント ウェイブの2016年6月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
クレジットカードの決済システムで国内シェアNo.1のソフトウェア開発会社。“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“システムを止めないためのノンストップ技術”、及び“高度なセキュリティ技術”を技術基盤とし、カード不正利用検知システムや証券関連の情報集配信システムでも豊富な実績を有する。営業面では、筆頭株主として議決権の50.61%を保有する大日本印刷(株)及びそのグループ企業との連携が強みとなっている。グループは、同社の他、韓国で開発・販売を手掛ける連結子会社INTELLIGENT WAVE KOREA INC.(2016年5月に清算の予定)及び持分法適用関連会社(株)ODNソリューションの2社。
 
【井関社長の下、次の30年へ会社を進化】
2015年9月29日開催の第32 期定時株主総会及び同総会終結後の取締役会での選任を受けて、代表取締役副社長職にあった井関 司氏が代表取締役社長に就任した。井関 司氏は、大日本印刷(株)において、IPS 事業部PS 第6営業本部長、情報ソリューション事業部副事業部長を歴任。2013年9月に(株)インテリジェント ウェイブに転じ(取締役に就任)、2014年9月に代表取締役副社長に就任した。同社は2014年12月に会社設立30周年を迎えた。井関新社長の下、更なる経営基盤の強化と企業価値の向上を目指して経営体制の一層の強化・充実を図っていく考え。

尚、大日本印刷(株)の情報ソリューション事業部は、ハード・ソフト両面からサポートする販売促進や最先端のホログラム技術・IT技術を活かした印刷・プリント等のマーケティングコミュニケーション事業部、プリント事業のノウハウをベースに業務効率化を支援するビジネスプロセスアウトソーシング事業部、そしてセキュリティ、センシング、決済・認証等のセキュアコミュニケーション事業部、の3事業部体制で幅広くソリューション提供を行っている。大日本印刷(株)で培った井関社長のキャリアは、(株)インテリジェント ウェイブの潜在成長力を顕在化させるにあたって大きな力になると期待されている。
 
事業の目的を再定義  安全、安心なITインフラを顧客に提供すること
強みである取引・決済を支える技術とシステム、及び顧客の情報資産を守るサイバーセキュリティ対策に磨きをかけていく。
 
ミッション  次の30年へ会社を進化させるべく、“二兎を追う”
事業規模の拡大を図ると共に、システムの信頼性を高める(品質の強化)。つまり、規模と品質の二兎を追う。事業規模の拡大では、システム開発請負と保守サービスという従来型の業務だけでなく、同社製品を顧客の都合に合わせて必要な時だけ利用できるサービス(ASP、Saas)の提供や顧客に代わってシステム運用を行うビジネス等、ストック型の新製品、新サービス、新規事業の育成に取り組んでいく。一方、品質の強化では、プロジェクト管理や定期的な工程レビューの実施により利益に対する意識の徹底を図ると共に、開発プロジェクトの利益を確保しつつ事業拡大を図るべく品質保証部門を新設した。
 
【事業セグメント】
事業は、クレジットカードや証券等の金融業界やシステム開発会社を主な顧客として、ソフトウェア開発、自社製・他社製パッケージ及びハードウェアの販売、更には保守等を手掛ける「金融システムソリューション事業」と、業種・業界にとらわれず幅広く自社製・他社製パッケージを中心にしたソリューションを提供している「プロダクトソリューション事業」に分かれる。
 
 
金融システムソリューション事業
カード系と証券等の非カード系のビジネスに分かれ、カード系では、クレジットカード会社や銀行等の対外ネットワークへの接続で国内トップシェアを誇る「NET+1」(24時間無停止対応ソフトウェア)を用いたシステム構築を中心に、クレジットカード不正利用検知システム「ACE Plus」及び不正口座取引検知システム「ACE Plus for Bank」を用いた不正検知システム等を手掛けている。

「NET+1」を用いたシステムは、クレジットカードやデビットカード等の商品購入時の与信に応じた代金決済やキャッシュカードカードの残高確認等、24時間365日、いつでもカードが利用できるネットワーク環境を提供するもので、付加価値の高い専用ハードと自社開発のパッケージソフトからなり、大手クレジットカード会社のネットワークへの接続で70%のシェアを有する。また、「NET+1」は、銀行の店外CD/ATMや海外ATM等の外部ネットワーク接続や消費者金融の外部ネットワーク接続等でも使われている。
一方、不正検知システム「ACE Plus」等は、偽造カード・盗難カード利用などクレジットカードの不正使用による被害の極小化や金融機関の振り込め詐欺・マネーロンダリングなど口座不正利用の検知を目的としており、こちらも豊富な実績を有する(シェア6~7割)。

上記のビジネス(カードビジネスのフロント業務)は同社の強みの象徴であり、収益基盤となっているが、高シェアゆえに成長余地が限られる。このため、同社はサービス(開発)領域の拡大に取り組んでおり、売上計上、仕訳、取引精算、ブランド管理、加盟店管理、帳票出力、業務運用管理、システムログ、更にはバックアップといったバックオフィス業務の受注を強化している。

非カード系では、“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“ノンストップ技術”、及ぶ“セキュリティ技術”を活かして、クレジットカード業界、証券業界(オンライン証券会社・機関投資家)、及び大日本印刷のグループ企業等のシステム開発を手掛けており、証券業界向けでは高速情報基盤システム(証券取引所等から提供される市況データや気配値等を素早く社内の各端末に配信するシステム)等で豊富な実績を有する。
 


(同社資料より)
・統合ATMとは、全国の都市銀行や地方銀行、信用金庫等の現金自動預払機(ATM)を統合したネットワークシステム。
・CARDNETとは、クレジット情報処理センター事業等を行う(株)日本カードネットワークの略称。
・CAFISとは、NTTデータが提供する日本で最大のカード決済総合サービス。
 
プロダクトソリューション事業
当事業は、カードや証券等の業界に捉われず、全ての業界・企業を顧客対象としている。「NET+1」や「ACE Plus」等で培ったネットワーク技術やセキュリティ技術をベースとした情報漏洩対策システム「CWAT(シーワット)」(パソコン等の端末から、コピー、印刷、ネットワーク経由等による情報の内部からの持ち出しを監視)を中心に、内部情報漏洩対策、脆弱性対策、及び外部攻撃対策について、監視・検出・診断・認証と防止・阻止の切り口からソリューションを提供している。
ラインアップは次の通り。
 
 
尚、当事業は早期に一定の事業規模(年商10億円規模)に拡大させ、安定的に利益計上できる体制を構築する事が課題だが、売上や利益の数字に表れないメリットも大きい。優れたセキュリティ関連製品を扱う事で得られる最新の情報や蓄積される技術・ノウハウ、海外の有力ベンダとの提携により広がるワールドワイドのネットワーク、更には全ての業界・企業を顧客対象とする事による顧客層の広がりとビジネスチャンスの拡大等、目に見えない部分での貢献も大きい事業である。
 
 
12/6期から14/6期にかけては売上高が増加したものの、必ずしも利益の増加を伴わなかった。売上高の増加は、ハードウェア販売の増加や大型開発プロジェクトの寄与によるものだが、ハードウェア販売は廉価なエントリー製品が多かったため利益面での貢献は大きくなかった。また、大型開発プロジェクトでは、業務領域の拡大に向けた取り組みとして、得意とするフロント業務と共にバックオフィス業務のシステム開発も受注したが、大型プロジェクトの管理ノウハウの不足で不採算化し、その影響が12/6期から14/6期にかけての3期に及んだ。もっとも、ハードウェア販売の増加は、決済業務に新規参入する事業者の取り込みが進んだ事の表れであり、不採算プロジェクトも、バックオフィス業務でのシステム開発のノウハウが取得できた事に加え、その後のプロジェクトの管理体制見直しのきっかけになる等、得るものも多かった。このため、13/6期を底に収益性がV字回復している。また、新たな収益源として育成中のサイバーセキュリティ・ソリューションも軌道化してきた。
 
 
2016年6月期上期決算
 
 
金融機関の活発なIT投資と企業のサイバーセキュリティ対策を追い風に売上・利益共に期初予想を上回る着地
売上高は前年同期比5.3%増の29億96百万円。前年同期に好採算の大型案件があった反動で金融システムソリューション事業の売上が同0.5%減の26億19百万円とわずかに減少したものの(期初予想は同1.2%減)、自社製の情報漏えい対策パッケージソフトウェア「CWAT(シーワット)」や米国パロアルトネットワークス社製マルウェア対策ソフトウェア「Traps(トラップス)」等の他社製パッケージソフトウェアが期初予想を上回ったプロダクトソリューション事業の売上が同77.8%増の3億76百万円と伸びた。

営業利益は期初予想の1億円を大きく上回る前年同期比10.3%増の2億02百万円。増収効果でプロダクトソリューション事業の損益が大幅に改善(△1億07百万円→△2百万円)した他、金融システムソリューション事業も、プロジェクト管理の成果でソフトウェア開発が順調に進み期初予想を上回る利益を上げた。また、経費節減努力により増収ながら販管費もわずかに減少した。
為替差益を計上する一方、持分法投資損失がなくなった事等で経常利益は2億15百万円と同17.5%増加。最終利益は前年同期の一時的な要因(税効果会計の影響)の反動で減少したが、1億45百万円と期初予想の65百万円を大きく上回った。
 
 
 
売上高26億19百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益2億04百万円(同29.5%減)。金融・カード系では、ローソンが発行するプリペイドカード「おさいふPonta」等、ブランドプリペイド関連や決済プラットフォームの運用と言った大型案件に加え、ネット系カード会社向けの認証・ゲートウェイ関連(システムの更新に伴う「NET+1」のカスタマイズ)、証券系では、大手証券会社の基幹システム更新やオンライン証券向けの情報配信関連(ゲートウェイの改修)等を手掛けた。前年同期にクレジットカード会社の統合に伴う好採算の大型案件があったため、前年同期比減収・減益となったが、ハードウェアやパッケージソフトウェア販売の上振れで売上が期初予想をわずかに上回る中、ソフトウェア開発が順調に推移した事で営業利益が期初予想(1億80百万円)を上回った。
 
 
売上高3億76百万円(前年同期比25.3%増)、営業損失2百万円(前年同期は1億07百万円の損失)。サイバーセキュリティに対する意識の高まりを受けて、マルウェア対策ソフトウェア「Traps」を中心に、イスラエルCHECKMARX社製Webアプリ脆弱性対策(ソースコード解析ツール)「CxSuite(シーエックススイート)」、米RAPID7(ラピッドセブン)社製ネットワークの脆弱性対策等の引き合いが増えており、これを機に同社の自社開発製品である情報漏洩対策システム「CWAT(シーワット)」が改めて見直される等の相乗効果が表れている。この上期は、「Traps」等の他社製品の売上が1億90百万円と期初計画の1億55百万円を上回った事に加え、自社製品「CWAT」の売上も1億86百万円と計画の1億45百万円を上回った。
 
 
第2四半期(10-12月)は金融システムソリューション事業をけん引役に、第1四半期(7-9 月)比で売上・利益共に大きく伸びた。
金融システムソリューション事業では、ハードウェア販売が減少する一方、収益性の高いソフトウェア開発や自社パッケージの売上が増加した事で第1四半期は2.1%にとどまった営業利益率が12.2%に改善した。一方、プロダクトソリューション事業は他社製パッケージが中心となったが、高い売上水準を維持した事で損失が12百万円にとどまった。
 
 
 
(3)受注高及び受注残高(個別ベース)
 
株価下落や円高傾向の為替等が今後のIT投資に影響を及ぼす可能性を完全には否定できないが、第2四半期は順調に受注を伸ばした。第2四半期末の受注残も高水準である。
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
未収入金、賞与引当金、及び退職給付に係る負債等の減少で、上期末の総資産は62億55百万円と前期末に比べて2億26百万円減少した。流動比率438.8%(前期末396.6%)、固定比率41.9%(同39.7%)、自己資本比率77.3%(同74.6%)。

CFの面では、上期末にかけての売上の増加で営業CFが1億34百万円のマイナスとなったものの、投資有価証券の売却による収入で投資CFが1億87百万円の黒字となり、52百万円のフリーCFを確保した。
 
 
2016年6月期業績予想
 
 
通期予想に変更はなく、通期で前期比5.5%の増収、同10.2%の経常増益
上期の業績が期初予想を上回ったものの、通期予想を据え置いた。下期は、金融システムソリューション事業において、大手証券会社の基幹システムの更新案件が続く他、オンライン証券向け各種システム構築等の寄与が見込めるが、カード系で期ずれ不安のある案件があるようだ。一方、プロダクトソリューション事業では、自社製・他社製パッケージの順調な販売を受けて保守売上に上振れの余地がある。

通期予想は、売上高65億円(前期比5.5%増)、営業利益5億40百万円(同11.6%増)、経常利益5億40百万円(同10.2%増)、()当期純利益3億50百万円(同25.7%減)。セグメント別では、金融システムソリューション事業が、売上高57億円(同3.0%増)、営業利益5億40百万円(同29.0%減)。プロダクトソリューション事業が、売上高8億円(同27.6%増)、営業利損益均衡(前期は1億48百万円の損失)。

配当は1株当たり5円の期末配当を予定している。
 
 
 
下期から来期にかけて案件は豊富だ。金融・カード系では、大規模案件である大手カード会社のシステム統合が始まる他、ネットカード会社の事業規模拡大に伴う認証・ゲートウェイ関連、BCP対応、不正検知システム「ACE Plus」の更新、その他カード会社の認証・ゲートウェイ関連、ネット銀行のブランドプリペイドやATM(訪日客向けゲートウェイのカスタマイズ)関連等が見込め、証券系では、この下期は大手証券会社の基幹システムの更新案件が続き、来期にかけてもオンライン証券が各種システム構築等を予定している。また、アクワイアリングASPシステムの構築(後述)にも取り組む。
 
 
足元、官公庁・大企業等を含めてTRAPS関連の商談が期初の10倍に拡大している事に加え、攻撃してきたマルウェアの解析等を行う運用支援サービスも始まる。また、自社製・他社製パッケージの順調な販売を受けて保守売上に上振れの余地がある。
 
(2)事業成長への取り組み
金融システムソリューション事業においては、新規事業を開始すると共に新製品の開発を推進する事で課題である安定的な成長に向けた取り組みを進める。一方、プロダクトソリューション事業においては、ラインナップを拡充して事業規模の拡大を目指す。
 
金融システムソリューション事業
新規事業として、安定収益につながる業務運用サービスを育成していく考えで、この一環として、ASPでの提供を前提とするアクワイアリングサービスシステム(クレジットカードの顧客管理・決済システム)の開発を進めている。新製品では、On Core(オンコア)の開発が進み、第3四半期には国内案件での受注が見込まれる。国内のユーザー開拓と並行してアジアを中心に海外展開も進めていく考え。また、引き続き開発業務の品質向上にも取り組み、顧客の信頼確保につなげていく。

ASP型アクワイアリングサービスでは、1月に地銀系カード会社及び信販系カード会社の2社と契約を結んでおり、ネット系銀行1行との商談も進んでいる。先行投資が必要となるが、5社のユーザーを獲得できれば、3~4年で投資を回収できる。地方銀行各行は収益源の多様化に取り組んでおり、アクワイアリング業務に注目している地方銀行は少なくない。上記の通り、この1月に地銀系カード会社と契約しており、実績を作る事が更なるユーザー獲得の呼び水になっていくものと思われる。

一方、「On Core」は、ゲートウェイ、認証、不正検知等、カードビジネスのフロント業務をパッケージ化したLinuxベースのアプライアンス製品。「NET+1」や「ACE Plus」が導入に際してカスタマイズを行い顧客毎の個別業務に対応できるのに対して、「On Core」はカスタマイズできないが、導入に手間がかからず、導入コストも抑える事ができる。国内では、新規決済業務参入会社、決済代行会社、中小カード会社、大規模加盟店等で需要が見込めるロングテール製品との位置付けだが(「NET+1」、「ACE Plus」は大手カード会社の向けのショートヘッド製品)、東南アジア等ではカード発行会社の需要も期待できる。

た、「品質の向上」では、プロジェクト管理や不具合管理等の体制やライブラリの整備が進み、独自のプロジェクト管理ツールやプロジェクト評価システムを導入した他、工程毎にレビューを実施する体制も整えた(既に費用見積りの精緻化等で成果が現れている)。この他、納品したシステムのバージョン管理体制も整備し、計画的なバージョンアップの提案営業につなげていく。
 
プロダクトソリューション事業
自社開発製品である情報漏洩対策システム「CWAT」中心のビジネスから、マルウェア対策ソフトウェア「Traps」、米RAPID7(ラピッドセブン)社製ネットワークの脆弱性対策、イスラエルCHECKMARX社製Webアプリ脆弱性対策(ソースコード解析ツール)「CxSuite」等、多彩なラインナップで商談規模の拡大と件数の増加に取り組んでく。また、サイバーセキュリティ製品の開発に強みを持つイスラエルでの新商材発掘も進める。
 
 
今後の注目点
金融ソリューション事業では、プロジェクト管理の成果が現れており、ソフトウェア開発の収益性が改善している。また、当初は先行投資が負担になるものの、ASP型アクワイアリングサービスも興味深い。
一方、プロダクトソリューション事業ではサイバーセキュリティ・ソリューションが成果をあげつつあり、内部情報漏洩対策とのシナジーも確認できた。サイバーテロに対する脅威の高まりは言うまでもないが、ベネッセの事件以来、改めて内部情報漏洩対策に対する意識も高まっており、情報漏洩対策システム「CWAT」が見直されている。内部情報漏洩対策、脆弱性対策、及び外部攻撃対策について、監視・検出・診断・認証と防止・阻止の切り口からソリューションを提供できる事が同社の強みである。プロダクトソリューション事業の拡大で非金融機関分野の顧客開拓が進めば、顧客バランスも改善する。
株価下落や円高傾向の為替等で外部要因に不透明感が出てきたものの、上記の通り、金融ソリューション事業、プロダクトソリューション事業共に、これまでの取り組みの成果が現れており、同社自身のモーメンタムは良好だ。