ブリッジレポート
(6826) 本多通信工業株式会社

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ブリッジレポート:(6826)本多通信工業 vol.8

(6826:東証2部) 本多通信工業 企業HP
佐谷 紳一郎 社長
佐谷 紳一郎 社長

【ブリッジレポート vol.8】2016年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「短期的には中国景気急ブレーキの影響は避け難いようではあるが、中期的には構成比で最大となった車載分野の更なる成長が期待される。もちろん・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年12月22日掲載
企業基本情報
企業名
本多通信工業株式会社
社長
佐谷 紳一郎
所在地
東京都品川区北品川5-9-11 大崎MTビル
決算期
3月末日
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 16,639 1,415 1,565 1,439
2014年3月 14,824 932 975 1,479
株式情報(12/10現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,167円 12,053,705株 14,066百万円 18.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 2.1% 116.33円 10.0倍 752.62円 1.6倍
※株価は12/10終値。発行済株式数、BPSは直近期決算短信より。ROEは前期実績。
 
本多通信工業の2016年3月期第2四半期決算概要、新中期経営計画「GC20」概要、佐谷社長へのインタビューなどをお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
通信インフラ、FA機器、民生機器、車載用途向けの電気コネクタおよび光コネクタの製造販売を行う。「Segments No.1」を掲げ、特定分野での高い競争力を追求している。長い歴史の中で培われた幅広い設計技術力、産業用機器向けで培った長期信頼性と堅牢性に関するノウハウ、多品種少量生産体制などが特長。子会社ではソフトウエア開発なども手掛けている。グループ認知度の向上に向けて、複数存在していたブランドを「HTK」に統一。グループは同社と連結子会社7社(国内2社、海外6社)の計9社で構成されている。(2015年9月末現在)
 
【沿革】
1932年5月に精密ねじ加工業として現在の東京都目黒区で創業。第二次大戦後は、日本電信電話公社(現NTT)の電話交換機用プラグ・ジャック、防衛庁向けプラグ・ジャックを始め、その発展形となるコネクタの製造販売を手掛け、業容を拡大。2001年に東証2部に上場した。だが、ITバブル崩壊で売上が急減。数度のリストラクチャリングを経て、成長路線への復帰と拡大発展をめざし、2008年に松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)と資本業務提携契約を締結。2014年2月、約80年に亘って本社を置いていた目黒から品川区へ本社を移転した。
 
【経営理念など】
特定分野で特徴あるソリューションを提供することで顧客に「この分野なら本多通信グループに限る」と高く評価される事をめざし、「Segments No.1」を掲げている。
また、新中期経営計画「GC20」策定に際し、グループの企業理念として「Value by Connecting」を新たに掲げた。
豊かな未来のために「人」、「もの」、「情報」をつなぎ、価値を創造し続ける事を目指すというビジョンを示したもの。
 
【佐谷 紳一郎社長プロフィール】
佐谷紳一郎社長は1957年11月生まれの現在58才。松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)では事業戦略企画部門に在籍し、M&Aや他社とのアライアンス締結等に長年に亘り携わってきた。そうした中、コネクタ事業のアライアンス先として幅広い技術力・製品ラインアップを有する企業を調査している中、本多通信工業の実力に着目し、アライアンスを推進、2008年資本業務提携を実現させた。同年、取締役就任。2009年にはパナソニック電工を退社し、同社副社長に就任。2010年4月に同社社長に就任した。社長就任後は中期経営計画「Plan 80」を策定・実行。基本戦略として「Segments No.1」を設定し、複数のニッチ分野でNo.1となることを目指すと共に、様々な構造改革を断行し、黒字体質の確立、財務基盤の安定化を実現した。中期経営計画「DD15」で事業拡大と体質強化を進めた現在は、良い会社(Good Company)かつ過去最高業績更新をターゲットとする新中期経営計画「GC20」を推進中で、ワンランク上の企業作りに取り組んでいる。
 
【事業内容】
事業セグメントはコネクタ事業と情報システム事業の2つ。
 
◎コネクタ事業
「2015年3月期 売上高 14,484百万円、営業利益 1,322百万円、営業利益率 9.1%、売上構成比 87%」
 
<コネクタとは?>
電子回路や光通信において配線基板同士を接続し、電気や信号を繋ぐために用いられる部品・器具のこと。基板をはんだ付けや圧着で接続した場合、分断時にはケーブル切断等が必要になり再接続は困難となるが、コネクタを使用した場合、手または簡易的な工具を用いて容易に繰り返し脱着することが可能であるため、ほぼ全ての電子機器で使用される。
 
<利用分野>
長年の経験で培われた高い技術力により、以下の6分野を中心に付加価値の高く、顧客志向のコネクタを始めとした製品をラインアップしている。
 
 
 
2015年3月期の分野別売上構成比率(全売上高に対する構成比)は、FA分野22%、通信分野25%、民生分野12%、車載分野27%となっている。
安全性や運転性能向上の観点から車載カメラやセンサの搭載台数が増加しているカーエレクトロニクス分野の成長に対応して投資や製品開発を進めてきたが、車載分野の構成比が通信分野を逆転し、最大の事業分野となった。
 
◎情報システム事業
「2015年3月期 売上高 2,155百万円、営業利益 92百万円、営業利益率 4.3%、売上構成比13%」
 
通信分野でのソフトウエアの重要性が高まる中、1983年に事業をスタート。
システム開発から保守運用まで幅広いソリューションを展開している。なかでも仮想化(*)サーバの構築では業界屈指の技術を有し、クラウドコンピューティングの広がりに貢献している。
世界的ベンダーとの連携により、上流工程からの受注に力を入れている。
 
*仮想化とは?:1台のサーバ(物理サーバ)を複数台の仮想的なサーバ(仮想化サーバ)に分割して利用する仕組み。それぞれの仮想化サーバではOSやアプリケーションを実行させることができ、あたかも独立したコンピュータのように使用することが可能となる。
サーバ台数の適正化や消費電力を含めた運用管理コストの低減など、企業のITコスト見直しニーズに対応し、注目が集まっている。
また、仮想化環境下ではハードウェア等を新たに購入しなくても新サーバを容易に追加することができるため、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応するというITシステムニーズに対する有効なソリューションの一つとなっている。
 
【特徴と強み】
 
① 幅広い設計技術力
前述のように、同社のコネクタは、様々な分野で用いられている。
同社は、日本電信電話公社(現NTT)を始めとした多くの顧客からの様々なニーズに対応したカスタマイズによる製品作りに長年取り組んできた。この「顧客密着度の高さ」が、同社の幅広い設計技術力の源泉である。
 
② 長期信頼性と堅牢性
制御装置に用いられる「1.27mmピッチコネクタ」、FTTH(Fiber To The Home:光通信のための光ファイバーを家屋内に引き込むこと)に用いられる「シャッター付きSC形プラグ」、プロジェクタに用いられる「高耐圧電源用コネクタ」などで強みを持っている。
これらは、顧客から長期信頼性や堅牢性が求められる分野であり、長年に亘って培ってきた同社の技術力や製造能力が顧客に高く評価されている証となっている。こうした強みを活かし、安全性という面でハードルの高い車載分野での売上を大きく伸ばしている。
 
③ 多品種少量生産
同社は現在約4,000品目のコネクタを生産しているが、このうちの月間生産個数が1万個未満の品目数は94%を占める。また生産金額ベースでも1万個未満の生産が62%、1万個以上が38%と、多品種少量生産が同社の特長となっている。
こうした状況に対応し、国内工場、海外工場の2つの車輪で最適なものづくりを行っている。
国内工場(安曇野工場:旧松本工場)は1万個未満の多品種少量生産の拠点。今後も同社の得意技を磨き、迅速な納入を行うため国内で稼動を続ける。
海外工場(深圳工場)は1万個以上の中量品の一気通貫生産を行い、機動力を高め世界で戦うための拠点とする。

一方、多品種少量生産ながらも短納期を実現させ、顧客から発注を受けたら1週間以内での製品配送を確約する「1weekデリバリーサービス」に2013年から積極的に取組んでいる。現在の取扱品目は約500だが、システム化が進んだ安曇野物流ハブが完成すれば、1,000品目にまで拡大させることが出来る。
 
 
2015年3月期のROEは前期を下回ったが18.4%と高水準。
同社は従来、資本効率性を示す指標としては「自己資本がある程度蓄積されるまではROEではなく、ROAが適切」としてきたが、前期で自己資本比率を67%まで引き上げる事ができたことから、2020年に向けた目標とする経営指標に「ROE 13%以上」を掲げることとした。
新製品の開発によるマージンの向上に加え、在庫水準のコントロールによる総資産回転率の向上にも取組んでいく考えだ。
 
 
2016年3月期第2四半期決算概要
 
 
車載分野、情報システムが好調で増収増益
売上高は前年同期比7.8%増の87億円。引き続き車載分野、情報システム分野が2桁増と好調だったのに加え、民生も2桁の伸長だった。
人件費増70百万円、戦略投資による固定費増50百万円、通信・FA分野での減収損250百万円を、車載・情報分野での増収効果257百万円、合理化効果85百万円、円安効果120百万円で吸収し、営業利益は同14.2%増の7億39百万円となった。前年同期にあった為替差益が無くなり為替差損に転じたが経常利益も同3.7%増の7億30百万円の増益となった。同社では四半期ごとに、「売上高40億円、営業利益率8%」をベースラインとしているが、前第2四半期から5四半期連続でこれをクリアした。
また、売上、利益共に期初計画を上回った。
 
(2)分野別売り上げ動向
北米自動車市場の好調を受け車載分野がカメラを中心に大きく伸びた。新規取引先への納入も増加している。
情報システムは、仮想化ソリューション需要が堅調。上期12億円は過去最高の売上となる。
民生は、施設用大型モニタが増収で、中国向け監視カメラも拡大した。
一方、FA分野は、中国向け設備投資需要が減退したことに加え、流通段階での在庫調整が長引いている。
基幹系の生産終了に加え、アクセス系で新商品の立ち上がりが遅れた通信分野も減収であった。
 
 
(3)基盤整備の進捗状況
「DD15」の最終年度かつ「GC20」の初年度である今期は成長のための基盤作りに注力しているが、現在まで期初計画通りに進んでいる。
 
<製造基盤>
海外では、製造力の拡充を図るため、人件費が上昇している中国以外のアセアンで車載コネクタの製造を開始することを期初に計画していたが、ラオスにおいて設備を納入し、量産試作を開始したほか、タイに販売会社を設立し、来春の業務開始に向けて準備を進めている。
また、国内では、同社の強みである多品種少量生産体制の確立を目指し、安曇野工場に物流ハブを建設し、コンビニ3兄弟の総仕上げに取り組むことを目標としているが、安曇野物流ハブは今年12月の完工、来春稼働に向けて建設工事は順調に進んでいる。並行して、多品種少量を支える運用・業務フローを検証中である。
 
<技術基盤>
高速POFの技術確立を目指している。アクティブタイプとパッシブタイプの2種類のコンセプトモデルを開発し、12月初旬に開催された「システムコントロールフェア2015」に出展。「GC20」においても重要な戦略製品が形になり始めた。
 
 
現預金、売上債権が増加し、流動資産は前期末比86百万円増加した。国内外での設備投資により有形固定資産が増加し、固定資産は同24百万円増加し、資産合計は同1億10百万円増加の130億53百万円となった。
仕入債務や長期借入金の減少等で負債合計は同2億45百万円減少した。
利益剰余金の増加などで純資産は、同3億55百万円増加し、自己資本比率は前期末比2.2%上昇し、69.5%となった。
 
 
利益増、売上債権減少額の縮小などで営業CFのプラス幅は拡大した。投資有価証券の取得による支出の減少などで投資CFのマイナス幅は縮小した。この結果、フリーCFはプラスに転じた。
配当金支払額の増加などで財務CFのマイナス幅は拡大。キャッシュポジションは上昇した。
 
(5)トピックス
◎ストックオプションを導入
同社および国内連結会社の取締役・幹部従業員に対し、ストックオプションを発行することとした。

同社は、コーポレートガバナンス基本方針で、『業務執行取締役の報酬等は、株主の長期的利益に連動するとともに、当該業務執行取締役の当社の企業価値の最大化に向けた意欲をより高めることのできる、適切、公正かつバランスの取れたものでなければならない』と定めていることに加え、コーポレートガバナンス報告書においても、『中長期的な業績と連動する報酬として、インセンティブプランを検討中です』と説明している。
これに加え、今回策定した過去最高業績およびよい会社の実現を目指す新中期計画「GC20」の本格スタートにあたり、グループの取締役と幹部従業員の意欲をより高める目的で、初の長期インセンティブ報酬として導入することとした。

「GC20」の2018年3月期の業績目標「連結営業利益18億円以上」を達成した場合に、同社および子会社の取締役・幹部従業員33名を対象に最大520個の新株予約権が付与される業績条件付有償ストックオプションで、特に有利な条件ではないことから、株主総会の承認を得ることなく実施する。
付与日は2015年11月9日。
 
 
2016年3月期業績見通し
 
 
業績予想の変更無し。増収・営業増益。
業績予想に変更は無い。中国経済の減速など懸念材料はあるが、「売上高180億円、営業利益8%、ROA10%」というDD15最終年度目標の完遂に向けて据え置いた。
売上高は前期比6.4%増の177億円を計画。引き続き、車載、情報システム分野が堅調に推移する。
戦略的投資を継続するが増収効果で吸収し、営業利益は同6.0%増の15億円の予想。
自己資本の充実に伴い配当性向を22%に引き上げ、5円増配の25.00円/株を予定。7年連続増配となる。
 
 
(2)各分野の第3四半期動向
第2四半期(7-9月)の受注不振で、第3四半期(10-12月)は全般で苦戦を予想している。
車載分野は車載カメラ用コネクタの顧客が増加し引き続き堅調だが、ゼロ金利解除後の北米市場の動向が懸念材料。
情報システムもソリューションビジネスは拡大基調だが、季節要因で足元は減速の見込み。
一方FAは在庫調整が一巡し、10月頃から受注回復と見ている。通信もFTTH(Fiber To The Home:光ファイバーによる家庭向けデータ通信サービス)の在庫調整は継続するが新案件等で第3四半期から受注は上向くと見ている。
 
 
 
新中期経営計画「GC20」
 
全てのステークホルダーから信頼と期待をされる「よい会社」であるとともに、過去最高の売上、利益を更新し持続的成長企業へのスケールアップを目指すのが2021年3月期を最終年度とする新中期経営計画「GC20」。
 
(1)基本コンセプト
GC20の基本コンセプトは、『事業戦略として「Segments No.1戦略の深耕」、プラットフォーム戦略として「コンパクト経営の追求」により価値を創造し続けるGood Companyを目指す。』というもの。
また、Good Companyを持続的なものにするのが、グループ企業理念とコーポレートガバナンス基本方針である。
 
(2)グループ企業理念
今回のGC20策定に際し、同社ではグループの企業理念として「Value by Connecting」を新たに掲げた。
豊かな未来のために「人」、「もの」、「情報」をつなぎ、価値を創造し続ける事を目指すというビジョンを示したもの。
 
 
(3)コーポレートガバナンス基本方針
金融庁と東京証券取引所により策定された「コーポレートガバナンス・コード」が2015年6月1日から適用されるのに先立ち、2015年5月22日、「コーポレートガバナンス基本方針」を公表した。
株主を始めとした全てのステークホルダーとの信頼関係構築のためのコーポレートガバナンスの重要性を深く認識したうえで、最良のコーポレートガバナンスを実現することが自社の責務であると宣言している。
 
(4)事業戦略
特定分野で特徴あるソリューションを提供することで顧客に「この分野なら本多通信グループに限る」と高く評価される事を目指すのが「Segments No.1戦略」。
これまでも同社では、様々なNo.1商品を生み出してきたが、現在の形ではそれぞれの商品の持続性・継続性は不十分と考えている。
 
そこで、それぞれのNo.1商品を核に水平展開と次世代化で「Segments No.1 領域」を創り出し、特長のある価値を提供する事で持続的成長を目指していく。








その展開モデルは、現在のSegments No.1商品/サービスを核に、次世代商品やサービスを創出し、顧客の具体的な欲求である「ウォンツ」を解決するというもの。
同社の強みである、スピード、カスタム対応、少量短納期、周辺技術を差異化要因とし、新たな顧客、新たな市場への展開を図る。
 
分野別のSegments No.1 戦略は以下の通りである。
 
①業務用コネクタ Segments No.1 戦略:サービスとの融合戦略で顧客価値を倍化
長年培ってきた堅牢性や長期信頼性というハードの強みに、少量短納期、カスタマイズに加え、コネクタに付随する適切なハーネスもあらかじめ接続するワンストップ受注といった「サービス」を融合させ、顧客満足度を引上げる。
世界的にIoT、4Kや8Kの高画質化ニーズが高まる中、通信分野(海外における光通信化)、FA分野(グローバルな生産性向上ニーズ)、業務分野(セキュリティニーズ)において、堅牢性や長期信頼性といったノウハウの展開や高速POFによる市場創出により、通信分野やFA分野で規模と収益性を堅持する。
 
 
②車載用コネクタ Segments No.1 戦略:ADASコネクタへ進化させ、将来価値を倍化
自動車の安全系機能の進化スピードは目を見張るものがある。
自動車の目となる車載カメラも、パーキングアシストなど「撮る」機能から、ADAS(Advanced Driving Assistant System:先進運転支援システム)というコンセプトの下、車線検知、歩行者認識、衝突防止といった「測る」機能がより重要になると同時に、各自動車メーカーに限らずGoogleなど大手IT企業も含め、自動運転システムの開発が加速している。

ADASを構成するものは、車載カメラに加え、センサ、ミリ波レーダー(ミリ波帯の電波を用いて100m程度の範囲の状況を探知可能なレーダーシステム)、レーザー、ECU(エンジンコントロールユニット:エンジンの運転制御を電気的な補助装置を用いて行う際に、それらを総合的に制御するマイクロコントローラ)、電子ミラー、カーナビ、HUD(Head Up Display:フロントガラスに運転者向けの基本的な情報の画像を提供する)など、多岐にわたり、その全てがデジタル高速伝送により情報のやり取りが行われ、コネクタの活躍するシーンはますます拡大する。

こうした流れの中、車載カメラ数量は2014年度から2020年度で約3.5倍の14,000万個に、ADAS市場も同期間に2.5倍の7,700億円に急成長すると見られており、同社では高速伝送、小型化などコネクタメーカーならではのノウハウを注入したADAS用コネクタを開発し、急成長市場に投入する。

販売は、北米のTier1(自動車部品メーカーのうち、自動車メーカーに直接納入する一次サプライヤー)メーカーへの参入を狙う。また、製造においては中国、東アジアに次ぐ拠点づくりの検討を開始している。
 
 
③情報システム Segments No.1 戦略:インテグレーションで事業価値を倍化
サーバー効率化のための仮想化において業界屈指の技術を有しており、現在はクラウドコンピューティングの広がりの中、世界的ベンダーとの連携により、上流工程からの受注に力を入れ高付加価値の一括案件の獲得を進めている。今後は、データの収集から分析までを一括して請け負うビッグデータ基盤ソリューションを提供し、特徴あるSegments No.1の獲得を目指す。
成長市場において、企画から運用までフルサポートする総合提案で収益性の向上にも取り組む。
 
 
(5)プラットフォーム戦略:コンパクト経営の追求
以上の様な事業戦略の下で営業利益率の向上を目指す同社だが、繰越欠損が無くなること等から今後の実効法人税率の上昇は避けられず、市場の期待に応える水準のROE、ROAを実現するためには「資産の軽量化/高回転化」、具体的には総資産回転率の引き上げが重要な課題となる。
前期の同回転率は1.39回だったが、以下のような取り組みによって1.4~1.5の達成を目指す。
 
ROICを意識した事業投資。設備は小型、省スペースおよび転用が可能なものとする。またEMSの活用など、社外リソースとの共創を進める。
ロスや無駄をなくしての生産性向上。製造や業務品質の向上。遊休資産や過剰在庫の極小化に取り組む。
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮
機動的な資本政策
 
(6)目標とする経営指標
2016年3月期から2018年3月期までの「貯めのSeason1」と、2019年3月期から2021年3月期までの「収穫のSeason2」の2つの期間から構成される「GC20」において、以下のような経営指標の達成を目指している。
 
 
(7)よい会社に向けて
全てのステークホルダーからの信頼と期待の下、組織力と人材力の強化に最注力し、持続的成長を遂げる「よい会社」を目指す。
またその過程で、東証1部上場の準備も進めていく。
 
 
佐谷社長に聞く
 
佐谷社長に、足元の事業概況、新中計「GC20」のポイント、今後の課題などを伺った。
 
「車載分野は顧客が拡大。通信分野、FA分野は足元低調だが、大きな心配はしていない。」
車載分野は新しい納入先も増え順調に拡大している。「GC20」でも示しているように、車載カメラ搭載数量、ADAS市場規模ともに高成長が見込まれており、新製品の投入で更に顧客数を拡大させていく。
FA分野は中国景気の影響を受けて低調だが、中国における人件費高騰、品質向上ニーズの高まりという状況に変化は無いので、生産現場での自動化は今後も進むのは間違いない。景気変動の影響はあるものの少し長い目で見れば大きな心配はしていない。ただ、顧客の幅を広げる取り組みは必要だ。
通信分野も基幹系生産終了の影響はあるが、現在の通信分野でのウェイトはそれほど大きいものでは無いので、海外を含めた他の案件で時間をかけてカバーしていくことが可能だと考えている。
 
「業務用コネクタ Segments No.1 戦略:当社ならではのサービスで差異化を図る。」
コネクタのハード部分での強みに加え、当社ならではの大きな差異化となるのがサービスだ。
当社では多品種少量生産ながらも短納期を実現させ、顧客から発注を受けたら1週間以内での製品配送を確約する「1weekデリバリーサービス」に2013年から積極的に取組んでいる。現在の取扱品目は約500だが、システム化が進んだ安曇野物流ハブが完成すれば、1,000品目にまで拡大させることが出来る。
また当社では同業他社よりも小さいロットでのカスタマイズ(特注対応)にも応じているほか、コネクタにハーネスをあらかじめセットして納品するワンストップ受注なども行っており、こうした顧客視点に立った利便性の提供を武器に、IoTや高画質化ニーズといった成長市場に製品を供給していく。
 
「車載用コネクタ Segments No.1 戦略:ADASコネクタファミリーで成長市場を開拓」
ADAS市場は爆発的な成長が見込まれる。
当社ではコネクタメーカーの専門性を活かし、例えば車載カメラであれば、カメラに繋ぐコネクタ、ECUまでをつなぐケーブル、そしてECUに繋ぐコネクタと、全てを手掛ける事が可能であり、ADASコネクタファミリーというコンセプトで様々な製品を投入していく。
 
 
この分野においても当社の少量短納期というスピードが大きな差異化要因となる。
自動車は車種によって長さや幅のサイズもまちまちであるため、搭載される部品も長さが異なる。当社では様々なケースに応じて迅速に設計して試作品を持ち込むことが得意でこの点を高く評価いただいているので、大きなアドバンテージがあると考えている。
販売に関しては、日系Tier1メーカーもちろんのことだが、まだ納入実績が無い北米のTier1メーカーへのアプローチを強めている。また製造に関してはTPPのメリットを享受するためにTPP加盟国での生産を検討中だ。
ADASコネクタファミリーの中では、2015年11月にサンプル発売を開始した「防水中継用コネクタ TATシリーズ」が、まずその先鞭となるだろう。
 
 
デジタル伝送ではアナログ伝送に比較して極めて大量の情報がやり取りされ、それを安定的に高速で伝送したいというウォンツがある。一方、雨天のみでなく洗車時の防水対策というウォンツを満たそうとすると、カバーを取り付けなければならずサイズが大きくなってしまうが、設計上の問題から小型化のウォンツも満たさなくてはならない。
この3つウォンツにコネクタメーカーならではの専門性とノウハウで対応したのがこの「防水中継用コネクタ TATシリーズ」で、業界最小サイズ、業界最高水準の防水機能と高速伝送機能を有するオンリーワン製品だ。
2016年3月には量産・販売を開始。欧州の高級スポーツカーメーカへの納入も決定している。2016年5月には横浜で開催される「人と車のテクノロジー展」に出展予定だ。
2018年には月50万個の生産販売を目指している。
 
「企業理念 Value by Connecting:グループとして活躍の場を更に広げる。」
今回の企業理念制定には単に理念をアウトプットするだけではなく、本多通信工業グループとはどういう会社で、これから何を目指すのかという議論を徹底的行って、グループ内での意思統一を図ることが大きな目標だった。
私が社長になった2010年に将来の役員候補10名を選抜し、何度も勉強会を開いてきた。勉強会では順番で食事の用意もする等まさに「同じ釜の飯を食った」仲間で、気心も知れ、私の考え方が浸透したメンバーに上記の観点での議論を徹底的に行って貰った。
また、議論の過程では全社員に対し、以前の社是についてのヒアリングも行い広く声をすくい上げた。
その中で明確になったことは、今迄の社是は本多通信工業単体のみのもので、子会社や海外についての意識が欠けていたという点だった。売上構成比で10%以上ある情報システム事業との一体感を持つことは、グループとしてより大きく飛躍するためには不可欠だ。議論の過程でHTKエンジニアリングの幹部社員と議論できたことも大きな意味があったと考えている。
 
「その他:人材の確保、育成が大きな課題。M&Aも常に視野に入れている。」
当社はITバブル崩壊、リーマンショックの際に行ったリストラや採用抑制の影響で、社員の年次断層が生じており、海外分野強化も含めて人材の確保、育成が大きな課題だ。自前での育成も進めていくが、協力会社等外部リソースを上手に使う事も必要だ。
設備投資に関しては、Season1は先行投資の時期であるため、当社の通常時の平均投資額の1.5倍程度を計画しているが、自己資金と営業CFで十分まかなっていける。Season2に入れば通常のレベルに戻る。
ただ、M&Aは常に視野に入れている。川上分野ではコネクタ製造に不可欠なメッキ技術に、川下分野ではハーネス、ケーブルに関心を持っている。海外における販売力強化も重要だ。
また、技術面では当社はメカトロニクスメーカーであるため、高速POFの本格的な立上げにはエレクトロニクスの技術の取り込みも必要と考えている。
M&Aを行う際には、市場からの調達も検討する事となるだろう。
 
 
今後の注目点
短期的には中国景気急ブレーキの影響は避け難いようではあるが、中期的には構成比で最大となった車載分野の更なる成長が期待される。もちろん有望市場であるため競争も激しくなるだろうが、車載用部品は極めて高い安全性が要求されるため、PC部品等で起こったような価格下落は起きないのではないかと会社側は見ている。
少量短納期、フレキシブルなカスタマイズ対応といった同社の強みを大きなアドバンテージとし、日系のみならず米系Tier1メーカーへの納入がいつ頃スタートするのかを注目したい。
 
 
<参考:中期経営計画「DD15」>
 
同社は2014年3月期から2016年3月期までの3年間の中期経営計画「DD15」を掲げている。
 
(1)基本コンセプト
DD15は「Double-Digits by 2015」の略で、2015年度に向け3つの2桁(double digits)で成長性・収益性・効率性をワンランクアップさせ、特長と魅力ある「Segments No.1プロバイダ」となることを目指している。
また、DD15には「どんどん 行こう!」という意味も含めている。
早い・軽い・上手いが特長の、業界No.1のフットワークを武器に、以下の数値目標の達成に挑戦する。
 
 
① 基幹分野での2桁利益率
一般的に少品種大量生産は生産性・効率性が高く、多品種少量生産となるほど生産性や効率性が低くなるというトレードオフが働いてしまうが、同社は、FA分野、通信分野といった基幹事業分野においてこのトレードオフ関係の解消を目指しており、営業利益率を現在の8%台から10%超へと引き上げることを目指している。
 
 
このためには、短納期、在庫の極小化、スピード開発、生産自動化、ROI向上などを実現しなければならないが、具体的な施策としては、以下の様な、「コンビニ3兄弟」という取り組みを進めている。
 
 
「1week デリバリー」
多品種少量生産ながらも短納期を実現させ、顧客満足度を向上させるべく2013年から積極的に取組んでいるのが、「1weekデリバリーサービス」だ。
これは、顧客から発注を受けたら1週間以内での製品配送を確約するもの。

同社は多品種少量生産を特徴としてきたが、一方で多品種少量生産は一般的には納期が遅くなりがちで、同社もそれは仕方のない事という認識があった。
佐谷社長は、こうした多品種少量生産のデメリットを克服し、進化したものづくり実現のためにこの「1week デリバリー」というアイデアを導入した。

コンビニ3兄弟の取り組みの結果、同社製品約4,000品目のうち「1week デリバリー」の対象品目数は、2013年10月の150品目から、2014年4月には500品目へ大幅に拡充され、今後も対象品目を拡大していく。

サービスの拡充と品目数の拡充により「1week デリバリー」を同社の看板サービスとすることを目指している。
 
「ECサイト:HTK AZショップ」
4月1日より会員制ネット販売サイト「HTK AZショップ」をオープンし、顧客の拡大を進めている。同サイトは、直接的な売上の拡大を目的とするというよりは、現在は取引のない潜在顧客からの試作品の注文などを同サイト経由で受け付ける事で、顧客の窓口を拡大することを狙いとしている。

この他、4月14日には24時間フルタイムの組み立て工場が稼働を開始した。

同社の特長である多品種少量生産を鍛え、国内においては「ものづくりの強化」を、海外においては「地産地消化」を進める。
 
② 新・旬分野での2桁成長
新たな事業分野や旬の市場分野を年率10%超のスピードで拡大させ、2016年3月期には現在の倍 60億円の売上、売上構成比30%を目指す。
 
<新事業分野での取り組み>
*コネクタ事業
大きな成長が見込まれるカーエレクトロニクス市場で、同社の特長を生かした製品開発、販売を進める。

自動車メーカーは各社とも、「環境、安全、快適」を高めるためにカーエレクトロニクスの進化に取り組んでいる。
中でも、自動走行を含めた走行制御、ドライバーの負荷を減らす運転アシスト、危険警告の進化などの機能強化に伴い、車体周辺の状況を常に監視・感知するアラウンドビューカメラ、バックカメラ、路面センサ、衝突探知センサなど、搭載するカメラやセンサの台数が増加している。
また、自動車メーカーは、快適な運転をサポートするためのナビゲーションやエンタテインメント機能の充実にも力を入れており、カーナビ、リアモニター、スピーカー、スマートデバイスとの接続など、車内・車外の通信機能の進化が著しい。

こうした状況下、同社では「車載カメラ用コネクタ」や「車載高速伝送コネクタ」などにフォーカスし販売を拡大する。
車載カメラ用コネクタに関しては、前期、電機メーカー3社目への納入が決まり、売上は前期比5割増となったが、今後も4社目、5社目の納入先を開拓し、水平展開を進める。
また両コネクタとも、同時並行で、収益性向上のための合理化および次世代製品に向けた投資・開発を行っていく。

車載関連分野は高い安全性や信頼性が求められる分野である。同社は特長・強みであげたように、長年にわたる製品開発で培ってきた長期信頼性・堅牢性に関するノウハウを活用し、上記2つのコネクタにとどまらず、カーエレクトロニクスの新しい部位へも進出していく考えだ。
 
 
車載分野以外では、GI-POF(高速大容量プラスチック光ファイバー)の開発にも着手している。これは、伝送速度、伝送容量共に従来の光ファイバーを大きく上回るもの。FA用や現在のフルハイビジョンモニターの4倍の高解像度を有する4K映像用など、産学連携で新たな市場を創出しようと考えている。
実用化に向け先行したポジションにあり、今後は使い易さの向上に注力していく。
 
*情報システム事業
同社の強みの一つである機器制御技術を活かして、スマートメーター等の通信・制御機能を活用して停電防止や送電調整のほか多様な電力契約の実現や人件費削減等を可能にした電力網「スマートグリッド」、家電や設備機器を情報化配線等で接続し最適制御を行うことで、生活者のニーズに応じた様々なサービスを提供する「スマートハウス」といった、コンピュータネットワークに繋がれた機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムである「M2M:Machine to Machine System」におけるビジネス拡大を目指す。初期の設計段階である上流工程からいかにして参画するかが課題と認識している。
 
<旬市場分野>
*コネクタ事業
コアとする技術、製品、ソリューションを以下の旬市場で応用展開。業種別営業体制による顧客開拓に取り組む。
 
◎医療
多品種少量対応、高信頼性という強みを武器に活躍できる分野と考えており、カスタム対応で市場に参入する。
 
◎セキュリティ
監視カメラ世界No.1メーカーに採用されている実績を武器に、グローバルマーケットでの水平展開を目指す。
 
◎環境エネルギー
通信技術資産をフルに活用し、スマートグリッドや蓄電池、パワーコンディショナー(*)などでの応用展開を図る。
 
*パワーコンディショナー(パワコン):太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する上で、発電された電気を家庭などの環境で使用できるように変換する機器であり、インバータの一種。ソーラーパネルなどから流れる電気は通常「直流」であり、これを日本の一般家庭で用いられている「交流」に変換することで、通常利用可能な電気にすることができる。
 
旬市場での期待製品の一つが、SDメモリカードソケットの最新規格「UHS-II」。
同社には、従来規格の「UHS-I」がある。これはソケットの両面を金属シェルで構成し、堅牢性と耐ノイズ性で業務用・産業用途に浸透し高い信頼性を得ている製品で、「UHS-II」は、この特徴を継承した上で更に進化させたもの。
今後搭載が始まるプロ用ハイエンド機種への採用を狙う。
既に国内外で高評価を得ており、レンズ交換式カメラ・PCから引き合いが入っている。

このほか、「Segments No.1」製品を中国や新興国市場で拡販し、海外売上高比率を現在の35%から40%まで引き上げる。
 
*情報システム事業
得意とする仮想化技術を更に深めてクラウドコンピューティングのインテグレーターを目指す。
 
③ 経営効率を高め、2桁のROA(総資産利益率)実現
同社は前中期経営計画「Plan 80」において過剰資産の売却、在庫削減、有利子負債の返済でバランス・シートをスリム化し、総資産回転率を引き上げるとともにROAを8%まで引き上げてきたが、総資産回転率1.5回を堅持しつつ、高回転ビジネスモデルを確立し、ROA10%を目指す。
 
(3)成長戦略のためのインフラ投資
今回の数値目標を達成するためには風土改革も必須と佐谷社長は考え、様々な基盤強化への投資も行っている。
 
◎本社移転と最新設備への投資
2014年2月24日、創業以来約80年間本社を置いていた東京・目黒から品川のオフィスビルへ移転した。
旧本社は、面積は広いが部門間が分断される構造であり、社員間のコミュニケーションが取りづらい状況だった。

新本社は、「Close Communication」というコンセプトに基づいて設計された。
顧客に対しては、什器備品を一新し、新しい「HTK」で迎えるほか、3Dプリンター備えた試験室を設置し、顧客に対する提案のスピードアップを図っている。
従業員に関しては、営業と設計と本社部門が1フロアに集結。広々とした様々なエリアで部署・部門を超えてのコミュニケーションを加速させ、生産性の向上を目指している。
また、ITの活用により業務、テレビ会議、打合せなどがいつでもどこでも可能になったほか、整理整頓から服装までの5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を佐谷社長自らの徹底で進めている。例えば、社員は毎日終業し帰宅する際は、机の上に何も置いてはならず、全て自分のロッカーにしまわなければならない。また、移転に当たり多くの書類や資料をデジタル化し、不要な紙の資料を廃棄した。

こうして、本社移転を契機とした「風土改革」により、『早い・軽い・上手い』という業界No.1のフットワークを実現させ、生産性を一気に高めることを狙っている。
実際に社員の声として、「企業風土や仕事の仕方を大きく“CHANGE”するきっかけになる本社移転であった。企業に変革を促す有効な手法の一つだと認識した。」との声も上がっている。
 
◎組織と人材の強化
組織力及び人材の強化は今後の経営における大きなポイントと認識しており、人材育成、増員、処遇アップにより事業活動のベースを固めていく。
 
グループ新卒採用は2014年度17名に拡大
中堅リーダーの育成
管理職の指導力強化
執行役員への若手起用
 
新卒社員の採用を拡大し、同社DNAの継承を図ると共に、中堅や管理職ではキャリア採用を拡大する。
これは、同社の「変えなければならない古い部分」を壊すためには外部の風や力が必要との考えからきている。