ブリッジレポート:(8912)エリアクエスト vol.17
(8912:東証2部) エリアクエスト |
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企業名 |
株式会社エリアクエスト |
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社長 |
清原 雅人 |
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所在地 |
東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー7階 |
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決算期 |
6月 末日 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2015年6月 | 1,498 | 188 | 183 | 140 |
2014年6月 | 1,147 | 100 | 102 | 143 |
2013年6月 | 819 | 49 | 50 | 37 |
2012年6月 | 646 | 4 | 5 | 19 |
2011年6月 | 595 | -45 | -43 | -50 |
2010年6月 | 735 | 12 | 14 | 3 |
2009年6月 | 879 | -182 | -179 | -381 |
2008年6月 | 1,015 | -311 | -307 | -556 |
2007年6月 | 1,530 | -95 | -94 | -118 |
2006年6月 | 1,580 | 18 | 18 | -139 |
2005年6月 | 2,091 | 240 | 236 | 189 |
株式情報(8/21現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
特徴1
ビル管理事業(サブリース事業含む)
特徴2
更新及び契約管理事業(売買仲介部門含む)
特徴3
テナント誘致事業(同社資料を基に作成) 【沿革】
創業者である清原雅人氏(1991年4月、明治大学法学部卒業)が野村證券(株)を経て、1998年4月に友人と起業。2000年1月に独立してエリアリンク(株)を設立し、01年3月に社名を(株)エリアクエストに変更した。
(1)会社設立からわずか3年で株式上場
データベースマーケティング重視の営業でテナント誘致事業を拡大させ、会社設立からわずか3年1か月で(03年2月)東証マザーズに株式を上場。不動産ファンドの資金流入で不動産業界が活況を呈する中、国道16号線内(東京、神奈川、千葉、埼玉)の商業施設にフォーカスした営業戦略が奏功し、上場後も順調に業績を拡大させ04/6期には経常利益が4億円を超えた。
(2)業績悪化を受けて収益構造改革を推進
しかし、その後は、欧米の不動産市況の減速、米国サブプライムローン問題の顕在化、そしてリーマン・ショックと続き、国内の景気や不動産市況が悪化し同社の業績を直撃。05/6期以降は業績が急速に悪化し、06/6期から4期連続の最終赤字を余儀なくされた。このため、コスト削減に取り組むと共に、不動産市況の影響を受けやすい成功報酬型ビジネスから、安定した収益が見込めるストック収入型ビジネスを中心とする売上構造改革に取り組み、安定成長が可能な収益構造への転換を図った。
(3)「パノラマクリーニング」の導入でストック収入型ビジネスが軌道化
当初はなかなか成果があがらなかった売上構造改革だが、持ち前の営業力に加え、11/6期下期に導入した「パノラマクリーニング」がビルオーナー等から高い評価を受け、ビル清掃を中心に契約が徐々に積み上がっていった。損益分岐点の引き下げ努力も実を結び、12/6期には通期の営業損益が黒字転換した。尚、「パノラマクリーニング」とは、清原社長が自ら作成したビル清掃業務の作業指示と結果報告システム。「パノラマスケッチ」に基づく丁寧な清掃作業と詳細な業務報告がビルオーナー等から高い評価を得ている。
パノラマスケッチ、項目指示書、抜き打ちチェック、月次報告書を特徴とする「パノラマクリーニング」
(4)共用部分の不正使用や設備面でのトラブルにも迅速に対応しサービス領域を拡大
また、清掃にとどまらず、消防法上問題となる共用部分の不正使用等、ビルオーナー等の貸主共通の悩み事の解決や対応した事に加え、漏水を含む水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった設備面でのトラブル等に対しても、連絡を受ければ即時対応(問題が発生すれば、いち早く駆けつけ)で臨んだ事がビルオーナー等の更なる評価につながった。
仲介、アフターフォロー、掃除・メンテナンスをワンセットで提供
(5)サブリース(転貸)が徐々に収益の柱に
献身的なサービスを通してビルオーナー等との信頼関係が強固なものとなっていったため、12/6期からは更に一歩踏み込んでサブリース(転貸)の営業を強化した。サブリースにすると、ビルオーナー等の取り分は減るが、水回り、電気、空調、ガス、エレベーター等(躯体以外の設備)、設備の補修費用等は同社が負担するため、手間も費用もかからない。また、サブリースされない他のフロアのテナントも同社が面倒を見てくれる。同社のサブリース事業の特徴は、ターゲットを1日の乗降客数が3万人以上の駅に絞り、その周辺の物件で1階部分に限定している事。サブリースは空室リスクを伴うが、人の流れが多い一等地(乗降客の多い駅周辺)に絞り込む事と、客付けで同社が強みを持つ小売業等に人気の1階部分に限定する事で空室リスクを極小化している。解約が発生しても、概ね1カ月程度で次のテナントが決まると言う(テナントが解約する場合は、6か月前までに同社に連絡する必要がある)。加えて、同社はテナント誘致力が強いため、優良なテナント(より高い賃料での入居が可能なテナント)付けが可能だ。15/6期末現在で約120件強のサブリース物件を有するが、空室・逆ザヤは1件もない。 リノベーションサブリースで物件の取り込みを加速
地域特性や立地に応じて物件の用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりするリノベーションの提案を合わせ行っている事もサブリース物件の獲得につながっている。その際に必要となるリフォーム費用、或いは高熱水道関係の修繕や新たな敷設費用は同社が負担するため、オーナー等は初期投資をする事無く安定的に収益を上げる事ができる。一方、同社は先行投資負担を織り込んだ収益性を試算した上で提案を行っているため、テナントが埋まれば先行投資を吸収して確実に利益を上げる事ができる。
(6)2014年11月、東京証券取引所2部市場に上場
2部上場による信用力向上とアナウンスメント効果が営業面や採用面で顕著に現れており、同社は一段の営業強化と人員の増強でストック収入型ビジネスの拡大を加速させたい考えだ。
【エリアクエストの強み -駅前店舗オーナーがエリアクエストを選ぶ16の理由-】
1.住んでいる人達に感謝される地域発展
2.テナント誘致力に強み 3.上層階の空き(不動産屋まわり、垂れ幕) 4.賃料査定に強み 5.賃料減額交渉に強い 6.売買の査定に強い(収益還元=豊富な仲介実績) 7.1人の所有者(1つのビル)に3事業部の担当が付く 8.更新に強み
9.テナント管理に強み
10.テナント入退出時の工事監理、監修 11.電話1本でトラブルにつき24時間以内に駆けつける 12.掃除が得意である。 13.用途変更、法例提案力、対応力がある 14.「エリアクエストはうるさい、オーナーは良い人」 15.資料滞納解決率98.6% 16.新築に強い 様々な「困った」に「できません」と言わずに即時対応してくれる行動力が、国道16号線内のビルオーナー等に浸透してきた事が好業績の背景にあると考える。 |
2015年6月期決算 |
前期比30.5%の増収、同79.4%の経常増益
サブリースを中心にした契約の積み上げ効果でストック収入型ビジネスの売上が伸び、連結売上高が14億98百万円と前期比30.5%増加した。利益面では、リノベーションサブリースに伴うサブリース物件への先行投資の増加等で売上総利益率が0.5ポイント低下する一方、人員増強やオフィスの拡張等で販管費が増加したものの、売上の増加で吸収。営業利益が1億88百万円と同87.2%増加した。当期純利益の減少は投資有価証券売却益の減少(前期は84百万円を計上)が主な要因(支払利息、支払手数料、及び法人税等も増加した)。1株当たり1円の期末配当を予定しており、07/6期以来の復配となる。
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE =売上高当期純利益率×総資産回転率×レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。 尚、米系大手総合情報サービス会社によると、東証1部上場企業の14年度(15年3月末)のROEは8.15%と13年度の8.56%から低下した。 |
2016年6月期業績予想 |
前期比20.1%の増収、同36.5%の経常増益予想
売上高は前期比20.1%増の18億円。契約の積み上げ効果とサブリース物件等の新規獲得で拡大基調が続くストック収入型ビジネスが増収をけん引。人員を増強して売上拡大に取り組む成功報酬型ビジネスで上積みを図る。利益面では、人件費や広告宣伝費等を中心に販管費が増加するものの、増収効果で営業利益が同34.5%増の2億54百万円と大きく伸びる。配当は1株当たり1円の期末配当を予定している。 (2)パノラマクリーニングの一段の認知度向上に向け、3か月無料の“お試しキャンペーン”を実施
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中期事業計画 |
15/6期までの計画と実績の推移をみると、ストック収入型ビジネスの営業が軌道に乗り始めた13/6期以降、売上面では常に期初予想(各期初の予想売上高は従前の中期事業計画の計画値と同じか、計画値を上方修正)を上回る実績を残しており、利益面では、上振れ分を先行投資に充てる事で予想に沿った実績を残してきた。サブリースの契約が着実に積み上がっている事と有言実行となった過去3年間の実績を考えると、18/6期の計画を達成する確度は高そうだ。 |
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