ブリッジレポート:(2468)フュートレック vol.29
(2468:東証マザーズ) フュートレック |
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企業名 |
株式会社フュートレック |
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社長 |
藤木 英幸 |
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所在地 |
大阪市淀川区西中島 6-1-1 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2015年3月 | 2,388 | -192 | -172 | -377 |
2014年3月 | 2,421 | 431 | 465 | 273 |
2013年3月 | 3,165 | 896 | 901 | 491 |
2012年3月 | 2,562 | 501 | 502 | 261 |
2011年3月 | 2,085 | 482 | 485 | 284 |
2010年3月 | 1,996 | 530 | 540 | 315 |
2009年3月 | 1,777 | 404 | 415 | 221 |
2008年3月 | 1,598 | 264 | 277 | 159 |
2007年3月 | 1,253 | 249 | 256 | 162 |
2006年3月 | 1,443 | 173 | 165 | 99 |
2005年3月 | 1,059 | 69 | 79 | 33 |
2004年3月 | 907 | 9 | 6 | -1 |
2003年3月 | 736 | 12 | 12 | 3 |
2002年3月 | 435 | 17 | 34 | 29 |
株式情報(6/24現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
グループは、同社の他、音声認識コア技術の開発を担う(株)ATR-Trek、スマートフォンやタブレット向けアプリ開発の(株)スーパーワン、翻訳事業等を手掛ける(株)メディア総合研究所の連結子会社3社。NTTドコモ・グループが発行済株式の約6%を保有し、15/3期はNTTドコモ向けの売上高が全体の34.9%を占めた。 【事業内容】
事業は、ライセンス事業、翻訳事業とその他事業に分かれ、15/3期の売上構成比はライセンス事業が58.6%、翻訳事業が21.5%、その他事業が19.9%。また、ライセンス事業は、音声認識・UIソリューション事業分野(同42.6%)、音源事業分野(同5.6%)、CRMソリューション事業分野(同10.4%)に分かれ、その他事業は基盤事業分野(同5.3%)及びカード事業分野(同1.0%)、その他(IT・映像・国際)事業分野(同13.6%)に分かれる。各事業の概要は次の通り。
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2015年3月期決算 |
15/3期は前年同期比1.4%の減収、172百万円の経常損失(前年同期は4億65百万円の利益)。
携帯電話市場向けのイニシャル及びランニングロイヤルティの収入が減少した。ただ、いずれも当初から織り込み済みで、想定の範囲内。「Re-Built(リ・ビルト)」の経営方針のもと、2年間で事業を再度成長軌道に戻すために、新規事業の創出と事業化及び、音声認識事業の収益安定のためのビジネスモデル構築を目標として活動しており、活動の1年目となる15年3月期は、新規事業創出活動においては想定以上の成果を得た。ただし、ライセンス事業の収益向上には至らず業績予想のとおり赤字決算となった。なお今期より、新規事業の創出として、翻訳事業等が付け加わったことにより、翻訳事業から5億14百万円、その他事業として3億23百万円が売上に加わった。 ライセンス事業(音声認識・UIソリューション事業分野、音源事業分野、CRMソリューション事業分野)
売上高は前期比37.6%減の13億99百万円。このうち音声認識・UIソリューション事業分野の売上高は同39.7%減の10億17百万円。前年と比較して携帯電話市場向けのイニシャル及びランニングロイヤルティの収入が減少した。また、前年にフィーチャーフォンの一部機種において一括ロイヤルティを計上したため、(株)NTTドコモとの音源IPライセンス契約に基づくロイヤルティ収入が減少し、音源事業分野の売上高は同48.2%減の1億33百万円となった。CRMソリューション事業分野では、受託開発の売上が減少し、売上高は2億48百万円と同16.5%減少した。
翻訳事業(翻訳事業分野)
翻訳事業は、新たに連結子会社となった株式会社メディア総合研究所の主力事業である。2014年10月の子会社化に伴い、半年分の売上高が貢献し、5億14百万円を計上した。
その他IT関連事業(基盤事業分野、カード事業分野、IT事業分野、映像事業分野、国際事業分野)
売上高は前期比165.2%増の474百万円。基盤事業分野では、子会社である株式会社スーパーワンのデジタル教科書開発に係る受注が増加したことにより、売上高は126百万円(同93.1%増)となった。カード事業分野では、大手予備校からの書込み受託業務が終了したため、英語リスニング模擬試験用メモリーカードの書込みによる収入が大幅に減少し、売上高は同78.7%減の24百万円。子会社である株式会社メディア総合研究所が展開するIT事業分野と映像事業分野、国際事業分野の売上高合計は323百万円となった。
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2016年3月期業績予想 |
前期比43.6%の増収、32百万円の経常赤字の改善を目指す
2016年3月期は、メディア総合研究所の子会社化が通年寄与することで、売上高は大幅に増加する(2015年3月期は半年分の寄与)。一方で、利益率が高い音声認識事業での減収等で、2016年3月期には経常利益の黒字転換は見込んでいない。新しく立ち上げた新規事業の業績への影響、音声認識事業の改善効果が業績に反映されるのは2017年3月以降になると考えられる。
Re-Built2年目として、成長軌道への回帰に向けて
2015年3月期から2016年3月期の2年間を「Re-Built」の経営方針のもと、1)音声認識事業の選択と集中、2)新規事業の創出、3)人事労務改革の断行、4)グループ各社の事業改革の実践を強力に推し進めている。音声認識事業の選択と集中としては、収益性の高い分野を選択し、集中して拡販活動にあたる。自動車・車載機器や業務ソリューションを注力分野に挙げる。自動車関連では、市販カーナビへの搭載事例は増えてきた。今後はメーカー純正のカーナビゲーションへの搭載を目標に多言語音声認識やノイズ環境対応などをさらに推し進める。業務ソリューションでは、ウェアラブルなどの新しい端末向けの開発・販売に注力する。また、個別カスタマイズ対応を削減し、同業界・同使用用途等で汎用的に使用できる商品を開発することで、汎用的商品ラインナップの拡充を目指していく。 新規事業の創出活動においては、機械翻訳事業を開始。2014年10月にNTTドコモ及びシストラン・インターナショナルと共に、株式会社みらい翻訳を設立し、日本語を軸とした世界最高レベルの機械翻訳精度を持つシステムの開発と実用化に向けて動き出した。その機械翻訳精度向上には、正しい翻訳結果を示す対訳コーパスが必要になる。対訳コーパスの作成には、人による高度な翻訳が必要であり、メディア総合研究所の高度で専門性の高い翻訳者が活きてくる。また、11月にはATR-Trekが「グローバルコミュニケーション開発推進協議会」に設立発起人として参画した。国家プロジェクトに積極的に参加することで大きな動きを把握し、自社の活動に活かしていく。 その他の投資としては、TranscribeMe, Inc社と資本業務提携し、音声書き起こしサービスを開始した。また、VocalZoom System Ltd.と資本業務提携を2015年1月に発表した。 その他、グループ各社の目標を明確にして事業改革に取り組む。ATR-Trekは音声認識のコア技術の開発及び多言語化、スーパーワンはタブレット商品カタログアプリ「カラログ」などの自社製品の開発・拡販やデジタル教科書の開発関連事業への注力、メディア総合研究所は専門性の高い翻訳技術を活かし、翻訳市場での売上、利益拡大への注力、機械翻訳の精度向上である。子会社各社が目標に向けて邁進するとともに、グループ全体としてのシナジーを追及していきたい考えだ。 |
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