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ブリッジレポート:(2462)ジェイコムホールディングス vol.31

(2462:東証1部) ジェイコムホールディングス 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.31】2015年5月期第2四半期業績レポート
取材概要「同社は、モバイル、アパレル、介護、保育、コールセンター、事務と言った事業領域において、人に携わる部分で社会に必要とされる事を徹底的に・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年3月4日掲載
企業基本情報
企業名
ジェイコムホールディングス株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年5月 14,951 303 374 259
2013年5月 15,196 798 906 599
2012年5月 17,518 914 1,044 603
2011年5月 15,905 901 955 489
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
2001年5月 1,369 73 70 34
株式情報(2/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
792円 9,168,935株 7,262百万円 5.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.8% 28.36円 27.9倍 522.56円 1.5倍
※株価は2/13終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ジェイコムホールディングスの2015年5月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
携帯電話・アパレル業界向け販売員や保育士、介護士等の派遣・紹介等の総合人材サービス事業と、介護施設の運営を中心とした介護関連サービス事業を展開。「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、より多くの人々に就業機会を提供するべく、M&Aや事業提携を積極的に進めサービス領域を広げている。
 
【事業セグメントとジェイコムグループ】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定・職業紹介等の総合人材サービス事業、介護施設運営の介護関連サービス事業、及び携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれ、14/5期の売上構成比は、それぞれ80.4%、15.1%、4.5%。また、総合人材サービス事業は、契約形態別に、派遣契約、業務委託契約(同社から見た場合、業務受託)、及び紹介予定・職業紹介契約に分かれ、セグメント内の売上構成比は、75.2%、21.9%、2.9%。一方、業界別では、携帯電話業界79.9%、アパレル業界9.1%、情報通信業界2.7%等。また、地域別では、東日本地区47.4%、西日本地区42.6%、東海地区10.0%。

グループは、純粋持株会社である同社の他、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップの運営を手掛けるジェイコム(株)、及び事務職を中心とした人材派遣・人材紹介やビジネススクール事業を手掛ける(株)エースタッフ、介護施設運営の(株)サンライズ・ヴィラの連結子会社4社。持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)とその傘下で認可保育園等の運営を手掛ける(株)サクセスアカデミー。
同社グループの事業領域は、いずれの分野も高水準の需要が続く見通し。
例えば、介護・保育業界は、資格要件や待遇面の問題で著しく足元の需給が逼迫しているが、更なる需要増が見込まれている。
また、モバイル業界は、高度な知識や接客スキルが求められる販売職の人手不足が深刻。賃金等、待遇改善が進められているが、圧倒的な人材不足が続いている。
この他、上記業種ほどの逼迫感はないが、アパレル業界や一般事務は有効求人倍率が引き続き上昇傾向にあり、コールセンターも金融・通信・通販等の需要増で人材不足が続いている。
 
 
中期経営計画(15/5期~17/5期)と取り組みの状況
 
【数値計画と4つの重点施策】
2009年12月の持株会社体制への移行以来、同社は「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」をグループ理念に掲げ、人生のどの段階においても、人々のワークライフバランスを実現するために必要なサービスを幅広く提供できるよう、業界・業種・職種に捉われず社会に必要とされる事業を創造するべく、M&Aや事業提携に取り組んでいる。

この一環として、2009年12月に保育事業を営む(株)サクセスアカデミー(現 サクセスホールディングス(株))を持分法適用関連会社としてグループに取り込み、保育関連サービスを本格化した。また、2013年10月に介護施設を運営する(株)サンライズ・ヴィラを連結子会社化し介護関連サービス事業に進出。2014年4月にはサクセスホールディングス(株)が東京証券取引所市場第一部銘柄に指定される等、この4年半で次の成長段階に必要なグループ体制の整備が進んだ。

同社はこれを踏まえて、17/5期にかけての向こう3年間の数値計画を中期経営計画として下記の通り発表している。
 
 
 
(2)業界別取り組み
携帯電話業界向けサービス
2014年上期は、携帯電話端末の出荷台数が減少したもののタブレット端末の出荷台数は過去最高を更新しており、引き続き通信キャリア各社の活発な顧客獲得活動が続く見込みだ。また、固定回線のサービス卸開始に伴う新サービスの提供も追い風になるとみられており、高度な知識と接客スキルを有する販売員の更なる需給逼迫が予想される。

こうした中、同社は単なる人材供給とは一線を画し、多様な労働条件を希望する人材の活用方法の提案をはじめとしたマッチング強化と、この一環としての受入側である顧客の意識改革に取り組んでいる。15/5期の取り組みのポイントは、人材育成、人材確保、営業力強化の3点で、人材育成では、キャリアショップを運営し、量販店での販売業務委託実績も豊富な同社ならではのノウハウを活かした教育研修を実施し、経験の有無を問わず顧客企業で活躍できる人材の育成に力を入れている。また、人材確保では、採用及びマッチングに注力すると共に既存スタッフの定着率アップを図るべくコミュニケーションを強化している。その上で、キャリアショップを運営する同社ならではのノウハウを活かした人材の活用方法の提案と人材のスピーディな紹介を推進する事で営業力強化を図っている。
 
アパレル業界向けサービス
消費税率引き上げや悪天候の影響はあったものの、景気は総じて回復基調にあり、これに伴い新規出店も増加傾向にある(一般社団法人日本ショッピングセンター「わが国のSCの現況」)。一方、雇用情勢の改善による待遇向上等で求職者の思考が販売職から事務職へとシフトしており、販売職の採用難度が高まっている。特に郊外大型 ショッピングモールにおいては販売員不足が深刻だ。

こうした中、同社はビジネスチャンスを活かすべく、人材育成と多様化する需要への対応を強化に取り組んでいる。人材育成では、スキルと接客技術の習得を支援するべく大手クライアントの販売代行の実績も持つ同社ならではの研修を強化している。また、多様化する需要への対応として、店舗での販売業務のみならず、物流センターの請負等へサービス領域を広げている。

尚、同社のアパレル業界向けサービスは、知名度の高まりに加え、全国展開ができる事も評価され、大手企業や有名ブランド等との取引が取引額と取引社数の両面から拡大傾向にある。14/5期は一部の大口顧客の派遣利用停止が響き前期比9.8%の減収となったものの、15/5期は上期売上高が5億59百万円と順調に伸びている。季節要因による需要変動が大きい業界だが、年商100億円規模の事業に育つポテンシャルはあるようだ。
 
 
保育業界向けサービス
待機児童解消に向け保育所整備が進んでおり、補助金制度の改定等により民間企業の参入も増加傾向にあるが、処遇改善の問題等で保育士の拡充は順調と言えない。人材不足を補うための制度導入も検討されているが、保育士の確保は保育サービス企業各社において喫緊の最重要課題となっている。

同社の保育業界向けサービスは、保育士紹介・派遣等の人材サービスを手掛ける連結子会社ジェイコム(株)と子会社(株)サクセスアカデミーを通して受託保育事業と公的保育事業を手掛ける持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)との連携強化が奏功し、両社の事業が相互補完的に拡大している。
具体的には、ジェイコム(株)は、サクセスホールディングス(株)が有する業界知識・ノウハウを活かして人材と案件のマッチング力を高め、グループ外企業が運営する保育施設も含めた保育士紹介・派遣等の人材サービス拡大に取り組んでおり、サクセスホールディングス(株)はジェイコム(株)との連携を保育事業の成長のカギとなる保育士の確保につなげている。
尚、ジェイコムホールディングス(株)は14年12月にサクセスホールディングス(株)の株式を追加取得して筆頭株主となった(保有割合25.1%)。今後も更なる事業拡大に向け、連携を強化していく考え。
 
介護関連サービス事業
施設・介護従事者共に圧倒的な不足状態が続いている。高齢者人口は2042年にピークを迎え、その後は減少する見込みだが、高齢化率の上昇が続くため、介護関連サービスは引き続き高水準の需要が見込まれる(平成26年度版高齢社会白書)。このため、人材不足解消に向け、現在、厚生労働省内で介護職の資格要件緩和が検討されている。

こうした中、同社は15/5期の取り組みとして、人材育成・確保、高齢者住宅に対する介護サービスの提供、及びオペレーション強化の3点を挙げおり、人材育成・確保では、連結子会社ジェイコム(株)が運営する資格取得学校「ジェイケアスクール」の介護職員初任者研修講座等による資格取得の支援やグループで運営する施設での未経験者を対象とした研修・実習により企業が求められる人材の育成に取り組んでいる。高齢者住宅に対する介護サービスの提供では東京建物(株)と業務提携契約を締結し、東京建物(株)が開発する高齢者住宅において同社が介護サービスを提供していく事になった。また、オペレーション強化では、機会損失を無くし、施設の入居率の向上を図るべく営業・管理の両面で体制を強化した。
 
 
14/5期第2四半期(9-11月)に(株)サンライズ・ヴィラを連結子会社化し、介護サービス事業に本格参入した。(株)サンライズ・ヴィラは経営体制の整備が順調に進んでおり、足元、計画を上回るペースで業績が改善している。また、ジェイコム(株)からの人事部門への出向と採用代行により採用と人材活用の効率化も進んでいる。
 
介護・保育等の人材不足解消に向けた中長期戦略
同社は、これまでに蓄積してきた「未経験者を働く人材へと育成する」ノウハウを活かして介護・保育等の人材育成に取り組み、紹介・派遣とのシナジーを高めていく考え。具体的には、自ら運営する資格取得学校「ジェイケアスクール」の介護職員初任者研修講座等を通じて資格取得から支援していく(経験者を業界内で奪い合うのではなく、未経験者から育成していこうという考え)。
 
 
未経験者を育成するジェイコムならではのノウハウの発揮
平成23年6月公表厚生労働省「医療・介護に係る長期推計」によると、介護関連の人材は、現状のペースで増えたとしても、2025年度には介護職員が20万人、介護その他職員で25万人以上が、それぞれ不足すると言う。こうした人材不足に備えるべく、同社は、外国人労働者の活用、潜在求職者の活用、及び定着率アップに取り組んでいる。
 
 
※ 労働者派遣法改正案の影響
今国会で成立する見込みである改正労働者派遣法のポイントとして、同社は、①業務区分撤廃、②派遣会社に有期雇用(派遣期間の上限が「業務」から「人」へ)、③派遣会社に無期雇用(派遣会社に常用雇用された人は派遣先で期限なく働ける)、④派遣事業者許可制・教育義務、の4点を挙げており、その影響を説明している。
 
 
①業務区分撤廃については、同社は専門26業種をほとんど扱っていないため影響はない。②派遣会社に有期雇用(派遣期間の上限が「業務」から「人」へ)については、企業が派遣労働者を活用しやすくなるため同社の収益機会が拡大する。また、派遣労働者が派遣先で最長3年働けるようになるため、キャリア形成の実現機会が増え登録者の増加が見込まれる。このため、②は同社にとって追い風となる。
 
 
一方、③派遣会社に無期雇用(派遣会社に常用雇用された人は派遣先で期限なく働ける)については、派遣労働者が無期雇用(常用雇用)に転換すると、派遣会社の負担が増加する。
 
 
④派遣事業者許可制・教育義務については、一定以上の規模と質(許可基準 純資産額 2,000万円以上、現預金 1,500万円以上等)が求められるうえに派遣登録者への教育責任が増すため、約5万超の事業者の淘汰が進む見込み。派遣社員もしくはアルバイトとして採用した社会経験の浅い学生やフリーター等の若年層を、教育やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)により勤続年数に応じてステップアップさせ、最終的には希望する職業へ正社員として就職できるよう支援するシステムが構築されている同社にとって追い風になる。

以上の事から、③の影響で同社の負担が一部で増加するケースもあるだろうが、②及び④が追い風となるため、労働者派遣法の改正は同社にとって総じてプラスと考える事ができる。
 
 
2015年5月期上期決算
 
 
前年同期比37.9%の増収、同12.8%の経常減益
売上高は前年同期比37.9%増の86億13百万円。前年同期は売上計上が無かった介護関連サービス事業が売上22億76百万円を計上し増収をけん引し、主力の総合人材サービス事業も適正価格での受注を徹底する中で売上が59億74百万円と同0.3%の増加。この他、マルチメディアサービス事業の売上も3億63百万円と同24.1%増加した。

営業利益は同2.7%減の2億21百万円。相対的に原価率の高い介護関連サービス事業を連結した影響で売上総利益率が1.6ポイント低下する中、人件費・採用教育費の増加や(株)サンライズ・ヴィラののれん償却費の計上(計上科目は「その他」)等で販管費が同33.1%増加した。ただ、原価率については、適正価格での受注徹底や人材紹介等へのサービス拡大が奏功し、総合人材サービス事業の原価率が2.5ポイント低下した模様。介護関連サービス事業の原価率も入居率の上昇で改善傾向にあるようだ。販管費率も増収効果で前年同期の14.0%から13.5%に低下した。

支払利息の増加等で営業外損益が悪化したものの、介護施設等の食堂運営受託を手掛けるジャパンコントラクトフード(株)の株式売却に伴う関係会社株式売却益3億36百万円など特別利益4億12百万円を計上したため、四半期純利益は2億21百万円と同19.7%増加した。
 
 
連結子会社の異動  - 介護関連サービス事業は介護施設運営に専念 -
14年8月に、介護施設を運営する(株)サンライズ・ヴィラの株式の一部を東京建物(株)が出資する東京建物・ACA投資事業有限責任組合に譲渡すると共に、(株)サンライズ・ヴィラが同組合を引受先とする増資を実施した(同組合の所有議決権割合は32.8%となった)。また、(株)サンライズ・ヴィラの企業価値の向上に専念するため、同じく14年8月にジャパンコントラクトフード(株)の全株式を売却した。足元、(株)サンライズ・ヴィラは入居率の改善が期初計画を上回るペースで推移しており、ジャパンコントラクトフード(株)の株式売却等と共に上期業績の上振れ要因となった。

尚、同社グループは、13年10月に(株)サンライズ・ヴィラとジャパンコントラクトフード(株)を子会社化した。これに伴い14/5期第2四半期(9-11月)より貸借対照表を連結し介護関連サービス事業をセグメントしたが、損益計算書の連結は第3四半期(12-2月)以降だったため前上期は同事業の売上計上がなかった。
 
(2)総合人材サービス事業の動向
既に説明した通り、総合人材サービス事業の売上高は前年同期比0.3%増の59億74百万円。契約形態別では、業務委託契約が減少したが、顧客ニーズに適った人材を採用・育成するために適性価格での受注を推進した事(受注コンペでの適正価格での応札等)や一部の不採算案件を派遣契約に切り替えたため。一方、派遣契約は業務委託契約からの切り替えに加え、販売員に求められる知識・スキルが高度化する中でマッチング・教育研修に注力した成果が現れた。

業界別では、一部キャリアにおける不採算案件の派遣契約への切替えや大手代理店(業界1・2位の2社)の派遣期間制限の影響で携帯電話業界向けが減少したが、アパレル、保育、介護業界向けが順調に拡大。ネット通販等のコールセンターや物流向けも好調でその他業界向けも増加した。

顧客別では、一部キャリアにおける不採算案件の派遣契約への切替えや大手代理店(業界1・2位の2社)の派遣期間制限の影響で携帯電話関連が減少したものの、深刻な人員不足に悩む販売関連を中心に多くのクライアントで取引が拡大した。携帯電話関連でその他の販売代理店向けが大きく伸びたのは、大手端末メーカーの大規模キャンペーンを受託した事が要因。

地域別では、不採算の業務委託案件を派遣契約に切替えた影響による携帯電話業界向けの減少や競合他社の攻勢による一時的な停滞で東日本地区の売上が減少したものの、九州拠点の好調が目立った西日本地区及びマネジメントの一新が奏功した東海地区の売上増で吸収。西日本地区及び東海地区はマッチング強化が成果をあげ、携帯電話業界を含め様々な業界で売上が増加。東日本地区は、保育・介護業界、コールセンター、物流向け等は順調で、携帯電話業界向けも巻き返しに向けた体制が整った。
 
 
 
 
 
上期末の総資産は前期末に比べて3億21百万円増の88億79百万円。借方では、連結子会社の株式一部譲渡及び全株式譲渡により、のれんが減少(8億18百万円→5億93百万円)する一方、持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)の株式追加取得等により関係会社株式が増加(6億96百万円→9億27百万円)。貸方では、利益計上により純資産が増加した。流動比率は204.9%(前期末178.6%)、固定比率は90.5%(同91.0%)、自己資本比率55.3%(同56.0%)。
 
 
2015年5月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比23.7%の増収、同6.9%の経常増益
売上高は前期比23.7%増の185億円。通期で寄与する介護関連サービス事業の売上が同107.8%増加する他、携帯電話業界・アパレル業界向けの回復で総合人材サービス事業の売上も同9.8%増加する見込み。営業利益は同11.9%増の3億40百万円。主力の総合人材サービス事業を中心にした増収効果に加え、既存施設の単月黒字化で介護関連サービス事業の損益改善も進む見込み。 配当は、1株当たり上期末15円、期末15円の年30円を予定している(予想ベースの配当性向は105.8%)。
 
 
 
今後の注目点
同社は、モバイル、アパレル、介護、保育、コールセンター、事務と言った事業領域において、人に携わる部分で社会に必要とされる事を徹底的に追及していく考え。具体的には、子供の成長に携わる分野(保育)、全ての世代の就業及び女性の社会進出を支援する分野(派遣・職業紹介)、そして高齢者の生活の質向上に向けた介護分野での社会貢献である。そのためのグループ体制の整備が前期で一巡し、15/5期は事業拡大に向けた取り組みが本格化した。そして、当面のマイルストーンとして示しているのが、最終の17/5期に売上高240億円、経常利益13億円を目指す中期経営計画の達成である。
こうした中、中期経営計画の初年度となる15/5期の上期決算では、適正価格での受注を徹底している主力の総合人材サービス事業が収益性の改善を伴って増収に転じた事と介護関連サービス事業において入居率の改善が計画を上回るペースで進んでいる事が確認できた。また、NTT東西日本の固定回線のサービス卸開始に伴い、同社は携帯キャリア大手からかつてない大型の発注を受けている模様で、2月、3月は採用ペースを一段と上げていく必要があると言う。中期経営計画は順調なスタートとなりそうだ。