ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.31
(4323:東証2部) 日本システム技術 |
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企業名 |
日本システム技術株式会社 |
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代表取締役社長 |
平林 武昭 |
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所在地 |
〒530-0005 大阪市北区中之島二丁目3番18号 中之島フェスティバルタワー29階 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年3月 | 10,828 | 427 | 474 | 278 |
2013年3月 | 10,139 | 314 | 355 | 168 |
2012年3月 | 9,027 | 284 | 327 | 135 |
2011年3月 | 8,990 | 211 | 264 | 216 |
2010年3月 | 9,322 | 456 | 497 | 300 |
2009年3月 | 10,449 | 806 | 852 | 447 |
2008年3月 | 10,705 | 931 | 945 | 426 |
2007年3月 | 9,711 | 389 | 405 | 138 |
2006年3月 | 7,917 | 111 | 125 | 605 |
2005年3月 | 8,189 | 522 | 502 | 319 |
2004年3月 | 7,767 | 540 | 537 | 67 |
2003年3月 | 7,064 | 676 | 635 | 194 |
2002年3月 | 6,939 | 658 | 606 | 181 |
2001年3月 | 6,285 | 834 | 814 | 282 |
株式情報(1/16現在データ) |
BPSは当四半期末実績。 |
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今回のポイント |
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会社概要 |
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
<特徴>
1.理念重視の経営
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。 また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービスであり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することにしている。 (経営理念の基本的考え方)
「天爵を修めて人爵これに従う」=「天爵」とは、人格・品性・徳を高めていくことで、尊敬され信頼される品格を備えた人に自然的に与えられる位を意味し、「人爵」とは、人為的・便宜的に与えられた外見上の位階を指す。天爵を修めることに努め、結果として自ずと人爵を与えられるのが理に適う順序立てであるのに、人は先に人爵を与えられるとあたかも自分は天爵も得たものと錯覚してしまい、それが態度や行動に出てしまうことが多い。天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられるが、人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。 2.広範な情報サービスの提供と自社ブランド確立
メーカーや系列等一切の制約を受けず、自由な立場で広範な分野のサービスを提供することが出来る。以下の既存4事業をメインとしているが、近年の変化として、自社ブランドサービスの拡大に注力し、構成比引上げを目指している。 具体的には、医療情報(レセプト自動点検等)サービス「JMICS(JAST Medical Insurance Checking Service)」、銀行向けCRMソリューション「BankNeo」、スマートフォンアプリ群「京都禅寺巡り」などが挙げられる。 (事業セグメント)
1.ソフトウェア事業(ソフトウェアの個別受託開発)
⇒ SIerの側面
①ビジネスアプリケーション分野(事務処理系システム) ②エンジニアリングアプリケーション分野(制御、技術系システム) ③イベントアプリケーション分野(スポーツ・文化イベント関連システム)
⇒ パッケージメーカーの側面
戦略的大学経営システムの開発・販売、導入支援、保守等
⇒ 販社(BtoB)の側面
ハードウェア・ソフトウェアパッケージの販売、保守、ネットワーク構築等
⇒ 医療BIベンダの側面
レセプトの自動点検・分析・医療費通知のトータルサービスを展開 3.大手優良企業群との長期取引と新規顧客
富士通(直接取引年数37年)、パナソニック(同32年)、IHI(同32年)など、日本を代表する大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引である。長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのため不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない、と会社側は述べている。 一方、一時期8割程度はあった主要長期大手顧客8社の売上高構成比は現在4割程度まで低下しており、下記の表のように他分野の新規顧客が増加している。 4.グループ拠点展開
加えて、JMICS(医療情報サービス)を独立事業化、2013年7月には(株)ODKソリューションズの発行済株式総数の3.66%を取得、資本提携をおこない、文教分野での相互事業拡大を狙う。 5.国内トップシェアの大学業務パッケージ及びその進化
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、345校(14年11月25日現在)への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。 少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているという。品質・価格両面での優位性に強み。 6.その他の特長
(人材重視) ⇒ 品質安定、低コスト体質
新卒中心の採用と長期的な人材育成
人材流動の激しい業界内で高い社員定着率を維持
「一括丸投げ」は行わず、社員中心のプロジェクト編成
請け負ったら顧客が満足するまでやり抜く、途中退場はしない
ソフトウェア事業(受託開発):SE自らリピート案件発掘(営業なき営業)
新規顧客は専門営業がソリューション提案
その他事業:代理店、教育機関、官公庁、健保組合等異種カスタマ層へのマーケティング展開
個人別30分毎の売上・原価管理
非常にコンパクトな本社間接部門
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2015年3月期第2四半期決算概要 |
ソフトウェア事業
医療機関及び官公庁、製造業向け案件は減少したものの、サービス・流通業及び金融・保険・証券業、通信業向け案件が増加したことで、売上高は前年比20.3%増の38億75百万円、営業利益は前年比5.4倍の1億43百万円の増収増益であった。
パッケージ事業
運用サービスと導入支援が減少したが、パッケージの周辺システムの受託開発(End User Computing; EUC)と仕入販売の増加により、売上高は前年比30.1%増の9億78百万円、営業利益は前年比6.1倍の50百万円の増収増益となった。
システム販売事業
公共系案件、大学向け機器販売が縮小したため、売上高は前年比55.5%減の4億15百万円、前年比79百万円減少したことで営業損失は39百万円となり、減収減益となった。
医療ビッグデータ事業
レセプト自動点検サービスに加え、通知サービス及びデータ分析、点検業者向けクラウドサービス等のサービス拡充により、売上高は前年比50.9%増の1億55百万円となった。一方で、人員及び設備投資が増加したため、営業損失は前年比12百万円増加の76百万円となり、増収増益となった。
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2015年3月期通期業績予想 |
(2)今後の計画
今後はパッケージ事業に関しては、①総合教育IT事業化、②次世代製品、③中国進出が今後の柱となる。
①事業別方針 ◎パッケージ事業 <総合教育IT事業化>
Webサービス学生支援システム「UNIVERSAL PASSPORT」、総合事務システム「GAKUEN」、「REVOLUTION」をクラウド、スマートデバイス、BCP等で事業拡大を行っていく。
<次世代製品>
現行バージョンの「GAKUEN EXシリーズ」(2006年9月リリース)の現状は、GAKUEN218校、UNIVERSAL PASSPORT184校に導入されており、大学経営ソリューションのトップブランドとして定着している。しかしながら、最近では、他社製品の台頭、価格競争も激化しており、高収益性を維持するものもモデル壮年期に迎え、成長性は低下している。そのため、同社ではバージョンアップではなく、機能、デザイン、使い方、提供サービス、プラットフォーム等を一新したリニューアルを行う。また、開発コストも現バージョン時の1/3以下に抑える。また、競合製品の対応や対抗ではなく、大学を取り巻く社会環境の将来像に対する最適解を示す。具体的には、2015年3月以降にプロトタイプ開発、リリース、追加コンポーネント及び関連総合サービスを順次リリースし、2016年3月期以降から売上本格拡大を目指している。2018年3月期には次世代版パッケージの売上は現行版を上回り、20億円超まで成長すると見込んでいる。 <中国進出>
下表のように、日本国内において大学情報化市場は成熟期に入ったと見ており、より成長性が見込まれる中国市場の開拓を積極化する。
技術的には、言語の違いや大学制度の違いを理解した上で同社の持つGAKUENのノウハウと中国人SEの協業により「正しく」現地向けにローカライズした本当に使える製品を提供できることが大きな強みとなる。特に、中国では正しい中国語化が可能となり、中国の大学制度に正しく準拠し、中国市場で最適適用可能なプラットフォームに正しく適合することができる。 また営業面においても、進出時に直面する解決困難な問題はすでにクリアしていると考えている。同社はすでに中国国内で中国人が運営する販売拠点を確保しており、顧客キーパーソンへダイレクトアクセス可能な人材を保有している。また、高品質で信頼性が高い日本製と現地チャネルで上海ブランドとして販売出来る中国製の両方の「よいとこ取り」となっている。 2013年5月には湖州師範学院(浙江省湖州市)と大学情報化に関する協定を締結した。また、2014年1月には上海経済特区内に販売拠点を確保しており、2014年4月には、eラーニングシステム「GAKUEN EduTrack」をリリースした。また、2014年9月には1stユーザーに対して、GAKUEN CHINA(仮称)を並行稼動、GET仮運用が開始された。 ◎金融機関情報系パッケージ BankNeo
長年蓄積した金融系開発ノウハウにより最適機能を網羅、電子地図との連携、モバイル端末対応等、最先端のCRM/SFAソリューションとなっており、大型・長期化が一般的な金融システム導入において画期的な低価格と短納期が実現したことで、実績が急増している。2012年12月には信金に初導入後、2013年3月末には導入決定実績が2行、2014年5月時点では導入決定実績12行、商談進行中が10数行あり、2015年3月期には売上高前年比200%以上を想定している。
◎グローバル展開
2013年3月期以前は各社独立独歩で運営していたが、2013年10月にはシンガポール、2014年4月にはタイに、それぞれ新社長を招聘し、体制を増強、グループ各社間取引、情報交換を活性化し、本格的なグローバル化に向け舵を切っている。2015年3月期には国外売上高前年比170%増を想定している。
②資本政策
2013年9月以降、出来高急増に伴い新株予約権行使も急進。また、2度の立会外分売(200株上限)も即時完売となり、1部指定替え基準に接近している。また、配当金を25円とし、流動性向上に向けて、追加的な施策を計画している。
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