ブリッジレポート
(3747) 株式会社インタートレード

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ブリッジレポート:(3747)インタートレード vol.4

(3747:東証マザーズ) インタートレード 企業HP
尾崎 孝博 社長
尾崎 孝博 社長

【ブリッジレポート vol.4】2014年9月期業績レポート
取材概要「MIOP構想の特長は、国内外の有力パートナーとWin・Winの関係を構築して、証券会社にとどまらない幅広い顧客層を取り込める事。同社の経営リソ・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年12月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インタートレード
社長
尾崎 孝博
所在地
東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル
決算期
9月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年9月 2,725 -98 -95 -128
2012年9月 2,811 -129 -104 7
2011年9月 3,335 47 66 172
2010年9月 3,856 -258 -277 -920
2009年9月 5,386 68 -26 -222
2008年9月 4,970 145 51 -326
2007年9月 3,417 -776 -756 -653
2006年9月 3,853 899 801 408
2005年9月 2,872 655 661 388
2004年9月 1,715 623 607 348
株式情報(11/26現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
229円 7,185,600株 1,646百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
3.00円 1.3% 9.74円 23.5倍 292.28円 0.8倍
※株価は11/26終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インタートレードの2014年9月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
証券ディーリングシステム、外国為替証拠金取引システム、取引所外取引システム等の開発・保守を中心とする金融ソリューション事業を主力とし、エンジニア派遣を安定収益源にグループ経営管理パッケージソフトと経営支援サービス等を育成中のITソリューション事業、ハナビラタケ関連のサプリメントや化粧品等の生産・販売を手掛けるヘルスケア事業、及び金融ソリューション事業の補完的な位置づけの自己資金運用事業を展開している。

グループは、同社の他、経営管理パッケージソフト「GROUP CATS」の開発・保守等を手掛ける(株)ビーエス・ジェイ(出資比率66.7%)、ハナビラタケの生産・加工を手掛ける(株)らぼぉぐ(同100%)、ハナビラタケ関連製品のカタログ通販やWeb通販を手掛ける(株)健康プラザパル(同100%)、20代をターゲットとした美容品に強みを持つWebサイト運営の(株)ビューティーグルカン(旧(株)ジーコレクション、出資比率100%)、及び自己資金運用事業の(株)トレーデクス(出資費率100%)、の連結子会社5社。
 
【沿革】
日本勧業角丸証券(株)〔現:みずほ証券(株)〕出身者が中心となり1999年1月に設立。創業者の経験を活かしてフロントシステムのコンサルティングからスタートし、ディーリング・トレーディング業務向けパッケージソフトの開発に展開した。

パッケージ型ディーリングシステムのパイオニア的存在であり、2000年9月に証券業務向けディーリングシステムのパッケージ「Trade Office-SX」の販売を開始。東証の立会場の廃止(99年4月末)に伴う市場部員(いわゆる場立ち)の活用や手数料自由化に伴う仲介業務の収益性低下の補完を目的とした証券各社のディーリング業務強化の流れをとらえ業績が拡大した。03年3月にはネットワーク技術を活かした「情報配信サービス」(東証など主要取引所の相場情報を配信)を開始する等でサービスの幅も広げ、04年9月に東証マザーズに株式を上場。その後、証券のトータルソリューションを志向し、ミドルシステム(約定ポジションに対するリスク計測等のリスク管理システム等)や証券バックオフィスシステム(顧客情報や口座残高等の管理システム)でも実績を残した。
05年1月に私設取引システム「IT Monster」の販売を開始し、07年8月には外国為替証拠金取引(FX)システムの販売を開始する等、パッケージソフトのラインナップを順次拡充。07年4月には、フロントシステムのシェア拡大を図るべく、高パフォーマンス・高次元の信頼性を誇るトレーディングシステム「TIGER」の開発元であり、競合先でもあった(株)ブラディアを子会社化(08年10月に吸収合併)。同年8月には両社の強みを融合した次世代証券ディーリング/トレーディングシステム「TIGER Trading System」の販売を開始した。

12年以降は事業の多角化に取り組んでおり、同年10月に経営管理ソリューションを開発する(株)ビーエス・ジェイを子会社化すると共に、ヘルスケア事業(当時はフードサービス事業)の育成を目的に、子会社インタートレード投資顧問(株)を(株)らぼぉぐに商号変更すると共に組織変更。13年にはヘルスケア事業の販路確保を目的に、2月に通信販売業の(株)パル(現(株)健康プラザパル)を子会社化し、8月にインターネット通信販売業を行う(株)ジーコレクション(現(株)ビューティーグルカン)を設立した。
 
 
成長戦略
 
金融ソリューション事業におけるMIOP(Market Integrating Open Platforms)構想の推進と、経営統合管理ソリューション「GroupMAN@IT e2 」を中心にしたパッケージビジネスと経営支援を柱とするITソリューション事業及びハナビラタケ関連の自社オリジナル製品を中心にしたヘルスケア事業の育成により、収益基盤の強化と業容の拡大を図る考え。
 
【金融ソリューション事業】
(1)キーワードは真の最良執行、Prospectを中心とする革新的なソリューション群
MIOP構想の集大成となる「TIGER Trading Platform Prospect」
MIOP(Market Integrating Open Platforms)構想の実現に向けた取り組みを推進する。MIOP構想とは、マーケットに従事する各パートナー(マーケット運営会社、情報ベンダー、金融機関等)と先進的で付加価値の高いサービスを共同で展開し、ボーダーレスな金融商品取引が可能な次世代プラットフォームの下で、「株式」、「金利」、「為替」、「商品」等、多彩な金融商品のワンストップ取引の実現を目指すもの。

2010年末に発表したMIOP構想は、これまで顧客ごとに提供していたディーリング・トレーディングシステムをASP化していくことで、証券会社の流動性を集約する一方、様々なパートナーのサービスをASPに取り込み、「TIGER Trading System」を巨大な金融コミュニティーセンターに築き上げることを目指すものであり、この数年、サービスのラインナップは加速している。現在、プラットフォームの強化を図るため「TIGER Trading Platform Prospect」(以下、「Prospect」)の開発を行っており、2015年3月の稼働に向け開発最終段階にあり、既にファーストユーザーも決定している。「Prospect」の特徴は、双方向通信である。例えば情報の流れが、ラジオ・テレビからインターネットのような双方向情報交換に変化してきたように、金融マーケットは取引所への特定方向通信であったものが、日本の金融マーケットも運用効率を高めるため、欧米化技術・サービスを取り込み双方向アプローチが重要になってくる。今回のインフラは、より顧客が望む形の注文を処理することができるサービスであり、近年隠れるようになった流動性にアプローチするものである。 また、そのような特殊サービスは開発コストが膨大であったが、インフラを整理・統合化し、注文や情報という区分を標準化するとともに、そのAPIを整理・提供することで、様々なニーズへの対応を迅速に行うよう設計されている。「Prospect」の目指す方向は「表面に出ない流動性をメイキングし、巨大なネットワーク型仮想マーケットをつくるためのインフラ」である。また、マーケットに関わる国内外の各パートナーとの共同ビジネスを積極的に展開する事で、「Prospect」上で提供するサービスのラインナップを拡充すると共に、顧客の相互紹介等を通して顧客層を広げていく考え。このため、「Prospect」の導入企業は、証券会社だけでなく、収益機会の拡張を目指すあらゆるマーケット従事者が対象となる。
 
 
ワンストップで多様な市場へのアクセスが可能な「Prospect」
「Prospect」ではASP方式でサービスが提供され、顧客は大手外資証券を含めた「Prospect」のビジネスパートナーをブローカーとして海外の証券取引所等へのアクセスが思いのままになる。PTS(私設証券取引システム)や法人向け取引所外取引等、多種多様な市場外取引を取り込んでいく他、「金利」、「為替」、「商品」等、「株式」以外の市場とも接続する。

一部PTSは既に夜間取引に取り組んでおり、取引所の夜間取引が現実化した場合、自宅からのトレードも想定され、リアルタイムでの文字情報も提供できるよう、既に複数の情報ベンダーとの接続を完了している。
 
あらゆる取引コスト低減にも寄与
証券会社が売買に伴い負担するコスト(取引コスト)には、証券取引所や保管振替機構に払う手数料に加え、ASK/BIDスプレッド(買い値と売り値の幅)も含まれている。このうち、ASK/BIDスプレッドは、取引所の価格と複数あるPTSの価格を比較して、最も有利な価格を選んで売り買いする事で極小化する事ができる。「Prospect」はビジネスパートナーとの連携等によりワンストップで多様な市場へアクセスし、完成度の高いアルゴリズムにより瞬時に最も有利な価格を選んで売買注文を発注する事でASK/BIDスプレッドの極小化を図る事ができる。その他、マーケットインパクトコストを回避するための取引手法や、売買に係る手数料の削減を実現するサービスを展開していくことで、取引に係るあらゆる執行コストの低減を可能とし、真の最良執行の実現を強力にサポートしていく。

高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた東京証券取引所の新取引システム「arrowhead」の稼働とPTSの流動性向上が相まって、TCAの観点から取引所の価格と複数あるPTSの価格を比較して有利な価格を選んで注文を出す等、取引所には見えない注文・約定が増えている。2015年秋には東京証券取引所のシステムが「arrowhead 2」にリニューアルされ、更に注文応答速度の高速化が進むため、こうした動きが一段と加速しよう。このため、arrowheadのリニューアルは同社にとって大きなビジネスチャンスとなるはずだ。

尚、arrowheadのリニューアルに対応して、同社はMEXⅢ/MSRⅢの拡販にも取り組む考え。MEXⅢ/MSRⅢとは、指定した日付の取引所を再現するものであり、アルゴリズム取引のパフォーマンス検証等にも利用可能なシミュレーションシステムであり、外資系を含む多数の大手証券からの引き合いを受けている。
 
【ITソリューション事業】
14/9期はエンジニア派遣がセグメント売上高の72.6%を占めたが、15/9期はエンジニア派遣を安定収益源としつつも、自社開発パッケージ製品の販売を強化してパッケージ売上をセグメント売上の50%程度に引き上げる計画で、15/9期、最も収益性が改善する事業と見込んでいる。
 
 
経営管理統合プラットフォーム「GroupMAN@IT e2」の展開
グループ経営管理の自社開発パッケージ「GroupMAN@IT e2」の販売強化と共に、導入企業及び導入企業の支援機関をサポートするサービス事業を育成していく。
 
「GroupMAN@IT e2」販売
「GroupMAN@IT e2」(以下、「e2」)は、企業グループを構成する各企業の経営状態のReal Timeでの可視化を実現するパッケージソフト(グループ経営管理ソリューション)。グループ各社が異なるベンダーの基幹業務システムや業務システムを導入していても相互連携が可能だ。15/9期は現在商談を進めている4件の成約を目指している。
 
サポートセンターにおける「サービス」構想
パッケージの販売と並行して、企業(支援対象企業)を顧客とする各種支援機関(税理士やコンサルタント等)向けサービスも展開していく。具体的には、「e2」を自社利用して社内に集中処理センターを設置して企業の経営計画の数値化(予測PL・BS)処理を代行する事で、支援機関(中小企業に対して内部統制構築や金融機関との交渉の支援を行う、税理士やコンサルタント等)の業務をサポートする。

「e2」の特徴である様々な業務システムとのデータ連携機能を活かす事で、同社e2センターが、支援対象企業のPL・BS等の各種経営データを取り込み、企業側の負担となっている予測PL・BS等の数値資料を作成。税理士やコンサルタント等の各種支援機関は、作成された資料を用いて経営指導等を行う。
 
エンジニア派遣による安定収入の確保
エンジニア派遣の需要は大きく、14/9期中にエンジニア派遣の月間売上高が20%超増加した。「顧客のニーズにマッチするエンジニアを派遣できるか」がポイントとなるが、保守・運用を中心に案件を選別すると共に受注体制の整備を進めた成果が表れてきた。15/9期も需要は堅調と見込まれる。
 
「Gadics MAN@IT」の販路拡大
販売パートナーを介した拡販に取り組んでおり、14/9期は900台弱の導入実績をあげた。中小規模の法人からの引き合いが増えており、15/9期は販売パートナーを約3倍の30社に拡大し需要の取り込みを図る。「Gadics MAN@IT」を幅広く提供する事で、国内におけるVirtual Engineer Service というサービス分野を確立したい考え(欧米では既に確立)。
 
【ヘルスケア事業】
科学的・先進的ヘルスケア企業として飛躍するべく、科学的根拠に基づくエビデンス取得に注力すると共に、自社オリジナル製品のラインナップを強化して収益力の強化を図る。

現在の日本がかかえる問題は、高齢化だけではない。病に侵される高齢者の医療費問題は深刻であり、その脱却が必要である。政府の進める健康食品の機能性表示規制緩和もその一環であり、先進欧米に見習った予防医療の時代を迎えることになる。予防医療とは、病気にならないよう、健康を維持し予防することが目的になる。
良く効くものは副作用があるという事実に基づき、効能についての科学的根拠と安全性を担保したものが求められる。 同社では、臨床試験にて、大枠の可能性とその安全性を確認した。

欧米では作用のある成分に対し、その効力が個々のヒトに対しての影響までも解析する時代に入っている。同社は有効成分の特定と性質を明確にし、ヒト固有の作用度を科学的に解析するステージに入っている。健康補助食品が予防医療に有効であるためのデータを整備し、近未来における同事業に本格参入するため、遺伝子と病気の関係を解析するため、医療技術の優れる機関と共同研究を実施している。顧客ごとに効果が体験でき、予防に貢献できる健康食品、それが食品の機能性表示の枠を超えて将来必要となる。そのために、ハナビラタケやプロポリスなど有効性が確認されるような成分の特定と解析を科学的に行い、その商品開発の強化し、健康予防事業に参入していく。健康を得ることは、美しさを得ることにもなるため、その関係商品についても重点的に展開、さらには海外販売まで拡大する予定。
 
 
エビデンス取得等、科学的根拠を追及
医薬品のみに認められている健康維持増進の表示を、健康食品についても認める「機能性表示解禁」が15/9期中に実施される見込み。これに伴い、サプリメント等についても、科学的裏付けがある商品が消費者の支持を得るようになると予想される。同社はこうした動きを踏まえて、ヒト臨床試験を実施して、「超寿はなびらたけ」及び「超美はなびらたけ」等多くの自社ブランド商品でエビデンスクオリティ認証を取得した(両製品共に、ヒト臨床試験で健康への有効性が科学的に証明された高品質パウダー「LB-Scr」を使用)。
また、ハナビラタケの有効成分を細胞・分子レベルで探索し、有効性のメカニズムを解明するべく、学校法人東京女子医科大学及び独立行政法人産業技術総合研究所と共に、産学官連携共同研究を開始する(IT-はなびらたけプロジェクト。後述)。

尚、エビデンスクオリティ認証とは、愛知県医師会の関連団体である「特定非営利活動法人健康情報処理センターあいち」が発行する認証である。臨床試験により健康食品の科学的根拠を誰もが容易かつ客観的に知り得る必要性を踏まえ、臨床試験が実施された方法や内容等が適切に実施された事を示す。
 
収益性が高い自社オリジナルの健康食品、化粧品、化粧品原料の販売強化
15/9期は、自社オリジナルの新商品として、2015年3月に老人ホーム・量販店向けハナビラタケ調味料の発売を予定しており、自社ブランドの浸透を目的に、2015年1月よりブラジル産グリーンプロポリスの販売も開始する予定だ。海外向け化粧品原料の販売についても、14/9期に続き売上が計上される予定だ。販売先は中国最大手の化粧品メーカーであり、所得水準の向上で高額な化粧品の需要が増加している中国において、さっぱりしているがヒアルロン酸以上の保湿効果が期待できるハナビラタケ由来の化粧品原料を売り込んでいく。

利益面では、収益性の高い自社オリジナル製品の売上構成比を引き上げる事で売上総利益率を10ポイント改善させたい考え。この一環として、従来の主力である通信販売に加え、大手小売店やドバイ等での海外卸売の拡大にも力を入れる。
 
 
 
※ IT-はなびらたけプロジェクト
インタートレード・グループ(以下、同社グループ)は、ハナビラタケについて、その有効成分を細胞・分子レベルで探索し、有効性のメカニズムを解明するべく、学校法人東京女子医科大学(以下、東京女子医大)及び独立行政法人産業技術総合研究所(同、産総研)と共に、産学官連携共同研究を開始する。将来的には、解明された有効成分について、医薬品や医薬品アジュバント(免疫増強剤)、健康食品等として製品化を進める予定である。

共同研究においては、臨床試験に関するデータ解析を東京女子医大が、細胞及び遺伝子レベルの探索と成分分析を産総研が、それぞれ担当し、同社グループはハナビラタケ抽出物の製品化と情報の収集及び分析を行う。ちなみに、独立行政法人とは、各府省の行政活動から分離された一定の事務・事業を担当する独立の法人格を持った機関の事で、業務の質の向上や活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上を図る事を目的としている。言い換えると、各府省の行政活動の一部を代行する組織であり、担当する事務・事業は国政そのもの。今回のように産総研が共同研究に加わると言う事は、経済産業省が予算立てした事を意味する。
 
ハナビラタケの可能性
ハナビラタケは、食の安全、栄養など健康にとって欠かせない成分に恵まれおり、標高1,000 メートル以上、かつ限られた条件の環境にのみ生息し、夏場に成長する非常に珍しい白キノコ。様々な病気に効果、効用がある事が知られていたが、天然のものを手に入れる事が難しく、幻のキノコと言われていた。しかし、最新の栽培技術により、この希少なキノコを栽培できるようになってきた。
 
ハナビラタケは発生(花びらを咲かせる事)し過ぎると、胞子が出始め、味覚や栄養価が落ちてしまう。このため、発生状況を常時チェックし、タイミングよく収穫する必要があり、これには経験とノウハウが必要。

(同社Webサイトより)
 
ハナビラタケには、免疫機能に強く作用する事が確認されている「β1-3D グルカン」が食材の中で最も多く含まれている(乾燥物では3 割前後の割合、弊社調べ)。免疫細胞の活性時には、免疫活性物質(サイトカイン)産生が行われるが、健康維持には、その抑制と共に正常な調整が必要だ。抑制と共に正常な調整に不可欠な活性素材(複合アミノ酸等)をハナビラタケは豊富に含有しており、「β1-3D グルカン」との相乗作用を実現していると考えられている。しかし、ハナビラタケには解明されていない事が多く、今後の研究が期待されている。
 
25年熟成 ブラジルグリーンプロポリスの販売開始
長期熟成の貴重なプロポリス原塊から丹念に抽出し、天然有効成分が豊富に含まれた最高品質のブラジル産グリーンプロポリスを2015年1月から発売する予定だ。この原塊は養蜂箱から採取したものではなく、ブラジルの大自然に作られた巣から採取した希少な天然素材である。
 
四千二百万年の昔から蜜蜂の巣を守り続けているプロポリス
 人類誕生よりずっと前のおよそ四千二百万年もの昔から蜜蜂は変化することなく、その生態を維持することができたのは、プロポリスの作用によるものと言われている。自然界の病原菌の脅威から身を守るため、蜜蜂は植物が作り出す保護成分をかき集め、それを元に自らの酵素などを使って合成したものが、強力な保護成分であるプロポリスである。
 そのプロポリスの中でも特に品質が高いと言われているのが、ブラジルのグリーンプロポリスであり、ブラジル本土で「キラービー」と呼ばれる体の大きい蜜蜂(西洋蜜蜂アフリカ種)が採取したもので、赤道付近の強力なウイルスや細菌などから身を守るために強い抗菌作用を持ち、現地では緑色が濃いほどその作用も強いと言われている。
 
確かなプロポリス原料 ~国際養蜂家会議で「金賞」を受賞~
 同社は、1985年の名古屋で開催された国際養蜂家会議において初めてブラジル産プロポリスを日本に紹介し、そこで「金賞」を受賞した中島自然科学研究所からプロポリスを引き継いだ。世界でも認められた中島自然科学研究所のプロポリスは、長期熟成され今日まで至り、高品質な有効成分はそのままに同社に引き継がれた。
 一方で、蜜蜂の巣はブラジルで乱獲が進んでいるため、品質の高いプロポリスを手に入れることは困難な状況であり、同社のプロポリスは今後ますます希少なものになっていくと考えられる。
 
商品の特徴
 ブラジルミナスジェライス州産のグリーンプロポリス原塊から丁寧に時間をかけて精製している。この原液に花粉エキスを混ぜてマイルドにし、アルコールで6倍程度に希釈して作られたのが本商品である。一般の商品より高濃度に仕上げたのが特徴で、若干の刺激があり独特の味と香りを持つものの、これがプロポリス本来の成分によるもので、その価値を存分に得ることができる。
 
 
2014年9月期決算
 
 
大口契約の終了や先行投資負担で107百万円の営業損失
売上高は前年同期比9.6%減の24億63百万円。前期第2四半期に子会社化した(株)健康プラザパルが通期で寄与したヘルスケア事業の売上が増加したものの、主要顧客の解約(13/9期に発生)や主力サービスのASP化等で金融ソリューション事業の売上が減少した他、事業の軸足を受託開発からエンジニア派遣に移したITソリューション事業の売上も減少した。

営業損益は1億07百万円の損失(前年同期は98百万円の損失)。主力サービスのASP化による金融ソリューション事業の利益率改善やITソリューション事業における赤字案件の解消等で原価率が3.8ポイント改善し、売上総利益が同2.2%増加したものの、研究開発費(1億13百万円→1億46百万円)や広告宣伝費の増加等による販管費の増加を吸収できなかった。
 
 
 
当セグメントは、主力製品「TIGER Trading System」の売上高がセグメント売上高の約4分の3を占めている(連結売上高の約3分の2)。価格競争力の向上と運用の効率化の観点から進めていた「TIGER Trading System」のASP化の影響でイニシャル売上が減少した他、ASP化と前期の解約の影響でランニング売上のカスタマーサポートの売上も減少したが、逆にライセンスの売上がASP化効果で増加した。
利益面では、売上の減少でセグメント利益も減少したが、ASP化の進展に伴い、ディーリングシステムの運用工数やサーバ保守に関する費用が減少し、外注費、保守料及び人件費が大きく減少したため利益率は前期の23.3%から24.9%に改善した。
 
ITソリューション  売上高1億64百万円(前期比21.1%減)、セグメント損失95百万円(前期は同1億31百万円の損失)
子会社(株)ビーエス・ジェイが手掛ける経営管理ソリューション「GROUP CATS」の受託開発案件が不採算になった前期の反省から、「GROUP CATS」事業をライセンス販売に切り替えると共に、開発系のサービスを受託開発からエンジニア派遣にシフトさせた。この影響で売上が減少したものの、セグメント損失も減少した。今後は、経営統合管理「GroupMAN@IT e2」及びIT資産管理(バーチャルエンジニア)「Gadics MAN@IT」の販売に注力していく。
 
ヘルスケア  売上高1億80百万円(前期比85.8%増)、セグメント損失2億31百万円(前期は同1億86百万円の損失)
13年2月に子会社化したカタログ通販やWeb通販を手掛ける(株)健康プラザパルが通期で寄与した事で売上が大幅に増加した。また、当期の寄与は少なかったが、アジアの市場をターゲットとした化粧品原料販売の売上計上も始まった。ただ、消費税率引き上げ後の消費の回復の遅れに加え、新商品の立ち上がりの遅れもあり、(株)健康プラザパルの売上が期初の想定を下回った。一方、他セグメントからの人員補充に伴う人件費の増加や、研究開発費及び自社ブランドの新商品の拡販に向けた広告宣伝費の増加で営業費用は予算通りに増加した。
尚、当期はハナビラタケ関連の自社ブランドの新商品として、化粧品「βeauty Glucan Cu!」シリーズや健康食品の新基準であるエビデンスクオリティ認証を取得したサプリメント「超寿はなびらたけ」、「超美はなびらたけ」を発売した。
 
 
化粧品原料やプロポリスの仕入でたな卸資産が増加したものの(78百万円→2億43百万円)、有利子負債の削減を進めた事等で期末総資産は27億48百万円と前期末に比べて3億82百万円減少した。同社は実質無借金経営であり、100%超であれば短期的な支払い能力は安全とされる流動比率が521%、100%未満であれば長期的に安全と言われる固定比率が27%、と財務内容は極めて健全。自己資本比率は76.4%。
 
 
 
2015年9月期業績予想
 
 
営業利益90百万円の確保を目指す
前期の取り組みの成果でITソリューション事業とヘルスケア事業おいては売上が増加し、金融ソリューション事業においても引き続き高い利益を計上する見込み。利益面では、研究開発費や広告宣伝費の負担が重いヘルスケア事業が損失を計上するものの、増収効果による金融ソリューション事業の利益の増加とITソリューション事業の黒字化で前期は1億07百万円の損失だった営業損益が90百万円の利益に転じる見込み。

配当は1株当たり3円の期末配当を予定している。
 
(2)セグメント別の取り組みと見通し
金融ソリューション事業では、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕により、今期第4四半期のランニング売上を前年同期比10%増に高める事が目標だ。「TIGER Trading Platform Prospect」の拡販に加え、Venue(接続市場)強化とパートナーとの連携による新サービス(TCAサービス・流動性情報)の提供で新顧客の獲得と既存顧客の深耕を図る。ASP化に伴う売上の減少が一巡する中、15年9月に予定されている東証Arrowheadリニューアルへの証券会社等の対応が追い風となる。

ITソリューション事業では、収益性の高いパッケージ売上をセグメント売上高の50%程度に引き上げ、営業損益を黒字転換させる。現在商談中の4件の成約で「GroupMAN@IT e2」が大きく収益貢献する見込みで、エンジニア派遣も保守・運用中心に増加する。一方、IT運用管理ソリューション(バーチャルエンジニア)「GadicsMAN@IT」は販売パートナーの拡大に注力する。

ヘルスケア事業では、収益性の高い自社ブランド商品(健康食品・化粧品)の販売拡大と直接販売経路の開拓で売上総利益率の改善を図る。来年度中の導入が予定されている「食品の新たな機能性表示制度」を念頭に、科学的根拠に基づくエビデンス取得に注力する。自社ブランドの新商品として、2015年1月よりブラジル産グリーンプロポリスの販売を開始し、2015年3月には老人ホーム・量販店向けハナビラタケ調味料の販売を開始する予定。海外向け化粧品原料輸出も見込んでいる。
 
 
今後の注目点
MIOP構想の特長は、国内外の有力パートナーとWin・Winの関係を構築して、証券会社にとどまらない幅広い顧客層を取り込める事。同社の経営リソースのみを使い、証券会社等の顧客と一対一の関係で進めていた従来のビジネスとは大きく異なるため、同社のポテンシャルを大きく高める事ができる。金融緩和や株高の影響で主要顧客である証券会社の業績が回復、金融商品取引のグローバル化の定着、更にはPTSの取引量拡大等による取引コスト削減意識の高まり等、MIOP構想を推進するうえで追い風も吹いている。目標通りに今期第4四半期までにランニング売上を前年同期比10%増に高める事ができれば、来16/9期以降は、安定収益源であるランニング売上だけで、ITソリューション事業やヘルスケア事業の先行投資負担を吸収して利益を確保できるだろう。
ヘルスケア事業では、当面は国内販売の収益化が課題だが、中期的には中国の化粧品最大手への化粧品原料の販売拡大が期待され、長期的には「IT-はなびらたけプロジェクト」の成果に期待が高まる。ITソリュ―ション事業については、販売とサービスを両輪とするパッケージソフト関連のビジネスを確立できれば、安定的に高収益が期待できる。
同社は大きなポテンシャルを有する成長の種を複数持っている。この種を発芽させ、成長の芽を育てていく事ができれば、業容が一変する。今期は業績予想を確実に達成して、種が順調に発芽した事を示したいところだ。