ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.19
(2714:JASDAQ) プラマテルズ |
|
||||||||
|
企業名 |
プラマテルズ株式会社 |
||
社長 |
井上 正博 |
||
所在地 |
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー |
||
決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年3月 | 59,568 | 833 | 803 | 279 |
2013年3月 | 55,610 | 817 | 783 | 420 |
2012年3月 | 57,790 | 883 | 840 | 531 |
2011年3月 | 55,762 | 899 | 842 | 500 |
2010年3月 | 47,145 | 663 | 621 | 388 |
2009年3月 | 52,550 | 893 | 809 | 489 |
2008年3月 | 56,861 | 1,089 | 943 | 704 |
2007年3月 | 52,022 | 1,219 | 1,115 | 652 |
2006年3月 | 50,673 | 1,054 | 1,005 | 569 |
2005年3月 | 46,804 | 790 | 746 | 403 |
2004年3月 | 43,720 | 659 | 566 | 309 |
2003年3月 | 42,614 | 685 | 642 | 240 |
株式情報(10/31現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
同社は化学品卸業界に属し、プラスチック専門商社として唯一の上場企業である。
【プラスチックと同社事業の特性】
石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解して得られるエチレンやプロピレン等の出発原料を重合すると(分子同士を結合させて高分子にする事)、プラスチック、合成繊維原料、合成ゴム等、基礎製品の原料(樹脂原料)となりポリエチレンやポリプロピレン等の高分子が生まれる。同社は500社の仕入先と1,300社(国内800社、海外500社)の顧客を有し、樹脂原料(ベース樹脂)やコンパウンド(目的とする性能や機能を得るために樹脂原料に強化材や添加剤を配合したもの)を原料メーカーからペレット(加工しやすいように3~5mm程度の粒子状にしたもの)として仕入れて、OA機器、家電、自動車部品メーカー等の顧客に販売している。 相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系やスチレン系の樹脂原料の取扱が60%超
売上高の83.4%はプラスチック原料で(この他、製品14.6%、関連機器・シート2.0%。14/3期実績ベース)、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系(44.3%)やスチレン系(20.0%)の樹脂原料の取扱が多い。エンジニアリング系樹脂原料とはポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等で、用途はOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等。一方、スチレン系樹脂原料とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、エアコン、冷蔵庫等の白物家電、パソコン及び周辺機器、FAX、及び玩具等で使われている(この他、家電・医療機器向け等のオレフィン系樹脂10.1%、建材向け等の塩化ビニール系樹脂6.3%、その他樹脂2.6%)。販売先業界別の構成比(個別ベース売上高上位100社)は、日本メーカーが圧倒的な強みを持つ事務機器・OA・光学機器向けが49.2%、スチレン系・オレフィン系が中心の家電・電子向けが13.4%、塩化ビニール系材料が中心の建材7.0%、オレフィン系のポリエチレン・ポリスチレン等の医療機器が6.9%。この他、自動車向け4.3%、容器・化粧品2.8%、玩具・その他16.3%、と取引先は多様だ。 重点仕入先と仕入商品及び用途
旭化成グループ スチレン系樹脂原料 : 冷蔵庫、エアコン等東洋インキグループ コンパウンド : OA・事務機器 帝人グループ エンジニア系樹脂原料 : カメラ・プリンター外装 この他、双日グループ、チッソグループ、三井化学グループ、出光興産グループ等からの仕入も多い。 ビジネスチャンス 軽量化を追い風に自動車向けの市場が拡大
デザインの自由度の高さ、優れた加工性、軽度の衝撃エネルギー吸収性、耐腐食性等の長期耐久性、軽量(鉄との比較)、といった特性から、国産車のプラスチック使用量は重量比で10%に上る。また、重量ベースの自動車1台当たりのプラスチック使用量は、2002年には118㎏だったが、2010年には151㎏に増加し、更に2017年には201㎏に拡大すると見られている。
【成長戦略】
国内は、顧客密着型の営業を徹底する事で顧客と共に成長を図る。一方、海外は、アジア全体に生産拠点を拡大する顧客の動向に合わせて、同社も海外拠点整備の重点エリアを中国からアジアに広げ、顧客ニーズに応えていく(アジアの拠点整備は14/3期で一巡しており、現在は拠点強化に軸足が移っている)。当面の目標としては、17/3期に経常利益10億円を掲げており、30%の自己資本比率の維持を念頭に財務面にも配慮する。また、株主には安定配当で報いていく考え。 海外
中国、インド、東南アジアを中心とした世界的な人口の増加と生活水準の向上による消費の増加を背景に消費財・耐久消費財の素材であるプラスチックの需要増が続いており、市場は拡大傾向にある。同社はアジアを中心に海外の顧客ニーズを取り込む事で更なる事業拡大を図るべく、重点エリアを中国からアジアへと広げ、拠点整備を進めてきた。アジアでの拠点整備は14/3期に一巡しており、15/3期以降、アジアの成長を本格的に取り込んでいく考え。
国内
同社は強みである顧客密着型の営業を徹底する事で国内でのシェアアップを図ると共に、海外拠点を有機的に活用する事で海外進出日系企業との取り組み拡大にもつなげていく考え。尚、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っている。このため、国内でも取引の拡大余地を残している。 |
2015年3月期上期決算 |
前年同期比2.7%の減収ながら、同1.1%の営業増益
売上高は前年同期比2.7%減の279億68百万円。国内は、消費税引き上げ後の生産・消費回復が鈍く特に新設住宅着工数が減少しているが、189億23百万円と同1.8%の減少にととまった。一方、海外は、アジアでの拠点整備の効果が表れてきたものの、景気減速によるに中国の苦戦が響き、90億44百万円と同4.6%減少した。商材別では、医療機器向けを中心にオレフィン系樹脂が31億22百万円と同8.3%増加。エンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂もわずかな減少にとどまったが、建材等の住宅関連向けが多い塩化ビニール系材料が落ち込んだ他、その他の樹脂や合成樹脂関連等の製品売上も減少した。 利益面では、付加価値の高い商品の売上構成比の上昇に加え、円安傾向で推移した為替も追い風となり、売上総利益率が5.7%と0.3ポイント改善。経費節減の取り組みが成果をあげ、販管費も小幅な伸びにとどまり、営業利益は3億88百万円と同1.1%増加した。特別損失がほぼなくなったため四半期純利益は同5.6倍の2億12百万円となった(前年同期は厚生年金基金脱退損失2億66百万円を特別損失に計上した)。 |
2015年3月期業績予想 |
通期業績予想に変更はなく、前期比4.9%の増収、同8.0%の営業増益予想
売上高は前期比4.9%増の625億円。国内では、消費税引き上げ後に落ち込んだ生産が徐々に回復してくる見込み。海外は、中国景気に不透明感はあるものの、アジアの各拠点が寄与する上、円安も追い風になる。利益面では、円安効果に加え、営業費用が変動費を中心にした増加にとどまるため、営業利益が9億円と同8.0%増加する見込み。 配当は1株当たり上期末7円、期末8円の年15円を予定。同社は、将来の事業展望(海外展開及びM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ安定的な配当を継続していく事を基本方針としている。 |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |