ブリッジレポート:(2157)コシダカホールディングス vol.17
(2157:JASDAQ) コシダカホールディングス |
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企業名 |
株式会社コシダカホールディングス |
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社長 |
腰髙 博 |
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所在地 |
東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービルディング |
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決算期 |
8月末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2013年8月 | 34,515 | 4,151 | 4,237 | 3,072 |
2012年8月 | 33,746 | 4,077 | 4,096 | 2,279 |
2011年8月 | 29,093 | 3,356 | 3,336 | 2,877 |
2010年8月 | 21,932 | 2,503 | 2,579 | 1,125 |
2009年8月 | 18,955 | 1,496 | 1,427 | 549 |
2008年8月 | 13,649 | 691 | 731 | 421 |
2007年8月 | 11,332 | 535 | 561 | 134 |
2006年8月 | 8,878 | 552 | 560 | 319 |
2005年8月 | 6,360 | 403 | 400 | 233 |
2004年8月 | 3,552 | 340 | 337 | 192 |
2003年8月 | 2,037 | 104 | 99 | 57 |
株式情報(10/17現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【事業セグメントとグループ】
事業は、「カラオケ本舗まねきねこ」(郊外中心)やひとりカラオケ専門店「ワンカラ」(都心や地方都市の繁華街で展開)を運営するカラオケ事業、“女性専用30分健康体操教室”として中高年齢層をターゲットに女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」を展開するカーブス事業、新規事業として育成中の温浴事業(各種温浴設備を備えた施設の運営。「居抜き出店方式」のノウハウを活用し店舗展開)、及び不動産管理事業等のその他に分かれる。14/8期の売上構成比は、カラオケ事業52.6%、カーブス事業42.5%、温浴事業4.1%、その他0.8%。利益構成比は、カラオケ事業33.2%、カーブス事業69.0%、温浴事業 △5.0%、その他2.8%。尚、「カラオケ白書2013」によると、2012年の国内カラオケ市場は前年比1.6%増の3,912億円。09年以降、概ね3,800億円~3,900億円で推移している。また、新聞報道等によると、フィットネスクラブの市場規模は4,100億円程度で、ここ数年は横ばいの状態が続いているという。 *ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。 過去5年間の推移をみてみると、先行投資による資産効率の低下とレバレッジの低下でROEが低下傾向にある(11/8期のROEが特に高いのは特別利益の計上が要因)。この間のROEを、売上高当期純利益率、総資産回転率、及びレバレッジの3要素に分解すると、売上高当期純利益率は特別利益の計上で振れが大きいが、営業利益率は11~12%で安定している。総資産回転率の低下は、ボウリング事業(13/8期に子会社を売却)・温浴事業といった新規事業の育成やカラオケ事業の海外展開に加え、14/8期に着手した国内カラオケ事業の構造改革が要因。国内カラオケ事業では、競争力の強化を念頭に、店舗のスクラップ&ビルドや改装を加速すると共にオリジナルのカラオケボックス用新システム「すきっと」の導入及び増設を進めている(既存店への導入は14/8期で一巡し、15/8期以降は新店への導入と既存店での増設)。レバレッジの低下は、カーブス事業の買収に伴い増加した有利子負債の削減が進む一方、株主資本が充実したため。14/8期末は積極投資で有利子負債が増加したが、15/8期以降は削減に取り組む考えだ。 14/8期に14.7%だった配当性向が15/8期は21.3%に上昇する見込みだが、自己資本の充実がROE低下の要因の一つと考えられる事や毎期40億円以上の安定した営業CFを確保できている事等を考えると、株主還元のみならず、ROE改善の観点からも、配当性向の引き上げを検討する余地はあるかも知れない。 |
2014年8月期決算 |
前期比9.3%の増収、同3.0%の営業増益
売上高は前年同期比9.3%増の377億20百万円。新規出店・会員獲得共が順調に進んだカーブス事業の売上が同15.6%増加した他、カラオケ事業も、冬場の降雪の影響等を新規出店成果と第2四半期以降の既存店の回復で吸収して売上が増加した。利益面では、国内での新規出店及びリニューアルの増加や海外拠点の整備等でカラオケ事業の利益が減少したものの、カーブス事業の利益増や温浴事業の損失減少で吸収。営業利益は42億76百万円と同3.0%増加した。四半期純利益が大幅に減少したのは、前年同期は固定資産売却益15億39百万円を特別利益に計上したため。 予想との比較では、売上面では、カラオケ事業や温浴事業の下振れをカーブス事業でカバーしたが、利益面では補えなかった。カラオケ事業の下振れは、45店舗を計画していた新規出店が38店舗とどまった事と第1四半期(9-11月)の苦戦及び第2四半期(12-2月)の降雪の影響等が要因。温浴事業も損益の改善が遅れたが、15/8期の黒字化に目処を付けた。 期末の国内カラオケ店舗数は前期末に比べて28店舗増の366店舗。「まねきねこ」31店舗、「ワンカラ」7店舗の計38店舗(前期は22店舗)の新規出店を行うと共に、33店舗(同30店舗)でリニューアルを実施。一方、9店舗(同7店舗)を閉鎖した。また、優れた個人経営店舗の特長である「きめ細かい接客と経営者視点での店舗運営」を実現させるために、社員個々のモチベーションを高める教育と社員独立制度による独立者育成にも力を入れ、社員独立型FC「ビーアンビシャス」として8店舗が独立した。既存店売上高は前期比99.2%。客足が鈍かった第1四半期の苦戦(前年同期比94.9%)に加え、第2四半期に降雪の影響も受けた上期が前年同期比96.5%、客数の回復に加え、料金改定効果もあった下期が101.8%。 期末店舗数は前期末に比べて136店舗(同10.1%)増の1,475店舗(内グループ直営店50店舗)。加盟店の旺盛な出店意欲を背景に新たに137店舗を出店。一方、退店は1店舗にとどまった。会員継続の取り組みが成果をあげ、3%未満の低い退会率を維持した事もあり、会員数は641千人と同55千人(同9.4%)増加した。尚、会員数の内訳は、30代以下5.4%、40代11.1%、50代26.0%、60代37.2%、70代以上20.3%(40代以上が94.6%)。 |
2015年8月期業績予想と取り組み |
前期比15.8%の増収、同15.7%の営業増益
売上高は前期比15.8%増の436億85百万円。国内での積極的な新規出店とリニューアルに加え、シンガポール子会社も通期で寄与するカラオケ事業の売上が伸びる他、カーブス事業の売上も店舗及び1店舗当たりの会員の増加とプロテインの売上増で続伸。2店舗を閉鎖する温浴事業も、イベントを通じた集客や東京健康ランドまねきの湯の天然温泉効果で増収が見込まれる。営業利益は同15.7%増の49億46百万円。カーブス事業の増益が続く中、前期の国内新店やシンガポール子会社の損益改善でカラオケ事業が増益に転じる他、温浴事業も、不振店の売却に加え、省エネ対策の効果と天然温泉化による東京健康ランドまねきの湯の光熱水道費の減少で黒字転換が見込まれる。 (2)セグメント別取り組み
カラオケ事業
国内では引き続き事業の再構築(スクラップ&ビルド)に取り組み、海外では、「5年以内に100店舗体制」の確立に向けて店舗の開発・運営ノウハウの蓄積に取り組んでいる韓国で5店目の出店を計画。また、シンガポールでカラオケ事業を展開しているK BOX ENTERTAINMENT GROUP PTE.LTD.(以下、K BOX)への「まねきねこ」のノウハウ注入も進める。K BOXの今期は売上高20億円、のれん償却前での損益均衡を目指している(のれん10億円を5年で償却。年2億円の償却費を計上)。
計45店舗の新規出店を計画
国内の新規出店は、社員独立型FCビーアンビシャス10店舗程度を含めた「まねきねこ」40店舗(建築15店舗、居抜き25店舗)、「ワンカラ」5店舗を計画しており、「まねきねこ」の新規出店は従来のロードサイド立地から首都圏駅前立地へ軸足を移す。また、独自開発のカラオケ用新システム「すきっと」を活かしたコンテンツの充実と「お客様に喜ばれる空間と時間の提供」を念頭に接客サービス重視とアットホームな店作りに取り組む。社員独立型FCビーアンビシャスについては、将来的には、全店舗の1/2~2/3にしたい考えで、既存FCの2号店の出店スキームを検討中である。一方、「ワンカラ」は100店舗体制の早期確立に向け、事業モデルのブラッシュアップと物件開発に取り組む。 営業・人事施策
営業施策としては、午前の稼働率引き上げを念頭にしたシニア向け「モーニングサービス」や「朝カラ」に加え、差別化戦略の一環として、「すきっと」を活用したコンテンツの拡充にも努める。「すきっと」は全店で約17,000台を導入したが、他社製カラオケシステムとの併設ルームが多く、「すきっと」単独のルームは200室弱。ただ、徐々に利用が増えており、利用の多いルームから「すきっと」単独への切り替えを進め、今期末には400~500室に増やしたい考え(余った他社製システムは新店に設置する)。コンテンツでは、カラオケからギター・パートを除き、自らのギター演奏を交えてカラオケを楽しむ事ができる「ギタすき」(8月18日に先行配信を開始し、9月20日に本格配信)が若者層から評価を得る等、足元、成果が上がりつつある。新たな取り組みとして、アニメとのコラボ等も計画している。また、人事政策として、「リフレッシュ5制度」の導入を計画している他、女性・シニア・外国人を積極的に採用していく。
カーブス事業
引き続き積極出店を続けると共に、既存加盟店の1店舗当たり会員数の増加に取り組む。新規出店は90店舗を計画しており、期末店舗数は1,565店舗となる見込み。期末会員数は、店舗の増加と1店舗当たりの会員数の増加で、684千人と前期末に比べて43千人の増加を見込んでいる。14年10月には、店舗数がマイルストーンとしていた1,500店舗を、会員数がマイルストーンとしていた650千人を、それぞれ達成した。今後は、既存加盟店の追加出店を中心に1,800店体制に向けた取り組みを進めると共に、退会率が低い口コミ紹介による入会の増加を図るべく、更なる会員満足度の向上にも努める。また、トレーニングとの相乗効果が高いプロテインの拡販に努める他(前期比10%増を見込んでいる)、商品購入につなげるべく、会員の簡易食事診断を実施し、これを基にした食生活改善提案を行っていく。 温浴事業
2店舗(イオン志摩湯処まねきの湯、らんぷの湯高松店)を閉鎖し、残る5店舗の運営に注力する事で売上増と黒字転換を目指す。主力となる「東京健康ランドまねきの湯」では温泉掘削が完了した。11月に天然温泉による運営が始まる予定で、光熱水道費の削減効果や集客効果が期待できる。また、「郡山湯処まねきの湯」では、集客強化に向け、ロウリュ(男性向けのフィンランド式高温サウナや女性向けスチームミスト)を設置した。この他、全店舗で、節水シャワーやガスを燃料に発電と給湯を同時に行うコージェネレーションの導入、貯湯タンクの増設による天然温泉の活用促進、更には循環回収水の効率化等の省エネルギー対策を進める他、お笑いライブイベントや健康歌体操教室の開催等による集客の強化に取り組む。尚、残る店舗とは、東京健康ランドまねきの湯(東京都)、郡山湯処まねきの湯(福島県)、箕郷温泉まねきの湯(群馬県)、大分森温泉まねきの湯、大分らんぷの湯花園店(共に大分県)の5店舗。 (3)配当政策
同社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していく事を基本方針としている。14/8期の期末配当は1株当たり5円増配の30円を予定しており、上期末配当と合わせて年55円(配当性向19.5%)。15/8期は1株当たり上期末15円、期末15円の年30円を予定しており、9月1日の株式分割を考慮すると、実質2.5円の増配となる。 |
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