ブリッジレポート:(8912)エリアクエスト vol.13
(8912:東証マザーズ) エリアクエスト |
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企業名 |
株式会社エリアクエスト |
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社長 |
清原 雅人 |
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所在地 |
東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー7階 |
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決算期 |
6月 末日 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年6月 | 1,147 | 100 | 102 | 143 |
2013年6月 | 819 | 49 | 50 | 37 |
2012年6月 | 646 | 4 | 5 | 19 |
2011年6月 | 595 | -45 | -43 | -50 |
2010年6月 | 735 | 12 | 14 | 3 |
2009年6月 | 879 | -182 | -179 | -381 |
2008年6月 | 1,015 | -311 | -307 | -556 |
2007年6月 | 1,530 | -95 | -94 | -118 |
2006年6月 | 1,580 | 18 | 18 | -139 |
2005年6月 | 2,091 | 240 | 236 | 189 |
株式情報(8/13現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【沿革】
創業者である清原雅人氏(1991年4月、明治大学法学部卒業)が野村證券(株)を経て、1998年4月に友人と起業。2000年1月に独立してエリアリンク(株)を設立し、01年3月に社名を(株)エリアクエストに変更した。データベースマーケティング重視の営業でテナント誘致を中心とした成功報酬型ビジネスを拡大させ、会社設立からわずか3年1か月で(03年2月)東証マザーズに株式を上場。不動産ファンドの資金流入で不動産業界が活況を呈する中、国道16号線内(東京、神奈川、千葉、埼玉)の商業施設にフォーカスした営業戦略が奏功し、上場後も順調に業績を拡大させ04/6期には経常利益が4億円を超えた。欧米の不動産市況の減速、米国サブプライムローン問題の顕在化、そしてリーマン・ショックへと続き世界経済が急速に悪化し、その影響が国内の景気や不動産市況にも波及して同社の業績も急角度で下降線をたどった。このため、07/6期以降はグループをあげてのコスト削減と収益構造改革を進め、不動産市況の影響を受けやすい成功報酬型ビジネスから、安定した収益が見込めるストック収入型ビジネスへのシフトを進め、安定成長が可能な収益構造への転換を図った。 【成長戦略】
会社設立から3年で東証マザーズに上場した同社だが、当時はトラブル防止・解決やテナントとの各種折衝を含めたテナント誘致等(現在の成功報酬型ビジネス)が売上のほぼ100%を占めており、ストック収入型ビジネスとして、現在、力を入れているビル管理・サブリースや更新及び契約管理(現在のストック収入型ビジネス)は積極的な営業を行っていなかった。しかし、06/6期以降、事業環境の変化で成功報酬型ビジネスが急激にシュリンクした反省を踏まえて、景気の影響を受け難いストック収入型ビジネスの育成に取り組んだ。(1)ストック収入型ビジネスと成功報酬型ビジネスを両輪に安定成長を目指す ストックの積み上げは根気のいる作業だが、ストック収入型ビジネスの売上が順調に拡大しており、12/6期に連結ベースの営業損益が黒字転換する原動力となった。今後は、契約の積み上げでストックビジネスを強化すると共に、改めて成功報酬型ビジネスにも力を入れ、ストック収入型ビジネスと車の両輪として収益拡大を加速させていく考え。 Only Oneのサービスを強みとするストック型ビジネスの概要
ストック収入型ビジネスの事業拡大の機転となったのが11/6期下期に導入した「パノラマクリーニング」である。「パノラマクリーニング」とは、清原社長が自ら作成したビル清掃業務における作業指示と結果報告のシステム。「パノラマクリーニング」に基づく丁寧な清掃作業と詳細な業務報告がビルオーナー等から高い評価を受け、徐々に営業成果が上がっていった。同社は、取引開始をきっかけに、消防法上問題となる共用部分の不正使用等、貸主側共通の悩み事の解決にも積極的に対応すると共に、漏水を含む水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった設備面でのトラブル等に対しては即時対応(問題が発生すればいち早く駆けつけ)で臨んだ。この事がビルオーナー等からの更なる信頼につながり、足元では、同社が物件を借り上げて転貸するサブリース物件の獲得につながっている。 ちなみに、消防法上問題となる共用部分の不正使用等、借主への対応は、テナントの接点がないビルメンテナンス会社等では難しいが、同社グループは仲介業務でテナントとの接点がある事に加え、以前からトラブル防止・解決やテナントとの各種折衝等をテナント誘致サービスの一環として手掛けていたため経験値が豊富だ。 下請工事会社の対応を一本化し、漏水含む水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった
設備面でのトラブル等への即時対応 営業面での支障など2次的被害の発生を防ぎ、借主の満足度向上はもちろん、貸主の満足度も向上
サブリース物件の獲得とテナントの確保
同社の収益基盤の安定化
(2)今後の見通し
事業環境 バブル期に竣工したビルのメンテナンスニーズの取り込みで事業拡大
80年代後半から90年代初めにかけてのバブル期に竣工したビルが20年を経過し、エアコンの故障や水漏れ等、トラブルが増えてくる築年数に入ってきが、「トラブルに対して、リーズナブルな価格で迅速に対応してくれるサービス会社が少ない」と言うのが、ビルオーナー等の悩み。
このため、現在進行中の中期事業計画は、成功報酬型ビジネスの見通しを保守的なものに抑え、ストック収入型ビジネスの積み上げを中心にした慎重な計画となっているが、それでも18/6期には経常利益が過去最高を更新する見込み。継続的な収益の拡大で財務内容の改善も進むため、復配も視野に入ってくるものと思われる。 |
2014年6月期決算 |
前期比40.0%の増収、同102.3%の経常増益
ビル管理、更新料、及びサブリース(転貸)等からなるストック型収入ビジネスの順調な拡大で売上高が11億47百万円と前期比40.1%増加。上期決算発表時に上方修正した11億円を4%強、期初予想9億89百万円を16%、それぞれ上回った。利益面では、不動産賃貸を手掛ける(株)まや商会の子会社化(13年9月に全株式を取得)やストック収入型ビジネスの売上構成比の上昇で原価率が62.7%と3.8ポイント低下したものの、増収効果で売上総利益が同26.9%増加。積極的な人材採用や本社移転等に伴う販管費の増加を吸収して(販管費率は6.6ポイント低下)、営業利益が1億円と倍増。修正予想を7.3%上回った。 当期純利益が1億43百万円と同3.8倍に拡大したのは、投資有価証券売却益84百万円など特別利益96百万円を計上したため。 安定収益源となるサブリースが順調に増加
ビルオーナー等からの高い評価に加え、“リノベーションサブリース”の提案も成果を上げ、サブリースが順調に拡大している。このため、サブリース契約に連動する長期預り保証金の残高が(10年6月末残高:17百万円)、14年6月末には3億62百万円と、この1年間で69%増加した(13年6月末残高:2億08百万円)。
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。 |
2015年6月期業績予想 |
前期比11.8%の増収、同80.2%の経常増益予想
前期までの契約積み上げ効果でストック収入型ビジネスが順調に拡大する見込み。一方、もう一つの収益の柱である成功報酬型ビジネスについては、賃料水準が弱含みで推移する等、依然として事業環境は厳しいものの、企業の出店意欲に回復の兆しがみられる事から、人員を増強して攻めの姿勢を強める。もっとも、業績予想は、不確実性を排除し、ストック収入型ビジネスをベースとした。ストック収入型ビジネスをけん引役に売上高が前期比11.8%増加し、増収効果で営業利益率が5.6ポイント改善する見込み。 |
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