ブリッジレポート:(4847)インテリジェント ウェイブ vol.20
(4847:JASDAQ) インテリジェント ウェイブ |
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企業名 |
株式会社インテリジェント ウェイブ |
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代表取締役社長 |
山本 祥之 |
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所在地 |
東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー |
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決算期 |
6月 末日 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年6月 | 6,558 | 145 | 183 | 86 |
2013年6月 | 5,870 | -677 | -587 | -349 |
2012年6月 | 5,241 | 131 | 154 | 270 |
2011年6月 | 4,762 | 321 | 341 | 129 |
2010年6月 | 4,956 | 358 | 387 | 211 |
2009年6月 | 5,527 | 228 | 235 | 187 |
2008年6月 | 6,695 | 417 | 403 | -5 |
2007年6月 | 6,367 | 389 | 407 | -295 |
2006年6月 | 7,137 | 1,482 | 1,452 | 947 |
2005年6月 | 5,174 | 678 | 688 | 264 |
2004年6月 | 5,257 | 371 | 365 | 156 |
2003年6月 | 5,891 | 1,177 | 1,161 | 539 |
2002年6月 | 5,505 | 1,854 | 1,846 | 1,003 |
株式情報(8/13現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【事業セグメント】
事業は、主に金融業界の顧客を対象として、ソフトウェア開発を中心にハードウェアやソフトウェアを統合、付加価値をつけたシステムを納入し、保守サービスを行う「金融システムソリューション事業」と、特定の業界、業種の顧客に限らず、情報セキュリティ分野やその他の分野に利用される自社開発パッケージソフトウェアと、他社製(仕入)パッケージソフトウェアを中心に付加価値の高いシステムを納入し、保守サービスを行う「プロダクトソリューション事業」に分かれる。
金融システムソリューション事業
金融業界やシステム開発会社を主な顧客として、ソフトウェア開発を中心としたソリューションを提供している。カテゴリー別の売上構成比は、ソフトウェア開発59%、ハードウェア販売23%、保守13%、パッケージ販売・他5%。「NET+1」をベースにしたカード決済にかかるフロント業務のシステム開発では、クレジットカード会社が加盟店や信用情報センターと接続するために必要なシステムの開発を手掛けており、銀行(CD/ATM、海外ATM網等の対外系接続システムとの接続)や消費者金融等でも使われている。「NET+1」は付加価値の高い専用ハードと自社開発のパッケージソフトからなり、大手クレジットカード会社向けではシェア70%。 プロダクトソリューション事業
パッケージ製品を中心にソリューションを提供しており、客層は幅広い。カテゴリー別の売上構成比は、保守50%、パッケージ販売27%、ソフトウェア開発20%、その他3%。「NET+1」や「ACE Plus」等で培ったネットワーク技術やセキュリティ技術をベースとした情報漏えい対策システム「CWAT(シーワット)」を中心に、米国サイリックスシステム社製の仮想環境下での端末操作管理ツール「VeTracer(ヴィー・トレーサー)」やイスラエルCHECKMARX社製ソースコード解析ツール「CxSuite(シーエックススイート)」といった海外パッケージ、或いは自社開発のナビゲーションツールで、企業ウェブサイトの付加価値を高めると共にユーザーサポートのコスト低減に寄与する「Face(フェイス)コンシェル」等、他社製品(パッケージ)や自社製品によるソリューションの育成に取り組んでいる。 【沿革】
1984年12月、米国ノンストップコンピュータ・メーカーの日本法人 日本タンデムコンピューターズの社長等を務めた現会長の安達一彦氏が中心となり、コンピュータ機器の輸出入・販売、コンピュータソフトウェアの開発等を目的に設立された。当時のソフト開発会社はメーカーの下請けが多かったが、同社は自主独立を志向しパッケージソフトの開発を目指し、米国製の24時間稼動ノンストップコンピュータ向けパッケージソフトの開発に取り組んだ(24時間稼動ノンストップコンピュータに独自開発のパッケージソフトを組み込んで販売)。当時の日本において、24時間ノンストップでコンピュータが稼動しているのはクレジットカード業界のみであったため、自ずと同業界との関係が深くなったと言う。
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2014年6月期決算 |
前期比11.7%の増収、経常利益1億83百万円(前期は5億87百万円の損失)
売上高は前期比11.7%増の65億58百万円。プリペイドカード決済関連の開発案件の寄与やカード会社のハードウェア更新需要の取り込みでカードビジネスのフロント業務の売上が同27.4%増と伸びて増収をけん引した。利益面では、前13/6期に大型案件の不採算化で損失を計上したカードビジネスのフロント業務の損益が約10億円改善した他、売上構成の良化でシステムソリューション業務の利益も増加。案件の取り込みの遅れによるセキュリティシステム業務やその他(新規事業)の損益が悪化したものの、前期は6億77百万円の損失だった営業損益が1億45百万円の利益に転じた。 カードビジネスのフロント業務
売上高40億79百万円(前期比27.4%増)、セグメント利益7億40百万円(前期は2億42百万円の損失)。売上面では、新規顧客からのプリペイドカード決済関連の受注等でソフトウェア開発の売上が21億67 百万円と同22.2%増加した他、カード会社の更新需要の取り込みでハードウェア販売が13億26 百万円と同44.7%増加した。利益面では、継続案件となっていたプロジェクトへの対応で第1四半期に2億33百万円の減益要因が発生したが、通期では不採算額が大幅に減少。第2四半期以降、ソフトウェア開発の収益性が安定した事もあり、損益が大幅に改善した。
システムソリューション業務
売上高19億46百万円(前期比4.8%減)、セグメント利益3億18百万円(同23.3%増)。相対的に利益率の高いソフトウェア開発の売上が13億80 百万円と同16.2%増加したものの、ハードウェア及び仕入パッケージ(他社製ソフトウェア)販売による売上が209 百万円と同54.8%減少した事が響き、売上が減少した。ただ、売上構成の良化と各開発プロジェクトが概ね順調に推移した事で営業利益率が改善した。
セキュリティシステム業務
売上高4億17 百万円(前期比17.6%減)、セグメント損失48百万円(前期は1億37百万円の利益)。内部情報漏えい対策システム「CWAT(シーワット)」の商談で大型案件の取り込みが進まず売上が損益分岐点に届かなかった。
その他(新規事業)
売上高1億14百万円(前期比3.4%減)、セグメント損失1億51百万円(前期は1億18百万円の損失)。企業のウェブサイトやモバイルサイトの利用者に対するナビゲーションを的確に行い、サイトの付加価値を高めるシステムツール「Face コンシェル(フェイスコンシェル)」が、全日本空輸(株)ウェブサイトの「よくあるご質問」ページに採用され、初の実績として稼働した。ただ、全日本空輸(株)ウェブサイトでの稼働が当初の予定よりも稼働が遅れた事に加え、当初の想定ほどにはその他の商談の取り込みも進まなかった。
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。 |
2015年6月期業績予想 |
前期比2.4%の減収、同118.6%の経常増益
売上高は前期比2.4%減の64億円。セキュリティ関連及びFace関連で案件の取り込みが進むプロダクトソリューション事業の売上が増加するものの、ハードウェア販売の減少で金融システムソリューション事業の売上が減少する。
(2)セグメント別見通し
金融システムソリューション事業
売上高57億円(前期比5.4%減)、セグメント利益12億60百万円(同19.0%増)。売上面では、カード系中心にソフトウェア開発の売上が36億84百万円と同4%弱増加するものの、ハードウェア販売が8億20百万円と同41%弱減少する。利益面では、不採算案件の影響がなくなるため利益率が改善し、セグメント利益が増加する。
プロダクトソリューション事業
売上高7億円(同31.6%増)、セグメント損失1億円(前期は2億円の損失)。ナビゲーションツール「Faceコンシェル」、情報漏えい対策システム「CWAT」、イスラエルCHECKMARX社製ソースコード解析ツール「CxSuite(シーエックススイート)」等で、前期に契約に至らなかった案件の取り込みが進む。これに伴い、自社製パッケージ(98百万円→1億02百万円)、Face関連でのソフトウェア開発(1億06百万円→1億76百万円)、「CxSuite」の寄与による仕入パッケージ販売(82百万円→1億31百万円)等の売上増加が見込まれ、保守も、ほぼ前期並みの売上(2億61百万円)を確保する見込み。利益面では、上期が1億10百万円の損失となるものの、下期は10百万円の利益を確保できる見込み。 |
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