ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.48

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.48】2014年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「足元の業績は順調だ。第1四半期実績の上期及び通期予想に対する進捗率を見ると、売上高はそれぞれ51.5%、24.3%とほぼ巡航速度で推移しているが・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月27日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 23,582 2,108 2,628 1,620
2012年12月 20,699 1,398 1,680 825
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(5/19現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,690円 16,549,774株 27,969百万円 8.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 1.8% 105.74円 16.0倍 1,269.42円 1.3倍
※株価は5/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
オプテックスの2014年12月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界シェア40%を誇る屋外用防犯用センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛ける。子会社22社及び関連会社2社とグループを形成。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。
ファイバーセンシス社及びレイテック社とは、それぞれの強みを融合した大型重要施設向けソリューション(施設への侵入警戒システム)を展開している。また、国内及びEUに強みを持つオプテックス(株)、北米を中心とした米州や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社、更には英国及びEUでの売上が大半を占めるレイテック社と、事業エリアの面でも補完関係にあり、オプテックス(株)による中東への展開やレイテック社による北米、中南米、中東等への展開等、グループ企業の販路を活かした事業展開でも実績を上げつつある。
 
【事業内容】
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、事業内容と売上構成比は下記の通り。尚、地域別の売上構成比は、日本35%、北米11%、欧州35%、アジア15%、その他5%弱(海外売上高65%)。販売通貨比率は円52%、米ドル18%、英ポンド12%、ユーロ15%、その他3%。一方、生産の55%は中国で、残り45%が国内の協力工場。原価の通貨比率はドル・ポンド54%、円46%(いずれも13/12期実績)。
 
 
 
2014年12月期第1四半期決算概要
 
 
各事業とも国内外で順調に推移し、2ケタの増収・増益。
売上高は、円安によるプラス効果459百万円もあり、前年同期比17.9%増加の6,483百万円。国内、海外とも堅調で、事業分野別でも防犯関連、自動ドア関連、FA事業がそれぞれ2ケタの増収となった。
相対的に利益率の高い防犯関連の国内および技研トラステム製品が計画を上回って伸びたこともあり、売上総利益は同21.8%増加し、粗利率は1.7%上昇した。
販管費は同8.7%増加(人件費 同14%増、経費 同5%増、研究開発費 同2%増)したが、計画を下回って推移したため、営業利益は同77.9%と大幅に増加した。
営業外収益のうち、前年同期にあった為替差益82百万円がなくなり、営業外費用で為替差損41百万円を計上するなどした結果、経常利益は同50.3%増の998百万円となった。
 
 
 
センシング事業
売上高45億41百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益6億86百万円(同76.5%増)。
防犯関連の売上高は16.5%増の32億72百万円。国内は警備会社向け販売が堅調に推移し、同5%増加した。海外は、欧州販売子会社、イタリアの代理店及び韓国販売子会社の売上などが順調に推移した。地域別では、北米 同14%増、欧州 同16%増、アジア 同47%増と総じて好調だった。

自動ドア関連の売上高は同22.8%増加の11億21百万円。国内は消費税増税前の駆け込み需要などにより前年実績を上回った。海外も、オランダ販売子会社を始め順調で、北米 同20%増、欧州 同57%増となった。
 
FA事業
売上高12億24百万円(前年同期比21.0%増)、セグメント利益58百万円(同3.3%増)。
国内は、物流、工作機械、自動車関連業界の設備投資の持ち直しで売上は同21%増加した。一方、海外は、ドイツSICK社向け及び中国向けの売上が順調に推移した。エリア別では欧州が16%増収。アジアは60%と大幅な増収となった。
 
 
配当金、法人税等の支払により現預金が減少する一方、増収に伴い売上債権が増加し流動資産は前期末比75百万円減少。
のれん消却により無形固定資産は減少したが、投資有価証券の増加等で固定資産は同84百万円増加したため、資産合計はほぼ変わらずの275億4千万円となった。
仕入債務は増加したが、法人税の支払による未払法人税等の減少などで、負債合計は同229百万円減少した。
この結果、自己資本比率は76.8%と前期末に比べ0.5%上昇した。
 
(4)トピックス
2014年3月、経済産業省は、国際市場の開拓に取り組んでいる企業のうち、ニッチ分野において高いシェアを確保し、良好な経営を実践している企業を「グローバルニッチトップ 企業 100選」として選定したが、同社はその1社に選定された。

経済産業省は「グローバルニッチトップ 企業 100社」の選定に当たり、評価のポイントとして、①世界シェアと利益の両立、②独創性と自立性、③代替リスクへの対処、④世界シェアの持続性等に着目した。2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」に基づき、グローバルニッチトップ企業及びこれを目指す企業に対する支援策を今後措置する予定ということだ。
 
 
 
2014年12月期業績予想
 
 
業績見通しに変更無し。前期比13.2%の増収、同23.3%の営業増益
売上高は前期比13.2%増の267億円。センシング事業における防犯関連の欧州・アジア地域向けやFA事業のアジア向け等の伸びを見込んでいる。利益面では、増収効果と収益性向上に向けた継続的な取組みの成果に加え、対ドルレートの落ち着きもあり、営業利益が26億円と同23.3%増加する見込み。経常利益が同2.7%の増加にとどまるのは、為替差益等を見込んでいないため。為替は前期に比べて若干の円安水準を見込むにとどまり、業績への影響は軽微。また、設備投資は例年4~5億円規模だが、14/12期は中国工場をリニューアルするため10億円程度を計画している。
配当は上期末15円、期末15円の年30円を予定(予想配当性向28.4%)。
 
 
今後の注目点
足元の業績は順調だ。第1四半期実績の上期及び通期予想に対する進捗率を見ると、売上高はそれぞれ51.5%、24.3%とほぼ巡航速度で推移しているが、営業利益は92.3%、37.3%とかなりのハイペースで進んでいる。
もちろんウクライナ情勢、中国の経済成長減速といった不透明要因はあるものの、為替が現状程度の水準で推移するとすれば、上振れの可能性が一段と高まることが予想される。
また、中長期的には、前回のレポートでも紹介した組織体制の変更がどの程度のスピードでグローバルでの収益拡大に繋がっていくのかを注目したい。