ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.25
(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション |
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企業名 |
株式会社ピックルスコーポレーション |
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社長 |
宮本 雅弘 |
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所在地 |
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3 |
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決算期 |
2月末日 |
業種 |
食料品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年2月 | 25,648 | 852 | 971 | 608 |
2013年2月 | 24,063 | 915 | 974 | 570 |
2012年2月 | 21,587 | 982 | 1,066 | 591 |
2011年2月 | 20,824 | 577 | 624 | 365 |
2010年2月 | 18,234 | 536 | 583 | 322 |
2009年2月 | 18,502 | 399 | 413 | 202 |
2008年2月 | 17,870 | 286 | 373 | 205 |
2007年2月 | 16,775 | 293 | 355 | 218 |
2006年2月 | 16,563 | 158 | 205 | -37 |
2005年2月 | 18,186 | 74 | 146 | 144 |
2004年2月 | 18,038 | 268 | 285 | 99 |
2003年2月 | 18,047 | 101 | 98 | 36 |
2002年2月 | 16,542 | 548 | 514 | 230 |
2001年2月 | 16,895 | 302 | 287 | 266 |
株式情報(4/30現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
14/2期の品目別売上構成は、製品売上が65.7%(浅漬・キムチ44.8%、惣菜18.5%、ふる漬2.4%)、商品(漬物)売上が34.3%。資本関係では、東海漬物(株)が株式の46.5%を保有(14年2月28日現在)するが、取引はふる漬等の仕入がわずかにあるのみ(14/2期は仕入高全体の1.7%)。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、14/2期は同グループ向けの売上が全体の33.6%を占めた(12/2期37.9%、13/2期35.6と依存度は低下傾向にある)。 【強み】
大ヒットしている「ご飯がススム キムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。
【食の安心・安全への取り組み】
自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造工場では一貫した品質・衛生管理体制を整えている。最新鋭の設備の導入や従業員教育はもちろん、HACCPの導入やISO9001の認証を取得する事で業界のリーディングカンパニーとして信頼される製品づくりを目指している。尚、HACCPは1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(Codex)委員会が発表し、各国にその採用を推奨している。また、ISO9001は、国際標準化機構(ISO)が定めた品質マネジメント規格。 【環境保全活動の推進】
1999年8月に、食品業界で初めて全事業所一括でISO14001(後述)の認証を取得しており、経営者によって策定された環境方針の下、省資源・省エネルギーへの取り組みをはじめ、廃棄物の削減、環境関連法規制順守、従業員教育、環境保全団体への支援等の取り組み等を通じて、より環境に優しい企業グループとなれるよう努めている。尚、ISO14001は、国際標準化機構(ISO)が企業等の活動が環境に及ぼす影響を最小限にとどめる事を目的に定めた、環境に関する国際的な標準規格。 |
市場動向と事業戦略 |
(1)漬物市場と惣菜市場の動向
漬物市場の動向
漬物市場は約3,500億円(2013年08月発表の食品新聞の漬物品目別推定出荷額は3,250億円、2008年8月時点での推定では3,800億円)。コメ消費の減少、食の多様化、少子高齢化等の影響を受けて漬物市場は縮小傾向にあるものの、全ての品目が減少している訳ではなく、沢庵等のふる漬市場の縮小が大きい一方で、浅漬やキムチの市場は安定成長が続いている。また、徐々に寡占化も進んでいるが、同社(シェア7.3%でトップ)を含めた上位10社のシェアは32.6%に過ぎず、上位企業による寡占化はこれから。昨今、円安による海外産原料価格の上昇で海外原料に頼るメーカーの収益が悪化している他(同社は100%国産原料)、健康志向、惣菜化、機能性訴求等をキーワードにした商品開発が事業拡大に不可欠な要素となりつつある。同社は製品開発力と販売力を強みに早期のシェア10%達成を目指している。
惣菜市場の動向
単身世帯の増加や高齢化の進展、更には女性の社会進出もあり、惣菜市場は拡大傾向にある。同社の資料によると、米飯類や調理パン・調理麺等も含む惣菜市場の規模は約8兆1,238億円。このうち、同社の事業領域である一般惣菜市場は3兆5,736億円で、販路別の内訳は、食料品スーパー1兆107億円、総合スーパー5,073億円、コンビニ3,194億円、専門店・百貨店等が1兆7,361億円。同社は、8年ほど前に惣菜事業に本格参入した後発企業だが、製品開発力、全国をカバーする製造拠点、更には直販ならではのきめ細かい営業を強みに売上を順調に伸ばしている。ライバルとなるのは、フジッコ、ケンコーマヨネーズ、エバラ食品、デリア食品等。いずれも400~500億円規模の年商を誇るが、13年度の同社の当期純利益は、予想売上高が500億円のエバラ食品の予想と1億円強の差に過ぎない。 (2)15/2期の事業戦略
継続的な新製品の開発・投入、広告宣伝・販促活動、及び全国を網羅する営業・物流ネットワークを三位一体とする事業戦略を推進し、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓に取り組んでいく考え。
継続的な新製品の開発・投入
独自技術で美味しさを追求しつつ減塩を実現した減塩漬物が消費者の健康志向をとらえて市場に浸透しつつある事から、浅漬、ふる漬、梅干し等の減塩製品シリーズの売場提案を積極化していく。また、キムチでは、「ご飯がススム キムチ」シリーズのラインナップを強化し、「川越達也オススメキム」シリーズとの2本柱でマーケットの深耕と開拓を進める。この一環として、14年3月に「ご飯がススム ホタテでデカうまキムチ」を発売した。
尚、この製品は5月~6月発売の期間限定商品。1年中食べられる訳ではないので、興味を持たれた方は購入を急いだ方がいい。 広告宣伝・販売促進
地元である西武ドームでの看板に加え、テレビ・ラジオCM、鉄道広告等、引き続き様々な媒体を活用して広告宣伝活動を展開していく。また、山崎製パン(株)とのランチパック、サンヨー食品(株)とのサッポロ一番カップスター、(株)みまつ食品との「ご飯がススム キムチの味 餃子」及び「ご飯がススム キムチの味 焼売」と言った食品メーカーと同社ブランドのコラボレーション製品について広告宣伝及び販売促進を強化していく。
全国ネットワークを活かした営業戦略
自社工場や物流管理センターに加え、子会社4社・合弁会社4社等との連携により、漬物・惣菜メーカーとしては唯一、全国を網羅した生産・物流体制を構築している事が同社の強みで、全国どこにでも同じ品質・同じ味の製品を届ける事ができる。浅漬は賞味期限が短いため(冷蔵管理で4日~7日)、生産は受注生産で行っている(オンラインで注文を受け、365日休まず生産)。また、品質を維持するため、得意先の店頭とはコールドチェーン(低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったままの流通)で結ばれている。15/2期は(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場が通期で稼働する事で、シェアが低い関西以西での販売拡大と生産性の向上が期待できる他、生産がフル稼働だった(株)ピックルスコーポレーション札幌で新工場の整備が進む。強みである製造・物流インフラを活かすと共に、製品ラインナップの拡充と売場提案の強化でスーパー等での売場拡大(精肉売場、麺売場等)やドラッグストア等の新たな販路の開拓に取り組んでいく。 |
2014年2月期決算 |
前期比6.6%の増収、同0.3%の経常減益
売上高は256億48百万円と前期比6.6%増加し、過去最高を更新。浅漬・キムチが同1.7%増と堅調に推移する中、多彩なラインナップを有する惣菜がスーパー等を中心に同36.1%増と大きく伸びた。営業収益は同6.9%減の8億52百万円。第2四半期(6-8月)から第3四半期(9-11月)にかけての天候不順による原料となる野菜価格の高騰や(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場稼働に伴う減価償却費の増加で原価率が76.9%と前期に比べて0.3ポイント悪化。このため売上総利益が想定に届かず、事業拡大や積極的な広告宣伝活動(テレビCM等の広告宣伝を全国規模で実施)に伴う販管費の増加を吸収できなかった。 ただ、持分法投資利益の増加や貸倒引当金の戻入等で営業外損益が改善し、経常利益はほぼ前期並みを確保。固定資産圧縮損等の増加等で特別損失が増加したものの、税効果会計の影響で当期純利益は6億08百万円と同6.7%増加し、過去最高を更新した。 |
2015年2月期業績予想 |
前期比6.4%の増収、同26.0%の経常増益予想
売上高は前期比6.4%増の273億円。新製品の投入と既存製品の更なる改善で惣菜や浅漬・キムチの売上が増加。13年6月に稼働した(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場が通期で稼働する事に加え、北海道地区での生産能力増強を目的とした(株)ピックルスコーポレーション札幌の新工場が14年6月に稼働する事も支援材料となる。利益面では、原料野菜の価格はほぼ前期並みを想定しているが、原料野菜や商品の仕入強化に加え、広島工場の生産も軌道化し原価率の改善が進む。売上の増加による物流費の増加に加え、引き続き積極的な広告宣伝活動を計画しているものの、前期の経験を踏まえて、広告宣伝費の投下を平準化し、事業環境の変化に柔軟に対応していく事で急激な収益性の悪化を防止する。 配当は前期と同額の1株当たり12円を予定。同社は製品開発・研究体制の強化及び設備投資等に必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を実施していく考え。 |
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