ブリッジレポート:(8931)和田興産 vol.19
(8931:JASDAQ) 和田興産 |
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企業名 |
和田興産株式会社 |
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会長 |
和田 憲昌 |
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社長 |
高島 武郎 |
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所在地 |
〒650-0023 神戸市中央区栄町通4-2-13 |
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決算期 |
2月 末日 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年2月 | 32,480 | 2,872 | 1,981 | 1,066 |
2013年2月 | 25,396 | 2,650 | 1,964 | 761 |
2012年2月 | 22,550 | 2,569 | 1,849 | 671 |
2011年2月 | 28,231 | 2,048 | 844 | 428 |
2010年2月 | 29,890 | 573 | -370 | -226 |
2009年2月 | 32,333 | 2,577 | 1,548 | 118 |
2008年2月 | 29,564 | 4,020 | 3,063 | 1,613 |
2007年2月 | 30,629 | 3,318 | 2,736 | 1,357 |
2006年2月 | 25,256 | 2,769 | 2,366 | 1,292 |
2005年2月 | 22,965 | 2,594 | 2,203 | 1,162 |
2004年2月 | 23,723 | 2,226 | 1,689 | 912 |
2003年2月 | 22,080 | 2,100 | 1,499 | 652 |
2002年2月 | 22,630 | 2,296 | 1,846 | 917 |
2001年2月 | 22,926 | 3,399 | 2,941 | 1,315 |
株式情報(5/8現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
地域密着型を特色とし、また、仕入と企画以外の設計・建築・販売業務を他社に委託している事から、これら外部委託先を含めたあらゆるステークホルダーと共存共栄の関係を構築し、自社の発展をステークホルダーの利益につなげようと言う思いを込めた「共生(ともいき)」という言葉を企業理念としている。 【沿革】
1899年1月、神戸市で不動産賃貸業を創業。1966年12月に和田興産(有)として法人化され、79年9月に和田興産(株)に改組。分譲マンションの一棟売り等で実績をつくり、91年3月、自社ブランド「ワコーレ」による分譲マンション事業を本格化。95年1月の阪神淡路大震災後は、震災復興のための優良建築物等整備事業にも従事し地域の復興に貢献した。04年9月に株式をJASDAQ市場に上場。07年6月に「ワコーレ」シリーズが着工ベースで10,000戸を突破し、08年3月には戸建事業推進室を新設して木造戸建事業を本格化した。
【事業セグメント】
事業セグメントは、「ワコーレ」ブランドで展開する分譲マンション販売、「ワコーレノイエ」ブランドで展開する戸建て住宅販売(販売は両事業共に外部委託)、宅地や賃貸マンションの販売等を手掛けるその他不動産販売、マンション(賃貸マンションブランド「ワコーレヴィータ」他)、店舗、駐車場等の賃貸・管理を行う不動産賃貸収入、及び保険代理店手数料など報告セグメントに含まれない「その他」に区分される。
分譲マンション販売事業
神戸・明石地区(兵庫県神戸市、明石市周辺)、阪神地区(兵庫県芦屋市、西宮市、尼崎市)、及び兵庫県伊丹市、宝塚市周辺を主要エリアとし、大手マンション事業者と競合しない30戸~50戸程度の中規模マンションを中心に「ワコーレ」ブランドで展開。人気の高いエリアにフォーカスし、同一地域で異なるタイプのマンションを供給し消費者の多様なニーズの取り込みと高い販売効率を実現する地域密着戦略、或いは、複数の物件を同時に一つのマンションギャラリーで扱う事で販売コストを抑制するマンションギャラリー戦略等、独自の戦略で高収益な事業モデルを確立している。
戸建て住宅販売事業
「ワコーレノイエ」ブランドで展開しており、収益の柱とするべく育成中。数多く寄せられるマンション用地情報の中には、立地、面積、地形等の面でマンション分譲よりも戸建分譲に適した物件が少なくない(賃貸マンションに適した物件であれば不動産賃貸事業となる)。また、分譲マンションの事業期間が2年程度であるのに対して当事業は半年~1年と短いため、分譲マンションの収益の谷間を埋める事ができる上(資金の回転も効く)、マンションほどに建築資材高の影響を受けない等の事業メリットを有する。マンション分譲で培ったデザイン性や環境面を配慮した設計・施工力等を活かしパワービルダーとの差別化を図っている。
その他不動産販売事業
物件情報を有効活用する機能を担っており、宅地の開発・販売や賃貸マンションの建築・販売(1棟売り)等を手掛けている。分譲マンション事業を補完する機能を有する他、資産の入れ替え伴う賃貸用物件の売却収益も当セグメントに計上される。投資家向け一棟売り賃貸住宅を強化するべく、入居者の斡旋や管理業務、更には売却時の仲介業務等に強みを持つ東証2部上場の(株)日住サービス(8854)と資本・業務提携している。
不動産賃貸事業
自社で保有する住居、店舗・事務所、駐車場、及びトランクルームの賃貸事業を行っている。安定的なキャッシュ・フローが得られるビジネスとして創業時より継続する事業であり、マンション分譲という市況に左右されがちな事業のウエイトが高い同社にあって、収益の安定化に寄与している。稼働率(入居率)の向上による安定収益の確保と物件入替によるポートフォリオの質の維持・向上を基本戦略とし、保有資産の中心となっている住居系の資産(賃貸用マンション)については、一定期間後の入れ替えを念頭に、個人の富裕層等で購入希望者が多い2~3億円の物件を中心とした資産構成となっている。また、資産と負債を適切に管理する事で投資回収期間が長期にわたるリスク、及び資産が過大になり、それに伴い負債が増加するリスクの軽減を図っている。各物件の表面利回りは9~10%と高く、将来的には全社的な固定費負担を賃貸収入でカバーできる体制を構築したい考え。
【CSR活動】
児童の住宅への興味促進を目的に、2010年から「こども絵画コンクール」を実施している他、神戸新聞社が子育てに夢を持ち、皆で支え合う地域社会を目指して取り組んでいる子育て支援プロジェクト「すきっぷ21」に協賛している。この他、ヴィッセル神戸の育成部門「Jアカデミー神戸育成センター」をサポートするアカデミーパートナー第1号として、1997年8月から、サッカーを通じた青少年の健全育成を支援している。
【強み】
日本有数の住宅地である神戸、明石、阪神間を主要な事業エリアとする事で高い生産性を実現すると共に情報力で比較優位を確立しており、地域に根差したコミュニティづくりでも定評がある。また、大阪府北部等、既存事業エリアの隣接地に開拓余地の大きい優良住宅地を有する事も強み。
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2014年2月期決算 |
前期比27.9%の増収、同0.8%の経常増益
売上高は前期比27.9%増の324億80百万円。営業体制の整備の遅れや職人不足による施工の遅れで戸建て住宅販売が減少したものの、分譲マンションの引渡が順調に進んだ他、資産入れ替えに伴う賃貸用不動産の売却や宅地売却等でその他不動産販売も増加。賃貸資産の稼働率も、主力の住居系が94%と高水準で推移した。利益面では、建築費の上昇や賃貸用不動産の利益率が前期実績を下回った事等で売上総利益率が低下した他、大型プロジェクト関連(広告宣伝費増等で3億43百万円の販管費増加要因)を中心に販管費も同12.2%増加したが増収効果で吸収。営業利益は28億72百万円と同8.4%増加した。大型プロジェクトにかかるシンジケートローンの組成費用の計上による営業外費用の増加で経常利益は同0.8%の増加にとどまったものの、減損損失の減少(2億63百万円→42百万円)や有形固定資産売却損(2億45百万円→ 0)が発生しなかった事で当期純利益は10億66百万円と同40.0%増加した。 分譲マンション販売
売上高263億86百万円(前期比27.4%増)、セグメント利益24億11百万円(同9.1%増)。「ワコーレ豊中ステーションウイング」(総戸数116戸)や「ワコーレ神戸三宮マスターズレジデンス」(同89戸)といった大型物件2棟を含む23棟が竣工し、引渡戸数も同20.4%増の786戸と順調に進んだ(計画:780戸)。販売状況を示す契約戸数は、供給が第4四半期中心になった事で下期の契約戸数(主に翌15/2期引き渡し分)が減少したものの、通期では759戸と同1.7%増加(金額ベースでは同0.6%減の251億52百万円)。翌15/2期引渡予定分の60%強の契約を完了した。期末の未契約完成在庫はなく(12/2期末25戸、13/2期末24戸)、期末契約済未引渡戸数は595戸と前期末比4.3%減少した。
引渡戸数 786戸(前期比20.4%増) 期末契約済未引渡戸数 595戸(同4.3%減)
契約戸数 759戸(同 1.7%増) 仕入戸数 621戸(同55.5%減) 発売戸数 885戸(同20.1%増)、22棟 戸建て住宅販売
売上高22億77百万円(前期比2.5%減)、セグメント利益1億69百万円(同8.0%増)。引渡戸数は前期実績を6戸下回る67戸。100戸の引渡を計画していたが、体制整備の遅れ(要員の不足)、許認可取得の遅れ、及び1、2月の職人不足による竣工の遅れ(季節要因に加え、消費税引き上げに伴う駆け込みで需給がひっ迫した)で計画を大きく下回った。
不動産賃貸収入
売上高20億42百万円(前期比2.2%減)、セグメント利益8億25百万円(同0.3%増)。3棟49戸を売却(10億88百万円)する一方、9棟176戸の既存収益物件を購入。新規開発物件3棟も稼働した。新規賃貸物件の取得が第3四半期後半となったため売上が減少したものの、コスト削減でわずかに利益が増加した。資産売却に伴う売上はその他不動産販売に計上されている。
その他不動産販売
賃貸マンション等9物件を販売し、売上高16億97百万円(前期比7.8倍)、セグメント利益83百万円(同92.7%増)を計上。売上高は当初の計画を10億円上回った。投資家向け一棟売り賃貸住宅を強化するべく、入居者の斡旋や管理業務、更には売却時の仲介業務等に強みを持つ東証2部上場の(株)日住サービス(8854)と13年8月に資本・業務提携を行った。
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2015年2月期業績予想 |
前期比1.5%の減収、同4.1%の経常減益予想
売上高は前期比1.5%減の320億円。戸建て住宅販売が同71.3%増と伸びるものの、主力の分譲マンション販売が平均単価の低下で同2.2%減少(引渡戸数は増加)。前期の反動もあり、その他不動産販売も同82.3%減少する見込み。営業利益は同9.5%減の26億円。原価率が81.1%と前期(81.4%)を下回り、前期並みの売上総利益を確保できる見込みだが、販売活動の積極展開や人員拡充による販管費の増加が負担となる。ただ、シンジケートローンの組成費用がなくなり営業外損益が改善。特別損失(14/2期は夏の集中豪雨に伴う災害損失1億円を特別損失に計上)も減少するため、当期純利益は11億円と同3.2%の増加が見込まれる。 配当は1株当たり2円増配の期末22円を予定しており、5期連続の増配となる。同社は配当を株主還元の基本に据えており、安定配当を志向しつつ、利益の増加に応じて適宜増配を実施している。 分譲マンション販売
売上高は258億円と前期比2.2%減少する見込み。引渡戸数は同0.9%増の793戸を見込んでいるが、単価が低下する(前期の引渡は期末に集中したが、22棟の竣工を計画している今期は上期末と期末に分散する)。一方、大型プロジェクトの販売が始まり、契約戸数は同19.9%増の910戸を計画。前期末時点で今期引渡計画の64%に当たる507戸の契約を完了しており(4月21日現在では73%の契約を完了)、15/2期の契約(販売)は翌16/2期の引渡分が中心となる。大型プロジェクトへの取り組みで前期は621戸と同55.5%減少した仕入は840戸と同35.3%増加する計画している。
15/2期の取り組み 大型プロジェクトによる既存エリアの深耕と周辺地域へのエリア拡大
大型プロジェクトによる既存エリアの深耕と共に、周辺地域へのエリア拡大を進める。また、再度の消費税率引き上げをにらみ、引き続き積極的に仕入を行い、可能な限り供給を前倒して供給していく考え。①大型プロジェクトによる既存エリアの深耕 「ワコーレ舞子グランテラス」(JR神戸線「舞子」駅徒歩9分、総戸数143戸)、「ワコーレKOBE灘ハウス」(JR神戸線「灘」駅徒歩7分、総戸数108戸)の販売が好調に推移しており、5月にはワコーレマンションシリーズで最大規模となる「ワコーレシティ神戸三宮」(JR神戸線「三ノ宮」駅徒歩10分、総戸数471戸)の分譲も始まる。 「ワコーレ舞子グランテラス」は2013年12月の発売で、引渡は2015年6月を予定。「ワコーレKOBE灘ハウス」は2013年12月の発売で、引渡は2015年2月を予定。前者は前期末で67戸((4月21日現在では79戸)、後者は43戸(同47戸)の契約を完了している。 「ワコーレシティ神戸三宮」は、2015年10月の竣工を予定しており、引渡は16年3月下旬となる見込み。子供の登下校時やマンション帰宅時にメールで連絡する登下校管理システム「ミマモルメ」を分譲マンションでは全国で初めて導入した他、入管管理システムに関西で初めてNECの顔認証エンジン「Neo Face」を採用した。事前説明会後の反応も良好であるという。(大型物件のため分譲を複数期に分けて行う予定)。 神戸市の中心地域から周辺地域へエリアを拡大し、1次取得者層の需要を取り込んでいく考え。具体的には、神戸市の北部に位置する神戸市北区、主要事業エリアの東に隣接する兵庫県伊丹市、大阪府豊中市、大阪府池田市、及び西に隣接する兵庫県姫路市で合計6プロジェクトが進行中である。 戸建て住宅販売
売上高は39億円と前期比71.3%増加する見込み。前期の積み残しの寄与もあり、引渡戸数が115戸と前期に比べて48戸増加。用地仕入れは、ほぼ目途をつけており、営業体制の整備も進んだ。職人の手配等でも前期の経験を活かし、売上総利益率が14.1%と0.8ポイント改善する見込み。上記の他、不動産賃貸収入が前期比2.1%減の20億円。引き続き資産の入れ替えを進めつつ、ほぼ前期並みの売上を確保する。その他不動産販売は小型の賃貸マンション等の販売が中心となる見込みで、3億円と同82.3%減少する見込み。 |
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