ブリッジレポート
(2157) 株式会社コシダカホールディングス

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ブリッジレポート:(2157)コシダカホールディングス vol.15

(2157:JASDAQ) コシダカホールディングス 企業HP
腰髙 博 社長
腰髙 博 社長

【ブリッジレポート vol.15】2014年8月期上期業績レポート
取材概要「景況感の回復がカラオケ事業にも波及してきたようだ。足元のカラオケ事業は懸念された消費税率引き上げの影響もなく客数が堅調。水道光熱費の上昇・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月7日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社コシダカホールディングス
社長
腰髙 博
所在地
群馬県前橋市大友町1-5-1
決算期
8月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年8月 34,515 4,151 4,237 3,072
2012年8月 33,746 4,077 4,096 2,279
2011年8月 29,093 3,356 3,336 2,877
2010年8月 21,932 2,503 2,579 1,125
2009年8月 18,955 1,496 1,427 549
2008年8月 13,649 691 731 421
2007年8月 11,332 535 561 134
2006年8月 8,878 552 560 319
2005年8月 6,360 403 400 233
2004年8月 3,552 340 337 192
2003年8月 2,037 104 99 57
株式情報(4/16現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,959円 9,477,401株 28,044百万円 33.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
50.00円 1.7% 277.50円 10.7倍 1,122.85円 2.6倍
※株価は4/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
コシダカホールディングスの2014年8月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
“総合余暇サービス提供企業”を標榜し、「アミューズメント」、「スポーツ・フィットネス」、「観光・行楽」、「趣味・教養」の4分野で「既存業種新業態」戦略を推進。安定成長を続けるカラオケ事業と高い成長を続けるフィットネス(カーブス)事業を二本柱に、上場以来、増収・増益を続けており、新規事業として温浴事業を育成中である。尚、「既存業種新業態」戦略とは、既に社会に存在し誰もが知っている業種において、視点や取り組み方を変え、従来と異なる新たな顧客層をターゲットとする事で全く新しいサービスや運営手法を生み出し、独自のビジネスモデルを確立していく事業手法。
 
【事業セグメントとグループ】
事業は、「カラオケ本舗まねきねこ」(郊外中心)やひとりカラオケ専門店「ワンカラ」(都心や地方都市の繁華街で展開)を運営するカラオケ事業、“女性専用30分健康体操教室”として中高年齢層をターゲットに女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」を展開するカーブス事業、新規事業として育成中の温浴事業(各種温浴設備を備えた施設の運営。「居抜き出店方式」のノウハウを活用し店舗展開)、及び不動産管理事業等のその他に分かれる。13/8期の売上構成比は、カラオケ事業54%、カーブス事業40%、温浴事業5%、その他1%。
 
 
【成長戦略 - 「総合余暇サービス提供企業」を標榜し、“既存業種新業態」戦略”を推進 -】
約65兆円の国内余暇市場は同社にとって無限とも言える広さだ。特にシニア市場は、団塊の世代(1947年~49年までの間に出生した世代)が75歳を迎えるまでの向こう10年程度、高い成長が見込まれている。こうした中、同社は「「総合余暇サービス提供企業」をコンセプトに、「アクティブシニア層」をターゲットとし、“アミューズメント(カラオケ)”、“スポーツ・フィットネス(カーブス)”、“観光・行楽(温浴)”、“趣味・教養”の4分野において、事業間シナジーを追求すると共に「既存業種新業態」戦略を進め業容の拡大を図っていく考え。グループ売上高1,000億円を中長期の目標としている。
 
カラオケ事業
国内カラオケ市場はリーマン・ショックを境に4,200億円前後から3,800億円前後に縮小し、その後、横ばいが続いているが、同社のカラオケ事業は“地域密着によるリーズナブルでフレンドリーな接客サービス”を強みに店舗ネットワークを広げ、売上を伸ばしている。今後は「カラオケ=健康」のコンセプトの下、アクティブシニア層の開拓にこれまで以上に力を入れていく。具体的な取り組みとして、オリジナルのカラオケボックス用新システム「すきっと」(後述)導入による差別化戦略の徹底、社員独立型フランチャイズ(FC)チェーン制度「ビーアンビシャス(Be Ambitious)」(オーナーシップによる営業力強化)、及び都市部でのワンカラのドミナント展開による国内500店舗体制の早期構築の3点を挙げている(14年2月末349店舗)。
また、海外展開も進め、韓国・東南アジアでの多店舗展開に取り組む。4店舗を運営している韓国では既に多店舗展開に目処を付けており、東南アジアでは13年11月に中間持株会社(東南アジアにおけるカラオケ事業の統括会社)KOSHIDAKA INTERNATIONAL Pte.Ltd.を設立。その傘下でシンガポールでのカラオケ事業を統括するKOSHIDAKA MANAGEMENT SINGAPORE PTE.LTD.が、14年2月にシンガポール国内でカラオケ店舗11店舗を直営展開しているK BOX ENTERTAINMENT GROUP PTE.LTD. を子会社化した(売上高21億円、店舗利益1億95百万円、営業損益均衡。同国のカラオケ事業者では売上高・店舗数共にトップ。)。
 
オリジナルのカラオケボックス用新システム「すきっと(Smart Karaoke Internet Terminal)」
これまでにないコンテンツ・サービスを提供する事で競合チェーン店との差別化を図るべくカラオケ用新システム「すきっと」を開発した。「すきっと」は専用サイト「すきっとねっと」との連動による利用者参加型のシステム(カラオケコマンダー)。カラオケの楽しさを「歌う」事以外に広げる事ができる。例えば、会員登録する事で、お気に入りの曲(200曲まで登録可能)や映像等の好みのコンテンツを登録でき、映像は自由に視聴したり、カラオケの背景に利用したりできる。また、原曲に近いサウンドでの採点や自分でカラオケを作る機能を備えている他、アプリをダウンロードすればスマートフォンをリモコンとして利用可能。参加型カラオケの機能に即したアプリケーションを順次リリースして行く予定で、ユーザーの囲い込みを図っていく(14年4月16日に「まねきねこ」全店で導入完了)。
 
社員独立型フランチャイズチェーン制度「ビーアンビシャス」の導入
“カラオケ店舗数日本一”という地位を築いてきた過程で、同社の組織はいつのまにか創業当初のベンチャー精神が希薄化してまった、と言うのが腰高社長の実感。このため、店長のオーナーシップの発揮とモチベーションの向上を念頭に社員独立型フランチャイズ(FC)チェーン制度「ビーアンビシャス」を11/8期に導入した。既存店との違いは“店長がオーナーになった事”だけだが、第1号となった「熊谷バイパス店」は年率2桁の売上成長を実現し、その後に続いた店舗も業績を大幅に向上させた(「ビーアンビシャス」はモチベーションを高める事でカラオケ事業の成長余地を引き出せる事を証明した)。14/8期は上期に2店舗が独立し、3月1日時点での社員独立型フランチャイズは10店舗。中長期的には国内店舗数の2/3程度にしたい考え。
 
 
カーブス事業
リーマン・ショック以降、国内フィットネス市場が3,000億円弱で推移する中、カーブス事業は右肩上がりの成長を続けており、現在、フィットネスチェーンとしては国内最大の店舗数を誇る。女性のためのコミュニティ作りが成功のポイントである。
 
カーブス事業のコンセプトと取り組み
「回避可能な病気や介護を可能な限り減らす事により、不安の無い高齢化社会を目指していく。このような社会の実現のためには、一人一人が正しい運動習慣と食習慣を身につけて、継続していく事が最も大切である」言うのが同社の考え。全ての会員が、効果的な運動方法を習得し、継続できる運動習慣を身につけていく事ができるようサービスの向上や通いやすいカーブス店舗網の構築に加盟店とフランチャイズ本部が一丸となって取り組んでいる。
 
「~筋トレを歯磨きに~」のコンセプトの下、日本中に運動習慣をひろげるべく改革・改善に継続的に取り組んでおり、当面の目標としていた1,500店舗(14/2期上期末1,397店舗)、70万会員(同58.9万人)の達成まであと一歩のところに来ている。ビルインタイプ、ロードサイドタイプ、ショッピングセンタータイプと、多様な出店スタイルが可能な上、FC加盟企業の多店舗展開意欲も旺盛(現在の新規出店は既存FCの増店のみ)。中長期的にはカーブスを中心としつつも、健康長寿サポート企業(運動・食事・睡眠)へと進化できるか否かポイント。
 
 
短期間のサーキットトレーニングが高齢者の認知機能改善に効果
子会社(株)カーブスジャパンは、認知症等の加齢脳疾患やがん克服を目的に研究を進める東北大学加齢医学研究所と共同研究を行い、短期間のサーキットトレーニングが高齢者の認知機能改善に寄与する事を科学的に実証した。サーキットトレーニングは高齢者でも取り組みやすいため、高齢者の認知症予防や認知機能リハビリ等への応用が期待される。
 
 
温浴事業
シニア・ファミリー層に特化した業態開発とカラオケ事業で培った集客ノウハウを活かして、1店舗当たり入場者数の増加と満足度向上を図っていく。また、当初は燃料価格の変動等でコスト管理に苦労したが、オペレーションの効率化による労働生産性の向上、節水シャワーやコージェネレーション(ガスを燃料に発電と給湯を同時に行う装置)の導入による節水・省エネの追求、更には貯湯タンクの増設による天然温泉の活用促進や循環回収水の効率化に取り組んでおり、前期に続き、期末にかけての単月黒字化が見えてきた。
 
 
2014年8月期上期決算
 
 
減益ながら、ほぼ想定に沿った着地
売上高は前年同期比7.1%増の175億24百万円。新規出店・会員獲得共に想定を上回ったカーブス事業の売上が同18%弱増加。カラオケ事業や温浴事業の売上も増加したが、降雪の影響もありカラオケ事業の売上が約4億円、温浴事業の売上が2億円弱想定に届かなかった。

一方、営業利益は同8.1%減の20億14百万円。カラオケ事業における、国内での新規出店及び改装の増加等、先行投資が利益を圧迫したが当初から織り込み済み。降雪による売上の下振れが80百万円の利益下振れ要因となったが、好調なカーブス事業で吸収し、わずかに期初予想を上回る着地。四半期純利益が大幅に減少したのは、前年同期は固定資産売却益15億36百万円を特別利益に計上したため。
 
 
 
上期末にかけて既存店売上高が前年同期並みに回復。国内外で積極投資
売上高95億7百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益7億18百万円(同42.8%減)。国内店舗数は前期末に比べて11店舗増の349店舗。「カラオケ本舗まねきねこ」11店舗(うち建築出店4店舗)、「ワンカラ」2店舗をオープンする一方、「カラオケ本舗まねきねこ」2店舗をスクラップ。この他、20店舗で改装を実施した。
第1四半期(9-11月)の既存店の苦戦や降雪の影響で売上が伸び悩む中(既存店が4億32百万円の減収要因)、新規出店(前年同期は6店舗)や改装(同0店舗)の増加が利益を圧迫したが、コスト面では想定通り。既存店も、客数の減少に歯止めがかかり、昨年11月後半以降は回復基調。売上高の前年同期比は第1四半期(8-11月)が同94.9%にとどまったものの、大雪の影響を受けた2月が同97.7%、3月は同99.0%(4月は価格改定効果もあり、4月16日現在で100%超)。

オーナーシップの発揮とモチベーションの向上を念頭に進めている社員独立型フランチャイズチェーン制度「ビーアンビシャス」で2店舗が独立(計10店舗に拡大)。オリジナルのカラオケボックス用新システム「すきっと」の導入も順調に進んだ(4月16日に「カラオケ本舗まねきねこ」全店への導入が完了)。また、海外では、韓国で4店舗目の店舗を出店した他、13年11月に東南アジアにおけるカラオケ事業の統括会社KOSHIDAKA INTERNATIONAL Pte.Ltd.を設立。その傘下でシンガポールでのカラオケ事業を統括するKOSHIDAKA MANAGEMENT SINGAPORE PTE.LTD.が、14年2月にシンガポール国内でカラオケ店舗11店舗を直営展開し、同国で売上高・店舗数共にトップのK BOX ENTERTAINMENT GROUP PTE.LTD.(以下、K BOX社)を子会社化した。
 
 
加盟店の旺盛な出店意欲を背景に新規出店が順調。会員獲得が順調に進む一方、退会率が低下
売上高70億89百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益14億99百万円(同27.5%増)。上期末の国内カーブス店舗数は前期末に比べて58店舗増(新規出店59、退店1)の1,397店舗(内グループ直営店49店舗)、会員数は3,000人増の589,000人。1店舗当たりの会員数は前年同期末の415人を上回る421人(前期末は437人。季節要因で2Qは退会が多い)。

ベース売上(ロイヤリティ収入等。下期の方がボリュームが大きくなる)が2億92百万円増加した他、直営店の売上も76百万円増加。既存会員の深耕に取り組んだ結果、人気のあるプロテインの定期購入を中心に会員向け物販も6億68百万円増加した。
 
 
客数が前年同期比20%増。原価低減も進み損失が減少
売上高7億88百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント損失1億10百万円(前年同期は2億円の損失)。原価低減が想定通り進んだが、売上高が予算を1億70百万円下回ったため、セグメント損失が想定(△50百万円)したほど減らなかった。原価低減では、オペレーションの効率化で人件費が同28百万円減少した他、水道・光熱費削減に向けた取り組み等の成果で水道・光熱費が同16百万円減少。新規出店に伴う開店諸費用の計上もなく、売上原価が8億87百万円と同7.1%減少した。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
積極的な投資と長期借入金を中心にした資金調達で、上期末の総資産は229億88百万円と前期末に比べて23億40百万円増加した。投資の概略は、新規出店・改装14億円、シンガポール子会社の設立・M&A15億円、及び不動産(神奈川県厚木市)の取得17億円等。資金調達については、好条件での借り入れが可能な足元の状況を踏まえて、今後の必要資金を前倒しで調達した面もある。上期末の自己資本比率は50.4%と前期末に比べて1.1ポイント低下した。

CFの面では、店舗増等による運転資金の増加を吸収して9億40百万円の営業CFを確保したものの、積極的な投資や前年同期に有形固定資産の売却による収入があった反動で投資CFが悪化。フリーCFは35億49百万円のマイナスとなった。
 
 
 
 
2014年8月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比10.3%の増収、同11.3%の経常増益予想
前期比約3倍の新規出店を計画しているカラオケ事業は期を通して先行投資負担が重いものの、第2四半期以降、既存店が回復基調にある上、徐々に新店及び改装効果が顕在化してくる。一方、フィットネス事業は店舗数と会員数の増加に加え、物販による既存会員の深耕もあり、好調を継続。温浴事業も期末にかけて月次ベースの損益が黒字転換する見込み。
配当は1株当たり25円の期末配当を予定(上期末配当と合わせて年50円)。
 
(2)セグメント別の取り組み
カラオケ事業
引き続き中期成長の原動力となる海外事業の基盤構築と収益源である国内事業の基盤強化に取り組む。海外事業では、日本からシンガポールへ派遣した3人が現地に常駐し、国内で培った高品質なサービス等のノウハウを活かしつつ、K BOX社とのシナジーを追求していく。K BOX社は、シンガポーリアンや華僑の留学生等を客層としており、シンガポール国内で11店舗のカラオケルームを展開し、年商20億円。
東南アジアでは日本と同じようにファミリーカラオケが普及している。シンガポールを東南アジア展開の起点とする考えで、K BOX社と共に確立したビジネスモデルを東南アジアの国々で展開していく考え。また、韓国では果川(グアチョン)にオープンした4号店が韓国モデルのほぼ完成形と言える店舗であり、更なるブラッシュアップをしつつ多店舗展開を進めていく。
一方、国内事業では、4月16日に同社オリジナルのカラオケコマンダー「すきっと」の全店導入が完了。キャンペーン「ローカルアイドル“すきドル”」を企画しており、ご当地アイドルの持ち歌を「すきっと」で歌えるようにし、各店舗で地域密着のイベントを実施する事で「すきっと」の認知度向上と集客を図る。ネット対応も強化しており、3月末にはLINEの公式アカウントもオープンした。
この他、スクラップ&ビルドを推進し、店舗ネットワークの強化にも取り組んでいく。通期で45店舗の新規出店と8店舗の閉鎖を予定しており、下期の新規出店計画30店のうち24店舗(まねきねこ18、ワンカラ6)はほぼ確定している。尚、ワンカラは5月に4店舗(新小岩駅前、高円寺、上野、川崎東口)のオープンを予定しており、ロイヤリティプログラム(会員ポイント制)の導入準備も進めている。
 
カーブス事業
会員が通いやすい店舗ネットワークの構築に向け、積極出店を継続する(通期で120店舗の新規出店を計画しており、期末店舗数は1,459店舗となる見込み)。当面の目標としていた1,500店舗は来期の達成が視野に入ってきたが、既存店の好調でFC加盟企業の多店舗展開意欲は引き続き旺盛。カーブス店舗間での競合を調整しながら、店舗ネットワークを一層拡大させていく。また、会員満足度の更なる向上にも取り組む考え。具体的には、「脂肪を燃やそう」キャンペーンを企画しており、キャンペーンを通して運動習慣を身につけてもらおうという考え。合わせて、通信販売の拡大で既存会員の深堀を進め、収益力の強化も図る。
 
温浴事業
全店の黒字化に向け、ロウリュ(熱気浴・蒸気浴)、ビュッフェ(食べ放題)、健康歌体操教室、アラーム・スタジオ、浴衣貸出し、お笑いライブイベント等、各施設で集客強化に向けたイベントを積極展開していく。「東京健康ランドまねきの湯」では、集客につなげるべく温泉掘削を開始した。早ければ、7月には温泉の供給が始まる見込み。また、一段の原価低減を図るべく、節水シャワーやコージェネレーションの導入による節水・省エネに加え、貯湯タンクの増設による天然温泉の活用促進や循環回収水の効率化に取り組んでいく。7月、8月は月次ベースのセグメント損益が黒字転換する見込み。
 
 
 
今後の注目点
景況感の回復がカラオケ事業にも波及してきたようだ。足元のカラオケ事業は懸念された消費税率引き上げの影響もなく客数が堅調。水道光熱費の上昇分等も含めて価格改定した効果もあり、既存店の売上高は前年同月を上回って推移している。新規出店ペースを再加速した効果も徐々に顕在化してくるものと思われ、来期の見通しが明るさを増している。一方、原価率の引き下げ努力が成果をあげつつある温浴事業は、期末にかけて想定通り月次ベースの損益を改善できるか注目される。黒字化が、次のステップに進むための大前提であると考える。
上期の連結調整前営業利益の70%弱を稼ぎ出したカーブス事業は引き続き拡大が見込まれる。ただ、徐々に事業の成熟が感じられるようになってきたため、中長期的な成長を担保するための施策も必要だ。物販の拡大に加え、健康長寿サポート企業(運動・食事・睡眠)への進化に向けた取り組みに期待したい。サーキットトレーニングによる認知機能の改善効果等、興味深い研究成果も出ており、こうした成果をどのように事業に活かしていくか注目される。