ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン vol.38
(4849:JASDAQ) エン・ジャパン |
|
||||||||
|
企業名 |
エン・ジャパン株式会社 |
||
会長 |
越智 通勝 |
||
社長 |
鈴木 孝二 |
||
所在地 |
東京都新宿区西新宿 6-5-1 |
||
決算期 |
3月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2013年3月 | 13,563 | 2,783 | 2,840 | 1,545 |
2012年3月 | 15,687 | 3,047 | 2,884 | 1,135 |
2010年12月 | 9,991 | 1,774 | 1,803 | 875 |
2009年12月 | 10,209 | 1,259 | 1,212 | 459 |
2008年12月 | 21,329 | 5,943 | 5,906 | 3,090 |
2007年12月 | 22,686 | 7,564 | 7,573 | 4,168 |
2006年12月 | 16,919 | 5,605 | 5,607 | 3,105 |
2005年12月 | 11,491 | 3,791 | 3,826 | 2,203 |
2004年12月 | 6,980 | 2,245 | 2,254 | 1,253 |
2003年12月 | 4,372 | 1,749 | 1,754 | 1,038 |
2002年12月 | 3,107 | 1,305 | 1,283 | 663 |
2001年12月 | 1,876 | 933 | 898 | 464 |
2000年12月 | 620 | 254 | 249 | 132 |
株式情報(2/13現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
同社の特徴と強み
① 求職者視点の求人広告
同社は、「求職者の視点に立った情報」を提供することに徹底的にこだわっている。独自取材による「正直」で「詳細」な求人広告は、「仕事を大切に、転職は慎重に。」というプロモーションにおけるコピーに象徴されるように、安易な転職はしてほしくないという考え方のもとに制作している。 ② インターネットを最大限に活用しつつ、きめ細やかな対応も実現
転職全般の疑問や不安に回答する「メール転職相談」、WEB履歴書の添削を行う「レジュメコーチ」、採用面接官が重視するポイントを事前にメールでアドバイスする「面接アドバイス」、また、入社時期や年収といった希望を、当社スタッフが企業に対して代理で打診・調整し、メールで求職者に伝える「希望条件打診サービス」などは、同社独自の転職サポート。また、「[en] 社会人の転職情報」、「[en] PARTNER」を通じて転職したユーザーに対して、入社後も3年間サポートを行う「en アフターサポートプログラム」を開始。転職後の活躍・定着を支援する取組みを一層強化している。 ③ 求職者と求人企業の高いフィッティング率
「[en]社会人の転職情報」は、求職者満足度98.0%(2012年2月調査)、企業満足度92.5%(2011年12月調査)という高い評価を得ている。高い評価の背景には、「求職者視点」と「情報の質」に徹底的にこだわった求人広告と、同社のサイトを通じて入社した求職者の入社後の活躍と高い定着率が背景にあると思われる。 ④ 600万人を超える会員
同社は、約600万人を超える会員(※2013年3月現在「[en] 社会人の転職情報」、「[en] 転職コンサルタント」、「[en] ウィメンズワーク」、「[en] 派遣のお仕事情報」、「[en] チャレンジ! はた☆らく」合計)を有している。また、これまでに採用を手伝った企業は延べ5万社以上にのぼる。 同社のサービスに対する満足度と高い知名度によって獲得した会員と取引企業の数は、事業における大きなアドバンテージとなる。 |
2014年3月期第3四半期決算 |
売上高は18.0%増、経常利益は29.7%増益
売上高は前年同期比18.0%増の120億80百万円(約18.4億円増)。顧客の採用ニーズの高まりから求人広告の販売が好調で「[en]社会人の転職情報」の売上が同7.2億円増加した他、子会社エンワールド・ジャパン(以下、EWJ社)の売上が同3.1億円増加し増収をけん引。この他、当第1四半期から新たに子会社を連結したことも売上増加に寄与した。利益面では、人員の増加や積極的なプロモーション活動により費用(売上原価+販管費)が同17.3%増加したものの、売上の伸び率を下回り営業利益は同20.6%増加した。この他、為替差益等1.7億円の計上などにより経常利益が同29.7%増加、投資有価証券売却益20.3億円の計上により四半期純利益は111.6%増加した。 中途採用事業
当事業には、「[en] 社会人の転職情報」、「エン 転職コンサルタント」、「[en] 派遣のお仕事情報」、「[en] チャレンジ! はた☆らく」、「[en] ウィメンズワーク」、EWJ社、海外子会社、中途関連その他(適性テスト等)の収益が計上されている。「[en] 社会人の転職情報」及びEWJ社をけん引役に、売上高が106億65百万円と前年同期比21.0%増加した。人件費やプロモーション費用が増加したものの、費用(売上原価+販管費)の増加が同18.7%の増加にとどまりセグメント利益は27億28百万円と同28.3%増加した。 この他、「エン 転職コンサルタント」は、人材紹介マーケットが回復基調にあることや、顧客の人材紹介会社への拡販が進み、掲載社数が増加し同増収となった。「[en] 派遣のお仕事情報」は、企業の派遣社員採用のニーズが高い状態が続いたことにより、顧客である派遣会社からの受注が増加したことや新規営業の強化により新規掲載社数が増加したことなどから売上が同年同期比増加した。「[en] チャレンジ! はた☆らく」は減収となったが、これは一般事業会社向けの販売を昨年6月に停止し、派遣会社向けのサイトに変更したためであり、販売系職種のニーズが高かったこと等から計画を上回る売上となった。[en] ウィメンズワーク」も、大手・中堅の派遣会社のニーズが増加傾向にあることから、着実に売上を伸ばした。 また、海外子会社は今期から海外子会社7社の新規連結を開始したことが売上の増加要因となったものの、自社で拠点を立ち上げた国は計画より収益化に時間を要している。海外事業全体での利益寄与は来期以降を計画している。また、当第3四半期より、Navigos Group(ベトナム)のP/Lが連結された。 新卒採用事業
当事業には、「[en] 学生の就職情報」、新卒関連その他(適性テスト等)の収益が計上されている。売上高は前年同期比13.5%減の10億10百万円、セグメント利益は21百万円(前年同期は1億90百万円の利益)の損失となった。平成27年3月卒業予定学生向けの「[en] 学生の就職情報2015」の積極的なプロモーションを強化したことで、会員の獲得及びエントリー数は順調な結果となったものの、競合との競争が激化したことから、受注が予定通り進まなかった。費用の増加(広告宣伝費・販売促進費は、前年同期の94百万円から2億17百万円へ増加)もセグメント損失に影響した。 教育評価事業
当事業には、人事制度コンサルティング、定額制研修サービス「エンカレッジ」、適性テスト、子会社であるシーベースの収益が計上されている。売上高は前年同期比97.6%増の4億43百万円、セグメント利益は同141.3%増の86百万円となった。定額制研修サービス「エンカレッジ」は、講座のラインナップを拡充したほか、会員企業向けに効果事例を共有するイベントを開催したことなどから、リピート率が向上した。昨年4月から開始した大阪展開が順調に進み、今期計画の会員企業数に到達した。また、今期から新たに連結対象になったシーベースの業績は、概ね計画通りとなった。 |
今後の成長戦略 |
(1)人材紹介サービスの強化
リーマンショック後に大きく落ち込んだ企業の採用ニーズは回復基調が続いており、アベノミクス効果も加わって足元は活況を呈している。しかし、企業の採用ニーズは二極化が進んでおり、企業が将来のコア人材として期待するポジションや人材が不足している職種などは、厳選採用が進んでいる。候補人材と面談し、スキルに加えて考え方や人柄なども含めたマッチングが可能な人材紹介の需要は今後も堅調に推移するとみており、子会社のEWJ社とともにエン・ジャパン本体の人材紹介サービス「[en] PARTNER」を強化していく方針。
(2)海外展開の推進
2010年にグローバル企業向けに人材紹介を行っているエンワールド・ジャパンを子会社化して以降、海外展開を積極的に進めている。2011年9月 シンガポール、2012年4月 香港、2012年12月 韓国において「en world」ブランドで人材紹介サービスを開始。また、2012年6月にオーストラリアで人材紹介・人材派遣を行っているcalibrate、2013年4月にベトナムNO.1の求人サイト及び人材紹介を展開しているNavigos Group、同年12月にタイの人材紹介会社 Capstone Groupを買収した。 今後もアジア太平洋地域は経済成長が見込まれ、人材採用ニーズも高まることが予想される。また採用活動もボーダーレス化すると思われる。こういった動きに対応するための基盤を早期に構築するべく、引き続き海外展開を推進していく方針。更に、採用事業のみならず、教育・評価事業を有していることから、今後はそれらを活かして転職者・就職者の入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスの提供していく。
現在、子会社として6カ国に8つの事業会社を展開している。
※1 (株)シーベース(2012年に子会社化) 採用管理、人事評価、Webリサーチシステム等のASP事業を展開。
|
2014年3月期業績予想 |
前期比20.2%の増収、同15.5%の経常増益予想
14/3期第3四半期累計の経常利益は、期初の計画を大きく上回って着地したものの、前期比20.2%の増収、同15.5%の経常増益予想に変更なし。政府による各種政策の効果により、企業の収益環境が改善傾向となり、13年12月の有効求人倍率は、6年3ヵ月ぶりに1.03倍となるなど、企業の採用ニーズは高まっている。こうした事業環境の中、売上面で同社は今後も全般的な業種において企業の人材採用意欲が旺盛な状況が続くと見ている。また、EWJ社を含めた中途採用事業が業績をけん引する見込みで、海外子会社等の連結化も始まっている。利益面では、プロモーション強化や人員増による人件費の増加、新規連結開始に伴う営業費用が増加するものの、増収効果で吸収して営業利益が32億円と同15.0%増加する見込み。上期未消化となった、広告宣伝・販促費は、下期に消化する予定。 投資有価証券の売却益を特別利益に計上したことから、5月16日に当期純利益の計画を16億円65百万円から29億円へ修正済み。 配当も1株当たり21.5円の期初予定から変更なし。 |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |