ブリッジレポート:(8912)エリアクエスト vol.10
(8912:東証マザーズ) エリアクエスト |
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企業名 |
株式会社エリアクエスト |
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社長 |
清原 雅人 |
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所在地 |
東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー7階 |
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決算期 |
6月 末日 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2013年6月 | 819 | 49 | 50 | 37 |
2012年6月 | 646 | 4 | 5 | 19 |
2011年6月 | 595 | -45 | -43 | -50 |
2010年6月 | 735 | 12 | 14 | 3 |
2009年6月 | 879 | -182 | -179 | -381 |
2008年6月 | 1,015 | -311 | -307 | -556 |
2007年6月 | 1,530 | -95 | -94 | -118 |
2006年6月 | 1,580 | 18 | 18 | -139 |
2005年6月 | 2,091 | 240 | 236 | 189 |
株式情報(11/18現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【振り返れば、上場から10年が経過】
野村證券を経て起業
現在代表取締役社長を務める清原雅人氏が野村證券(株)で7年の営業経験を積んだ後、98年に友人と共に起業。2000年1月に独立し、エリアリンク(株)として本格的なスタートを切った(01年3月、現商号に変更)。データベースマーケティングを駆使した営業力を武器に客付け・テナント誘致を行う仲介事業(成功報酬型ビジネス)を急拡大させ03年2月に東証マザーズに株式を上場した。
リーシング(客付け=仲介)に経営資源を集中。
会社設立から上場の数年間は、REIT(不動産投資信託)や不動産ファンドが全盛の時代と重なる。清原社長は、REITや不動産ファンド向けの開発ビジネスに魅力を感じつつも、そのリスクの大きさを懸念し、仲介に経営リソースを集中させた。不動産ファンドの成功のポイントは、デューデリ(買う前の調査)とリーシング(客付け・テナント誘致=仲介)と言われており、同社はリーシングに特化する事でリスクを限定しながら業容拡大を図る道を選んだ。
経営理念は「貸主・借主に徹底サービスを提供」。丁寧過ぎて断られた事も
経営理念は「貸主・借主に徹底サービスを提供」。上場当時は売上高のほぼ100%が仲介手数料で、貸主、借主のどちらに偏る事もなく、また大企業、中堅・中小企業にかかわらず、丁寧な接客サービス(不動産の紹介)を徹底した。ただ、人の心とはおかしなもので、丁寧過ぎると、逆に「裏があるのでは?」と不信感を持たれてしまう。今では、上場企業としてマツモトキヨシやドトール等の有力クライアントを抱える同社であり、最近はそういう苦労をしていないそうだが、当時は丁寧過ぎて断られた事が少なくなかったと言う。
サバイバル 同業が倒れる中、リーマン・ショックを乗り切った
日本の不動産業界は、米国サブプライムローン問題の波及、そしてリーマン・ショックと続き、大打撃を受けた。株式上場後も順調に業績を伸ばした同社だが、主要顧客の出店ペースの鈍化と外部環境の急変が重なり、業績はかなり急角度で下降線をたどった。利益は04/6期を、売上高は05/6期を、それぞれピークとし、不動産売買で底上げを試みたが、06/6期は市況悪化による特別損失の計上で1億39百万円の最終損失を余儀なくされた。このため、07/6期以降、グループをあげて構造改革に着手し、コスト削減を推進すると共に、収益性は高いが振れの大きい客付け・テナント誘致の仲介(成功報酬型ビジネス)から、経営基盤の構築に時間はかかるが、契約の積み上げで安定収益が期待できるビル管理・契約管理等のストック収入型ビジネスへ事業の軸足を移していった。
【ストック収入型ビジネス拡大の原動力となったパノラマクリーニング】
ストック収入型ビジネスを展開する上での同社の強みは、掃除・メンテナンスだけでなく、従来からの成功報酬型ビジネスで培った仲介(客付け・テナント誘致)やアフターフォロー(トラブル防止・解決、テナント折衝力)をワンセットできる事。
一にも二にも「掃除」を重視
ストック収入型ビジネスの拡大に向け、一にも二にも「掃除」を重視しており、そのバイブル的な存在となっているのが「パノラマクリーニング」である。「パノラマクリーニング」は、清原社長が実際に掃除サービスの現場を見て感じた課題を解決するべくまとめたもので、パノラマスケッチ、項目指示書、抜打ちチェック、月次報告書がパッケージになっている(次項参照)。足元、順調に拡大しているストック収入型ビジネスだが、11/6期下期の「パノラマクリーニング」の導入が事業拡大の機転となった(「名前はベタだが、ヒット商品」清原社長)。
顧客対応力
消防法上問題となる共用部分の不正使用等はビルオーナー等に共通の悩みであり、ビジネス上大きな問題だが、テナントの接点がないビルメンテナンス会社等で対応する事が難しく、逆にテナントとのトラブルになりかねない。同社グループは、仲介業務でテナントとの接点がある事に加え、従前からトラブル防止・解決やテナントとの各種折衝等をテナント誘致のサービスとして提供していた。
【サービスラインナップの拡充 -ビルコンシェルジェ(商標登録)、
他社との差別化は掃除や共用部のチェックだけにとどまらない。同社は更なる差別化のポイントとして挙げているのが、①"ビルコンシェルジェ"ブランドで展開するトラブルへの迅速対応、②賃貸借変更、及び③テナント誘致。いずれも需要の多さに注目して対応を強化すると共にサービス内容をブラッシュアップしてきた。
賃貸借変更、テナント誘致-】 【サブリースも順調に拡大】
ビルオーナー等からの高い評価を背景にサブリース(転貸)も拡大している。同社のサブリースの特徴は、ターゲットを1日の乗降客数が3万人以上の駅に絞り、その周辺の物件で1階部分に限定している事。サブリースは空室リスクを伴うが、同社は、人の流れが多い一等地(乗降客の多い駅周辺)に絞り込む事と、客付けで同社が強みを持つ小売業等に人気の1階部分に限定する事でリスクの顕在化確率を極小化している。サブリース事業開始から約3年半が経過した13年10月で45物件(うち2物件のみが最寄駅の乗降客が2万人/日)を扱っているが、解約が発生しても概ね1カ月程度で次のテナントが決まっていると言う(テナントが解約する場合は、6か月前までに同社に連絡する必要がある)。ただ、物件が一等地にあるだけに、ビルオーナー等からサブリース(転貸)の同意を得る事自体が難しい。優良物件があっても、同意を得られるのは20件に1件程度と言う(確率にすると5%程度)。
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2014年6月期第1四半期決算 |
前年同期比55.2%の増収、経常利益27百万円(前年同期は2百万円の利益)
売上高は前年同期比55.2%増の2億69百万円。契約の積み上がりでストック収入型が伸びた事に加え、事業環境の好転も追い風となり、成功報酬型ビジネスの立て直しも進んだ。
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2014年6月期業績予想 |
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