ブリッジレポート:(5162)朝日ラバー vol.24
(5162:JASDAQ) 朝日ラバー |
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企業名 |
株式会社朝日ラバー |
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社長 |
伊藤 潤 |
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所在地 |
埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
ゴム製品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2013年3月 | 4,789 | 135 | 139 | 76 |
2012年3月 | 5,010 | 243 | 211 | 72 |
2011年3月 | 4,806 | 161 | 117 | 21 |
2010年3月 | 4,667 | 125 | 91 | 41 |
2009年3月 | 4,904 | 46 | 14 | -80 |
2008年3月 | 6,284 | 414 | 325 | 211 |
2007年3月 | 5,314 | 399 | 375 | 176 |
2006年3月 | 4,578 | 366 | 353 | 209 |
2005年3月 | 4,057 | 251 | 251 | 147 |
2004年3月 | 3,449 | 233 | 211 | 112 |
2003年3月 | 3,154 | 172 | 159 | 75 |
2002年3月 | 2,907 | 98 | 85 | 10 |
2001年3月 | 3,582 | 315 | 336 | 189 |
2000年3月 | 3,140 | 313 | 300 | 141 |
株式情報(8/15現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【事業内容と主要製品】
事業は、自動車のスピードメーターや内装照明の光源向けの「ASA COLOR LED」や各種センサ向けのレンズ製品「ASA COLOR LENS」、或いは弱電製品に使われる応用製品、更にはスポーツ用ゴム製品(反発弾性、高摩擦抵抗等を追及した高品質の卓球ラケット用ラバー)等の工業用ゴム事業、点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケット等、使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品の医療・衛生用ゴム事業に分かれ、13/3期の売上構成比は、それぞれ79.2%、20.8%。今後は、白色レジスト材、RFIDタグ向け新製品、マイクロTAS製品などの新製品の販売拡大が期待される。 |
中期経営計画の進捗と今後の事業戦略 |
(1)進捗状況と今後の事業戦略
①照明関連事業 14/3期売上目標27億円(今期計画23.2億円)
車載用LED製品は、採用車種が増加しているものの、単価下落の影響を受けている。照明用LED製品は、発光効率を追求する開発競争の段階にあり同社が得意とするデザイン性を重視した製品の普及が遅れている。また、基板用反射材「ASA COLOR RESIST INK」も顧客ニーズを取り込みながら機能性アップを図った製品の開発を急いでいる段階。現在車載市場は、タッチパネル化やパネルのワイド化が進んでおり、LEDの均一・高輝度化、デザインの多様化、小型化などが求められている。また、アジア諸国との価格競争も激化している。今後は、車載用途ではLEDメーカーと協力しニーズを満たす新タイプのLEDを開発・用途提案していくことや、レンズや反射材を周辺部材とセットし付加価値を高める計画。また、より一層の原価低減に取り組み、製品競争力を高める。 また、照明用途では、低色温度、カスタム色、演色性領域などに対応し超高級照明分野でのシェアアップを図ることや、耐熱性や耐紫外性に優れたシリコーン特性が発揮できる分野での販売拡大を目指す。 ②医療関連事業 14/3期売上目標12億円(今期計画10.8億円)
初年度は大きく売上げを伸ばしたものの、顧客の在庫調整の影響で、採血用・薬液混注用ゴム栓の販売が減少した影響を受けた。今後は、新しいサイズの受注を獲得したプレフィルドシリンジ用ガスケット(薬剤が予め充填された注射器の気密性・液密性を持たせるために用いるシール材)やキャップにおいて、今年の7月頃設備を導入し下期の量産を目指す。また、薬品対応力を向上する材料や表面改質技術を深堀し、新製品の適用範囲の拡大を目指す。更に、事業部制を導入し、顧客連携強化と事業計画の策定を行う。 ③機能製品関連事業 14/3期売上目標23億円(今期計画19億円)
中国(東莞朝日精密橡膠制品)は現地活動が浸透し、自動車向けゴム製品が徐々に拡大しているものの、RFIDタグ向け新製品やマイクロTAS製品の量産が遅れている。今後は、受注が拡大してきたRFIDタグ用ゴム製品の増産体制の確立と製造工程改善による価格対応力の強化を計画。また、ポテンシャルの高いマイクロTAS製品は、来期以降の本格量産に備え、要素技術の深堀と生産技術の確立を目指す。 (2)設備投資
3ヶ年の設備投資として16億円を計画していたが、11.7億円程度になりそう。これは、変化のスピードが速い市場や顧客ニーズに臨機応変に対応し投資回収の実現性を第一に考え、投資を厳選した結果。
(3)マイクロTAS事業の展開
一つのチップもしくはデバイスで血液やDNAをはじめさまざまな液体や気体を分析する生化学分析デバイスであるマイクロTAS(Total Analysis System)の要となるマイクロ流体チップ事業の拡大を目指す。マイクロ流体チップは、基板に微細な幅と深さの流路を形成し、様々な生学的検体を流して試薬との反応や分析を行うチップで、化学・生化学分野において研究機関や実用現場で検出器具として使用されている。同社のマイクロ流体チップは、①ゴムの弾力性により安定した送液が可能、②積層化で流路を形成するため複雑な流路設計が可能、③独自の分子接着技術により耐久性・耐熱性・対候性に優れた微細な流路形成が可能、④既存のチップに比べて安価でスピーディな試作と大量生産が可能という特徴を有する。 同社では、2014年度からの本格量産開始とDNA解析、医療、生物工学などの市場への参入を予定している。 |
2014年3月期第1四半期決算 |
前年同期比13.4%の増収、同210.1%の経常増益
売上高は前年同期比13.4%増の1,381百万円。工業用ゴム事業は、円安により自動車業界の海外輸出が増加した恩恵を受け、海外向け中心に「ASA COLOR LED」を始めとする自動車関連製品が好調であったことに加え、スポーツ用ゴム製品の卓球用ラケット用ラバーや機能製品であるRFIDタグ用ゴム製品も堅調に推移したことから、同14.4%増加した。また、医療・衛生用ゴム事業も前期まで顧客の在庫調整等により販売が減少していたのとは一転し、受注が回復し同9.7の増収となった。利益面では、売上高の増加、中国子会社における生産性向上などにより、工業用ゴム事業のセグメント利益は同65.9%増加した。しかし、下期に量産化を予定している新規製品立上げによるコスト負担増加などにより医療用ゴム製品のセグメント利益は57.2%減少した。補助金収益の計上(9百万円)や円安進行による為替差益の計上(前年同期9百万円の差損から4百万円の差益に改善)などにより経常利益は同210.1%増と増益率が高まった。 |
2014年3月期業績予想 |
前期比10.7%の増収、同84.5%の営業増益予想
好調な第1四半期の結果を受け、中間期の業績予想は売上が期初予想の26億円から27億円へ、経常利益が期初予想の64百万円から1億15百万円に上方修正された。しかし、通期の業績予想は、売上高、利益ともに据え置きとなった。売上高は、前期比10.7増加の5,300百万円を計画。売上高の内訳は、工業用ゴム事業が同+9.9%の4,170百万円、医療・衛生用ゴム事業が同+13.5%の1,130百万円。工業用ゴム事業は、主力ASA COLOR LEDを中心とする自動車関連製品が単価下落により5%程度減少する計画であるものの、照明用のシリコーン応用製品やRFIDタグ用ゴム製品の販売増加と前期に顧客の在庫調整の影響で減少したスポーツ用ゴム製品の販売回復を見込んでいる。また、医療・衛生用ゴム事業は、前期に減少した採血用・薬液混注用ゴム栓の販売回復とプレフィルドシリンジ用ゴム栓の新しいアイテムの下期からの増産を見込んでいる。 利益についても、高収益の医療用ゴム製品とスポーツ用ゴム製品の売上増加を見込み営業利益以下の大幅な増益を計画。 設備投資は、照明関連事業(50百万円)、医療関連事業(190百万円)、機能製品関連事業(260百万円)を中心に約500百万円(13/3期410百万円)、減価償却費は400百万円(同371百万円)を計画。プレフィルドシリンジ用ゴム栓とマイクロTAS製品の量産設備への投資が主な支出。 配当も前期と同じ1株当たり8円(上期末3円、期末5円)の予想を据え置き。 |
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