ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

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ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.22

(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
宮本 雅弘 社長
宮本 雅弘 社長

【ブリッジレポート vol.22】2014年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「2013年5月30日、第37回定時株主総会後に行われた取締役会において、代表取締役社長を務めていた荻野芳朗氏が代表取締役会長に、常務取締役を務・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年7月30日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
宮本 雅弘
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年2月 24,063 915 974 570
2012年2月 21,587 982 1,066 591
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(7/5現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
750円 6,394,585株 4,796百万円 8.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.6% 97.43円 7.7倍 1,097.09円 0.7倍
※株価は7/5終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
ピックルスコーポレーションの2014年2月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、連結子会社7社及び持分法適用会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培(放射性物質の測定も実施)によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはISO9001、HACCPの取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。
13/2期の品目別売上構成は、製品売上が64.1%(浅漬・キムチ47.0%、惣菜14.5%、ふる漬2.6%)、商品(漬物)売上が35.9%。資本関係では、東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、取引はふる漬等の仕入がわずかにあるのみ(13/2期は仕入高全体の1.9%)。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、13/2期は同グループ向けの売上が全体の35.6%(12/2期は37.9%)を占めた。
 
【強み】
大ヒットしている「ご飯がススムキムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。
 
 
 
2014年2月期第1四半期決算
 
 
前年同期比4.7%の増収、同171.8%の経常増益
売上高は前年同期比4.7%増の64億93百万円。全国の製造・販売拠点を活用した営業活動やラジオCM等の広告宣伝活動に加え、売場提案等の販売促進活動を積極的に実施した結果、既存得意先への拡販や新規取引先の開拓が進み、「ご飯がススムキムチ」等のキムチ製品や惣菜製品等が好調に推移した。
 
利益面では、原料野菜の仕入価格が安定して推移した事で売上総利益率が25.6%と前年同期に比べて4.2ポイント改善。積極的な営業・販促活動やラジオCM等の広告宣伝活動に伴う販管費の増加を吸収して営業利益は4億40百万円と同150.4%増加した。持分法投資損益の改善(△4百万円→13百万円)や貸倒引当金の戻入(29百万円)による営業外損益の改善で経常利益は同171.8%増加。税負担率の低下で四半期純利益は3億円と同3.3倍に拡大した。
 
新製品 「ご飯がススムほろにがゴーヤキムチ」、「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」
この第1四半期は、国産ゴーヤを使用した「ご飯がススムほろにがゴーヤキムチ」(4月1日発売)や独自に研究した植物性乳酸菌・Pne-12(ピーネ12)を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」(5月1日発売)等の販売を開始した。
 
・シャキシャキのスライスゴーヤを、かつおだしのきいた和風キムチに仕上げた。
・かつお節とごま油で和えた“ほろにが”キムチは風味が良く、おつまみにぴったり。もちろん、ご飯のお供にも最適で、ゴーヤのほんのりとした苦味とふわっと香るかつお節の風味が食欲をそそる。
・ゴーヤ、大根、人参は全て国産原料を使用!
・初夏の期間限定商品で、希望小売価格は税込み248円(量目140g)。ちなみに、5月8日は「ゴーヤの日」でした。
 
・「ピーネ乳酸菌キムチ」は生きて腸まで届く植物性乳酸菌「Pne-12」を添加しつつも(1パックに50億の乳酸菌)、発酵による酸味を抑え、日本人好みの食べやすい味に仕上げた新しいキムチ。
・魚介の旨みたっぷりのコクとりんご等の甘みが効いた味付け。酸味はほんのりまろやかで、コクがありながらもすっきり食べられる。
・白菜は100%国産を使用し、希望小売価格は税込み268円(量目200g)。
 
この他、4月22日に関東地区限定で、「おつまみオクラ」、「おつまみ枝豆」、「おひたしそら豆」の3品を発売した(いずれもオープン価格)。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末比9億82百万円増の147億68百万円。好調な販売を受けて売上債権・仕入債務が増加した他、新製品投入に先立つ作り込みを含めた在庫投資で棚卸資産も増加。この他では、有形固定資産や純資産が増加する一方、有利子負債が減少した。有形固定資産については建設仮勘定(93百万円→3億29百万円)の増加が主な要因で、竣工間近の広島工場(子会社(株)ピックルスコーポレーション関西)にかかるもの。純資産の増加は四半期純利益(3億円)の計上等による。自己資本比率は47.5%。
尚、14/2期は広島工場への投資を中心に設備投資13億14百万円を予定しており、減価償却費4億52百万円が業績予想に織り込まれている(15/2期の設備投資は4億円に減少する見込み)。
 
 
2014年2月期業績予想
 
 
前期比4.6%の増収、同10.7%の経常増益予想
売上高は前期比4.6%増の251億80百万円。ラインナップの拡充と量販店の売場開拓で惣菜が伸びる他、キムチを中心に浅漬・キムチの堅調な推移が見込まれる。また、M&A効果でふる漬けの売上も増加する見込み。利益面では、営業及び開発部門を中心にした人員増強で販管費が増加するものの、増収効果と製品原価率の改善で吸収し、営業利益が10億18百万円と同11.2%増加する見込み。配当は1株当たり12円の期末配当を予定している。
尚、12年10月にメンマやザーサイの専門メーカーでメンマを使った惣菜製品等も手掛ける東洋食品株式会社(群馬県伊勢崎市)を子会社化した(95%出資)。12/8期の東洋食品(株)の売上は2億40百万円(営業利益6百万円)だったが、早期に5億円規模に拡大させたい考え。
 
 
(2)積極的な新製品投入
第2四半期以降も積極的に新製品を投入していく考え。6月には「今が旬の北海道産アスパラ漬」(発売日6月3日)、「紀州南高梅 減塩 はちみつ梅」及び「紀州南高梅 減塩 しそ梅」(同6月17日)、ピザーラとのコラボレーション商品「ご飯がススム エビマヨキムチ」(同6月17日)を発売した他、6月10日にはピックルスネットショップにて「ピックルスの夏ギフト」の受付を開始した。
 
今が旬の北海道産アスパラ漬
・北海道産のアスパラガスを下ゆでし、白しょうゆ、かつおぶしエキス等で味付けした。少し甘口に仕上げた調味液はシャキシャキ食感のアスパラガスと相性が良く、シンプルに北海道の旬を感じられる逸品です。
・オープン価格(量目100g)
 
紀州南高梅 減塩 はちみつ梅
・【塩分約3%】 現行品に比較して40%の塩分カット。塩分控えめでおいしさそのまま。上品なはちみつの甘さと梅の酸っぱさがしっかりと残っているので、いつもの梅干の代わりにどうぞ。
・希望小売価格498円(量目100g)
 
紀州南高梅 減塩 しそ梅
・【塩分約3%】現行品に比較して55%の塩分カット。塩分が気になる方に優しい梅干し。だけどおいしく召し上がれます。しその香りと味わいを残し、梅本来の味をいかした製法で漬けた。ご飯のお供としても満足していただける味わいが特徴。
・希望小売価格498円(量目100g)
 
ご飯がススム エビマヨキムチ
・宅配ピザ業界で店舗数No.1のピザーラと、「ご飯がススム キムチ」シリーズのコラボレーション商品第2弾。「ご飯がススム キムチ」の甘・辛・うまい味のベースはそのままに、香ばしい風味のエビのローストパウダー、コクと甘みのオニオンソテー、旨みたっぷりフライドガーリックを配合し、エビの風味豊かな洋風の味付けに仕上げた。そのまま食べても、パンにのせてトーストしても美味しい、新しいキムチの味です。
・更に、発売当初から12年間変わらぬ味の“ピザーラ特製オーロラソース”を別添。食べる直前にお好みに応じてどうぞ。エビのローストパウダー入りのコクのあるキムチと、トマトの旨みとチャツネのフルーティな香りが決め手の特製オーロラソースは相性バッチリ。
・希望小売価格258円(量目:はくさいキムチ 180g、添付ソース 8g)
 
 6月10日にピックルスネットショップにて「ピックルスの夏ギフト」の受付を開始
 
「ピックルスの夏ギフト」は同社ブランド商品を中心に自信を持っておすすめする15アイテムをラインナップ。全国無料配送(または宅配料込)でお届けします。またネットショップからの注文に限りインターネット割引(会員登録が必要)が適用され通常販売価格よりもお得。
 
URL     :http://www.e-pickles.jp/
注文の受付 :6月 1日(土)~8月 9日(金)
商品お届け :6月18日(火)~8月18日(日)
 
 
今後の注目点
2013年5月30日、第37回定時株主総会後に行われた取締役会において、代表取締役社長を務めていた荻野芳朗氏が代表取締役会長に、常務取締役を務めていた宮本雅弘氏が代表取締役社長に、それぞれ就任された。宮本社長は愛知県出身で、山梨大学工学部を卒業。1984年4月に東海漬物製造(株)に入社し、90年12月に(株)ピックルスコーポレーションに出向。99年2月に転籍し、以後、製造管理部長、取締役製造管理部長兼開発室長、常務取締役営業本部長兼開発室長を歴任された。
漬物市場は減少傾向にあるものの、同社が注力している浅漬・キムチは堅調に推移しており、市場全体の約半分を占めるに至った(食品新聞2012.08)。こうした市場の変化を捉えた事で同社の業績も大きく伸び、04/2期には2億68百万円だった営業利益が13/2期には9億15百万円に拡大。ここ数年は惣菜分野を含めた事業展開により浅漬・キムチに次ぐ成長因子も生まれており、既に説明した通り、今14/2期の営業利益は10億18百万円が見込まれる。新体制の下、一層の発展に取り組んでいく考えだ。