ブリッジレポート:(2708)久世 vol.7
(2708:JASDAQ) 久世 |
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企業名 |
株式会社久世 |
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社長 |
久世 健吉 |
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所在地 |
東京都豊島区東池袋2-29-7 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年3月 | 51,053 | 380 | 408 | 173 |
2011年3月 | 46,774 | 230 | 342 | 80 |
2010年3月 | 42,666 | 271 | 394 | 123 |
2009年3月 | 42,181 | 225 | 334 | 171 |
2008年3月 | 42,540 | 283 | 443 | 240 |
2007年3月 | 42,847 | 402 | 507 | 262 |
2006年3月 | 41,491 | 336 | 390 | 246 |
2005年3月 | 39,087 | 255 | 297 | 126 |
株式情報(6/19現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
グループは、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン、ニュージーランドでソース類の製造を手掛けるKISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITED(以下、KFI)、及び海外戦略の立案と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司の連結子会社4社と、中国での業務用食材卸売事業を目的に12年5月に設立した久華世(成都)商貿有限公司の非連結子会社1社。 【事業内容】
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、13/3期の売上構成比は、それぞれ、92.4%、7.4%、0.2%。また、販売チャンネル別(個別ベース)では、居酒屋・パブ30.8%、ディナーレストラン・ホテル・会館20.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリング16.9%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ31.6%。
食材卸売事業
取扱が難しい生鮮品を含めた業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約21,000アイテム。近年、PB商品や生鮮三品の取扱いに力を入れている。また、売上面、利益面で下期偏重である事も当事業の特徴である。
食材製造事業
キスコフーズ(株)及びKISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITEDが、ホテル、レストラン等向けの専門性の高いスープ、ソース、ブイヨン等の製造・販売を行っている。
【沿革】
1934年4月、現在本社を置く池袋にてトマトケチャップやソースの製造を開始。直販(中間流通を通さず飲食店等に直接販売)を特徴とするケチャップやソースのメーカーとして経営基盤を確立したが、トマト加工品の輸入自由化が進められた70年代に食材の卸事業にシフト。元来、直販メーカーとして飲食店等のユーザーと直接取引していた強みに加え、外食チェーン等の市場拡大も追い風となり事業が順調に拡大した。食材関連ビジネスに限定しつつも多角化に取り組み、79年8月には結婚式利用の増加で繁忙を極めたホテル厨房等を支援するべく、キスコフーズ(株)を設立して業務用高級スープやソースの製造を開始。89年7月には、トリュフ、フォアグラ等、高級食材の輸入・販売を目的にアクロス(株)を設立した(その後、吸収)。90年代には、中京地区、関西地区への拠点展開も進め、2001年9月にJASDAQに株式を上場。09年7月には、生鮮品の取扱い強化の一環として、生鮮野菜類の卸に特化した(株)久世フレッシュ・ワンを設立。11年5月には、ソース類の製造強化を目的に、キスコフーズ インターナショナル リミテッド(KISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITED)をニュージーランド、クライストチャーチ市に設立した。また2011年9月に、今後の海外戦略の拠点として、久世(香港)有限公司を設立した。更に12年5月に中国内陸部での業務用食材卸売事業を目的に、久華世(成都)商貿有限公司を設立した。 |
第2次C&G(Challenge and Grow for The Good Company)中期経営計画 |
(1)「第2次C&G経営計画」(13/3期~15/3期)
同社は10/3期に「C&Gプロジェクト(Change and Grow for The Good Company)」を立ち上げ、“三大都市圏No.1・お客様満足度No.1”の実現を目指し、「意識と行動の変化」に取り組んでいる。「C&Gプロジェクト」では、創業85周年を迎える20/3期に売上高1,000億円、営業利益20億円の達成を目指しているが、そのプロセスとして3年毎の「C&G経営計画」が策定され、現在、「第2次C&G経営計画」が進行中。今期は“change”を“challenge”に読み替えて、より高い目標に挑戦する。
(2)13/3期(初年度)レビュー
同社に加え、国内外の子会社の業績が順調に伸びた他、中国での事業基盤の整備も進み、計画を上回る売上・利益を計上した。
(3)14/3期の施策
取り組み方針として、①徹底的な攻めの営業、②すべての業務プロセスの品質向上、③海外事業展開の促進、④グループ力の強化、の4点を挙げている。
①徹底的な攻めの営業
円安と原料価格高騰に対応した粗利改善が急務であり、値上げを実施し浸透を図る。その上で、中京圏・関西圏での新規顧客開拓に全社で取り組む。また、「給食・惣菜営業部」を新設し、老人ケアやシルバー向け等、専門分野の強化を図る。この他、生産性の向上と競争力の底上げを図るべく、最新の物流システムを導入する事で精度の向上と効率化を進めると共に、独自性のある商品の販売を強化する(ノンフードPB新ブランド「キッチンサポート」の拡販等)。
②すべての業務プロセスの品質向上
同社は、10年に「久世グループ品質方針」及び、ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格)に基づいた久世グループの品質保証の仕組みである「久世クオス(久世QUALITY SYSTEM)」を策定し、改めて品質への取組みを開始した。現在、商品の品質だけでなく、営業、物流、受発注などサポート部門を含めた全ての業務プロセスの品質向上に取組んでおり、13年4月には、子会社キスコフーズ(株)がISO22000の認証を取得。同社自身も13年7月の認証取得を目指して取り組みを進めている。
③海外事業展開の促進
ニュージーランドで製造事業を手掛けるキスコフーズインターナショナル(KFI)は 設立2年目となる前期に黒字化を達成した。14/3期は更なる収益の拡大を図るべく、フランス料理やイタリア料理のベース材料となるフォンドヴォー(仔牛のブイヨン。ソースを作る際等に用いられる)やベシャメルソース(牛乳で作った白いソース)との増産に取組むと共に、東南アジアへの販路拡大の準備を進める(現在、生産量の98%が日本への輸出)。また、中国での食材卸売事業では、子会社久華世(成都)が、取扱商品を拡大し(肉、スパゲッティー、チーズ、ハム、鮮魚、タレ等)、現地の日本料理店に加え、西洋料理店、コンビニ、更には四川料理店の開拓を進める。一方、資本・業務提携先である上海峰二食品は新規顧客開拓(上海・蘇州・南京でのシェア拡大)と既存顧客の深耕に取組む。 ④グループ力の強化
キスコフーズ(株)は“スープ&ソースのソリューションカンパニー”を目指し、キスコブランド商品の開発と販売を強化すると共に(開発強化に向け、新テストキッチンをオープン)、ISO22000導入による品質向上と生産の効率化に取組む。また、KFIとのグループシナジーも追求する。
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2013年3月期決算 |
前期比9.8%の増収、同70.8%の経常増益
売上高は前期比9.8%増の560億60百万円。新規顧客の獲得と既存顧客との取引拡大で食材卸売事業の売上が519億10百万円と同8.7%増加。食材製造事業も、グループの販売力活用と各エリアで実施した提携先卸業者との連携強化が成果をあげ、売上が41億37百万円と同26.2%増加した。
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2014年3月期業績予想 |
前期比7.0%の増収、同2.9%の営業増益予想
「第2次C&G経営計画」(13/3期~15/3期)の2年目となる。施策として掲げている4項目(①徹底的な攻めの営業、 ②すべての業務プロセスの品質向上、 ③海外事業展開の促進、及び ④グループ力の強化)に注力する事で業績予想の達成を目指している。
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