ブリッジレポート
(4829) 日本エンタープライズ株式会社

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ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.23

(4829:東証2部) 日本エンタープライズ 企業HP
植田 勝典社長
植田 勝典社長

【ブリッジレポート vol.23】2013年5月期上期業績レポート
取材概要「スマートフォン対応が進み関連需要の取り込みが進んでいる。ちなみに同社のスマートフォン会員とフィーチャーフォン会員の比率は11年11月が6:94・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年2月5日掲載
企業基本情報
企業名
日本エンタープライズ株式会社
社長
植田 勝典
所在地
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8
決算期
5月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年5月 2,790 304 318 170
2011年5月 2,370 266 283 168
2010年5月 2,147 150 173 77
2009年5月 2,475 292 317 175
2008年5月 3,123 572 578 272
2007年5月 3,677 774 783 447
2006年5月 3,416 694 688 418
2005年5月 3,018 587 570 348
2004年5月 1,958 205 168 226
2003年5月 1,752 134 131 58
2002年5月 1,704 51 53 23
2001年5月 1,417 301 262 126
株式情報(1/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
10,190円 377,000株 3,842百万円 5.7% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
150.00円 1.5% 596.82円 17.1倍 9,797.78円 1.0倍
※株価は1/15終値。
 
日本エンタープライズの2013年5月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
モバイルソリューションカンパニーを標榜。コンテンツの自社開発にこだわり、音楽・ゲーム・デコメや生活実用系等のコンテンツを制作し携帯等に配信するコンテンツサービスと、企業のコンテンツ制作・運営、システム構築、アフィリエイト広告、更にはCDの制作・販売等を手掛けるソリューションが2本柱。コンテンツの自社制作により、版権を自社で保有すると共に、効率的なプロモーションと店頭アフィリエイトの自社活用による広告宣伝費の効率化で同業他社を上回る収益性を実現している(12/5期売上高経常利益率)。
 
海外展開
日本のコンテンツを世界へ広げるべく海外展開にも力を入れており、中国とインドでの事業展開では国内コンテンツプロバイダの中で先頭を走る。中国では2G、2.5G向けのゲームコンテンツ配信を手掛け、3Gの拡大を見据えた電子コミック配信サービスを育成中(中国の作家や出版業界との連携による携帯電話向け電子コミックの配信を既に開始)。インドでもスマートフォン・3G端末の普及を見据えた取り組みを進めており、11年12月に業務提携先のMAGNA社(インドのライフスタイルマガジンの大手出版社)が出版している雑誌の電子(iPadアプリケーション)配信を開始した。
 
グループ
グループは、モバイルコンテンツを手掛ける(株)ダイブ、レーベル事業等を手掛けるアットザラウンジ(株)、交通情報を中心にした情報提供とシステム開発の交通情報サービス(株)、Web・Mobileサイト開発・保守及びコンテンツ開発等の(株)フォー・クオリア、中国事業の統括に加え、日本向けコンテンツ制作受託を手掛ける因特瑞思(北京)信息科技有限公司、モバイルコンテンツの企画・開発・配信の北京業主行網絡科技有限公司、IT系の教育事業を手掛ける瑞思創智(北京)信息科技有限公司の連結子会社7社、及びモバイル向けコンテンツ配信やキャラクタライセンス事業の瑞思放送(北京)数字信息科技有限公司、インド現地法人NE Mobile Services(India)Private Limitedの非連結子会社2社。
 
 
【事業内容】
(1)事業内容
事業はコンテンツサービス事業とソリューション事業に分かれ、12/5期の売上構成比は、それぞれ54.9%、45.1%。
 
コンテンツサービス事業
携帯電話等のキャリア(移動体通信事業者)が運営するi-mode、EZweb、Yahoo!ケータイといったインターネットに接続が可能な携帯電話の公式サイトや、GREE、Mobage、mixiといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)へ自社開発したコンテンツを提供し、月額課金あるいはダウンロード課金制により、その代金をキャリア等から受取っている。中国・インドをターゲットとした海外事業にも取り組んでいる。
 
ソリューション事業
コンテンツサービスから派生したビジネス。モバイルサイト構築・運用業務、ユーザーサポート業務、デバッグ業務、サーバネットワークの運用・監視・保守、自社コンテンツの2次利用(以上、ソリューション)、他社コンテンツの制作・運営(ソリューションコンテンツ)、更には、広告(アフィリエイト広告:携帯電話販売代理店との協業による成功報酬型コンテンツ販売)、及び物販等を行っており、携帯電話はもちろん、パソコン等のあらゆるメディアに対応したソリューションを提供している。
 
(2)現況  スマートフォン対応の進捗と的確なM&Aで事業強化が進展
11年10月にCMS(Content Management System)やWeb・Mobileサイト開発・保守等の(株)フォー・クオリアを子会社化し、11年12月には交通情報の配信等を手掛ける交通情報サービス(株)を子会社化した。スマートフォン関連需要が本格的に顕在化してくるのはこれからだが、コンテンツの充実や開発スピードに加え、ソリューション能力の向上等で上記2社の貢献は大きく、連結決算に取り込んだ12/5期第2四半期以降、コンテンツのスマートフォン対応と相まって、日本エンタープライズ(株)の業績トレンドが一変した。
 
(株)フォー・クオリアは200以上の携帯公式サイトの開発実績を有する他、Web構築の簡素化を実現するCMSパッケージや自社デザイナーによる高度なWeb・モバイルコンテンツの開発に強みを持ち、日本エンタープライズ・グループのスマートフォン向けコンテンツの開発スピード・提供量・品質の充実に大きく貢献。連結対象となった13/5期第1四半期以降、コンテンツサービス事業において日本エンタープライズが消費者に提供するコンテンツの充実はもちろん、ソリューション事業における顧客向けコンテンツ開発で連結業績に寄与している。
 
また、交通情報サービス(株)は、93年7月に東京都と民間会社58社の半官半民で立ち上げた交通情報の提供会社で公益性も高い。①交通情報、交通関連情報、生活利便情報及び娯楽・文化・レジャー等の情報の提供、②上記情報提供に関する装置及びシステムの企画、開発、設計、製造、販売、工事、保守、リース等の関連サービスの提供、及び③前記各種情報等の利用等に関するコンサルティングを手掛けている。連結対象となった12/5期第3四半期以降、コンテンツサービス事業の拡大に貢献しており、ソリューション事業とのシナジーも期待されている。
 
 
 
2013年5月期の取り組み
 
国内事業においては、市場が拡大しているスマートフォン向けコンテンツの対応・強化を進めると共に、携帯電話販売会社との提携による広告事業(成功報酬型コンテンツ販売=店頭アフィリエイト)や有料会員サービス(アライアンス事業)の育成・拡大、更にはコスト削減ソリューション(中核サービスとしてインターネットを用いた高品質の購買調達システム「リバースオークション」の提供を開始した)に取り組んでいく。一方、海外事業においては、スマートフォンや3G端末の普及を見据え、軌道に乗りつつある中国及びインドでの事業の基盤固めを図る。
 
(1)国内事業
下のグラフが示すようにスマートフォン会員の新規獲得が進み、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)会員の減少分をスマートフォン会員の収益で補える体制が整ってきた。スマートフォン向けのアプリ・サイト開発に加え、交通情報、コスト削減、プラットフォーム運営、業務支援等、既存事業とのシナジーを追求しつつ新規事業を育成していく考え。
 
 
①コンテンツサービス事業
移動体通信事業者の定額制コンテンツ配信サービス(auスマートパス、YAHOO!プレミアム)に対して、音楽(うた&メロ取り放題☆)、デコメ(デコデコメール、デコメ★作り放題、えもじ★作り放題)、女性のキレイ・リズム、ATIS交通情報、ゲーム(GAME RUSH)の提供を開始した。auスマートパスやYAHOO!プレミアムでは移動体通信事業者による厳選されたコンテンツのみがラインナップされており、参入障壁が高い。先行メリットを活かしてユーザーを囲い込み収益基盤を早期に確立する。また、定額制コンテンツ配信サービスへのコンテンツ提供は、公式サイトで培ったコンテンツ資産の活用が可能であり(既存コンテンツの有効活用が可能)、収益性も高い。
 
「うた&メロ取り放題」はauスマートパス(webサービス)の人気ランキングにおいて、13年1月11日現在、人気ランキング1位を継続中。
(同社資料より)
 
また、携帯販売会社との協業によるアライアンス型月額課金事業も順調な立ち上げりを見せた。
今後は、Android向けで100万ダウンロードを突破している「女性のキレイ・リズム」のマネタイズ化を図ると共に、ソリューション事業との連携により、IP電話連携サービス、SNSアプリ、Webコンテンツのアプリ化等で新規アプリやサービスを拡充する。また、ゲームコンテンツの開発では「dゲーム」(NTTドコモのコンテンツ配信サイト「dマーケット」で提供されるゲームジャンル)への参入を予定している他、アプリツールの販売にも取り組む(ツール系・ゲーム系アプリで利用される機能を組み込み型・ASP型で展開)。
 
携帯販売会社との協業によるアライアンス型月額課金事業(アライアンス事業)
アライアンス事業では、月額課金サイトの販売(月額課金会員の募集・勧誘)を協業先である携帯電話販売会社(携帯ショップ)に委託し、販売時の成功報酬と月額課金収入を携帯電話販売会社とシェアする他、必要に応じてソリューション事業部門で協業サイトの構築にも対応していく。既に福利厚生サービス、コマース、グルメ、音楽、電子書籍等の月額課金サイトで事業を開始しており、13/5期上期のアライアンス事業の売上高は1億05百万円と前年同期の1百万円から大きく伸びた。
 
 
②ソリューション事業
クライアントの販売促進、売上拡大、業務効率改善、コスト削減、更には顧客満足度向上を多角的に支援していく事で、ソリューション及びソリューションコンテンツを中心に事業の拡大を図る考え。
この一環として、コスト削減ソリューション「リバースオークション」を新たに立ち上げた他(既に実績も残している)、クライアントの販売促進を念頭に置いた広告事業もスマートフォン市場拡大の波に乗り順調に売上が増加している。
 
 
コスト削減ソリューション「リバースオークション」
「リバースオークション」は、インターネット上で一定時間内に複数の販売業者に繰り返し最安値を競わせる購買調達システムであり、物品等の調達コストの抑制と業務効率化に寄与する。既に企業や官公庁・教育機関等で幅広く導入され、コスト削減の成果をあげている。「リバースオークション」を利用した調達は、従来の調達で必要だった「見積依頼」、「見積提出」、「見積査定」、「価格交渉」の4つのフェーズを省略でき、かつ限界までのコスト削減効果が見込める上、取引の透明性・公平性も高い。一般的に「リバースオークション」は、オークション・システムを提供している企業が購買者の代わりにシステム操作を行うが、同社のサービスは購買者自身がシステムを操作するため代行に係るコストが発生しない(オプションとして用意されているコンサル契約により支援を受ける事ができる)。また、 販売業者には手数料がかからない。既に官公庁、教育機関、民間企業等で幅広く採用されており、採用件数は、経済産業省、東北大学、(株)ドクターシーラボなど約30件に上る。
尚、企業向けにモバイルコンテンツのソリューション提供を行っている同社だが、「リバースオークション」はパソコン向けのサービスである。スマートフォンの本格的な普及に伴う携帯電話とパソコンとの領域の重複・統合を見据えたもので、ソリューション事業の新たな事業の柱とすべく同事業を開始した。
 
 
広告事業
広告事業では、コンテンツプロバイダからアプリ等の販売代理権を取得し、実際の販売を携帯電話販売会社(携帯ショップ)に委託する事で販売手数料をシェアする。フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行期の今が新たな契約を取り込むチャンスであり、スマートフォン関連の売上が順調に拡大している。実際、13/5期上期の広告事業の売上高は3億52百万円と前年同期の1億36百万円から大きく伸びた。
 
 
(2)海外事業
中国とインドにおいてモバイル関連事業を展開しており、このうち中国では2G、2.5G向けゲームコンテンツを配信しつつも、3G回線及びスマートフォン端末の拡大を見据え、電子コミックの配信やツール・ゲームの配信、更には継続収入型のソリューションビジネスの育成に取り組んでいる。12年12月には、コンテンツ販売との中長期でのシナジーを念頭に、大手移動体通信キャリアの携帯ショップ運営にも乗り出した。
また、インドにおいても、3G回線及びスマートフォン端末の普及を見据えた取り組みを進めており、映画関連雑誌「STARDUST」の電子書籍配信(iPadアプリケーション)サービスを行っている。
 
①中国事業
電子コミック配信
「九鼎記」のヒットで電子コミック配信が拡大している。中国の作家や出版業界と連携しながら携帯電話向け電子コミック(漫画)の配信を手掛けており、中国ローカルの漫画を電子化し配信してきた(日本の漫画コンテンツの保有者が中国展開に消極的だったため)。品質面での問題等からこれまでヒット作に恵まれなかったが、今回、中国の人気小説「九鼎記」を漫画化したところ大ヒットとなった。現在、加入者7億人を誇り中国の移動体通信トップとされる中国移動(China Mobile)にコンテンツを提供しているが、今後、同国第2位とされる中国聯通(China Unicom)、第3位とされる中国電信(China Telecom)等へも配信を拡大させていく計画。また、「九鼎記」と同じビジネスモデルで新たな電子コミックの開発も進めている。
この他日系企業の相次ぐ撤退によりビジネスチャンスが拡大しているツール・ゲームで、アプリケーションストアへの配信が拡大しており、また、継続収入型のソリューションビジネスでは中国の教育会社からタブレットを活用した教育アプリ開発の受注に成功した。
 
「携帯ショップ」展開
リアル店舗出店による新たな事業の創造や販売ノウハウ(日本式おもてなし、体験型店舗、日本の先進的デザイン等)の提供に加え、中長期での店頭アフィリエイト(コンテンツ販売)事業の展開も念頭に、中国電信との提携の下で携帯ショップ運営に乗り出した(事業主体は因特瑞思(北京)信息科技有限公司)。12月1日に第1号店「東方路店」(上海市浦東地区)をリニューアルオープンし(運営を引き継ぎ、新たにオープン)、現在、第2号店「古北店」(2月に新規オープンを予定)の準備を進めている。
 
②インド事業
現地の出版大手MAGNA社と業務提携し、同社が出版している映画関連雑誌「STARDUST」の電子書籍配信を11年12月20日に開始した。現在、プロモーションの強化と配信先プラットフォームの拡充(Google Play等)に取り組んでおり、取扱雑誌の拡大を図るべく雑誌社各社との関係強化にも力をいれている。
 
 
2013年5月期上期決算
 
 
前年同期比53.3%の増収、同33.2%の経常増益
売上高は前年同期比53.3%増の19億7百万円。前期に子会社化した交通情報サービス(株)がフルに寄与した事や、携帯電話販売会社との共同展開による有料会員サービス(アライアンス)の順調な立ち上がりでコンテンツサービス事業の売上が9億96百万円と同58.8%増加。広告(店頭アフィリエイト)やスマートフォン用アプリ・サイト関連を中心にソリューション及びソリューションコンテンツが伸びたソリューション事業の売上高も9億10百万円と同47.7%増加した。尚、第2四半期(9-11月)は四半期ベースの売上高が初めて10億円を超えた。
 
営業利益は同35.4%増の1億89百万円。アライアンスやスマートフォン向け受託開発など相対的に原価率の高いサービスや商品の売上構成比が上昇したため売上総利益率が低下。交通情報、アフィリエイト、広告での広告宣伝費の増加や前期に実施したM&A(交通情報サービスやフォー・クオリア)の影響で販管費も増加したが増収効果で吸収した。
 
 
 
コンテンツサービス事業
売上高9億96百万円(前年同期比58.8%増)、セグメント利益2億75百万円(同16.0%増)。前期の第3四半期(12-2月)に連結対象となった交通情報サービス(株)の寄与(売上高3憶03百万円)に加え、前期に開始したアライアンス(携帯電話販売会社と共同展開する有料会員サービス)も伸びた(1百万円→1憶05百万円)。また、移動体通信事業者の定額制コンテンツ配信サービス(auスマートパスやYAHOO!プレミアム)へのコンテンツ提供で音楽やデコメ(メール・カスタム)等にも底打ち感が出てきた。
 
 
ソリューション事業
売上高9億10百万円(前年同期比47.7%増)、セグメント利益1憶84百万円(同14.9%増)。スマートフォン向けがけん引役となり、広告、ソリューションコンテンツ、及びソリューションの売上が増加。具体的には、携帯電話販売店との協業によるスマートフォン向け広告(店頭アフィリエイト)の売上が前年同期の1憶36百万円から3憶52百万円に拡大した他、(株)フォー・クオリアの連結子会社化もあり、スマートフォン用アプリ・サイトを中心にソリューションやソリューションコンテンツの売上も増加。コスト削減ソリューションの一環として提供を開始したインターネットを用いた高品質の購買調達システム「リバースオークション」も順調に立ち上がった。
 
 
 
上期末の総資産は前期末比11億50百万円増の47億27百万円。科目別では、借方で、好調な業績を反映して現預金が増加した他、保有有価証券の一部が急騰する等で投資有価証券が大幅に増加(2億60百万円→10億81百万円)。貸方では、純資産を中心に前受金や繰延税金負債が増加した。流動性に富み、かつ無借金の健全経営が維持されており、自己資本比率は78.1%。
 
CFの面では、利益の増加に加え、売上金の回収が早いコンテンツサービスが大きく伸びた事で営業CFが大幅に増加。定期預金及び長期預金の払い戻しの減少で投資CFが減少したものの、3億73百万円のフリーCFを確保した。
 
 
 
2013年5月期業績予想
 
 
前期比47.6%の増収、同25.8%の経常増益
上期決算を踏まえて通期の業績予想を上方修正した。コンテンツサービス事業、ソリューション事業共に売上が期初予想を上回る見込み。前者では、有料サービスの会員獲得が進んでいるアライアンスが、後者では携帯電話販売会社との協業による広告(店頭アフィリエイト)が、それぞれけん引役となる。売上の増加に伴って売上原価が増加する他、人件費や広告宣伝費を中心に販管費も増加するものの、増収効果で吸収して営業利益は3憶90百万円と同28.2%増加する見込み。
配当は1株当たり20円増配の期末150円を予定している。
 
 
 
今後の注目点
スマートフォン対応が進み関連需要の取り込みが進んでいる。ちなみに同社のスマートフォン会員とフィーチャーフォン会員の比率は11年11月が6:94だったが、1年後の12年11月は45:55。新聞報道等によると、携帯電話の契約台数に占めるスマートフォンの比率が35%程度との事なので、市場平均を上回る会員獲得ペースであると推測される。同社の売上のピークは07/5期で、以後、新たな事業の育成が課題となり苦戦が続いていたが、ここにきて成長軌道への回帰に向けた体制が整ってきた。楽曲を自ら保有し事業展開を進めた音楽配信等に比べると、売上総利益率の水準は低くなるが、事業展開の余地がはるかに大きいため、収益性の高さが遠からず営業利益率に反映されてくるものと思われる。13/5期は売上高が大きく伸びるものの、業績の拡大は緒に就いたばかりである。