ブリッジレポート:(2157)コシダカホールディングス vol.9
(2157:JASDAQ) コシダカホールディングス |
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企業名 |
株式会社コシダカホールディングス |
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社長 |
腰髙 博 |
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所在地 |
群馬県前橋市大友町1-5-1 |
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決算期 |
8月末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年8月 | 33,746 | 4,077 | 4,096 | 2,279 |
2011年8月 | 29,093 | 3,356 | 3,336 | 2,877 |
2010年8月 | 21,932 | 2,503 | 2,579 | 1,125 |
2009年8月 | 18,955 | 1,496 | 1,427 | 549 |
2008年8月 | 13,649 | 691 | 731 | 421 |
2007年8月 | 11,332 | 535 | 561 | 134 |
2006年8月 | 8,878 | 552 | 560 | 319 |
2005年8月 | 6,360 | 403 | 400 | 233 |
2004年8月 | 3,552 | 340 | 337 | 192 |
2003年8月 | 2,037 | 104 | 99 | 57 |
株式情報(10/18現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
【沿革】
1954年に都内で飲食店として創業し、64年に現在本社のある群馬県前橋市に移転。67年に(有)新盛軒として法人組織に改組した。会社が大きく変わり始めたのは、現在、社長を務める腰髙博氏に実質的な経営権が委ねられてから。博氏のリーダーシップの下、90年にカラオケボックス事業に参入。レーザーディスクを使ったスナックやバー等でのカラオケから通信システムを活用したカラオケボックスへ需要がシフトする流れをつかみ事業を軌道に乗せた。95年8月の腰髙博氏の社長就任以降は、不況等で廃業するカラオケボックスを利用する出店モデル(居抜き出店)を開発し業容を拡大。2000年3月に(株)コシダカに組織及び名称を変更した。
【事業セグメントとグループ】
(1)事業セグメント
事業は、「カラオケ本舗まねきねこ」(郊外中心)や一人カラオケ専門店「ワンカラ」(都心や地方都市の繁華街で展開)を運営するカラオケ事業、“女性専用30分健康体操教室”として中高年齢層をターゲットに女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」を展開するカーブス事業、新規事業として育成中の温浴事業(各種の温浴設備を備えた施設の運営。「居抜き出店方式」のノウハウを活用し店舗展開)、及び不動産管理事業等のその他に分かれる。12/8期の売上構成比は、カラオケ事業54.9%、カーブス事業33.5%、温浴事業2.1%、ボウリング事業8.8%(12年10月に撤退)、その他0.7%。
(2)グループ
グループは、純粋持株会社である(株)コシダカホールディングスと、カラオケ事業、カーブス事業、温浴事業、及び不動産管理や知的財産管理を手掛ける連結子会社7社及び韓国でカラオケ事業を手掛ける非連結子会社1社。カラオケ事業は(株)コシダカが国内で323店舗を展開しており、(株)韓国コシダカが韓国ソウル市内で2店舗を運営。カーブス事業は、中間持株会社(株)カーブスホールディングスの下、連結子会社(株)カーブスジャパンが女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」のFC本部の運営と直営店展開を手掛け、連結子会社(株)北海道コシダカ及び(株)シュクランがフランチャイジーとして直営店を多店舗展開している。また、11年11月に多店舗展開を本格化した温浴事業は(株)コシダカが新規事業として育成中の事業であり、6店舗を展開している(店舗数は、いずれも12年8月末)。
【強み】
同社の強みは、成熟した国内市場にあっても高い成長を可能にする業態開発力と、今後の更なる成長が期待できるアクティブシニア層向けマーケットでの実績。カラオケやフィットネスと言った既に社会に存在し誰もが知っている業種において、視点や取り組み方を変えると共に新たな顧客層をターゲットとする事で新しい業態を開発し(新たなサービスや運営手法を生み出し独自のビジネスモデルを確立)、08/8期以来、増収増益を続けているのはその証左である。また、地域密着の事業展開が、アクティブシニア層の開拓はもとより、ファミリー層等の取り込みにつながっており、そのノウハウや経験が大きな財産となっている。加えて、カラオケ事業の成功の一因でもある「居抜き出店」の実績を積み上げてきた事で、施設の再生や企業の再生といった面でもノウハウと経験の蓄積が進んでおり、育成中の温浴事業や黒字化に目処を付けた後に売却(12年10月)したボウリング事業においては、こうした「再生」ノウハウが地域密着による顧客開拓手法と共に活かされている。 |
成長戦略 総合余暇サービス提供企業としてグループ売上高1,000億円を目指す |
(1)「既存業種新業態」の開発
「既存業種新業態」戦略とは、既に社会に存在し誰もが知っている業種において、視点や取り組み方を変えると共に、従来と異なる新たな顧客層をターゲットとする事で全く新しいサービスや運営手法を生み出し、独自のビジネスモデルを確立していく事業手法(「既存業種新業態」と言う言葉自体は他でも使われる事があるが、この場合は同社独自の事業概念である)。
一人専用のカラオケ「ワンカラ」
現在、カラオケ事業で育成中の一人カラオケ専門店「ワンカラ」は「既存業種新業態」の一例。通常、カラオケはグループで利用するが、「ワンカラ」は純粋に「歌う」事を追求した一人専用のカラオケボックス(楽器演奏の練習等に使用される事も少なくないようだ)。
女性専用30分健康体操教室「カーブス」
また、“女性専用30分健康体操教室”として順調に拡大しているカーブス事業は、「既存業種新業態」の概念に沿ったもの。フィットネス自体は珍しくないが、ターゲットとする客層、施設等で従来のフィットネスとは一線を画しており、「アクティブシニア層」及び「地域密着」をキーワードに、買収後に同社が花開かせた(同事業では、50代以上の女性が会員数の76.7%を占めている)。
(2)数値目標
内需関連ビジネスを手掛ける企業の事業環境は総じて厳しいものの、68兆円と言われる国内余暇市場は同社にとって無限とも言える広さ。しかも、団塊の世代(1947年~49年までの間に出生した世代)が75歳を迎えるまでの向こう10年程度は更なる市場拡大が見込まれている。
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2012年8月期決算 |
前期比16.0%の増収、同22.8%の経常増益
売上高は前期比16.0%増の337億46百万円。店舗数及び会員数共に大きく伸びたカーブス事業の売上が同34.3%増加した他、東日本大震災後の「安・近・短」志向の高まりが追い風となり主力のカラオケ事業の売上も同6.6%増と堅調に推移した。
カラオケ事業
売上高は前期比6.6%増の185億43百万円、セグメント利益は同18.6%増の26億92百万円。新たに13店舗(前期:15店舗)を出店する一方、5店舗(同9店舗)を閉鎖した結果、期末店舗数は前期末比8店舗増の323店舗。
カーブス事業
売上高は前期比34.3%増の113億20百万円、セグメント利益は同57.6%増の19億6百万円。期末店舗数は前期末比159店舗増(15.3%増)の1,197店舗(内グループ直営店42店舗)、会員数は104千人増(25.9%増)の503千人。閉店店舗はわずか1店舗にとどまった。
温浴事業
売上高が6億95百万円と前期比298.7%増加したものの、セグメント損失が前期の36百万円から3億54百万円に拡大した。増収ながら、損失が拡大したのは「居抜き出店方式」のノウハウを活用した多店舗展開が本格化したため。具体的には、新店の寄与(4億96百万円の増収要因)で売上が大きく伸びたものの、営業費用が同8億39百万円増加した。主な増加要因は、水道光熱費1億39百万円、地代家賃1億31百万円、人件費2億13百万円、開店諸費用1億30百万円。
売上原価 11/8期:1億99百万円 → 12/8期:9億77百万円
販管費 11/8期: 11百万円 → 12/8期: 72百万円 |
2013年8月期業績予想 |
前期比6.5%の増収、同21.7%の経常増益
売上高は前期比6.5%増の359億54百万円。ボウリング事業の売却が29億61百万円の減収要因となるものの、認知度の向上に加え、会員募集のノウハウ蓄積が進んでいるカーブス事業の売上が同15.8%増と伸びる上、新規出店とリニューアル効果でカラオケ事業の売上も同8.9%増加。温浴事業は新規出店と前期の第4四半期に出店した都内及び郡山(福島県)の大型物件の寄与で売上が同3倍弱に拡大する見込み。利益面では、カラオケ事業、カーブス事業共に増収効果で利益率が改善。先行投資負担が重い温浴事業も大型施設の軌道化等で損失が縮小し、営業利益は49億50百万円と同21.4%増加する見込み。 配当は1株当たり10円増配の年40円を予定している(上期末20円、期末20円)。 カラオケ事業
売上高201億97百万円(前期比.8.9%増)、セグメント利益29億96百万円(同11.3%増)を見込む。新規出店は「カラオケ本舗まねきねこ」及び「ワンカラ」の両業態で12店舗を計画しており、既存店45店舗でリニューアルを実施する計画。
カーブス事業
売上高131億6百万円(前期比15.8%増)、セグメント利益22億84百万円(同19.8%増)を見込む。新規出店はFC及び直営で130店舗を計画。
温浴事業
売上高20億75百万円(前期比198.6%増)、セグメント損失2億58百万円(前期は3億54百万円の損失)を見込む。収益力の強化に向けた効率的なオペレーションの確立や省エネ化の推進に取り組む。また、統一したマニュアルの下での店舗オペレーションを確立するべく、人材育成プログラムを導入し社員教育を徹底する。
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