ブリッジレポート:(4783)日本コンピュータ・ダイナミクス vol.27
(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス |
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企業名 |
日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社 |
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社長 |
下條 治 |
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所在地 |
東京都品川区西五反田 4-32-1 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年3月 | 11,272 | 252 | 307 | 68 |
2011年3月 | 10,658 | -83 | 11 | -113 |
2010年3月 | 11,542 | 56 | 129 | 26 |
2009年3月 | 12,521 | 415 | 460 | 212 |
2008年3月 | 9,539 | 553 | 581 | 315 |
2007年3月 | 9,292 | 261 | 315 | 186 |
2006年3月 | 8,851 | 409 | 424 | 199 |
2005年3月 | 7,607 | 321 | 348 | 228 |
2004年3月 | 7,570 | 340 | 368 | 160 |
2003年3月 | 6,859 | 322 | 283 | 74 |
2002年3月 | 6,168 | 293 | 292 | 152 |
2001年3月 | 5,088 | 247 | 182 | 46 |
2000年3月 | 4,447 | 307 | 339 | 149 |
株式情報(6/15現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
グループは、同社及び(株)日本システムリサーチ、天津恩馳徳信息系統開発有限公司、及び(株)ゼクシスの連結子会社3社(いずれも出資比率100%)。社名の"日本コンピュータ・ダイナミクス"には、「コンピューターをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)」と言う創業時の思いが込められている。 <長期継続を特徴とする顧客資産が強み>
システム開発事業やサポート&サービス事業では、長期継続を特徴とする優良な顧客資産が同社の強みの一つ。主な取引先として、東京ガス、西部ガス、富士ゼロックス、商船三井、メットライフ アリコ、高砂熱学工業、三井住友海上火災、角川GHD、日本水産、エスアールエル、福岡県庁等を挙げる事ができる。
<顧客業界と同社が手掛けるシステム>
エネルギー業界 調停システム、資産管理システム等 保険業界 管理システム、クレーム管理システム等 運輸業界 管理システム、倉庫管理システム等 出版業界 著作権管理システム、権利収入管理システム等 全業界 会計システム、人事システム等 <IT企業としては異色のパーキングシステム事業で社会貢献>
駐輪場の設計、ラックや精算機の開発、更には運用までを一貫して手掛けている。時間貸し駐車場の自転車版とも言える事業だが、駐輪場の売上は自転車1台を1日駐輪して100円程度。このため、コンピューターを使うには安過ぎて採算が合わないと言われ、IT業界とは縁の無い世界だった。しかし、自治体等からのシステム開発に対する強い要望に加え、放置自転車問題が深刻化する中で社会貢献の意味もあり参入。先行企業としての優位性と業界No.1の実績に基づく提案力を強みとしており、現在、同社を語る上で欠く事のできない事業となっている。
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2012年3月期決算 |
前期比5.8%の増収、経常利益は同約25倍
売上高は前期比5.8%増の112.7億円。経常利益は同約25倍となる3.0億円。システム開発事業とサポート&サービス事業では、独立していた営業部と生産部門を統合することでさまざまな顧客要求に迅速かつ適切に対応できる体制を構築した。顧客の事業継続計画におけるリスク分散対策として、運用拠点を地方に分散移転することに伴い、長崎に営業拠点を開設した。パーキングシステム事業では前期までの2営業部制から営業部を統合することで営業効率を高めた。また、駐輪場の設計、管理、運営についても、一部署に集約することで処理の効率化を進めた。配当は1株当たり5円の期末配当(年10円)を予定している。
子会社の動向
関西を営業地盤とする(株)ゼクシスは主要顧客からの受注が順調に推移し、売上・利益において前期比増収増益となった。(株)日本システムリサーチは、派遣事業の他にアジア進出日本企業の海外事業所に対するIT支援に挑戦するなど、売上は伸びたが、一部経費増があり利益を圧迫された。
システム開発事業
売上高は55.1億円で前期比1.0%増加、売上総利益は7.5億円と同2.6%増加した。上期には震災の影響等により企業業績が不透明となったため、予定していた案件の延期や保守経費の削減要求があり、業務量不足による技術者の待機状態が発生した。しかし、年度後半にかけて、震災からの復旧に伴い企業業績が見通せる状況になってきたことや、組織改変によって営業と生産の連携が強化され、案件の発掘や顧客要求に迅速に対応できた。これにより、主要顧客や関連企業からの受注が確保でき、順調に収益を上げることができた。新規顧客獲得においても、パッケージソリューションによる問題解決提案が功を奏し、成果を上げることができた。また、複数のベンダーが係わった大規模プロジェクトにおいて、当初の予定より大幅に作業量が膨らみ、収益を圧迫することもあったが、製販あわせた努力により限定的な影響で収束させることができた。
サポート&サービス事業
売上高は前期比12.3%増の23.4億円、売上総利益は同13.7%増の3.2億円。主要顧客からの増員の要請もあり、受注が順調に進んだ。また、システム開発事業の顧客に対して当事業のサービスを提供することで業務領域を拡大することができた。顧客のITインフラ全体をサポートするマネージドサービスセンター事業等においては既存の事業において概ね順調に推移した。
パーキングシステム事業
売上高は前期比9.9%増の32.9億円、売上総利益は同132.0%増の6.8億円。組織改変による営業部内の連携強化で、優良な駐輪場や過去最大となるショッピングセンターの駐輪場を受注したことで、大幅に売上・利益を押し上げた。また、今まで管理運営していた駐輪場に対する機器の入れ替えが順調に進んだことや、代理店売上も順調に伸びたことも業績向上に貢献した。前期からの課題であったサポートセンターの経費削減やリスク分散は対応が済み、駐輪場の管理コスト低減策も効果が出てきており、大幅な増益となった。新規事業として期待の自転車貸出事業であるエコポートは広島での長期実験を進めているが、当期の収益に対する影響は軽微であった。尚、「エコポート事業」とは、サービス地域を定め自転車の有料貸し出しを行うサービス。自転車の貸し出し・返却の拠点をサービス地域内に複数箇所設置し、利用者は各拠点の自転車を自由に利用・返却でき、利用時間に応じて料金を払う(一般的には「コミュニティサイクル」と呼ばれている)。 (3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比9.4億円増の99.1億円。パーキングシステム事業の拠点の増加で、リース債権・リース投資資産及びリース債務が増加する一方、利益の積上げや棚卸資産減少により現預金が増加した。CFの面では、損益の好転を主因に営業CFが増加、設備投資の増加による投資CFのマイナス幅拡大をカバーしてフリーCFは前期比9.5倍の10.3億円となった。財務キャッシュ・フローのマイナス幅が縮小したこともあり、現金及び現金同等物の期末残高は25.2億円と前期末比9.0億円増加した。
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2013年3月期業績予想 |
前期比2.0%の増収、14.0%の経常増益を予想
企業業績の回復とともにIT投資も増加してくるが、状況は不透明で厳しい受注状況が続くと見ている。システム開発事業とサポート&サービス事業統合した組織としIT関連事業とする。同事業では、ワンストップサービスの充実による業務領域の拡大、パーキングシステム事業では次世代自転車関連事業の創出や事務コスト低減により受注競争を優位に進める方針。子会社においては、(株)ゼクシスは長期取引を行う優良顧客から安定した受注が見込まれることに加えて、当該関連会社からの受注の可能性が広がっており、12.3期以上の業績を見込む。(株)日本システムリサーチも、一般派遣に範囲を広げたことで受注は広がり、加えてアジアに進出する日本企業の現地子会社に対する開発のサポート等幅広く営業展開し12.3期以上の業績を見込んでいる。配当は1株当たり年10円を予定(上期末配当5円を含む)。尚、13/3期上期の業績予想は未定。
(2)セグメント別の取り組み
IT関連事業では12.3期同様少ない案件に多数のIT企業が受注競争を繰り広げることが予想される。こういった状況の中、システム開発事業とサポート&サービス事業の統合により、顧客へのアプローチを多面的に行える形となった。新規顧客獲得に関しては、今までの同社の強みとして長年にわたって顧客密着型で提供してきた顧客へのサービスをパッケージソリューションやクラウドコンピューティングも考慮したサービスの提案等で受注確度が高まる見通し。また、システム開発事業とサポート&サービス事業が別々に営業してきたものを統合し、ワンストップサービスを充実させることで、業務領域の拡大を図る。パーキングシステム事業では、環境意識の高まりやガソリン価格の高騰により自転車の利用が促進され、駐輪場の整備やコミュニティサイクルなどの貸し自転車に対する要求が高まると見込まれる。しかし受注競争も激化することが予想される。同社は次世代の自転車関連事業の創出や、収益基盤を確立するための事務コストの低減に取り組み、筋肉質な体制を構築することで受注競争を優位に進め、収益を高める見通し。
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役員の異動(12年6月22日付) |
(1)新任取締役
取締役 仙北谷 哲男 (社外取締役)
(2)退任取締役
取締役 下條 武男 (取締役名誉会長)取締役 松本 一明 (取締役執行役員) 取締役 石野 秀樹 (取締役執行役員) 取締役 齋藤 勝 (取締役執行役員) 取締役 山本 佳志 (社外取締役) 取締役 寺内 吉孝 (取締役) |
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