ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.21
(4323:東証2部) 日本システム技術 |
|
||||||||
|
企業名 |
日本システム技術株式会社 |
||
代表取締役社長 |
平林 武昭 |
||
所在地 |
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7 |
||
決算期 |
3月 末日 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年3月 | 9,027 | 284 | 327 | 135 |
2011年3月 | 8,990 | 211 | 264 | 216 |
2010年3月 | 9,322 | 456 | 497 | 300 |
2009年3月 | 10,449 | 806 | 852 | 447 |
2008年3月 | 10,705 | 931 | 945 | 426 |
2007年3月 | 9,711 | 389 | 405 | 138 |
2006年3月 | 7,917 | 111 | 125 | 605 |
2005年3月 | 8,189 | 522 | 502 | 319 |
2004年3月 | 7,767 | 540 | 537 | 67 |
2003年3月 | 7,064 | 676 | 635 | 194 |
2002年3月 | 6,939 | 658 | 606 | 181 |
2001年3月 | 6,285 | 834 | 814 | 282 |
株式情報(6/1現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
<特徴>
1.理念重視の経営
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。 また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービスであり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することにしている。 (経営理念の基本的考え方)
「天爵を修めて人爵これに従う」=天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられる。人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。
2.広範な情報サービスの提供
メーカーや系列等一切の成約を受けず、自由な立場で広範な分野のサービスを提供することが出来る。
(サービス内容)
1.ソフトウェア開発2.システムコンサルテーション 3.システム管理運用 4.システムインテグレーションサービス 5.ソフトウェアパッケージの開発・販売 6.情報機器の販売、ネットワーク構築 (事業セグメント)
1.ソフトウェア事業(ソフトウェアの個別受託開発) ⇒ SIerの側面
戦略的大学経営システムの開発・販売、導入支援、保守等
ハードウェア・ソフトウェアパッケージの販売、保守、ネットワーク構築等
3.大手優良企業群との長期取引
下表のように、大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引である。
長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのため不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない、と会社側は述べている。
4.グループ拠点展開
5.国内トップシェア誇る教育機関向け業務パッケージ
特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。 少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。 6.その他の特長
|
2012年3月期業績 |
<連結業績>
<事業セグメント別業績動向>
事業セグメント別の概況は下表のようになった。
(ソフトウェア事業)
通信業向けは減収となったが、他業態向けは概して堅調に推移。その結果、部門としては上表のように増収・増益となった。
(パッケージ事業)
仕入れ販売および保守等のサービス品目は好調であったが、大学向けPP(プログラムプロダクト)販売、EUC(End User Computing=パッケージの周辺システムの受託開発)および導入支援が減少したことから部門としては減収減益となった。しかし依然として高収益性を維持している。
(システム販売事業)
大学向け案件の他は比較的堅調に推移した。減収となったが赤字幅は縮小した。特に「のれん償却」が前期上半期で終了しており、今期からはこの負担が大きく軽減される。
<分野別売上構成推移>
分野別の売上高比率は下図のようなったが、例年と大きな変化はない。
<パッケージ事業品目別売上構成>
パッケージ事業の品目別売上高は下図のようになった。傾向としては、①高度成長期から安定成長期へ、②ハード取扱高が増加傾向、③ストックビジネス(保守)は堅調。
<最終顧客の業種別売上構成推移>
顧客別の売上構成は下図のようになった。
金融:受注は回復、前期比+23% サービス・流通:ほぼフラット 製造:+12%と好調 官公庁・その他:ビジネス系、システム販売ともに好調で+52% 教育機関:パッケージ、システム販売事業とも減少で▲8% <顧客主要グループ別売上構成>
主要顧客(グループ)別の売上比率は下図・下表のようになった。
<財政状況>
12年3月期末の財政状況(貸借対照表)は下表のようであった。
固定資産:主に「のれん」の償却減、繰延税金資産の減少等により減少した。 流動負債:短期借入金の返済によって減少した。 純資産:主に利益剰余金の増加によって微増となった。 <キャッシュフロー>
キャッシュフローの状況は下表のようであった。
投資活動によるCF:主に定期預金への預入れ(195百万円)による。 財務活動によるCF:主に短期借入金の返済(582百万円)による。 |
2013年3月期業績予想 |
<連結業績>
会社側では2013年3月期の業績を下表のように予想している。
<主要製品の動向>
Webサービス学生支援システム
学内の情報を統合管理し、いつでもどこでもアクセスできるデジタルキャンパスを実現。学生・教職員だけでなく社会・地域・OBへとサービスを広げる。 次の手:中期的成長戦略 ⇒ 次世代のフラッグシップ製品の開発・リリースを目指す 医療情報システム(JMICS)
当初サービスのレセプト自動点検から、クラウド型サービス、情報分析機能、ジェネリック情報などが追加された。これによって今後は顧客層を拡大し、セグメントとして独立させる。 金融パッケージ(BankNeo)
CRM・SFA:顧客の統合管理、営業活動のPDCAサイクルを強化(既に発売済み)融資支援:融資業務をトータルサポート(13年3月期提供予定) 経営管理:金融機関の経営を多角的に分析(13年3月期提供予定) 新日本ニーズ(グループ)のM&A
会社側では、本M&Aの期待・特長を以下のよう述べている。
① 日本システム技術にない顧客の獲得
② net等技術の保有(人、フレームワーク) ③ オフショアリングの継続的成功実績 ④ 中国本土での具体的ビジネスチャンス ⑤ のれん償却の負担軽減 ⑥ 経営理念のフィット感 ⑦ スモールスタートし着実に業績拡大する |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |