ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.40
(6914:東証1部) オプテックス |
|
||||||||
|
企業名 |
オプテックス株式会社 |
||
会長兼社長 |
小林 徹 |
||
所在地 |
滋賀県大津市雄琴 5-8-12 |
||
決算期 |
12月 |
業種 |
電気機器(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2011年12月 | 18,502 | 1,677 | 1,830 | 1,033 |
2010年12月 | 17,395 | 1,705 | 1,761 | 981 |
2009年12月 | 15,124 | 620 | 735 | 332 |
2008年12月 | 20,916 | 2,661 | 2,489 | 1,004 |
2007年12月 | 22,167 | 3,854 | 4,075 | 2,377 |
2006年12月 | 20,294 | 3,728 | 3,921 | 2,282 |
2005年12月 | 19,012 | 2,655 | 2,776 | 1,584 |
2004年12月 | 17,138 | 2,159 | 2,321 | 1,297 |
2003年12月 | 15,173 | 2,203 | 2,215 | 1,354 |
2002年12月 | 13,047 | 1,595 | 1,546 | 951 |
2001年12月 | 11,507 | 1,173 | 1,305 | 544 |
2000年12月 | 11,240 | 1,081 | 1,213 | 620 |
1999年12月 | 11,201 | 1,133 | 957 | 861 |
株式情報(5/18現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発。以来、信頼性の高いセンサシステムを提供してきた。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。更に05年には、交通関連事業にも参入した。近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションの強化やハイエンド防犯システムを拡大するべくM&Aにも積極的に対応。08年に画像処理関連のIC・LSI の受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システムとして豊富な採用実績を持つ光ファイバー侵入検知システムのファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ用赤外線補助照明等に強みを持つレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。 <事業内容>
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、連結子会社17社、持分法適用関連会2社等と共に国内外に事業展開している。地域別では、日本36.2%、北米9.8%、欧州35.2%、アジア14.1%、その他4.6%(いずれも11/12期実績)。
|
2012年12月期第1四半期決算 |
前年同期比7.3%の増収ながら、プロダクトミックスの変化や販管費の増加で同50.2%の営業減益
売上、利益ともにほぼ計画通りの推移とのことだ。今年子会社化した英国レイテック社の売上が444百万円加算された一方、効率的な物流体制構築のために設置した欧州ハブ倉庫が今年1月から稼働したのに伴い、欧州の主要代理店が在庫調整を行ったために一時的に輸出が減少。欧州景気の影響もあり1ケタ台の増収となった。ただ、イギリス、ポーランド、フランス、オランダの販売子会社の売上は現地通貨ベースでは伸びている。イギリスはレイテック社分を除いても19%程度の増収となっている。 利益面では、自動ドア、国内セキュリティは好調なものの、利益率の高い海外セキュリティが上述の要因で輸出が減少しプロダクトミックスの変化で原価率が3ポイント程度上昇した。また、レイテック社が連結対象となったことなどで、研究開発費を含めた販管費が前年同期に比べ257百万円増加(研究開発費 63百万円増、その他販管費 194百万円増)したため、2ケタの減益となった。 連結売上高の約6割を生産する中国工場では、ドル建てで部材を購入し、本社では同様にドル建てで完成品を輸入しているため、円高ドル安は製造原価を押下げる効果があり、利益面ではプラス。一方、対英ポンド及び対ユーロでは円高は減収・減益要因となる。英国レイテック社グループ化の影響で、英ポンドの円高の影響は前期よりも大きくなる。 センシング事業
◎防犯関連国内は大手警備会社向け販売が回復し、前年実績を上回った。警備会社内での同社製品に対する評価は高まっている。 海外は、レイテック社の連結対象化に加え、高いシェアを持つ屋外用センサが新製品の寄与も含め、堅調に推移した。 ◎自動ドア関連 国内は、自動ドアの設置台数が堅調に推移。海外では、同社センサの安全性が評価され、欧米の大手自動ドアメーカー向けが好調だった。 FA事業
国内は、自動車業界は比較的堅調なものの、半導体、電子部品、液晶関連等の設備投資抑制の影響を受け需要が減少した。海外も、欧州債務問題などの影響を受け設備投資需要が減退している。 (3)財政状態及
|
2012年12月期業績予想 |
業績予想に変更なし。前期比24.3%の増収、同25.7%の経常増益予想
業績予想に変更はない。センシング事業では、屋外センサのラインアップ拡充とM&A効果で防犯関連が大きく伸びる他、自動ドア関連もドア方式に即し、安全性を重視したセンサバリエーションの拡充効果が見込める海外を中心に売上が増加。 FA事業は三品業界向けを中心アプリケーション特化型センサや三菱電機との協業により国内での成長を見込む。また、新規事業で30億円の売上を想定しており、レイテック社の大型重要施設への防犯システム向け監視カメラに採用される赤外線・LED補助照明の寄与やレーザーセンサ・ファイバーセンサによる空港や発電所などのインフラ関連大型施設への新規需要の掘り起こしを見込んでいる。 減価償却費や研究開発費が増加するものの、増収効果と新製品の寄与による売上総利益率の改善、及び継続的な収益性改善努力で吸収。営業利益が同31.2%増加する見込み。 配当は1株当たり年30円を予定している(上期末15円、期末15円)。 (2)中期経営計画(11/12期~13/12期)
現在進行中の中期経営計画では、経営資源を、成長事業、成長製品、成長地域へ集中する事で自らの成長速度を加速させる考え。最終の13/12期に売上高300億円、営業利益50億円の達成を目指している。
コア事業の持続的成長
新製品の継続的な開発と更なるコスト競争力の強化、及び製品ラインアップの拡充を図る考えで、特に通信技術の進化とシステムの無線化に対応するべく、Wireless(無線)ユニットの内製化やセンシング技術のバリエーションと信頼性強化のためマイクロウエーブ(衛星テレビ、通信、レーダー等で用いられる)ユニットの内製化に取り組む。12/12期から13/12期にかけての具体的な製品戦略として、防犯関連では低価格競争が激化する汎用センサのコストダウン、高付加価値と差別化が図れる屋外用センサの製品ラインアップ強化、並びに石油やガスの輸送に用いられるパイプラインの漏れ検知用ファイバーセンサ等の投入を予定。また、自動ドア関連では、従来からの低価格汎用ゾーンやミドルゾーンでの製品ラインアップ強化と共に、高付加価値差別化ゾーンでは安全性を高めたスライドドア用ハイブリッドセンサや高機能自動ドアセンサの投入が予定されている。この他、グローバルレベルでのサプライチェーン改革にも取り組んでおり、欧州でのハブ倉庫設立により、ITを活用したグループ業務の効率化やリードタイムの短縮、物流コストの低減、在庫の平準化などによる顧客サービスと競争力の強化も図る。
新興国市場への注力
ロシア、中国、南米、東南アジアに注力し、市場の開拓を進め、先進国とは異なる市場環境や各地域特有のニーズを把握し、現地での市場調査や営業活動を強化する事で拡大する需要を取り込んでいく。
新規事業フィールド拡大
12年1月に、赤外線やLEDによる監視カメラ補助照明(高度なセキュリティシステムに用いられる屋外用監視カメラの精度向上に寄与する)で世界No.1シェアを有する英国レイテック社を子会社化した。対象物に赤外線や白色LED光を照射する事で、センサで感知した対象物を監視カメラではっきりと認識できるようになる。オプテックス(株)は、レイテック社が保有する多彩な照明関連の製品ラインアップと自社の屋外センシング技術やLED照明・調光システムを融合して、世界トップレベルのセキュリティ照明ブランドの構築を目指している。尚、同社の資料によると、市場規模は世界規模で36百万米ドル。レイテック社は50%のシェアを有し、2位のBoshグループ(シェア42%)と市場を2分している。ただ、現状では、補助照明の付いた屋外用監視カメラは全体の1%に過ぎず、市場の拡大はこれから。オプテックス(株)は、レーザースキャンやファイバーセンサとの組み合わせで新たな用途とビジネスモデルの構築にも取り組んでいく考え。 |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |