ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.33
(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア |
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企業名 |
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア |
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会長 |
泉澤 豊 |
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社長 |
泉澤 摩利雄 |
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所在地 |
千葉県浦安市美浜1-9-2 |
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決算期 |
2月 |
業種 |
小売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年2月 | 26,882 | 338 | 342 | -369 |
2011年2月 | 28,635 | 601 | 650 | 233 |
2010年2月 | 26,322 | 416 | 610 | 235 |
2009年2月 | 25,271 | 571 | 334 | -78 |
2008年2月 | 24,277 | 623 | 446 | 216 |
2007年2月 | 23,347 | 699 | 610 | 310 |
2006年2月 | 22,332 | 1,018 | 1,055 | 600 |
2005年2月 | 20,956 | 1,081 | 1,101 | 578 |
2004年2月 | 17,236 | 946 | 1,048 | 499 |
2003年2月 | 14,024 | 880 | 878 | 390 |
2002年2月 | 12,358 | 847 | 873 | 445 |
2001年2月 | 11,835 | 753 | 722 | 386 |
2000年2月 | 9,840 | 641 | 673 | 306 |
株式情報(4/13現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
主力のコンビ二事業は12年2月末で(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、12年3月より「ローソン」ブランドで再スタート。直営店主体の機動力や柔軟性に富んだ事業展開力を強みとするが、ここ数年は企業FC契約の解消を見据えてブレーキを踏んできた。13/2期以降、新ブランドの下で潜在成長力の顕在化が期待される。 <事業概要>
主力のコンビ二事業では、東京都区内(新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、港区、江東区、大田区、江戸川区、台東区、葛飾区、足立区、)及び千葉県全域において店舗展開。2012年2月末に(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、同年3月から「ローソン」ブランドでの店舗展開を開始した(1月に契約締結)。(株)ローソンが構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)、ポイントカード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)、更には商品開発力を活用する事で顧客の利便性向上を図ると共に店舗競争力を高めていく考え。
(1)京葉地区の湾岸エリア中心に展開するコンビニ事業 (2)非コンビニ事業の育成 -「便利さの提供」を追求-
「便利さの提供」を企業理念に掲げ、この一環としてコンビニの店舗で「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」販売等の独自サービスを提供している他、非コンビニ事業の育成にも注力している。具体的には、09年11月にJR京葉線市川塩浜駅前にビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」(千葉県市川市)を開業した他、連結子会社FA24がマンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」(200物件以上でサービスを提供中)や「お掃除サービス」等を手掛けている。また、09年10月にはマンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを子会社化した。
ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」
市川市が保有するJR京葉線市川塩浜駅前の遊休地を定期借地で借受け、コンビニ併設の108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテルを運営している。JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から快速で19分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅5分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く(朝食付きで1泊5,800円から)、周辺には競合となるビジネスホテルがない状態。
連結子会社(株)アスク社
マンションの居住者向けに、クリーニング等の取次ぎや各種案内といったフロント業務(コンシェルジュサービス)、メンテナンスサポートやハウスクリーニング業者紹介等のレジデンスサポート、ミニショップや売店の運営、更にはカーシェアリング等のサービスを提供しており、マンションの居住者向けのコンシェルジュサービスでは業界トップ。現在、不動産会社やマンション管理会社等から約850物件を受託しており、「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」等のサービスでは連結子会社FA24とのシナジーも大きい。また、中期的には、フロント業務をベースに少子高齢化社会に対応したサービスや物販サービスを手掛ける事で業容の拡大を図っていく考え。
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ブランド変更で成長軌道への回帰を目指す |
(1)(株)サークルKサンクスとの企業フランチャイズ契約の契約期間満了で終了
同社は1997年3月に(株)サンクスアンドアソシエイツ(現:(株)サークルKサンクス)との間で契約期間15年の企業フランチャイズ契約を締結し「サンクス」ブランドでコンビニ事業を展開してきたが、2012年2月末の契約満了を見据えて、09年春に契約解消に向けた提案を行った。同年夏には、調停を通じて終了時期、条件、手順等の具体的な協議を始めたが進展がなく、10年春に(株)サークルKサンクスから中途解約権不在の確認等の訴訟が提起された。(株)サークルKサンクスによる訴訟提起後も大きな進展がなかったため、判決を持つよりも早期に問題を解決し、13/2期以降の新たなブランドの下での成長戦略を推進する方が賢明との判断から、11年12月に同社は12年2月末の契約満了と契約の終了を前提とする和解案に合意。解決金15億円の支払いや一定の和解条項に定める履行義務を負ったものの、12年2月末の契約満了と共に契約が終了し、同3月以降2年間の競業禁止義務が免除された。 尚、12/2期は、上記の訴訟和解金15億円と共に、固定資産除去、リース解約損、ATM撤去費用等、「サンクス」ブランド店舗の閉店に伴う費用5.7億円を事業構造改善費用として特別損失に計上した。 (2)(株)ローソンとの契約締結
訴訟の和解を受けて12年1月に(株)ローソンとフランチャイズ契約を締結した。同社は契約締結に当たってのポイントとして、①(株)ローソンが構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント=商品調達力、供給力)、②ポイントカード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント=顧客分析、囲い込み)、③テレビなど各メディアを活用したプロモーション(=新規顧客確保、店舗支援)、更には、④これまでに同社が手掛けてきた独自サービスが継続できる事及び⑤出店地域の原則自由化(出店可能エリア及び店舗ネットワークの拡大余地)を挙げている。「ローソン」ブランドの下での開店準備が進んだ店舗から順次営業を開始しており、3月末の営業店舗数は48店舗。足元の3月、4月は、閉鎖期間の影響からタバコや酒類が苦戦しているが、ファストフードやデザートが大きく伸びている他、米飯・調理麺も好調。売上構成比の良化で粗利率の改善が見込まれると言う。 尚、契約締結に伴い、看板の付け替えに伴う固定費除去費等の負担金として、契約金収入18億円を(株)ローソンから受け取った。 (3)今後の出店計画
同社は、企業フランチャイズ契約の契約解消に向けた提案を行った10/2期以降、新規出店を控えてきた。一方、収益力の落ちた店舗を順次スクラップしてきたため、店舗ネットワークは09/2期末の135店舗をピークに減少が続いていた(11/2期末127店舗。12/2期末はブランド変更に伴い、一旦、全店舗を閉鎖した)。しかし、今13/2期より新規出店を再開する考えで、5月末までに営業再開店舗も含めて130店舗のネットワークを整備し、期末にはピークと並ぶ135店舗のネットワーク構築を目指している。また、来期(14/2期)は7店舗、最来期(15/2期)は8店舗の新規出店を計画しており、15/2期末にはネットワークが150店舗に広がる予定。 尚、今13/2期の店舗営業日数の前年同期比は、第1四半期(3-5月)が57%にとどまるが、第2四半期(6-8月)には103%に改善し、以下、第3四半期(9-11月)106%、第4四半期(12-2月)140%。 |
2012年2月期決算 |
前期比6.1%の減収、同47.3%の経常減益
営業総収入は前期比6.1%減の268.8億円。内訳は、コンビニ事業(直営店売上高)が同7.7%減の198.6億円(加盟店の売上を含めた全店売上高は同7.4%減の231.5億円)、ビジネスホテル事業が同7.8%減の1.6億円、マンションフロントサービス事業の(株)アスクが同1.1%減の51.6億円、クリーニング事業の(株)FA24が同3.7%減の11.7億円。利益面では、ほぼ前期並みの営業総利益率を確保した事に加え、人件費、ライセンスフィー、賃借料、減価償却費等、コンビニ事業を中心に販管費も減少したが、減収の影響をカバーできず営業利益が3.3億円と同43.7%減少。営業外損益(有価証券運用損益や不動産賃貸損益が悪化)や特別損益(後述)の悪化で3.6億円の当期純損失となった。 特別損益について
特別利益として、(株)ローソンとのフランチャイズ契約締結に伴う契約金収入18.0億円を計上する一方、特別損失として、(株)サークルKサンクスへの解決金15.0億円、「サンクス」ブランドの店舗を閉鎖し「ローソン」ブランドで店舗運営を行うための事業構造改善費用5.7億円、更には資産除去債務1.6億円や災害による損失1.0億円など計23.8億円を計上した。
予想との比較
ブランド変更に伴う影響を織り込み2月6日に通期の業績予想を下方修正した。売上高はほぼ修正値に沿った着地となったが、商品の在庫処分が順調に進み値下げ損失が想定したほどではなかった事や各種経費の削減が進んだ事等で営業利益が上振れ。加えて、2月末にかけての株価上昇で、営業外損失に計上する有価証券評価損が想定を下回った事や銀行株式にかかる投資有価証券評価損を特別損失に計上せずに済んだ事もあり、当期純損失が予想を大幅に下回った。
(2)個別及び子会社業績
コンビニ事業では、(株)サークルKサンクスとのFC契約期間満了を控え、11年11月以降、店舗閉鎖に向けた準備を進めた影響で営業総収入、セグメント利益共に前期比で減少した。閉鎖に向けた取り組みとしては、11年11月から在庫処分を開始し、11年12月の和解成立後は店舗閉鎖も開始した(12年2月末には「サンクス」ブランド全店舗の閉鎖を完了)。 店舗閉鎖の状況は次の通り。 フロント受託事業の売上高がわずかに減少。(株)FA24と同様の理由でクリーニング事業が苦戦した他、物販や修繕等、住居者向けの提案活動を自粛した影響でショップ事業の売上も減少した。ただ、売上の減少は想定の範囲内にとどまり(予想比△0.2%)、経費の節減効果で営業利益は予想を3.4%上回った。 |
2013年2月期業績予想 |
(1)経営を刷新、3月1日より新体制がスタート
3月1日付けで、それまで代表取締役社長を務めていた泉澤 豊氏が代表取締役会長に就任し、取締役営業部長を務めていた泉澤 摩利雄(いずみさわ まりお)氏が代表取締役社長に就任した。泉澤 豊氏が役職定年となる事や13/2期から始まる「ローソン」ブランドでの新たな事業を踏まえての代表取締役の異動である。また、高い機動力と合理的な組織運営を実現するべく組織改編も行った。新体制の下で「ローソン」のブランド効果を極大化し、更なる業績向上と企業価値向上につなげていきたい考え。尚、泉澤 摩利雄氏は、1972年8月21日生の39歳。國學院大学を卒業し流通企業で3年間勤務の後、98年3月に同社に入社。執行役員開発部次長、取締役経理部長、取締役営業部長等を歴任し、今回の代表取締役社長就任となった。 前期比8.3%の増収、同17.0%の経常増益予想
売上高は前期比8.3%増の291.2億円。新ブランドの下で主力のコンビニ事業の売上が伸びる他、ビジネスホテル事業及び子会社が手掛けるクリーニング事業やフロント受託事業の売上も増加する見込み。コンビ二事業は、増収効果に加え、ブランド変更効果による営業総利益率の改善も見込まれ、利益面でも大きく貢献。コンビニ事業をけん引役に営業利益は4.1億円と同21.6%増加する見込み。配当は前期と同額の1株当たり年4円を予定(上期末配当2円、期末配当2円)。
3期ぶりに新規出店を行う予定で、期末店舗数は過去最高と同数の135店舗を見込んでいる。 13/3期に入り、「ローソン」ブランドの下での開店準備が進んだ店舗から順次営業を開始しており、3月末の営業店舗数は48店舗。足元の3月、4月は、タバコや酒類が苦戦しているが、ファストフードやデザートが大きく伸びている他、米飯・調理麺も好調。売上構成比の良化で粗利率の改善が見込まれると言う。 尚、「サンクス」と「ローソン」ではサービス分野の売上計上方法が異なるため、既存店売上高の前年同期(月)比は小幅な伸びにとどまる見込み。 |
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