前年同期比12.1%の増収、同74.9%の経常減益
売上高は前年同期比12.1%増の496百万円。サイト利用者へのテクニカルサポート等を行うCS業務の売上がソーシャルゲーム向けを中心に大きく伸びた他、主力の投稿監視業務も、一部大口顧客向けの売上減少を大手企業との取引拡大等で吸収し前年同期並みの売上を確保した。ただ、前期に実施したサービス体制の整備に伴う労務費・人件費の増加が負担となり、営業利益が同80.6%減少した(営業外損益の改善は、株式公開費用16百万円がなくなったため)。
投稿監視業務の売上高は前年同期比微減の348百万円。市場が拡大しているソーシャルWebサービス(注1)では健全なサイト運営に対する社会的な要望が強く、投稿監視業務に対するニーズも強い。このため、これまで依存度が高かった一部大口顧客との取引が減少したものの、広告審査業務(注2)や風評調査業務(注3)といった派生業務に対する需要の取り込みも含め、大手企業との取引が拡大。また、ソーシャルメディアやソーシャルゲームといった高成長が見込まれる市場に注力した結果、ほぼ前年同期並みの売上を確保した。
(注1)ソーシャルWebサービスとは、SNSやブログ等のソーシャルメディアや、ソーシャルゲーム、ソーシャルコマース等の個人同士の双方向のコミュニケーションが介在する全てのインターネットメディアの事。
(注2)広告審査業務では、インターネットの広告媒体や複数店舗が出店するサイト・モール等に掲載される広告・サイト上のテキスト・画像情報等に対して、景品表示法、特定商取引法、薬事法等の各種関連法規及び顧客の掲載基準に基づいて、その基準に違反していないかを審査する。
(注3)風評調査業務では、インターネット上で公開されているブログや掲示板等の情報から顧客の企業や製品・サービスに対する風評等を調査する。
CS業務の売上高は前年同期比143.5%増の96百万円。当事業では、サイト利用者からの問い合わせメールに対するテクニカルサポートや入退会の問い合わせ対応(必要な場合には電話による問い合わせも可能)等のヘルプデスクサービスを行っている。ソーシャルゲームプロバイダ向けサービスの獲得に注力したこの第1四半期は、多数のサプライヤーが複数のソーシャルゲームタイトルをリリースする良好な市場環境も後押しとなったことに加え、アクティブサポート(ソーシャルメディア上でエンドユーザーの疑問・不満・悩みなどを自発的・積極的に見つけ、解決する手法)やソーシャルゲーム24時間カスタマーサポート等の積極的な新サービスの展開により、案件の獲得が順調に進んだ。
派遣業務の売上高は前年同期比30.0%減の11百万円。当事業では、インターネットメディアの監視業務を自社内で運営している企業に対して、投稿監視業務の運営が可能な人材を派遣している。この第1四半期は、同社のサービスが評価され、派遣業務から投稿監視業務へ切り替わった契約があったため売上が減少した。
オンラインゲームサポート業務の売上高は前年同期比5.6%増の40百万円。当事業では、オンラインゲームを運営するクライアントに対し、ゲームマスター業務などオンラインゲームの運営に必要な各種サポートサービスを提供している。この第1四半期は、既存顧客の新規タイトル追加に合わせたタイムリーな提案やサービス範囲の拡大に向けた提案営業が成果をあげた。
第1四半期末の総資産は前期末比45百万円減の1,169百万円。ソーシャルWebサービス向けの次世代型運用システム「E-Trident」の開発等で無形固定資産(ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定)が増加する一方、これら開発費の支払いや法人税・消費税等の支払いで現預金が減少した。事業規模や業務内容を踏まえれば、現預金は潤沢である。
|