ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

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ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.16

(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
荻野 芳朗 社長
荻野 芳朗 社長

【ブリッジレポート vol.16】2012年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「相次ぐ新製品の投入と積極的な営業・広告・販促活動の相乗効果で好調な販売が続いている事を考えると、第4四半期の売上予想は保守的だ。原・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年1月31日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
荻野 芳朗
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(1/18現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
559円 6,394,705株 3,575百万円 6.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 2.7% 104.95円 5.3倍 966.73円 0.6倍
※株価は1/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ピックルスコーポレーションの2012年2月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・惣菜の製造・販売及び青果物・漬物等の仕入販売を行なっている。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはISO9001、HACCPの取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。連結子会社7社及び持分法適用会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。

資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」でお馴染みの東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、取引はわずかにふる漬等の仕入があるのみ(11/2期は仕入高全体の2.8%)。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、11/2期は同グループ向けの売上が全体の39.3%(10/2期は47.1%)を占めた。 11/2期の品目別売上構成は、製品売上が63%(浅漬・キムチ50%、惣菜10%、ふる漬3%)、商品売上が37%(漬物35%、青果物2%)。
 
<好調が続く「ご飯がススム シリーズ」と12/2期下期投入の新ラインナップ>
(1)シリーズの主力商品
 
(2)12/2期下期投入の新ラインナップ
 
 
2012年2月期第3四半期決算
 
 
キムチや総菜など新製品の寄与で経常利益が2.5倍に拡大
売上高は前年同期比0.9%増の162.3億円。利益貢献が少なかった外食向け青果物の取扱いが無くなった事が4~5億円の減収要因となったが、増量キャンペーンを実施した「ご飯がススムキムチ」や、おくら、そら豆、ふろふき大根等の惣菜製品が好調に推移した。
利益面では、春先の天候不順や夏場の猛暑による原料野菜の仕入価格高騰があったものの、関西新工場のオペレーションの軌道化や製品販売の好調による売上構成の良化で売上総利益率が25.1%と3.8ポイント改善。広告宣伝費を中心とした販管費の増加を吸収して営業利益が同2.6倍に拡大。固定資産処分損の減少等で特別損益も改善した。
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比6.4増の130.6億円。借方では、好調な販売を背景に現預金、売上債権、たな卸資産が増加。貸方では、仕入債務や純資産が増加する一方、有利子負債が減少。結果として、有利子負債を削減したにもかかわらず、現預金が大幅に増加し、自己資本比率も47.3%と前期末比1ポイント改善した。
 
 
2012年2月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比0.6%の増収、同86.0%の経常増益予想
通期予想に対する進捗率は、売上高77.5%(実績ベースの前年同期の進捗率は77.2%)、営業利益74.9%(同53.6%)、経常利益76.7%(同55.8%)、当期純利益76.3%(同43.8%)と順調。既存得意先への拡販や新規取引先の開拓を図るべく、引き続き全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、テレビCM・交通広告等の広告宣伝活動、更には売場提案等の販売促進活動を積極的に展開しキムチや惣菜の拡販を図っていく考え。
配当は1株当たり15円の期末配当を予定している。
 
 
 
今後の注目点
相次ぐ新製品の投入と積極的な営業・広告・販促活動の相乗効果で好調な販売が続いている事を考えると、第4四半期の売上予想は保守的だ。原料野菜の価格高騰が当面のリスクであり、昨年12月から続いている雨量の少なさと厳しい寒さが気になるが、足下、大きな影響は出ていないようだ。このため、12/2期業績の上振れ期待は大きい。
ただ、前期に稼働した関西新工場は既にフル操業に近い状態であり、また、昨年7月に営業所を開設した中国・四国エリアにおいても生産体制の整備が課題となっている。成熟した国内の食品市場で継続的に成長を続けている同社だが、製品開発と営業・広告・販促活動の相乗効果による売上の拡大と共に、全国的な生産ネットワークを充実させていく事ができれば安定成長は更に続くと考える。