ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.19
(4829:東証2部) 日本エンタープライズ |
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企業名 |
日本エンタープライズ株式会社 |
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社長 |
植田 勝典 |
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所在地 |
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8 |
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決算期 |
5月 末日 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2011年5月 | 2,370 | 266 | 283 | 168 |
2010年5月 | 2,147 | 150 | 173 | 77 |
2009年5月 | 2,475 | 292 | 317 | 175 |
2008年5月 | 3,123 | 572 | 578 | 272 |
2007年5月 | 3,677 | 774 | 783 | 447 |
2006年5月 | 3,416 | 694 | 688 | 418 |
2005年5月 | 3,018 | 587 | 570 | 348 |
2004年5月 | 1,958 | 205 | 168 | 226 |
2003年5月 | 1,752 | 134 | 131 | 58 |
2002年5月 | 1,704 | 51 | 53 | 23 |
2001年5月 | 1,417 | 301 | 262 | 126 |
株式情報(1/12現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
コンテンツサービス事業
携帯電話等のキャリア(移動体通信事業者)が運営するi-mode、EZweb、Yahoo!ケータイといったインターネットに接続が可能な携帯電話の公式サイトや、mixi、Mobage、GREEといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)へ自社開発したコンテンツを提供し、月額課金あるいはダウンロード課金制により、その代金をキャリア等から受取っている。中国・インドをターゲットとした海外事業にも取り組んでいる。
ソリューション事業
コンテンツサービスから派生したビジネス。モバイルサイト構築・運用業務、ユーザーサポート業務、デバッグ業務、サーバネットワークの運用・監視・保守、自社コンテンツの2次利用(以上、ソリューション)、他社コンテンツの制作・運営(ソリューションコンテンツ)、更には、広告(アフィリエイト広告:携帯電話販売代理店との協業による成功報酬型コンテンツ販売)、及び物販等を行っており、携帯電話はもちろん、パソコン等のあらゆるメディアに対応したソリューションを提供している。
<海外展開 インドで電子書籍の配信がスタート>
同社のインド現地法人であるNE Mobile Services (India) Pvt. Ltd.(インド ムンバイ)が、11年12月20日より、インドでiPad向け電子書籍アプリ「iSTARDUST」の独占配信を開始した。インドは契約携帯電話の登録件数が8億件(11年10月現在、8.81億件、出所:インド電気通信管理局)を超え、中国(9億件)に次ぐ世界第2位の携帯電話大国。現在も毎月1,500万件規模(インド電気通信管理局のデータを基に同社が算出)の増加が続いており、モバイルコンテンツ市場も第三世代携帯電話の普及を背景に成長速度が加速するものと見られている。こうした中、同社は09年11月に現地法人を設立し、スマートフォンやタブレット(多機能情報端末)の普及を追い風に高い成長が見込まれる電子書籍にフォーカスした事業展開を進めている。この一環として、インドのライフスタイルマガジン大手MAGNA社(インド ムンバイ)と提携し、MAGNA社が出版する「Stardust」等主力7雑誌の電子書籍の独占配信権(業務提携)を獲得。今回の「iSTARDUST」の独占配信はその第一弾であり、同社はインド市場における電子書籍事業の先導役として注目を集めている。 |
2012年5月期上期決算 |
前年同期比10.4%の増収、同35.6%の経常増益
売上高は前年同期比10.4%増の1,243百万円。国内外での電子書籍関連ビジネスを中心にコンテンツサービス事業の売上が伸びた他、スマートフォン向けアプリ開発を中心にソリューションの売上も増加した。利益面では、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)からスマートフォンへの移行に伴う一時的な会員数の減少で収益性の高い音楽・メール・カスタム等が減少したため原価率が上昇したものの、コンテンツ制作等の内製化を進めて物販以外の売上原価の伸びを抑えた事や、広告宣伝費の効率的な使用及び経費節減に努めた事で営業利益率が11.3%と2.3ポイント改善。営業利益は140百万円と同37.6%増加した(四半期純利益の伸びが大きいのは、税負担率の低下による)。期初予想との比較では、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の会員減少で売上が期初予想を下回ったものの、予想以上に利益率の高いスマートフォン関連の受託事業(アプリ開発)が増加した事やサイト開発・制作のコスト削減が進んだ事等で、利益面では大幅な予想超過となった。 一方、前四半期との比較では、コンテンツサービス事業の売上が増加したものの、ソリューション事業の売上の減少をカバーできなかった。ソリューション事業の売上が減少したのは、前四半期に大きくCD販売が伸びた反動と納期の関係でソリューションの売上が減少したためだが、ソリューション事業は、スマートフォン向けアプリの開発ニーズが本格的に顕在化してきた事に加え、スマートフォンの課金体制の整備が進んできた事でアフィリエイト広告の収益性も改善しており、モーメンタムは良好。 |
事業別の施策と進捗状況 |
(1)国内事業
コンテンツサービス事業
新たな成長市場として期待されるスマートフォン市場の拡大を見据えて、①Android向けラインアップの拡充、②月額サイトのキャリア決済対応、及び③既存公式サイトの会員引継対応を進めた。
①Android向けラインアップの拡充
生活実用系やツール系のAndroid Webサイトの開設や、ユーザーの囲い込みを図るべく無料アプリを中心にAndroidアプリの拡充に取り組んだ。
②月額サイトのキャリア決済対応
デコメ、音楽、及び健康&フィットネス(女性のキレイ・リズム)の主力6サイトでマルチキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル)対応を進めた。
③既存公式サイトの会員引継対応
月額課金サイトの決済対応やフィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替え(機種変更)に伴う会員の引継ぎ対応等、携帯通信キャリアの施策に合わせた対応を進めた。具体的には、10月13日に auケータイ向けのEZwebコンテンツをauスマートフォンに対応させた他、11月18日にNTTドコモ開始したスマートフォン向けの新ポータルサイト「dメニュー」(ユーザーはフィーチャーフォンからスマートフォンへ買い替えても、継続して利用する事が可能になった)への対応を進めた。
ソリューション事業
顕在化しつつあるスマートフォンを活用したビジネス展開の支援ニーズに対応して、スマートフォン向けアプリ・サイトの制作に注力した他、コンテンツ販売に対する成功報酬を支払う「店頭アフィリエイト」を中心にした携帯電話販売代理店との協業強化やスマートフォン販売の手続き処理時間の長期化を解消する「店舗オペレーション効率化支援」の提供に取り組んだ。
(2)海外事業
現在、同社グループは海外事業として、中国及びインドで事業展開を進めている。中国においては、2G、2.5G向けゲームコンテンツを配信しつつ、3Gの拡大を見据え、事業ドメインを電子コミックの配信サービスと位置付け、中国の作家や出版業界と連携しながら携帯電話向け電子コミックの配信に取り組んでいる。具体的には、「中国軽工業出版社グループ」(子会社が中国で科学技術・芸術コンテンツのインターネット出版事業を展開)や日本、台湾、韓国の、アニメ版権、漫画版権、及びキャラクターを、自社配信プラットフォーム「漫魚」及びキャリア公式配信プラットフォーム「動漫基地」を通して配信しており、「漫魚」においては、ショップ型ビューアを無料配信し、ビューア経由で電子書籍を有料配信している。 また、インドにおいては、スマートフォン・3G端末の普及を見据えた取り組みを進めており、この一環として、11年12月20日に業務提携したMAGNA社が出版している雑誌の電子書籍配信(iPadアプリケーション)を開始した。 |
2012年5月期業績予想 |
通期業績予想に変更はなく、前期比19.4%の増収、同6.0%の経常増益予想
上期の利益が期初予想を大きく上回ったものの、通期の利益予想を据え置いた。スマートフォン向けの売上の増加とフィーチャーフォン向けの売上の減少が綱引きとなり、売上の着地点が読み難い事。また、スマートフォン向け広告宣伝費の積み増しを予定している事がその理由。上記の業績予想においては、コンテンツサービス事業(売上高1,466百万円、前期比24.3%増)、ソリューション事業(売上高1,364百万円、同14.5%増)共に増収を想定しており、増収効果による営業増益を見込んでいる。配当は前期と同額の1株当たり130円の期末配当を予定。 <株式の取得>
CMS(Content Management System)やWeb・Mobileサイト開発・保守等の(株)フォー・クオリア及び交通情報の配信等の交通情報サービス(株)の2社が、子会社として新たにグループに加わった。
(株)フォー・クオリア(東京都渋谷区 代表取締役社長 松永州央)
11年10月31日に(株)アイ・エム・ジェイの子会社である(株)IMJモバイル(東京都目黒区)から株式を譲り受けた(100%子会社化)。(株)フォー・クオリアは、06年8月の設立で、直近の資本金は20百万円。サイトマネジメント型 CMS(コンテンツ管理システム)、Web・Mobileサイト開発・保守、デザイン&プランニング、及びデバッグサービスを手掛けており、200以上の携帯公式サイトの開発実績を有する他、Web構築の簡素化を実現するCMSパッケージや自社デザイナーによる高度なWeb・モバイルコンテンツの開発に強みを持つ。
交通情報サービス(株)(東京都千代田区 代表取締役社長 新田 勇)
11年12月21日に株式の買い増しにより連結子会社とした(53.1%の議決権を保有するに至る)。交通情報サービス(株)は、93年7月に東京都の他、民間会社58社の半官半民で立ち上げた。直近の資本金は499百万円で、①交通情報、交通関連情報、生活利便情報及び娯楽・文化・レジャー等の情報の提供、②上記情報提供に関する装置及びシステムの企画、開発、設計、製造、販売、工事、保守、リース等の関連サービスの提供、及び③前記各種情報等の利用等に関するコンサルティングを手掛けている。
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