ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.15
(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション |
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企業名 |
株式会社ピックルスコーポレーション |
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社長 |
荻野 芳朗 |
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所在地 |
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3 |
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決算期 |
2月末日 |
業種 |
食料品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2011年2月 | 20,824 | 577 | 624 | 365 |
2010年2月 | 18,234 | 536 | 583 | 322 |
2009年2月 | 18,502 | 399 | 413 | 202 |
2008年2月 | 17,870 | 286 | 373 | 205 |
2007年2月 | 16,775 | 293 | 355 | 218 |
2006年2月 | 16,563 | 158 | 205 | -37 |
2005年2月 | 18,186 | 74 | 146 | 144 |
2004年2月 | 18,038 | 268 | 285 | 99 |
2003年2月 | 18,047 | 101 | 98 | 36 |
2002年2月 | 16,542 | 548 | 514 | 230 |
2001年2月 | 16,895 | 302 | 287 | 266 |
株式情報(10/20現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」でお馴染みの東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、取引はわずかにふる漬等の仕入があるのみ(11/2期は仕入高全体の2.8%)。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、11/2期は同グループ向けの売上が全体の39.3%(10/2期は47.1%)を占めた。 11/2期の品目別売上構成は、製品売上が63%(浅漬・キムチ50%、惣菜10%、ふる漬3%)、商品売上が37%(漬物35%、青果物2%)。 |
2012年2月期上期決算 |
前年同期比0.1%の減収ながら、経常利益が同2.7倍に拡大
売上高は前年同期比0.1%減の110.4億円。キムチ、浅漬、惣菜等の製品売上が増加した他、仕入商品の販売も伸びたが、利益貢献の少なかった外食産業向け青果物の卸販売終了の影響をカバーでなかった。尚、外食産業向け青果物の影響を排除した実質ベースでは同4.8%の増収である。利益面では、関西新工場の製造効率の改善(子会社ピックルス関西:営業損益 △88百万円→89百万円)や原料野菜の仕入価格安定で売上原価(同6.3%減の81.3億円)が減少する中、物流費の減少等で販管費もわずかな増加にとどまり営業利益が同2.9倍に拡大。持分法投資損益の改善や固定資産除却損が無くなった事等で四半期純利益は4.4億円と同3.3倍に拡大した。
②期初予想との比較
売上の面では、積極的な販売・広告活動と新製品投入効果で、「ご飯がススム シリーズ」や惣菜製品等の販売が予想以上に伸びた。利益の上振れ要因としては、関西新工場の製造効率の改善が予想以上に進んだ事や原料野菜の仕入価格安定を挙げる事ができる。
③東日本大震災の被災者支援と節電対策の実施
同社製品の売上数量に応じて寄付を行うキャンペーンを実施し、キャンペーンで集めた2,500万円を、あしなが育英会(震災で親を亡くした子供達等を支援している)への寄付金とした。また、電力供給不足に対する節電対策として、政府方針に基づき自家発電装置を導入した他、生産体制の見直しも行い節電に努めた。
販路別では、青果物の取扱いを止めた事で外食・その他向けが減少したものの、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓が共に進んだ量販店・問屋等向けやコンビニ向けの売上が増加した。 (3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
好調な販売と大幅な増益を反映して上期末の総資産は136.0億円と前期末比11.8億円増加した。科目別では、好調な販売を反映して売上債権や仕入債務が増加した他、利益の増加で未払法人税等や純資産が増加。一方、有利子負債は減少した。この結果、1株当たり純資産は株価の2.2倍の956円(PBR 0.5倍)、自己資本比率は45.0%となった。CFの面では、利益の増加や青果物の取扱い終了による資金効率の改善で営業CFが大幅に増加。関西新工場関連の大型投資が一巡し投資CFのマイナス幅も縮小し、前年同期は1.9億円のマイナスだったフリーCFが8.4億円の黒字転じた。有利子負債の削減を進めたため財務CFがマイナスとなったものの、現金及び現金同等物の上期末残高は18.0億円と前年同期末に比べて8.5億円増加した。 |
2012年2月期業績予想 |
上期決算を踏まえて通期業績予想を上方修正、前期比0.6%の増収、同86.0%の経常増益を見込む
上期決算を踏まえて通期業績予想を上方修正した。既存得意先への拡販や新規取引先の開拓を図るべく、全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、テレビCM・交通広告等の広告宣伝活動、更には売場提案等の販売促進活動を積極的に進めキムチや惣菜の拡販を図る。利益面では、広告宣伝費の増加や中国地区の販売強化に向けた中・四国営業所(広島県福山市)の開設で販管費が増加するものの、新工場の製造効率の改善や原料野菜の仕入価格安定等による売上総利益の増加で吸収。営業利益は11.0億円と同91.4%増加する見込み。設備投資は生産の増加に対応した冷蔵保管設備等を中心に5.2億円(前期は9.9億円)を計画しており、減価償却費として3.9億円(同3.7億円)を織り込んだ。配当は1株当たり10円の期末配当を予定している。
(2)業界動向
漬物市場は約4,000億円(工業統計2011.02:野菜漬物製造業出荷額4,081億円、食品新聞2011.08:漬物品目別推定出荷額3,500億円)。古漬市場で傾向が続いているものの、浅漬やキムチの市場は安定成長が続いている。ただ、後継者難による中小漬物メーカーの廃業等で15年程度前には2,000社を超えた全国漬物連合会(全漬連)の会員企業数が1,000社程度に減少しており、大手企業による寡占化が進みつつある。ただ、年商が100億円を超えているのは業界トップの同社を含めて4社に過ぎず、その4社の年商も200億円に満たない。製品開発力や営業力が不可欠ではあるものの、これら上位企業については寡占化による成長余地が大きいと言える。また、弁当等も含めた惣菜産業の市場規模は8兆1,753億円(10年)で、販売チャネル別の構成比では、同社の主要取引先である総合スーパーが12%、食料品スーパーが24%を占める。競合は、フジッコ、エバラ食品、ケンコーマヨネーズ、デリア食品、大堀、イニシオフーズ等で、いずれも300~500億円規模の年商を誇る。同社は、5年ほど前から惣菜事業を本格化し、現在は、大手とは競合しない漬物と惣菜の中間的な商品を中心に事業展開している。 (3)事業環境と戦略
主要販売先である量販店は、既存店の売上減少が続いているため新規出店に対して慎重な姿勢を強めているが、その一方で低価格化・少量化といった消費者ニーズへの対応と収益性向上の両立を図るべく、PB商品の拡充に努めている。消費者ニーズを捉えた製品開発と提案営業によりNB商品の拡販を図っていく考え。同社が示した販売・販促、製品開発、及び営業における戦略は次の通り。
①販売・販促
人気の「ご飯がススムキムチ シリーズ」において、11月から12月にかけて20%の増量キャンペーンを実施する他、引き続きテレビ、ラジオ等での広告宣伝活動を継続する。また、売り場提案の強化はもちろん、小売店との連携による試食販売や他の食品メーカーとの販促コラボレーションも展開していく。
②製品開発
「ご飯がススム シリーズ」のラインナップの拡充、叙々苑ポギキムチの投入、野菜をキーワードとした惣菜製品の拡充、漬物以外の商品開発、及び他社とのコラボレーション製品の投入を計画している。
うどんのかけだれ
「じゃじゃ麺風甘辛味噌味」と「ゆずこしょう風味」の2種類の「うどんのかけだれ」を投入。ゆでたうどんにかけるだけで、食べ応え十分の逸品に。具だくさんなのに麺にもさっと絡む、簡単便利なうどんのかけだれ。
鍋の具
「ご飯がススム キムチ鍋の具」と「ご飯がススム ごま豆乳鍋の具」を投入。既存の鍋つゆと異なり、鍋の具として野菜がたっぷり入っている。好みで豆廣や肉を入れれば、簡単に鍋が出来上がる。昨シーズンの試験販売を踏まえ、ブラッシュアップして本格投入。
・他社とのコラボレーション製品の投入
ポテトチップやスナック菓子製造の山芳製菓(株)(東京都板橋区)とのコレボレーションで「ご飯がススム キムチ味ポテトチップ」を開発した他、「山田うどん」のブランドで外食レストランチェーンを展開する山田食品産業(株)(埼玉県所沢市)とのコラボレーションで「キムチサラダうどん」(月替わりメニュー)を開発した。「ご飯がススム キムチ味ポテトチップ」は、「ご飯がススム キムチ」の特徴的な味である「甘味」、「辛味」、「後引く魚介のうま味」を忠実に再現したポテチ。また、「キムチサラダうどん」は「ご飯がススム キムチ」をトッピングした“冷製サラダうどん”で、特製のごまドレつゆとキムチの相性が抜群。
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