ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

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ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.24

(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.24】2011年9月期第3四半期業績レポート
取材概要「政治の混乱等で震災からの復興が遅れている国内での販売に先行き不透明感がある上、史上最高値水準にある為替レートも懸念材料である。しかし・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年9月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(8/24現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
600円 13,772,302株 8,263百万円 9.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
9.00円 1.5% 18.58円 32.3倍 452.69円 1.3倍
※株価は8/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
SHOEIの2011年9月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメットメーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界50カ国以上を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力により、右の3つの世界一を実現する事を経営方針に掲げている。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。
 
<事業内容>
二輪乗車用ヘルメット(以下、「プレミアムヘルメット」)の売上高が約90%を占めている。なかでも、高品質で高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県東磐井郡)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、より高い品質を維持すると共に技術の流出防止にも努めている。また、業界では唯一の「トヨタ生産方式」導入企業として、高い限界利益率と在庫回転率、及び優れた資産効率を誇る。
 
<新世代プレミアムフルフェイス「XR-1100」>
 
世界中のライダーに支持されてきたベストセラーモデル「XRシリーズ」の日本仕様モデル。
シェルとスポイラーが完全に一体化したスタイリッシュでエモーショナルな究極のエアロフォルム。ヘルメット全体の総合的なエアロダイナミックス性能により、高速走行時のドラッグやリフトを大きく軽減する事に成功し、あらゆる状況で優れた走行安定性を発揮する。また、ベンチレーションに優れる一方、シールド圧着で抜群の静粛性も実現した。
 
 
2011年9月期第3四半期決算
 
 
前年同期比13.4%の減収、同42.7%の経常減益
売上高は前年同期比13.4%減の66.8億円。海外市場で先行投入した2モデルが引き続き好調を維持し国内での売上が増加したものの、二輪車市場及び関連商品市場の低迷と円高の影響で欧米での売上が大きく落ち込んだ。コスト削減に努めたものの、減収による限界利益の減少で営業利益が同37.6%減少。為替差益が無くなり営業外損益が悪化した他、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額31百万円や震災による損失55百万円など91百万円を特別損失に計上したため、四半期純利益は同57.1%減少した。
 
 
 
国内売上は前年同期比6.6%増の16.2億円。海外市場で先行投入した2モデルの好調が続き、東日本大震災に伴う工場の操業停止や物流が停滞した影響等を吸収した。
一方、海外売上は、前年同期比18.3%減の50.5億円。このうち欧州は同15.5%減の34.3億円。経済の回復を受けて二輪車関連市場も回復したドイツでの売上が増加したものの、フランス、イギリスが前年同期並みにとどまり、イタリアやスペインは大きく落ち込んだ。北米での売上も同25.8%減の12.3億円と大きく落ち込んだが、二輪車市場及び関連市場に底打ち感が出てきた。
 
 
(3)財政状態
第3四半期末の総資産は、たな卸資産及び仕入債務の増加等で84.2億円と前期末比2.7億円増加した。厳しい決算となったが、有利子負債に依存しない健全な財政状態が維持されており、自己資本比率は77.5%。
 
 
 
2011年9月期業績予想
 
東日本大震災の影響を織り込み、通期で前期比9.2%の減収、同47.1%の経常減益を予想
第4四半期(7-9月)は、前年同期比4.3%の増収、65.8%の経常利減益となる見通し。新モデル投入の効果が無くなる国内売上が5.6億円と同11.8%減少するものの、北米や欧州の一部の国での回復で海外売上が19.0億円と同10.3%増加する見込み。前提となる為替レートは、同社個別で1US ドル=80.00円、1ユーロ=115.00円。海外子会社が(6月末の換算レート)が1US ドル=80.73円(同△7.75円)、1ユーロ=116.84円(+9.03円)。
通期予想は前期比9.2%の減収、同47.1%の経常減益。配当は配当性向50%相当額の1株当たり9 円を予定している。
 
 
 
 
今後の注目点
政治の混乱等で震災からの復興が遅れている国内での販売に先行き不透明感がある上、史上最高値水準にある為替レートも懸念材料である。しかし、海外販売が回復基調にある事が明るい材料。極端な円高が修正されれば、来期は海外をけん引役に業績が回復に向かう可能性が高い。