臨床試験(治験)や医薬品の市販後臨床試験等に関わる業務の一部を代行する事で製薬会社の医薬品開発を支援するCRO(Contract Research Organization)事業を手掛けており、第2の柱とするべくCSO(医薬品営業受託業)を育成中。CRO事業では、治験の最も大切な段階である第II相試験(フェーズII)及び第III相試験(フェーズⅢ)における「モニタリング業務」とこれに付随する「品質管理業務」、及び「コンサルティング業務」に特化している事が特徴。また、統合失調症、うつ病、アルツハイマー等の中枢神経系(CNS)領域やがん領域といった難易度の高い領域に注力する事で他社との差別化を図っている(これに対して、生活習慣病等の領域は差別化が難しく受託競争が激しい)。主な取引先は、エーザイ、大塚製薬、第一三共、武田薬品、ヤンセンファーマ等。
尚、近年、新薬の開発トレンドは生活習慣病から治療満足度が低いCNS領域やがん領域にシフトしているが、がん領域の開発は安全性情報の取り扱いが難しく、CNS領域では有効性評価の標準化が難しいため、これまでは製薬会社の社内で対応していた。しかし、近年、こうした難しい領域でもアウトソーシングされるケースが増えている。
モニタリング業務
治験が手順通り正確に行われているかを監視(モニタリング)する。この業務を行う者をCRA(Clinical Research Associate:臨床開発モニター)と呼び、治験薬や実施計画書についての説明から治験データの回収までを手掛ける。
品質管理業務
CRAが医療機関から回収したデータについて、定められたチェックリスト等を用いて確認する。
コンサルティング業務
製薬会社に対して、新薬開発のスケジュール作成から治験企画、承認申請に至るまでのコンサルティングを行う業務。新薬開発をスムーズに進めるための技術的なサポートも行なっている。
<中期事業戦略>
①(実績を残しつつあるCNS領域に加え)がん領域を中心にした治験領域の拡大、②日米欧の3極体制の整備による既存事業(CRO)の強化、及び③CSO事業の育成の3点がポイント。がん領域は、国内の大手医薬品会社がM&Aを含めて強化している領域で、世界の主要抗がん剤の売上は右肩上がりで推移している。3極体制の整備では、日本を含むアジア、米国、欧州の3極でCRO事業を展開し、国際共同治験(グローバルスタディ)に対応できる体制を整備する。この一環として、現在、米国法人LINICAL USA, INC.(米国カリフォルニア州、08年7月設立)が、現地でモニタリング・コンサル業務を手掛けている。また、CSO事業を育成しCRO事業とのシナジーを追求する事で、新薬の開発段階から上市後に至る一気通貫のサービスが可能となり、付加価値向上はもとより、製薬会社の利便性も高まる。尚、CSOとはContract Sales Organizationの略で、医薬品の販売において重要な位置を占めるMRの派遣やマーケティング支援等により製薬会社の医療機関向け医薬品販売を支援する。
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