ブリッジレポート
(4317) 株式会社レイ

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ブリッジレポート:(4317)レイ vol.25

(4317:JASDAQ) レイ 企業HP
分部 日出男 会長
分部 日出男 会長

【ブリッジレポート vol.25】2011年2月期業績レポート
取材概要「11/2期は「飛躍のための足固めの一年目」との位置付けで、営業力強化による受注拡大、コスト管理の徹底による事業の採算性向上、業務の効率化に・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年6月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社レイ
会長
分部 日出男
所在地
東京都港区六本木 6-15-21
決算期
2月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年2月 8,430 570 509 295
2010年2月 7,439 207 147 124
2009年2月 8,720 334 297 106
2008年2月 9,576 -628 -497 -635
2007年2月 9,861 31 -35 -28
2006年2月 9,533 782 773 416
2005年2月 8,237 386 380 226
2004年2月 7,649 434 429 207
2003年2月 6,761 142 126 34
2002年2月 8,184 800 763 429
2001年2月 7,030 634 599 266
2000年2月 6,169 309 262 73
株式情報(6/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
140円 12,737,209株 1,783百万円 16.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 0.79円 177.2倍 155.07円 0.9倍
※株価は6/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
レイの2011年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
経営戦略の立案・遂行と各事業会社の管理業務の代行を中心とする(株)レイと、事業体である子会社4社でグループを構成。TVCMやセールスプロモーション等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業が二本柱。企画制作だけでなく、充実したポストプロダクション機能を備えている事が特徴。
 
<事業セグメント>
広告ソリューション事業
企業のSP(セールスプロモーション)、キャンペーン、イベント、展示会、ショールーム等の企画制作・運営を手掛けるSP事業部(SP・イベント部門)とTVCMの企画制作を行うアドコンテンツ事業部(TVCM部門)に分かれ、(株)レイのCM事業部、主に電通を顧客とする(株)ウイーズ・ブレーン、及び主に博報堂を顧客としTVCM等の企画制作も手掛ける(株)ティーシー・マックス子会社の3社で事業を展開している。
 
 
テクニカルソリューション事業
催事等で使用するデジタル映像機材のレンタルを手掛けるプレントユニット(映像機器レンタル部門)とデジタル映像編集スタジオを保有し撮影から加工までをカバーすると共にDVD・BD・CG制作等も手掛けるマックレイユニット(ポストプロダクション部門)に分かれる。後者は広告ソリューション事業を実制作の面から支援する機能も担っている。
 
 
 
2011年2月期決算
 
 
前期比13.3%の増収、経常利益5.0億円(前期は1.4億円の利益)
売上高は前期比13.3%増の84.3億円。繁忙期の需要取り込みが進んだSP・イベント部門を中心に広告ソリューション事業の売上が増加した他、件数の増加による映像機器レンタル部門の売上増等でテクニカルソリューション事業の売上も増加した。利益面では、増収に伴う稼働率の向上で売上総利益率が改善する一方、コスト管理の徹底で販管費は小幅な増加にとどまり、営業利益が2.7倍に拡大。固定資産除却損など特別損失34百万円を計上したものの、当期純利益は2.9億円と同2.3倍に拡大した。配当は1株当たり2円増配の期末4円を予定している。
 
 
広告ソリューション事業
TVCM部門の減収をSP・イベント部門でカバーして売上高が38.5億円と前期比12.8%増加。増収効果とコスト管理の徹底でセグメント利益は3.3億円と同51.5%増加した。尚、SP・イベント部門においては、主要取引先である広告代理店との関係強化に取り組んだ事で大型展示会案件や秋の繁忙期(イベント・展示会等が季節的に増加する)の受注が伸びた他、新規案件や新規顧客の開拓も進んだ。一方、TVCM部門においては、第3四半期(9-11月)以降、新規CM制作が回復したものの、第2四半期(6-8月)までの落ち込みが響いた。
 
テクニカルソリューション事業
件数増で映像機器レンタル部門の売上が増加した事に加え、スタジオ編集業務を中心にポストプロダクション部門も堅調に推移し売上高が45.7億円と同13.8%増加。ポストプロダクション部門におけるリース料の減少等でセグメント利益は6.5億円と同60.1%増加した。尚、映像機器レンタル部門では営業力強化策による中小型案件の受注件数増に加え、映像機器だけでなく、周辺の音響、照明、施工といった総合請負業務の拡大に努めた事が売上の増加につながった。また、ポストプロダクション部門のリース料の減少は、デジタル化に備えて実施した設備投資関連のリース料がピークアウトした事による。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比2.1億円減の45.7億円。借方では、売上の拡大で売上債権が、設備投資に伴い有形固定資産がそれぞれ増加する一方、現預金が減少。貸方では、純資産が増加する一方、有利子負債が減少した。CFの面では、売上の拡大に伴う運転資金の増加で営業CFが減少する中、設備投資に伴う支払いで投資CFのマイナス幅が拡大したため、前期は4.6億円だったフリーCFが87百万円に減少した。短期借入金を中心に有利子負債の削減を進めた事で財務CFのマイナス幅も拡大し、現金及び現金同等物の期末残高は7.3億円と前期末比6.9億円減少した。
 
 
 
同社は、向こう3年を目途とした成長戦略を策定し、11/2期(30期)をその1年目(足固めの1年)と位置付けた。
 
 
2012年2月期業績予想
 
 
前期比12.2%の減収、同90.2%の経常減益予想
3月11日に発生した東日本大震災の影響で展示会やイベント等の中止が相次いでおり、特にSP・イベント部門の直近の業績に影響を与えていると言う。現在の引合状況から、下期は、ある程度の事業環境の改善が見込まれるものの、上期の落ち込みが響き経常利益が同90.2%減少する見込み。配当は無配。
 
 
取材を終えて
11/2期は「飛躍のための足固めの一年目」との位置付けで、営業力強化による受注拡大、コスト管理の徹底による事業の採算性向上、業務の効率化による生産性の向上等の施策を進めた。また、クロスメディアソリューションへの対応を加速するべく、広告ソリューション事業においてSP・イベント部門とTVCM部門による合同プレゼンテーションに取り組んだ他、テクニカルソリューション事業においては映像機器レンタル部門とポストプロダクション部門での合同内覧会の開催等を実施した。この結果は既に説明した通りで、「飛躍のための足固めの一年目」というよりも一気に「飛躍」してしまった感がある。
しかし、二年目の12/2期は外部環境が余りに厳しく、業績予想については既に説明した通り。このため、業績回復は、カタカナの「レ」の字と言うよりは、アルファベットの「W」と言った感じになるのではないか。チャート分析で言えば、「W(ダブル)ボトム」は相場反転のシグナル。下期以降の業績回復に期待したい。