ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

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ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.23

(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.23】2011年9月期上期業績レポート
取材概要「3月11日に発生した東日本大震災では、岩手工場と茨城工場が被災した。このうち茨城工場が3月22日に操業を再開し、被害が大きかった岩手工場もレー・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年5月24日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(5/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
630円 13,772,302株 8,677百万円 9.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - - - 452.69円 1.4倍
※株価は5/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
SHOEIの2011年9月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメットメーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界50カ国以上を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力により、右の3つの世界一を実現する事を経営方針に掲げている。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。
 
<事業内容>
二輪乗車用ヘルメット(以下、「プレミアムヘルメット」)の売上高が約90%を占めている。なかでも、高品質で高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県東磐井郡)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、より高い品質を維持すると共に技術の流出防止にも努めている。また、業界では唯一の「トヨタ生産方式」導入企業として、高い限界利益率と在庫回転率、及び優れた資産効率を誇る。
 
<新世代プレミアムフルフェイス「XR-1100」>
 
世界中のライダーに支持されてきたベストセラーモデル「XRシリーズ」の日本仕様モデル。
シェルとスポイラーが完全に一体化したスタイリッシュでエモーショナルな究極のエアロフォルム。ヘルメット全体の総合的なエアロダイナミックス性能により、高速走行時のドラッグやリフトを大きく軽減する事に成功し、あらゆる状況で優れた走行安定性を発揮する。また、ベンチレーションに優れる一方、シールド圧着で抜群の静粛性も実現した。
 
 
2011年9月期上期決算
 
 
前年同期比20.0%の減収、同44.1%の経常減益
売上高は前年同期比20.0%減の42.2億円。国内は海外市場で先行投入した2モデルが好調に推移し、売上が増加したものの、需要回復の遅れに加え、円高や天候不順の影響もあり、海外売上が大きく落ち込んだ。利益面では、全社をあげての生産性の改善や経費削減に加え、国内での新製品の販売好調や春需を前に前期に圧縮した製品在庫の積み増しもあり、売上総利益率が改善し、また販管費が減少したものの、減収の影響をカバーできず営業利益が3.1億円と同39.0%減少。為替差損益の悪化(51百万円→△0百万円)に加え、資産除去債務計上に伴う損失31百万円や東日本大震災による操業停止及び復旧作業に関する固定費55百万円など特別損失91百万円を計上したため四半期純利益は1.3億円と同64.9%減少した。
尚、期初予想との比較では、海外市場の低迷や東日本大震災による売上の下振れが響いた。東日本大震災の影響は、個別ベースの売上高108百万円(国内向けで43百万円、海外子会社向けで64百万円)が第3四半期にずれ込んだ他、地震後の操業停止及び復旧作業に伴う固定費55 百万円を特別損失に計上した。
 
 
 
国内売上高は前年同期比7.7%増の10.9億円。東日本大震災に伴う工場の操業停止及び物流制限の影響を受けて43百万円の売上が期ズレしたものの、前期下期及び当第1四半期(10-12月)に海外市場で先行投入した2モデルが国内でも好調に推移した。一方、需要回復の遅れに加え、円高や天候不順の影響も受けた海外売上高は31.3億円と同26.6%減少(海外売上高比率74.1%)。このうち欧州での売上高は同24.9%減の21.1億円。昨年年末にかけての極寒とも言える悪天候の影響を大きく受けた他、ドイツ以外の欧州経済の回復遅れ(特に、イタリア、スペインのニ輪車販売が前年比で大幅に減少)も響いた。また、北米もバイク関連需要の回復は弱く、寒波の影響もあり、売上高が7.8億円と同31.2%減少した。
 
(3)財政状態
上期末の総資産は前期末比0.4億円減の81.0億円。借方では、春需に向けた在庫の積み増しにより、たな卸資産が増加。貸方では、生産が順調に進んだ事で仕入債務が増加した。
 
 
 
2011年9月期業績予想
 
「東日本大震災による工場の被害の修復状況、今後の部品・原材料の供給状況、更には夏期に想定される節電要請の影響等、東日本大震災に起因する複数の見通しを立てにくい要因がある」として通期業績予想の開示を見送った。
 
 
取材を終えて
3月11日に発生した東日本大震災では、岩手工場と茨城工場が被災した。このうち茨城工場が3月22日に操業を再開し、被害が大きかった岩手工場もレーザー加工機等、被害を受けた生産設備の修理が完了し、3月31日に通常稼働に戻った(岩手工場は4月7日の余震で再度被災したが、11日に復旧)。しかし、頻発する大型の余震の影響や一部の原材料や部品の調達面での先行き不透明感に加え、電力供給も含めた東日本大震災の間接的な影響を読みきる事は難しい。このため、業績予想の開示見送りも止むを得ないと考える。ただ、幸い東日本大震災前に春需に向けた在庫の積み増しが進んでおり、また東日本の物流も正常化しつつあるため、需要が回復すれば迅速に対応できる体制は整っている。