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ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.35

(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.35】2011年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「1月21日に経済産業省から発表された「特定サービス産業動態統計調査」によると、情報サービス産業の売上高は09年6月からマイナス成長が続・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年2月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 17,263 850 864 155
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(2/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
583円 7,427,990株 4,331百万円 2.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
19.00円 3.3% 74.04円 7.9倍 798.79円 0.7倍
※株価は2/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2011年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
金融向けITアウトソーシング業務に強みを持つ独立系の情報サービス会社。優良顧客との継続的な取引を特徴としており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に安定した収益基盤を有する。事業は、システム運営管理、ソフトウェア開発・保守、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)、その他に分かれ、各事業の概要は次の通り。
 
システム運営管理(ITO)
1,000名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
ソフトウェア開発・保守(SI)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)
金融機関等へ「データ入力」、「バックオフィス」、「ヘルプデスク」、「要員派遣」、「デジタルソリューション」などのサービスを提供している。
その他
セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。「セキュリティ・マネジメント」、「外部からの攻撃対策」、「内部不正への対策」の3つの側面から企業をサポート。世界の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
 
 
2011年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比5.0%の減収、同12.3%の経常増益
売上高は前年同期比5.0%減の120.9億円。システム運営管理事業がほぼ前年同期並みの売上を確保したものの、大口案件の終了や新規受注の伸び悩みでビジネスプロセスアウトソーシング事業が大きく落ち込んだ他、開発案件の減少でソフトウェア開発・保守事業の売上も減少した。ただ、グループをあげて内製化や業務の効率化に取り組むと共に、業務プロセスの見直しを推進。売上原価及び販管費の削減が進み、売上が減少する中で営業利益が同5.5%増加した。保険解約返戻金(14百万円)や子会社が雇用調整助成金収入(28百万円)を計上した事で営業外損益が改善。特別損失の減少(42百万円→19百万円)や税効果会計の影響で四半期純利益は3.6億円と同30.3%増加した。
 
 
システム運営管理
売上高は前年同期比0.7%減の72.6億円。金融機関を中心とした企業のIT投資の縮小が続く中、顧客からの値下げ要請もあったが、システム運営管理業務のアウトソーシング化の流れを捉えほぼ前年同期並みの売上を確保した。
 
ソフトウェア開発・保守
売上高は前年同期比8.1%減の39.4億円。電力・ガス等のエネルギー関連企業からの受注が堅調に推移したものの、主力の銀行・生損保等、その他既存顧客のIT投資が低調に推移した。
 
データ入力
既存大口案件の終了と新規受注の伸び悩みにより売上高は3.8億円と前年同期比48.4%減少した。尚、大口案件の業務終了を受けて12月末に受託入力業務から撤退しており、今後はヘルプデスクと事務代行に経営資源を集中する。
 
その他(セキュリティ業務、コンサルティング業務等)
積極的な営業活動を展開したセキュリティ業務の受注が寄与し、売上高は5.1億円と前年同期比29.0%増加した。
 
 
前年同期比1.2%の減収、同81.3%の経常増益
潜在ニーズの発掘と付加価値サービスへの転換によりシステム運営管理事業がほぼ前年同期並みの売上を確保した他、ソフトウェア開発・保守の減収幅も縮小。セキュリティ業務を中心にその他の売上も増加した。内製化、業務効率化、及び業務プロセスの見直し等の成果も顕著に現れ、同89.7%の営業増益。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比5.8億円減の88.9億円。借方では、売上債権の回収が進んだ他、有価証券の売却で投資その他が減少。貸方では、未払法人税、賞与引当金、及び役員退職慰労引当金等が減少する一方、当面の資金需要及び期末にかけての資金需要に対応するべく有利子負債を積み増した。CFの面では、利益の増加に加え、運転資金も減少したものの、役員退職慰労金(4.0億円)の支払いで営業CFが減少。ただ、定期預金の払い戻しや設備投資の減少で投資CFのマイナス幅が縮小したため、フリーCFは0.5億円と前年同期をわずかに上回った。有利子負債の積み増しで財務CFも黒字となり、現金及び現金同等物の第3四半期末残高は18.6億円と前期末比1.1億円増加した。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比1.4%の増収、同21.5%の経常増益予想
売上高は前期比1.4%増の175億円。ソフトウェア開発・保守事業及びビジネスプロセスアウトソーシング事業の苦戦を想定しているものの、システム運営管理事業及びセキュリティ業務を中心としたその他の売上は健闘。利益面では、工程管理の徹底及び業務の効率化に取り組む事で売上総利益率の改善を図る一方、諸経費の伸びを抑え、営業利益10.5億円を確保したい考え。配当は1株当たり年19円を予定。
 
 
 
取材を終えて
1月21日に経済産業省から発表された「特定サービス産業動態統計調査」によると、情報サービス産業の売上高は09年6月からマイナス成長が続いており、第3四半期累計期間中の事業環境は厳しいものとなった。また、今後についても、同社では「企業のIT関連投資縮小や経費節減傾向が依然として継続しており、事業環境は引き続き厳しい」と見ており、第4四半期(1-3月)も引き続き楽観はできないようだ。このため、通期業績予想を達成するためのハードルは低くないが、四半期ベースの業績が尻上がりに改善しておりトレンドは悪くない。期末にかけての追い込みに期待したい。