ブリッジレポート
(2157) 株式会社コシダカホールディングス

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ブリッジレポート:(2157)コシダカホールディングス vol.4

(2157:JASDAQ) コシダカホールディングス 企業HP
腰髙 博 社長
腰髙 博 社長

【ブリッジレポート vol.4】2011年8月期第1四半期業績レポート
取材概要「1990年8月のカラオケ1号店の出店から20年が経過し、同社は独創的な出店方法によるビジネスモデルの確立と顧客目線でのサービスの開発により・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年1月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社コシダカホールディングス
社長
腰髙 博
所在地
群馬県前橋市大友町1-5-1
決算期
8月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年8月 21,932 2,503 2,579 1,125
2009年8月 18,955 1,496 1,427 549
2008年8月 13,649 691 731 421
2007年8月 11,332 535 561 134
2006年8月 8,878 552 560 319
2005年8月 6,360 403 400 233
2004年8月 3,552 340 337 192
2003年8月 2,037 104 99 57
株式情報(1/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
385,000円 24,000株 9,240百万円 35.3% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10,000.00円 2.6% 97,062.00円 4.0倍 197,265.40円 2.0倍
※株価は1/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
コシダカホールディングスの2011年8月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
“総合余暇サービス提供企業”を標榜し、「既存業種新業態」戦略を推進。「カラオケ本舗まねきねこ」のブランドで全国展開するカラオケ事業を基盤に、子会社を通してフィットネス(カーブス)事業及びボウリング事業を展開中。カーブス事業では、連結子会社(株)カーブスジャパンが女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」のFC(フランチャイズ)本部運営を手掛けており、連結子会社(株)北海道コシダカがそのフランチャイジーとして運営を行っている。10年9月には第3の柱を育成するべくボウリング事業を手掛ける(株)スポルトを子会社化した。
 
<沿革>
1954年に都内で飲食店として創業した同社だが、現在、社長を務める腰髙博氏のリーダーシップの下、90年にカラオケボックス事業に参入。レーザーディスクを使ったスナックやバー等でのカラオケから通信システムを活用したカラオケボックスへ需要がシフトする流れをつかみ事業を軌道に乗せた。95年8月の腰髙博氏の社長就任以降は、営業不振等で撤退するカラオケボックスを再生利用する出店モデル(居抜き出店)を開発し業容を拡大。2000年3月には株式会社コシダカに組織及び名称を変更した。また、06年には(株)カーブスジャパンのフランチャイジーとしてフィットネス事業に進出。07年6月のJASDAQ上場を経て、08年10月に(株)カーブスジャパンを子会社化した。更に、10年9月には純粋持株会社体制へ移行すると共に、日本におけるボウリング場運営事業のパイオニアであり、ボウリングを通じた周辺地域の健康増進活動に取り組む(株)スポルトを子会社化(議決権の99.9%を取得)した。
 
<コシダカ・グループ>
目指すところは、「アミューズメント」、「スポーツ・フィットネス」、「観光・行楽」、「趣味・教養」の4つの事業分野において、「既存業種新業態」を展開する“総合余暇サービス提供企業”。そのためには、「各事業により深く特化し競争力を高める事、グループ間のシナジーを追及できる体制にする事、及び第4・第5の事業の創造、取り込みが容易にできる体制にする事が必要」というのが同社の考え。今後、純粋持株会社体制の下、各事業で自律的な経営体制を構築していく。
 
 
 
2011年8月期第1四半期決算
 
 
前年同期比29.0%の増収、同5.6%の経常減益
連結売上高は前年同期比29.0%増の61.3億円。9月に子会社化した(株)スポルトが寄与した他、「女性専用の30分フィットネス」として業界内で独自のポジションを確立しつつあるカーブスの売上が伸長。主力のカラオケも前期に新規出店した店舗の寄与や大規模リニューアルの効果で売上が増加した。利益面では、新規出店や大規模リニューアルの影響で売上総利益率が低下した他、販管費が増加したものの増収効果で吸収。営業利益は2.9億円と同17.7%増加した。社債発行費用0.6億円の計上等で営業外損益が悪化した他、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額0.6億円など1億円強を特別損失に計上したものの、(株)スポルトの連結子会社化に伴う負ののれん発生益11.9億円を特別利益に計上したため、四半期純利益が11.8億円と大幅に増加した。
 
 
カラオケ
売上高が38.1億円と前年同期比6.8%増加したものの、新規出店やリニューアル等の先行投資負担からセグメント利益は1.2億円と同2.3%減少した。第1四半期末の店舗数は314店舗(前期末は309店舗)。5店舗(全て居抜き出店)の新規出店を行うと共に、17店舗で集客力の維持・拡大を図るべく、内外装の一新と料金等の営業施策の見直しを同時に行う大規模リニューアルを実施した。また、9月の定例グランドメニュー改定と10月に開始した「Bグルフェア(全国B級グルメフェア)」第2弾等、飲食メニューの多様化と質的向上を図り飲食売上の拡大にも努めた。韓国での店舗展開に向けた市場調査も進行中である。
 
カーブス
売上高は前年同期比35.3%増の16.0億円、セグメント利益は同2.2倍の2.7億円。第1四半期末の加盟店舗数は前期末比55店舗増(グループ直営店3店舗増)の919店舗(グループ直営店17店舗)。加盟会員数は355千人と同33千人増加した。「女性専用の30分フィットネス」として、中高年齢層を中心にカーブスの認知が広がりつつある中、既存店の業績向上を目的とした会員増強プログラムの開発や加盟事業者の多店舗展開の支援が成果をあげた。また、集合研修や地区別研修会・会議の開催、更には加盟店訪店等によりスタッフの会員サービス力の向上にも努めた。
 
ボウリング
売上高6.4億円、セグメント損失1.1億円。同社グループが培ってきた「居抜き出店方式」のノウハウを活用し、既存ボウリング場の再生による店舗展開を進めており、第1四半期は1店舗を出店した。また、全店舗で「健康ボウリング教室」を定期的に開催し、若い頃にボウリングを楽しんだ中高年層の掘り起こしと固定客化にも取り組んでいる。期末店舗数は13店舗。

この他、(株)スポルトの連結子会社化に伴い、同社が手掛ける不動産管理事業を報告セグメントに追加した他、10年10月に群馬県高崎市に開設した温浴施設「箕郷温泉まねきの湯」(居抜き方式にて出店)の収益をその他として計上している。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
9月に(株)スポルトを子会社化したため、第1四半期末の総資産は166.4億円と前期末比46.6億円増加した。借方では、現預金が減少する一方、M&Aや新規出店及び既存店のリニューアルに伴い有形固定資産や投資その他(敷金保証金)が増加。貸方では、未払法人税等が減少する一方、純資産や有利子負債が増加した。CFの面では、税金の支払い(税負担:5.0億円→8.7億円)等で営業CFがマイナスとなった他、新規出店やリニューアルに伴う支出で投資CFもマイナスとなったが、預り金の増加やM&Aに伴う子会社の現預金の取り込み等でフリーCFのマイナス幅は縮小した。
 
 
 
2011年8月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、通期で前期比29.4%の増収、同22.6%の経常増益予想
子会社化した(株)スポルトが寄与する他、加盟店の増加でカーブスの売上も大きく伸びる。利益面では、既存店のてこ入れにより収益性の改善が進むカラオケを中心に営業利益が32.4億円と同29.6%増加する見込み。配当は1株当たり1,300円増配の年10,000円を予定(上期末配当5,000円)。

尚、セグメント別の売上・利益は、カラオケが売上高179.5億円(前期比8.8%増)、利益25.4億円(同29.0%増)、カーブスが売上高69.3億円(同27.5%増)、利益5.5億円(同4.9%増)、ボウリングが売上高34.8億円(9.2%増)、利益1.4億円(11.7%増)。
 
(2)浅草まねきねこ本店にて「昭和歌謡レヴュー」のロングラン公演がスタート (同社プレスリリースより)
(株)アミューズ(4301)の子会社でアクティブシニア向けエンターテイメント事業を手掛ける(株)アミューズエデュテイメントが、アスカシアター(株)より委託を受けて企画制作した、昔懐かしい“昭和歌謡レヴュー”のロングラン公演が「浅草まねきねこ館(下町唱酒場 浅草まねきねこ 本店内)」で始まった。
“昭和歌謡レヴュー”は、戦後の日本娯楽を支えた ブギの女王 笠置シヅ子と 日本の喜劇王 エノケンこと榎本健一 をテーマにした歌謡レヴュー。歌あり、踊りあり、笑いあり、舞台と客席が一体となって盛り上がった昭和20年代の娯楽シーンを、「虎姫一座」と称する9名のキャストが歌やタップダンス、パントマイム等を取り入れた現代風アレンジで再現する。
 
 
取材を終えて
1990年8月のカラオケ1号店の出店から20年が経過し、同社は独創的な出店方法によるビジネスモデルの確立と顧客目線でのサービスの開発により、店舗数日本一のカラオケチェーンを展開する企業に成長した。中期的には、カラオケ事業で培った事業基盤とノウハウを活かし事業領域を広げる事で、「既存業種新業態」を展開する総合余暇サービス提供企業として更なる成長を目指しており、この方針の下、カラオケ事業が創業20周年を迎えた昨年9月に純粋持株会社へ移行した。第2の柱として育成中のカーブスは「女性専用の30分フィットネス」として中高年齢層を中心に認知が広がり、フィットネス業界において独自のポジションを確立しつつあり、また、同社グループが培ってきた「居抜き出店方式」のノウハウを活用した既存ボウリング場の再生と若い頃にボウリング経験のある中高年層の掘り起こし及び固定客化と言った事業コンセプトの下で進められるボウリング事業も、これまでに培ってきたノウハウや強みを生かせる事業であり、カラオケやカーブスとの様々なシナジーも期待できる。
中小規模のチェーンやカラオケ店の廃業・閉店が続く中で大手チェーンによる寡占化が進むカラオケ業界にあって、店舗開発力と運営能力に優れた同社のビジネスチャンスは拡大している。加えて、カーブスやボウリングと言った新規事業の成長とグループシナジー、更には東アジアを中心とする海外市場への展開と成長材料は豊富だ。