ブリッジレポート
(4955) アグロ カネショウ株式会社

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ブリッジレポート:(4955)アグロ カネショウ vol.29

(4955:東証2部) アグロ カネショウ 企業HP
櫛引 博敬 社長
櫛引 博敬 社長

【ブリッジレポート vol.29】2010年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期の業績予想が修正されなかったため、結果として、第4四半期(10-12月)は前年同期比で大幅な増収が見込まれる一方、営業損益が極端に悪化・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年12月28日掲載
企業基本情報
企業名
アグロ カネショウ株式会社
社長
櫛引 博敬
所在地
東京都港区赤坂 4-2-19
決算期
12月
業種
化学(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年12月 12,556 1,079 1,021 593
2008年12月 13,592 694 652 -108
2007年12月 13,391 533 476 258
2006年12月 12,851 576 497 272
2005年12月 12,154 442 385 114
2004年12月 10,742 536 366 186
2003年12月 7,322 -220 -208 -278
2002年12月 7,792 113 150 41
2001年12月 7,733 242 279 63
2000年12月 8,300 662 709 423
1999年12月 7,821 642 656 224
株式情報(12/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
990円 6,056,463株 5,996百万円 5.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.0% 89.70円 11.0倍 1,686.38円 0.6倍
※株価は12/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
アグロ カネショウの2010年12月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
人と自然と環境にやさしい農薬づくりに取り組む農薬専業メーカー。売上の約96%を農薬の製造・販売が占め、国内の売上が全体の82.5%。病害・害虫防除剤、除草剤など果樹・野菜・花卉向けを主体とし、農家密着型の営業展開により他の農薬メーカーと差別化を図っている。一般の農薬流通は、農薬メーカーを起点として川上から川下に商品を押し込むプッシュ型だが、同社は農家を起点として需要を汲み上げるプル型の流通体制を構築している。
グループは、同社の他、ベルギーに、D-Dやバスアミドといった農業用土壌処理剤事業を取り扱う子会社 Kanesho Soil Treatment SPRL/BVBA(同社出資比率60%。以下、KST)がある。
 
 
 
 
2010年12月期第3四半期決算
 
 
前年同期比2.1%の増収、同25.0%の経常増益
価格低迷で同社のターゲットである果樹農家をとりまく環境は厳しい状況が続いているものの、前年同期に大きく落ち込んだ反動や値上げ効果の浸透で売上高は101.3億円と同2.1%増加した。利益面では、増収効果に加え、委託試験費の第4四半期へのずれ込み等による販管費の減少で営業利益が11.5億円と同23.8%増加。固定資産除却損の増加等で特別損益が悪化したものの、税効果会計の影響で四半期純利益は7.1億円と同49.0%増加した。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比9.3億円増の189.6億円。借方では、CFの改善により現預金が増加した他、売上債権、たな卸資産、有形固定資産等も増加。貸方では、仕入債務や有利子負債が増加した。CFの面では、利益の増加による営業CFの増加と定期預金の預入の減少による投資CFの改善で、前年同期は3.3億円にとどまったフリーCFが18.1億円に増加。長期借入金を中心にした有利子負債の積み増しによる財務CFの改善もあり、現金及び現金同等物の第3四半期末残高は52.6億円と前期末比14.2億円増加した。
 
 
 
2010年12月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比7.0%の増収、同6.0%の経常減益予想
委託試験費の増加(200百万円)、年初に登録を取得した線虫防除剤「ネマキック」の広告・販促費負担、更には増改築を終えた所沢事業所の減価償却費等が負担となり、営業利益が同13.9%減少する見込み。設備投資は358百万円(09/12期は1,102百万円)を計画しており、減価償却費は1,003百万円(同 790百万円)を織り込んだ。配当は1株当たり期末30円を予定(20円の創立60周年記念配を落とす一方、10円の特別配当を実施する)。
 
 
 
取材を終えて
通期の業績予想が修正されなかったため、結果として、第4四半期(10-12月)は前年同期比で大幅な増収が見込まれる一方、営業損益が極端に悪化する見込み。ただ、第3四半期まで(1-9月)の業績を踏まえると、実際は売上が下振れする事で利益がほぼ予想に沿った着地になると考える。もっとも、今期は、年初に登録を取得した線虫防除剤「ネマキック」の本格的な販売に向けた準備の期でもある。目先の利益確保よりも、来期の需要期に向けた体制の整備が優先される事に異論は無い。