ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.34

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポート vol.34】2010年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「連結子会社 オプテックス・エフエー(株)が手掛ける産業機器関連事業が好調だ。大手センサメーカーと同等の製品ラインナップが整った事が・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年12月14日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(12/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,110円 16,551,934株 18,373百万円 2.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 2.7% 55.58円 20.0倍 1,008.22円 1.1倍
※株価は12/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
オプテックスの2010年12月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界でもトップクラスのシェアを有する屋外用センサ等の防犯用製品、自動ドアセンサ、環境関連製品等の製造・販売を行なっており、子会社を通して産業機器用センサの分野にも展開している。1979年に設立され、その翌年には、世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発する等、創業以来、信頼性の高いセンサシステムを提供してきた。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。更に05年には、交通関連事業にも参入した。
 
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託(EMS)事業・その他に分かれる。
 
防犯関連事業
主な製品は、屋内外で使われる各種センサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等。屋外用センサでは、世界でもトップクラスのシェアを有し、近年では、デジタル画像技術・通信技術等を活かした製品開発にも取り込んでいる。
 
自動ドア関連事業
主な製品は、無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等。世界で初めて遠赤外線式自動ドア用センサを開発した同社だが、近年では、画像センシング技術の活用により、ドアの自動開閉だけでなく、入退室者の管理や来店者数カウントなど人の動きを分析できる製品も供給している。
 
産業機器関連事業
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しており、CCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は現場ニーズに即して開発した製品で独自性が高い。
 
EMS・交通関連事業等
アジア向けEMS(生産受託)を展開。交通関連事業は危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」が主な製品。日常的に運転履歴に加え、交通事故時の映像を録画することも可能
 
 
2010年12月期第3四半期決算
 
 
前年同期比15.0%の増収、同227.4%の経常増益
売上高は前年同期比15.0%増の127.3億円。国内の建築市場の低迷や小売業界の投資抑制で自動ドア関連の売上が減少したものの、品質と価格競争力に優れた新製品の寄与で産業機器関連が大きく伸びた他、屋外用センサの販売が堅調に推移した海外を中心に防犯関連の売上も増加した。利益面では、相対的に収益率の高い製品の売上構成比上昇により売上総利益率が改善。研究開発費が増加したものの、為替の影響による子会社経費の減少や全社的な経費削減により販管費は小幅な増加にとどまり、営業利益は12.4億円と同3.5倍に拡大した。
 
 
防犯関連事業は、売上高が前年同期比5.4%増の55.0億円。電設資材・家電業界向け等の苦戦で国内売上が減少したものの、屋外用センサの販売台数増で通貨下落の影響を吸収した欧州を中心に海外売上が増加した。
自動ドア関連事業は、売上高が前年同期比5.8%減の25.8億円。自動ドア用センサのシェアが上昇した欧州をけん引役に海外売上が増加したものの、建築市況低迷の影響による自動ドア用センサの回復の遅れや小売業界の投資低迷による客数情報システムの低迷で国内売上が減少した。
産業機器関連事業は、売上高が前年同期比64.0%増の37.4億円。三品業界(食品、医薬品、化粧品)向けに加え、二次電池や液晶関連業界など特定用途向けのアプリケーション機器も伸び国内売上が増加。欧州及び中国を中心としたアジア地域の設備投資の拡大を受けて海外売上も増加した。
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比7.9億円増の215.2億円。為替ヘッジを目的に外貨借入を増加させた。この他、無形固定資産や投資有価証券も増加した。CFの面では、運転資金の増加で営業CFが減少した事に加え、投資有価証券の取得や事業譲受で投資CFのマイナス幅も拡大したが、3.0億円のフリーCFを確保した。
 
 
2010年12月期業績予想
 
 
第4四半期は利益面で保守的な予想に
第4四半期(10-12月)も産業機器関連事業の好調が続く他、屋外用センサをけん引役に防犯関連事業も堅調な推移が見込まれる。また、自動ドア関連事業も国内の底打ちで増収に転じる見込み。ただ、業績予想を修正しなかった事もあり、結果として、利益面では保守的な予想となった。
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比15.0%の増収、同104.0%の経常増益予想
通期では前期比15.0%の増収、同104.0%の経常増益を見込んでおり、1株当たり15円の期末配当を予定している(上期末配当15円を合わせて年30円)。
 
 
 
取材を終えて
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)が手掛ける産業機器関連事業が好調だ。大手センサメーカーと同等の製品ラインナップが整った事が背景にあり、カスタマイズ対応の強化や他社との協業による商品群及び販路の拡大により画像関連(カメラを使ったセンシング)製品等が国内外で伸びている。また、主力の防犯関連事業も08/12期から09/12期にかけて投入した新製品の寄与で、厳しい事業環境にもかかわらす堅調に推移している。製品のライフサイクルから考えて、来期の見通しも明るいが、来期は、自動ドア関連の回復に加え、RVR事業や照明制御事業と言った新規事業の進捗にも期待したい。
尚、RVR事業とはカメラ起動用の高精度屋外センサの販売事業で、PTZカメラ(パンチル・ズーム・カメラ)と組み合わせる事で高度なセキュリティシステムが構築できる。また、照明制御事業は消費電力の少ないLEDと起動用のセンサを組み合わせる事で、必要な時に必要なだけ、必要量を点灯させる(センサによる調光)事で省エネを実現する照明システムの販売事業である。