
前年同期比16.4%の増収、同31.3%の経常減益
消費低迷に加え、店舗閉鎖等の影響もあり、主力のコンビニ事業が減収となったものの、昨年10月に子会社化した(株)アスクの寄与や(株)FA24の増収で営業総収入が増加。利益面でも子会社2社が寄与した上、コンビニ事業も、猛暑効果で、飲料、アイスクリーム等の利益率の高い盛夏商品の販売が伸びる一方、店舗運営の効率化や諸経費の節減により販管費の削減が進展。営業利益は392百万円と同20.3%増加した。ただ、有価証券運用損益の悪化(152百万円→△58百万円)で営業外損益が悪化した事に加え、税負担率の上昇もあり四半期純利益は同45.2%減少した。

①売上高及び利益
上期末の店舗数は前期末比3店舗減の127店舗(直営店113店舗、加盟店14店舗)。量(店舗数)よりも質(1店舗の売上高)を重視し新規出店を見合わせる一方、不採算店3店舗を閉店した。
予想との比較では、春先の天候不順が響き既存店日販が想定したほどには伸びず、全店売上高(12,774百万円)が2.6%、営業総収入が2.4%、それぞれ予想を下回った。ただ、利益面では、夏場の猛暑効果による営業総利益率の改善と経費削減の進展により営業利益は76.1%予想を超過した。
前年同期との比較では、ホテル事業の売上として85百万円(期初予想86百万円)を計上したものの、消費低迷や店舗閉鎖の影響(前年同期末比5店舗減)等によるコンビニ事業の苦戦で営業総収入が減少(全店売上高は前年同期比8.7%減)。ただ、ホテル事業の寄与や夏場の猛暑効果による営業総利益率の改善と経費削減により営業利益はわずかな減少にとどまった。既存店平均日販は同5.6%減(期初予想:同3.0%減)の545千円。内訳は、平均客数が同3.4%減の997人、客単価が同2.3%減の547円。
ホテル事業は、ディズニーリゾート来園者の取り込みが進んだ3、8月は75%程度の稼働率を確保したが、4~6月の平日の苦戦が響き(幕張メッセでのイベントが無かったことなどが主な要因)、上期の稼働率は61.9%と目標の65%には届かなかった。ただ、16百万円の損失を予想していた経常損益は13百万円の損失にとどまった。通期では、稼働率65%を前提に170百万円の売上を想定。ビジネス需要の取り込みによる平日の稼働率向上が課題である。

昨年11月のホテル開業に伴いホテル減価償却費が発生したものの、売上の減少に応じた店舗のパート・バイトのシフトや時給単価の見直しに加え、社員の給与・賞与の見直しや諸経費の削減で吸収。販管費は3,065百万円と同4.3%減少した。尚、上期末の社員数は前年同期末比12名減の275名。
③営業外損益及び特別損益
有価証券運用損益の悪化(152百万円→△58百万円)や入居率の低下(89.8%→78.9%)による投資不動産利益の減少(69百万円→51百万円)で営業外損益が悪化したものの、店舗閉鎖損失や減損損失の減少等で特別損益は改善した(△50百万円→△28百万円)。
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ヘアカット事業の売上計上方法を変更した影響でその他事業の収入が64百万円と同41.2%減(売上及び原価の両建て計上からネット収益のみの計上へ変更)したものの、(株)アスクとの連携などによりクリーニング事業の収入が597百万円と同173.9%増加した。クリーニング事業の好調で営業総収入は期初予想を26.9%超過した。 |
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フロント受託の契約件数は856物件。事業別収入は、フロント受託事業が1,964百万円、クリーニング事業が230百万円、ショップ事業が236百万円、その他事業が256百万円。新規受託件数が伸び悩み、営業総収入が予想を7.8%下回ったものの、給与単価の見直しやクリーニング取次ぎのグループ集約化など経費削減が進み想定以上に収益性の改善が進展。通期予想に対する進捗率は、営業総収入が47.0%、営業利益が73.9%、経常利益が73.0%。 |
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態に大きな変化は無く、上期末の総資産は前期末比19百万円増の12,759百万円。CFの面では、利益の減少と税負担の増加で営業CFが減少したものの、ビジネスホテル関連の投資一巡で投資CFのマイナス幅も縮小。440百万円のフリーCFを確保した。新規の借り入れを抑制する一方、長期借入金の約定返済が進んだ事で財務CFはマイナスとなったが、現金及び現金同等物の期末残高は2,387百万円と前期末比159百万円増加した。

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