コンテンツサービス事業では、選択と集中により事業基盤となる公式サイトの強化を図ると共に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やスマートフォン(App Store、Android Market)へのアプリ提供にも取り組む事で新規ビジネスの育成につなげていく。この一環として、8月23日に国内初のAndroid向け乙女ゲームアプリ として公式サイト(http://k-prince.com/)でリリースした「ケータイ王子~秘密のMyダーリン~」を、9月28日にmixiでリリースした。更に、10月にはモバゲーでのリリースを予定している他、年末までに新たに4~5タイトルの投入を予定している。ただ、当面は無償提供として、シェアの確保を優先する。
尚、成熟が進む携帯電話市場ではあるが、スマートフォンは引き続き高い成長が見込める分野であり、調査会社マルチメディア総研によると、2015年には携帯電話販売数に占めるスマートフォンの比率が全体の54.6%に達すると言う。また、調査会社シード・プランニングでは、2015年にはスマートフォンやiPad等のタブレット型に搭載されるOSの47.3%をAndroidが占めると予想している。
この第1四半期には、運用収益が期待できる(株)ローソンのポータルサイト「Ponta de LAWSON」の運営業務の受注に成功すると共に、消費者とのタッチポイント拡大の一環として、同社自身も「Ponta(ポンタ)」に参画した。「Ponta de LAWSON」とは買い物で貯まった「Ponta(ポンタ)」のポイントで気軽に遊べるモバイルサイトで、「Ponta(ポンタ)」とは(株)ロイヤリティ マーケティング(以下、LM社)が発行・運用・管理する共通ポイントプログラム。「Ponta(ポンタ)」のポイントはLM社の提携企業の店舗やサイトで買い物をしたり、サービスを利用したりすると貯まり、LM社の提携企業の店舗やサイトであれば決済に使う事ができる。消費者がこのサービスを利用するためには会員登録が必要だが、ローソンのポイントプログラム会員約1,000万人とゲオの会員約1,000万人の約2,000万人の会員でスタートしたため、スタート時点で既に会員数は2,000万人を数え、10年10月1日現在で利用可能な店舗数は、(株)ローソン、(株)ゲオ、及び昭和シェル石油(株)を中心に全国約13,441店に上る。つまり、これらの店舗で買い物したり、サービスを利用したりして貯めたポイントで、日本エンタープライズが運営する「Ponta de LAWSON」の音楽、ゲーム、デコメ等のコンテンツを購入できるわけだ。
この他、携帯販売代理店との協業の強化にも取り組む考えで、提携店舗と商材の拡大に加え、店舗を活用した新たなビジネスの構築も進めている。
中国では、電子書籍事業を進めており、中国の作家や出版業界と連携しながら、中国オリジナルの電子コミックを積極的に投入している。ただ、中国の携帯電話加入者総数が8億人を突破する中、第三世代携帯電話(3G)端末の普及台数は未だ3,000万台にとどまり、同社が主戦場と考えている3Gへの移行が遅れている。このため、事業の本格的な展開には今しばらく時間が必要だ。
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